女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

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じゃあねジョンくん

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 死体を引き摺る列を横目に、俺とジョンくんは正門から中へ、そしてギルマスの部屋に通された。部屋には既に新サブマスの元冒険者達と、お茶汲みと間違えた有能サブマスが居て話を聞く状態になっていた。

「何処から聞きたい?」

「そりゃあどうやって仕留めたかだろ」

「状況と場所です」

サブマスの意見を尊重して説明した。サブマス達は野盗を見てないので、野盗に見える一般人の可能性を指摘したが、ジョンくんがそれを否定した。そして貴族の護衛依頼である為間違っていても罪にならない事を聞いた。金で雇われる一般人も居るからだそうだ。
人物の照合は明日と言う事で、三人のギルド証に振込みしてもらった。ギルマスの部屋にも、受付けにあるこの装置が置いてあるのだが、ジョンくん使えるの?サブマスが操作してるのを後ろから覗いてる。

「やっぱカケルが一人で殺ったのかー。あ、この名前は見た事あるぞ?…おい、何だこの雑魚の量…ってドラゴン居た!お前らも見ろ!カケル!これ一人で殺ったのか!?」

個人情報保護法は、無い。

「死体はどうした?」

「王家に献上、と言う名の貴族の略奪に遭った」

「お、おう…。そりゃあ災難、だったな。くー、俺も見たかった!」

「ドラゴン倒して王家に献上したんだからランク上がるだろ?ワーリンも熊っぽいのとか倒してるしさー」

「良し!今日からカケルは「Dランクです」何でだよー?」

「物が無いのが理由です」

「俺とワーリンとキュルケスで、ダンジョン行ける?」

「行けませんね」

「……もうおうち帰る」

「まてまてまてまて。なあマルトー、此奴はダンジョン行く為に遥々どっかから来たんだ。そう無碍にすんなよ?野盗だってモンスターだってこんなに殺ってんだぞ?」

「物が無いのが問題なんです」

「雑魚モンスターを解体したのなら一杯ある」

「では買取りカウンターで売り払って下さい」

「換金して帰る。じゃあねジョンくん」

ギルド証を返してもらい、下に降りて買取りカウンターに向かう。カウンターを素材で埋め尽くして溢れさせて全部売り、三人のギルド証に均等割で振り込ませた。


「…で、泣いて帰って来たのかい?よしよし」

泣いては無いぞ。とても悔しいが。ギルド証を渡して愚痴ってただけだ。

「もう、ダンジョンの門番ぶちのめして勝手に入るか…」

「それも良いわね。けどギルド証凍結されちゃうし買取りも出来無くなるわ」

「時期が悪かったね。よしよしよしよし」

「俺、家に帰るよ…」

「そうなのね…」

「オレ、一緒に行く!」

「私は、遠慮するわ。カケルさんの事好きだけど、私はもう冒険者したくないの」

「明日には出るよ。野盗五十人くらいの金、まだ貰ってないから使ってくれ。俺にとったら端金だしな」

「うん。もっと早く会いたかったな。一緒にランク上げて、ダンジョン行って…。そしたらもっと気兼ね無く愛し合えたかも…ね?」

キュルケスの唇が俺と重なる。そして離れて部屋を出て行った。その夜は飯も食わず、ワーリンに抱き締められて寝た。
俺はダンジョンに呼ばれていないのだろうな…。


 翌日、朝食にキュルケスは降りて来なかった。顔を合わせ辛いのだろう。俺もだ。宿を出て、門を抜け、橇風呂に乗って空に上がる。

「行くよ?」

「また来たら良いよ。今度はもっと暖かくなってからね」

「…そうだな」

島に向けて移動を始めた。そして肉まで全部売った事に後悔した。

「熊肉少し残しとけば良かった」

「お前さん、彼処に鳥っぽいのが飛んでるよ?」

「よく見えるな。けどあれ鳥じゃ無いな」

ワーリンの指差す先に飛んでるのは無駄に頭のデカいトカゲ、飛竜だった。

「あれもドラゴン?」

「食った事無いけどそうだな。何時も忙しい時に遭うから放置してたのだが…」

昼飯は君に決めた!
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