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お姉ちゃん
しおりを挟む明るく照らされた広間には、数々の料理に酒、そして着飾った女達が居て、俺が入室すると静まってこちらを向き頭を下げた。これ、何か挨拶する流れ?
「何か言うべきか?」
「当たり前ですよ、王様」
「マジか…。今日はブラマハーンの姫、ピエルタ嬢を迎えての祝宴である。晩餐に携わった者に感謝し、大いに楽しんでくれ…で、良いか?」
「はい」
メイド達がグラスに注がれた酒を配る中、簡単な挨拶をする。俺の所にも酒が来た。ピエルタは酒か?それとも果実水か?
「それでは乾杯の音頭を」
「一番嫌な仕事だぜ…。乾杯っ」
口に含むと皆も倣って酒を煽る。林檎みたいな甘い香りはとても良いが、アルコール強いなぁ。果汁の状態で頂きたかった。
立食スタイルの晩餐は、メイドが皿にサーブして来賓に渡す感じ。それを個別のテーブルに持ってってフォークを使って食べるようだ。率先してやってくれたピエルタに感謝。俺も適当に盛ってもらおう。
「カケル!こっち!来賓に歓待すんだろ?」
料理の盛られた皿を持ち、呼ばれたテーブルに向かってく。
「公な場だぞ?」
「うっ、…申し訳ございません、カケル王」
「冗談だ。第三国が居たら大恥かくのは親父だからな」
「うん」
「それにしても良い服があったな。お姫様みたいだ」
「俺はお姫様だ。カケルは王様には見えないけどな」
「俺は冒険者だ」「今は王ですよ?」
エンメロイに注意されちった。
「姫様に於かれましては、昼間は長くお楽しみになられたようですが、何をなされておいででしたか?」
「皿投げてた!後走り回ってたぜ!」
「皿…、お皿、ですか?」
「ああ!カケル、アレ出してくれよ!?」
「ピエルタ、食事が落ち着いてからにしような?今投げると中身乗ったまま投げる者が出そうだ」
「ん、落としたら勿体無いもんな」
良い子だ。そしてピエルタは手振り身振りで皿投げを説明し、大臣達もその様子を注目した。良い子で、話術にカリスマもある。親の教育の賜物だな。
「何ニヤニヤしてんだよ?」
「ホッコリしてたんだ。家の子供達もピエルタみたいに良い子に育って欲しいなぁ、とな」
「子供居たのかよ。後子供扱いすんな」
「まだ一年経ってない赤ん坊だがな。ピエルタの歳になって、どれだけ近い事が出来るか、楽しみで不安だよ。見習うべきお姉ちゃんだ」
「俺なんて一番の末っ子なのに…。お姉ちゃん、か…へへっ」
お姉ちゃん呼びは末っ子に刺さったようで、お近寄りにきた大臣達とも終始笑顔で対面していた。大臣達が裏表無く接したからってのもあるだろう。子供はそう言うの敏感だって言うしな。
「なあカケル。ちょっと気になったんだけどさ。男ってカケルしか居ねーの?」
不意に問うピエルタに場内が静まり返るが、俺は普通に返す。
「寝てるんだよ。夜だしな。ちゃんと居るし、仕事もしてる。唯、国の要職には就いてないんだ」
「へー。そんで父様達に舐められてたんか」
「男が政に参画すると直ぐ戦争とか隠れて悪い事始めるからな。元皇帝達だって魔王に心を奪われて色々迷惑掛けてたろ?」
「魔王!?居るのか!?」
「立入禁止で封印してあっぞ」
「それで俺達の国から色々奪ってったのか…」
「負の感情を集めたかったらしいな」
「魔王が居るなら勇者は居るのか?」
「お前勇者物語とか好きそうだな」
「寝る前は何時も読んでもらってるぜ!」
「勇者な、俺の娘に転生した。これ内緒な?」
「「「ええーーーっ!!」」」
その場に居た者全てが驚いた。妻達にも話してない事をポロッと言ってしまったが、薄い自白剤なんて入ってなかったよな?
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「まだ離乳食食べてる赤ちゃんだよ。言葉がちゃんと話せるようになる迄待ってやってくれ」
「見たいのに!」
「デカい騎龍に乗った強くて美人なお姉ちゃん…。きっと憧れの目で見てくれるだろうなぁ~…」
「俺、強くなる!」
美人にもなってくれ。
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