女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

もる

文字の大きさ
933 / 1,519

膝枕

しおりを挟む


 攫って来たのでは無く、同意を得て連れて来た女達は、壁をくり抜いた家に数人単位で住んでもらう事になり、世話好きな先輩住民等に連れて行かれた。彼処もそれなりに入居が多く、若い連中は殆ど壁の中に住み替えたらしい。ネーヴェにバジャイ、子供達も遊びがてらに付いて行った。

「旦那様、私は湯にでも浸かってゆっくりするよ。明後日には建物を作るのだろう?」

素早く移動すれば新たな場所を探索出来るだろうが、それでも一泊二日の朝帰りでは仕事し辛いか。

「我も特にする事も無いな」

リームは一仕事終えているので既にフリータイム。儲かる農家のお手本だ。ミーネと共に風呂に行くと言う。俺は島に戻って赤ちゃん弄りでもするかな。

 島に帰るとテイカに出迎えられ、匂いを嗅がれ、まあ良いでしょうと許された。何が良いのか?
子供達と戯れようと下に降りると、お散歩の最中だった。抱っこ紐って、この世界にもあるんだな。リアとラビアン達が子供を抱えて歩いてた。

「重くないか?」

「貴方様、これは愛の重みなので受け止めなくてはなりません」

「転ばないようにな。所でそんな物何時用意したんだ?」

「カケル様、これはリュネ様に頂きました」

兎達曰く、リュネが布やら皮で作ってくれたのだと。有難い事だ。今散歩に出てるのは半数で、残りは子供部屋で遊んでると言う。子供達を撫で回し、序に親も撫で回して赤ちゃん部屋に向かうと、リュネが紙風船を浮かせて遊んでやってた。

「リュネ、抱っこ紐作ってくれてありがとな」

「ふふっ、大した事じゃないですよ。あちらの調子はどうですか?」

「住民の準備待ちって所だよ。手を付けるのは明日からだね」

「それで、何人手を付けたのやら」

「ミーネとリームの二人だけだよ」

「ふふっ、あら珍しい」

「男に襲われてたのを襲う訳には行かんだろ。それに、だいぶスプラッターなモン見ちゃったからな。精神の回復に努めたんだ」

「回復、します?」

「うん、少し寝る」

昼飯の時間迄、リュネの膝枕で仮眠した。


 そして翌々日。朝食を食べて小島の国へ向かう。今日は五龍揃って来た。まあ内二龍は遊びの予定だそうだが。

「カケル殿、漸く来たか。それに皆様方もようこそ…」

「ん~」「遊んでくるの~」

ボーデンフェルトが門前で待っている横を、遊ぶ予定の二人が飛んで抜ける。

「おはよう。住民の支度は済んでるのか?」

「昨夜の内に荷物は運び終えた。後は人の子だけだが、それも大体は終わった筈だ」

「確認したしたら始めようか」

「「うむ」」「はぁい」

 建築予定地に飛んで行き、《感知》で誰も居ないか確認したら、地上の物を《散開》させて粉っぽい更地にする。

「リーム、頼むよ」

「任されよ。…むんっ」

前回作ったのと同じような大きさで、煉瓦の塊が生み出された。そこから削って作るのだろう。ボーデンフェルトは道路に街路樹を植える。俺達は井戸作りだな。地面に井戸枠を乗せたら穴を開けて水があるかをチェックする。簡単なモンだ。

「カケルさぁ~ん。私も何かお手伝いしたいですぅ~」

「じゃあ、建屋の奥に壁でも作ろうか」

「お任せ下さいっ」

建屋の奥、草原の少し先に壁を作って貰う事にした。人を襲う魔獣やモンスターは居ないが、人を襲う野党なんかは居るからな。壁と平行になるように、厚さ三十ハーン高さ十ハーンの壁を、道の分十ハーン開けて百ハーンずつ建ててもらう。

「後でくり抜いて住めるように、煉瓦で頼むよ」

「はぁーい」

地面からニョキニョキと煉瓦の塊が生える。それが濠の端から端迄等間隔に伸びて行く。全長四十キロハーンを超える壁だ。

「こんなモノでしょうか」

「充分だよ、ありがとう」

「主様よ、此方も片付いたぞ」

「リームもありがとう。確認して来るから街路樹を成長させておいてくれ」

「承った」

リームがむんっと力を篭めると、今度は木がニョキニョキしだした。







しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

目を覚ますと雑魚キャラになっていたけど、何故か最強なんです・・・

Seabolt
ファンタジー
目を覚ますと雑魚キャラに何の因果か知らないけど、俺は最強の超能力者だった・・・ 転生した世界の主流は魔力であって、中にはその魔力で貴族にまでなっている奴もいるという。 そんな世界をこれから冒険するんだけど、俺は何と雑魚キャラ。設定は村人となっている。 <script src="//accaii.com/genta/script.js" async></script><noscript><img src="//accaii.com/genta/script?guid=on"></noscript>

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

レベルアップは異世界がおすすめ!

まったりー
ファンタジー
レベルの上がらない世界にダンジョンが出現し、誰もが装備や技術を鍛えて攻略していました。 そんな中、異世界ではレベルが上がることを記憶で知っていた主人公は、手芸スキルと言う生産スキルで異世界に行ける手段を作り、自分たちだけレベルを上げてダンジョンに挑むお話です。

魔力0の貴族次男に転生しましたが、気功スキルで補った魔力で強い魔法を使い無双します

burazu
ファンタジー
事故で命を落とした青年はジュン・ラオールという貴族の次男として生まれ変わるが魔力0という鑑定を受け次男であるにもかかわらず継承権最下位へと降格してしまう。事実上継承権を失ったジュンは騎士団長メイルより剣の指導を受け、剣に気を込める気功スキルを学ぶ。 その気功スキルの才能が開花し、自然界より魔力を吸収し強力な魔法のような力を次から次へと使用し父達を驚愕させる。

【完結】ポーションが不味すぎるので、美味しいポーションを作ったら

七鳳
ファンタジー
※毎日8時と18時に更新中! ※いいねやお気に入り登録して頂けると励みになります! 気付いたら異世界に転生していた主人公。 赤ん坊から15歳まで成長する中で、異世界の常識を学んでいくが、その中で気付いたことがひとつ。 「ポーションが不味すぎる」 必需品だが、みんなが嫌な顔をして買っていく姿を見て、「美味しいポーションを作ったらバカ売れするのでは?」 と考え、試行錯誤をしていく…

処理中です...