女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

もる

文字の大きさ
934 / 1,519

フォリ・ガウチ

しおりを挟む


 昼食を挟んで午後になり、リームを主軸に俺達も働いて、外濠街の景観が整った。とは言え街の中は殆ど草原と林なのだがな。

「硬い守りと豊かな水。良い街になった物だな。我にはこんな物を作り出す発想は無かった」

ボーデンフェルトが唸る。

「水が基幹産業になりそうだ」

ボーデンフェルトが更に唸る。生でも飲める魔法の水は地下水とは比べ物にならん程安全安心な水であり、商材となる事を告げると成程と納得していた。なればこそ、独占を厳しく取り締まるようにと釘を刺しておいた。

「旦那様よ、この街の名はなんとするのだ?人の子は名を付けるのが好きなのだろう?」

ミネストパレスの女王が、街に名を付けよと申される。

「うーん、濠が内でどうだ?」

「フォリ、ガウチ…」

片言?

「どんな意味ですか?」

「そのまんま何だが。濠が内側にあるから濠が内」

「「「成程」」」

濠が内って言ってるのに何故か片言でフォリ・ガウチになってしまった。言い易いのならそれでも良いや。


 隣の芝は青い。
人の欲が為せるこの感情はこの世界でも同様で、シルケでは港の広さに置き換えられて表現されると聞く。
ミズゲルの核や本体を拾いに来た俺と、デート気分で付いて来た妻三人、そしてお供のメイド四人は玄関前で主婦の一人と押し問答しているマシュエルを見た。どうやら城への入場が男子禁制(子供は可)になってるらしく、女王に対して陳情に来たマシュエルがそれを知って憤慨してるようだ。
俺も初めて聞いたのだが?

「俺、入れないじゃん。それにそんな事何時決まったんだ?」

「ご主人は王配であるし、問題無かろう」

「決めたのは街の女性達ですけどね。まあお風呂の利用で女性が多く居ますし…」

城が女専用保養所になってしまったようだ。で、女王はと言うと街の外に居て不在だ。リームと共にウラシュ島を見回って、野獣や鳥の生息環境を整える公共事業に当たっている。森が出来て、生き物が集まって来るのが面白くなったようで、言うなれば趣味だ。

「女王は儂等の言葉に耳も貸さんと言う事かっ」

「そもそも居なけりゃ耳も糞も無いだろう?もう帰んなよ」

煩いので出てってやるか。妻達はお風呂に行くってさ。

「よう、元気そうで何よりだが興奮し過ぎると血管切れちゃうぞ?」

「お、カケル様ぁ、聞いとくれよ。この人言っても聞いちゃくれないんだ」「カケル殿!?」

「男が入れないってのは今知ったが、女達の息抜き空間になってるみたいだし、そこは妥協すべきだろうな」

「なら何であんたは城の中に居るんじゃっ」

「王配だから良いみたい。メイドが言うのだからそうなんだろう。ボーデンフェルトだって何時も此処で待ってるんだ、その意味を考えろよ?」

「ぐ…」

地元の強者の名を出すと勢いが削がれたようで静かになった。

「陳情があるなら紙や板に書き出して持って来い。それなら不在でも後で確認出来るだろ?それに公共工事してくれてる龍にその口は不敬だよ。婆ちゃんが泣く事になるから止めとけ」

「クソっ、それで時間稼ぎでもするつもりか」

「馬鹿か。公文書は形に残す事で証拠になるんだ。口約束なら聞いてませんで済んじまうだろ」

雑木紙を二枚渡し、複製も書いて待って来いと指示すると、悄悄すごすごとバス停へ歩いて行った。

「…ったく、思考が固まってんな」

「来てくれて助かったよ。アタシじゃもう手に負えなくてさ」

「止めててくれて助かったよ。礼をしなくちゃな…」

「あ…、良いのかい?」

腰を支えて促すと、正直な体は抵抗無く付いて来る。女達が見遣る中、普段滅多に使わない、一階の部屋に連れ込んだ。

「初めて入るよ…」

「客室ではあるんだが、お前達が使うとあっちが廃墟になっちゃいそうだから内緒な」

「それが良いさね…あっ…あむっ」

妻達が湯上りするので急がねば。全身使って口とおっぱいとお股を愛撫すると、興の入った女が股に挟んだアイツを擦りだし、湿り気を帯び始める。大きく擦り上げた割れ目の中に、滑りを纏ったアイツがにゅるんと挿った。






しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。 不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。 14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。

辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します

潮ノ海月@2025/11月新刊発売予定!
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる! トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。 領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。 アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。 だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう 完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。 果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!? これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。 《作者からのお知らせ!》 ※2025/11月中旬、  辺境領主の3巻が刊行となります。 今回は3巻はほぼ全編を書き下ろしとなっています。 【貧乏貴族の領地の話や魔導車オーディションなど、】連載にはないストーリーが盛りだくさん! ※また加筆によって新しい展開になったことに伴い、今まで投稿サイトに連載していた続話は、全て取り下げさせていただきます。何卒よろしくお願いいたします。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

処理中です...