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太客
しおりを挟む削ってた場所を切り取ってしまい、イゼッタに詫びてこの日の作業は終了となった。俺の方の作業は残るは装飾と家財の搬入だけなので、実質お役御免なのである。明日からはイゼッタにテイカ、他にも多数の女達が部屋作りに参加してくれるそうな。
そして翌日。買い物すると皆に伝えてやって来たのはバルタリンド。皆から色々とお使いを頼まれたので、先にそっちを済ませるつもりだ。
「行ってらっしゃいませ、カケル様」
直通のカロ邸からアルネスに送られて、向かうは商業ギルド。寝具店からの方が近いけど、ママ上殿とエージャしか居ないと時間が掛かってしまうからな。サミイにもダメーって言われたし。
野菜の種に調味料、農具、布や糸、石鹸等を買い漁り、買い物より移動に時間が掛かった結果、串焼き食って午後になった。
「いらっしゃいませ。本日はどのようなご要件で…」
商業ギルドの受付嬢が、張り出すペニスケを見て固まった。
「土地を買いたいんだが、先ずはその場所が売地なのか確認したい」
「…は、はい。場所は何処になりますでしょうか」
街の地図を取り出してカウンターに広げると、俺は一点を指差した。
「そこは所有者がいらっしゃいますね」
「買えるかな?」
「お値段次第としか」
「そうか。値段交渉は任せても良い。見積もりが取れたらメリクヒャー家に連絡を頼む」
「メリクヒャー様が購入なさるのですか?」
「ギルドの繋がりで連絡が入れやすいんだ」
これもあるから直通のカロ邸を選んだってのもある。
「因みにですが、予算の方は…」
「現金もあるが、現物ならコレを出しても良い」
トカゲの魔石をゴロゴロっとカウンターに乗せてやると、直ぐに眼鏡を掛けて《鑑定》を始めた。
「ほ、本物でしね…」
噛んだな。スルーしてやるのが良い男ってヤツである。
「冒険者だからな。ダンジョンで稼いでるのさ」
「宜しければ、幾つか卸して頂けると…」
「地主が現金を欲したら、な」
「あ…、承りました。必ずや良い報告をさせていただきます。私、プリニアと申します」
「カケルだ。よろしく頼むよ」
直ぐに買えるとは思って無かったので、今日の所はこれで良し。プリニアと数名の受付嬢に送られて、商業ギルドを後にした。太客と思われたようだ。帰りはシンクレイアとガンダーを愛でにギルドへ寄って、メッツくん経由で島へと帰宅した。かわゆし。
「お帰りなさいませ、カケル様…スンスン…?」
「誰とも致してないぞ?」
「お身体の調子が悪いのですか?」
「買い物する元気はあるな。搬入するから何人か集めてくれ」
テイカのチェックを通過して、食堂でお茶にする。お茶に豆乳と黒糖が入ってて、和風ソイラテみたいだ。上の方でガリガリ音がする。きっと誰かが装飾しているのだろう。防音対策した方が良いかと思ったが、時間を弄るから問題無いか。
「カケル、帰ってた」
「上で作業してたのイゼッタじゃ無かったのか」
「ん、私外。ラビアン達が中やってる」
搬入にはイゼッタと兎女児達が集められた。荷物持ちも搬入するのも俺だけど、置く場所が分からんのだ。四人の案内で倉庫を巡り、荷物を搬入して回った。
「カ~ケ~ルさぁん」
「な~に~かな?」
「ダンジョンから金属が届きましたよ」
「おお、来たか」
農具を仕舞って搬入終了。倉庫から出て来ると、リュネがポテポテ走って来るのが見える。以前プリキオーネに約束させた金属が届いたそうだ。
「何処にあるの?ダンジョンから出て来た感じはしないけど」
「アレには箱を渡してあるので食料箱から取り出せますよ」
キンキンに冷えてるって事か。とにかく受け取りが楽しみだ。夕飯の片付けが終わったら確認するかな。それ迄は暇になったのでインゴット作りに費やした。
夕食後、食料箱に入ってる金属を見て唸る。量は凄いが金属色々一緒くたにされていた。複合施設でなければ床が抜けてたよ…。
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