女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

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赤ちゃん

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 支度に時間の掛かる者を置き去りにして、俺とリュネ、テイカがセカンドハウスへの転移門を潜ると、気配を感じたブチ姉妹が駆け付けて来た。

「誰かと思いました」「びっくりしました」

「気配を察知出来るお前らにびっくりだよ。久しぶり」

「飛んで来るのは何となく分かるのです」「急に来たのでびっくりしただけです」

転移門のデメリットだな。俺やリュネの魔力が突然現れたら分かる人はびっくりするだろう。

「冒険者組は仕事か?」

「はい。朝から稼ぎに行ってます」「夕方には戻るようです」

「あ!カケル様、いらっしゃいませ」

「「リュネ様もいらっしゃいませ」」

世話係の三人も出迎えに来た。そしてぞろぞろとドアから出て来る嫁とメイドに挨拶ラッシュが始まった。

「リュネ、頼む」

「はぁい。カケルさんも行きましょうねー」

部屋の隅にドアを置いたリュネが発すると、瞬きする間も無く何処かの庭に着いた。何処かと言うか、寝具店の庭だ。リアの下賜したホルストがびっくりして嘶いた。

「カケル様!カケル様カケル様ぁぁぁ!」

此奴はブレないな。謎感知で俺と認識すると飛んで来た。

「久しぶりだなエージャ。ママ上殿にお変わりないか?」

「もうすぐです。産婆の予約もバッチリですーはーすはすは」

「サミイ達を呼ぶから挨拶させてくれ」

「すーーはい、どうぞ中へ。私の中にもどうぞ」

ブレないエージャの尻を揉み、ママ上殿の部屋に向かうと家政婦組合から派遣された女が三人、準備に忙しそうだった。

「まあ!カケル様、良い所にっ。今日か明日かなんですよ?」

「産み始める前でなくて良かったよ。今サミイ達を呼ぶから居間を借りるよ」

居間に戻り、リュネが転移門を設置してドアを開けるとサミイを先頭にぞろぞろ出て来た。

「旦那さま、ママはどうですか?」

「今挨拶したがまだ始まってなくて良かったよ。今日か明日か、だってさ。静かに行ってやれ」

はいっ!っと元気な返事をしてぞろぞろ出て行った。嫁三人メイド四人に龍三人。性奴隷と龍が一人と俺は居間で待つとする。こんな時、男は使い物にならない。その証拠に、親父殿は家から追い出されギルド近くの酒場に居るようだ。酒飲んで心配を紛らわそうって事なのだろうな。俺の時が来たらどうしているだろうか…。

「カケルさんは女と致してそうですねぇ」

「その時はあたしがお相手します。好きなだけどうぞ」

心を読んだのか?…思った事が顔に出たのだろうな。そう言えば鎧も着ないで来たんだった。俺も動揺していた…のか?カラクレナイの舌に抱き着く時脱いだままだったようで、俺用にラビアン達が繕った布のズボンがアイツを誇張していた。アイツの収まる部分を袋状に延長してあり動きを阻害しないスグレモノだが、勃起してるのが丸分かりで少し恥ずかしく、外は歩けない。少々失礼して皮鎧に着替えた。お前等見慣れてるだろう?何故凝視するのか?

 着替えが終わり、程無く皆が戻って来た。

「カケルー赤ちゃんー」

俺は赤ちゃんでも無ければまだ産まれてもないでしょうに。抱き着いて来るイゼッタをなでなで。

「カケル、今日はここに泊まる」

ネーヴェは人の出産は初めて立ち会うそうで、泊まりで見守ると言い出した。多分だが、此処に居る皆出産に立ち会うのは初めてだと思うぞ?

「ネーヴェよ、浄化の属性魔石を作って産室に置いてやろう」

「分かった!」

手持ちのミズゲルの核で浄化の魔石を四つと、雑木タオルを十枚程作ってやり、俺とネーヴェは産室に向かう。

「カケル様、着込んでしまわれたのですね、残念」

「浄化の属性魔石とタオルを持って来たよ。設置するので少し失礼するよ?」

タオルを派遣家政婦に渡し、部屋の四隅に魔石を置いて行く。爪の垢程度の魔力を込めて魔石を起動すると、部屋の空気が変わった。

「これでも強いか?」

「半分でいい」

対角の二つを部屋の外の廊下に置いて、これで良し。





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