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膝枕
しおりを挟む攫って来たのでは無く、同意を得て連れて来た女達は、壁をくり抜いた家に数人単位で住んでもらう事になり、世話好きな先輩住民等に連れて行かれた。彼処もそれなりに入居が多く、若い連中は殆ど壁の中に住み替えたらしい。ネーヴェにバジャイ、子供達も遊びがてらに付いて行った。
「旦那様、私は湯にでも浸かってゆっくりするよ。明後日には建物を作るのだろう?」
素早く移動すれば新たな場所を探索出来るだろうが、それでも一泊二日の朝帰りでは仕事し辛いか。
「我も特にする事も無いな」
リームは一仕事終えているので既にフリータイム。儲かる農家のお手本だ。ミーネと共に風呂に行くと言う。俺は島に戻って赤ちゃん弄りでもするかな。
島に帰るとテイカに出迎えられ、匂いを嗅がれ、まあ良いでしょうと許された。何が良いのか?
子供達と戯れようと下に降りると、お散歩の最中だった。抱っこ紐って、この世界にもあるんだな。リアとラビアン達が子供を抱えて歩いてた。
「重くないか?」
「貴方様、これは愛の重みなので受け止めなくてはなりません」
「転ばないようにな。所でそんな物何時用意したんだ?」
「カケル様、これはリュネ様に頂きました」
兎達曰く、リュネが布やら皮で作ってくれたのだと。有難い事だ。今散歩に出てるのは半数で、残りは子供部屋で遊んでると言う。子供達を撫で回し、序に親も撫で回して赤ちゃん部屋に向かうと、リュネが紙風船を浮かせて遊んでやってた。
「リュネ、抱っこ紐作ってくれてありがとな」
「ふふっ、大した事じゃないですよ。あちらの調子はどうですか?」
「住民の準備待ちって所だよ。手を付けるのは明日からだね」
「それで、何人手を付けたのやら」
「ミーネとリームの二人だけだよ」
「ふふっ、あら珍しい」
「男に襲われてたのを襲う訳には行かんだろ。それに、だいぶスプラッターなモン見ちゃったからな。精神の回復に努めたんだ」
「回復、します?」
「うん、少し寝る」
昼飯の時間迄、リュネの膝枕で仮眠した。
そして翌々日。朝食を食べて小島の国へ向かう。今日は五龍揃って来た。まあ内二龍は遊びの予定だそうだが。
「カケル殿、漸く来たか。それに皆様方もようこそ…」
「ん~」「遊んでくるの~」
ボーデンフェルトが門前で待っている横を、遊ぶ予定の二人が飛んで抜ける。
「おはよう。住民の支度は済んでるのか?」
「昨夜の内に荷物は運び終えた。後は人の子だけだが、それも大体は終わった筈だ」
「確認したしたら始めようか」
「「うむ」」「はぁい」
建築予定地に飛んで行き、《感知》で誰も居ないか確認したら、地上の物を《散開》させて粉っぽい更地にする。
「リーム、頼むよ」
「任されよ。…むんっ」
前回作ったのと同じような大きさで、煉瓦の塊が生み出された。そこから削って作るのだろう。ボーデンフェルトは道路に街路樹を植える。俺達は井戸作りだな。地面に井戸枠を乗せたら穴を開けて水があるかをチェックする。簡単なモンだ。
「カケルさぁ~ん。私も何かお手伝いしたいですぅ~」
「じゃあ、建屋の奥に壁でも作ろうか」
「お任せ下さいっ」
建屋の奥、草原の少し先に壁を作って貰う事にした。人を襲う魔獣やモンスターは居ないが、人を襲う野党なんかは居るからな。壁と平行になるように、厚さ三十ハーン高さ十ハーンの壁を、道の分十ハーン開けて百ハーンずつ建ててもらう。
「後でくり抜いて住めるように、煉瓦で頼むよ」
「はぁーい」
地面からニョキニョキと煉瓦の塊が生える。それが濠の端から端迄等間隔に伸びて行く。全長四十キロハーンを超える壁だ。
「こんなモノでしょうか」
「充分だよ、ありがとう」
「主様よ、此方も片付いたぞ」
「リームもありがとう。確認して来るから街路樹を成長させておいてくれ」
「承った」
リームがむんっと力を篭めると、今度は木がニョキニョキしだした。
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