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地域復興
しおりを挟む「主様よ、早いな」
ベッドに居ないと思ったら、朝の仕事をして来たようだ。
「飯作んなきゃだしな。リームは畑か?」
「ああ。生食い出来る物を持って来た」
「そうか、助かるよ。人数分に分けてやってくれ」
「うむ、少し待っておれ」
皿が浮き、切れた野菜が乗せられて、テーブルに飛んで降りて行く。早いな。
「待たせたな」
「待って無いな」
リームと共に男湯へ。雑木マットに寝かせていた女は体を起こして佇んでいた。
「起きられたか」
「えっ、あ…あんたは…?」
「俺はカケル、こっちはリーム様だ。様だぞ?」
「カケル様に、リーム様…」
「体が、軽くなって、変な気持ちだ…です」
「普段の話し方で良いぞ。それより、歩けそうか?」
「さあ…。力は入るけど…」
床に足を着いて立ち上がろうとしてふら付いた。倒れ掛けるのを支えてやる。
「っ、…悪いね」
「助けたのに怪我されたら馬鹿みたいだもんな。飯の時間だ。少しでも腹に入れといた方が良い」
「…済まないね。病気で寝たきりになっちまってから、今迄ちっとも歩いてなかったんだよ」
「歩く練習、しないとな」
共同浴場を出てテーブルに着かせると、両隣の女が介助してくれると言う。俺が食わんと食事が始まらんのでとっとと座っていただきます。
焼いて入れた魚も香ばしくて良き。リームの持って来たピーマン味の赤くて丸いピーマンも皆の口に合ったようだ。採れたて新鮮、パリパリでジューシーだ。チョーヨもスープを飲めたようで、泣きながら食べていた。
「旦那様よ、この者達は如何するのだ?」
食事を終えて食休みしていると、女達とミーネが集まって来た。
「如何と言われてもな。元の集落に帰しても良いし、此処に住んでも良いと思うぞ?唯、此処に居る面子じゃ生き難いとは思うがな」
「女達と話をした。我々の街に住まわせるのはどうだろうか」
元の集落に帰りたい者は居るのだが、元の集落が無いそうだ。そして、女子供だけでこの軍港を、自分達の命を守る力は無い。考えた結果の選択だろう。
「ならこの街は潰しても良いな。木を植えて森にしてやろう」
女達は着の身着のまま連れて来られたそうで、荷物も何も無いそうだ。それなら直ぐに出られるな。
話が纏まり女達が街の外に出る。俺は街の上空から街全体を《散開》させ、《集結》で金目の物を引っ張り上げる。小銭に小さな魔石。ちょっとしたアクセサリーが建物が崩れてグズグズになった地面から上がって来た。本当に大した量じゃ無いが、地域復興の手間賃に頂いておこう。
広場のあった辺りに壕を作り、ミーネが水を溜める。俺とリームは捨てる予定だった葉っぱから何とか苗木を作り出し、増やして増やして植林だ。リームの水で巨木の森になると、もう街の面影は無い。
女達の元に降りてUFOを出す。皆驚きながらも中を見て感心していた。
「カケル様、これは風呂なのかい?」
「水は重いから真ん中に置かないとバランス崩すんだ」
最近使って無いし、三十四人と俺達が入ると結構狭いので解体した。キッチンも今は要らないので居住スペースにして、トイレしか無いワンフロアとなった。
「忘れ物は森の中だから今更アレが無いとか言わないでくれよ」
「はは、良い思い出も無いさ」「捨てられて清々すらぁ」
幾分か笑顔の増えた女子供を乗せ、港街へと移動した。外が見たいと言う坊主共をトイレに連れてき下を覗かせ目を回させる経験を積ませ街に着く。UFOが降りられるのは船着場しか無いので、海水にぷかぷか浮かせて停泊させた。
「カケルさまー」「カーケルー」「「「カケル様ー」」」
外に出ると、バジャイを抱いたネーヴェが飛んで来る。地元の子供達、それにテッチー姉妹も来てるようで、走って来てるのが見えた。
「カケル、また女さらってきた」
「男も居るぞ。ほれ出て来い」
「や、やっと…地面ががが…」「揺れてる…地面が揺れ…」
そこ海だしな、揺れるだろ。浮かせて運んで大地の有難みを知らしめた。
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