女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

もる

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諦めてる

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 時短のおかげで忙しい。十ピル程してマタルとフサナリを取り出し硬さのチェック。何方も芯は無さそうだがもう少しだけ放置して、サヤノクサが煮えるのを待つ。二リット程で箱からサヤノクサの鍋を取り出し硬さチェック。確か一リットで五オコンくらいだったよな。充分に柔らかくなったので、それぞれを湯切りして《散開》でペースト状にした。

「お団子になりましたね」

「カケル様、お団子好きですもんねー」

「今回は調味料を作るから塩っぱくするんだ」

団子になった豆を浮かせ、サヤノクサは三つに、マタルとフサナリは二つ分ける。

サヤノクサ+マタル+フサナリ
サヤノクサ+マタル
サヤノクサ+フサナリ

それぞれ合わせてこんな感じにした。そこに弥一に貰った味噌と塩を混ぜて捏ね回す。塩加減は難しいから天に運を委ねるしか無い。

「今、何を…」

「食べられない物を見たのですが…」

「う…ん「違うから!茶色い食べ物だからっ」」

薄らと茶色く色付いた三つの団子を見て、動揺を隠せないラビアン達。味噌はまあ、見た目まんまだからなぁ。空いた鍋にそれぞれの味噌種を空気が入らないように押し入れて、箱に安置する。コレで半年は待つ事になるのだが、先ずは数リット待って様子見する。待ってる間はお茶にしよう。

「カケル様、アレはどう言った調味料なのですか?」

「豆を発酵させて旨味を増やした物だ。スープの味付けにしたり、肉や野菜に漬け込んだりして使うのさ」

「はっこう…」

「酒を作る時と似た効果だな」

「精霊の加護」「貴方様、お料理ですか?」

イゼッタにリア、それにラビアン達が子供達の散歩に来た。

「精霊の加護って言うのか。所でサミイは?」

「リュネ様やカララ様達と冒険に出て居ります」

「午後にはもどるって」

俺より冒険者してるな。言ってくれれば俺も行きたかったぞ。
少々時間が過ぎてしまったが、箱から鍋を取り出して、中身を混ぜる。殆ど変わって無いな。三ヶ月だと…八オコンくらいか?寝る前に一度混ぜて、翌朝には出来るだろう。

「カケル、なにそれ」

「味噌だよ。豆を使った調味料だ」

「みそ…」

「見た目のインパクトが強いから好みは分かれるが、茶色い食べ物に慣れて来たお前達なら大丈夫だろう」

「貴方様を信じております」「諦めてる」

黒糖製品はもりもり食う癖に…。

昼飯の支度が始まると言うので幼児部屋で子供達と遊んで時間を潰した。

味噌も仕込んだし、醤油にも手を出したいが、生醤油でも無きゃ種には出来んので醤油としては諦めざるを得ない。しかし味噌を種に醪がもろみ 作れれば何とかなるかも知れないな。
現代味噌チートでは無双出来無いのは確実だ。幼児達を浮かせながら、己の欲の無さに笑う。

 昼食を食べ、午後はゆっくりと過ごし、帰宅したサミイとカラクレナイの冒険譚を聞きながらの夕食となった。

「葉っぱいっぱい採ったの」

「野獣居なくて良かったです!」

「危険が無くて何よりだよ。けど警戒は解かないようにな」

サミイとカラクレナイ、そして付き添いのリュネとミーネは薬草の採取をして来たそうだ。二人が楽しく採集する傍らで、その近辺の魔物や悪党は大人龍に殲滅させられた事だろう。街の外の治安がどんどん良くなって行く。


 寝る前に掻き混ぜた味噌種は、朝になって確認するとしっかり味噌になっていた。
サヤノクサとマタルの味噌は赤味が強く、塩気を強く感じた。醪にするのに良さそうだ。サヤノクサとフサナリの味噌は逆に一番白っぽく、味は甘さを感じるので、加糖して菓子に出来そうだな。三種混ぜた物はその中間の色をしてて、味も中間と言った感じ。どれも良い味噌だ。

「カケル…それ…」

「これが味噌だよ」

食後の片付けを終えた厨房で三種の味噌の味比べをしていると、偶々近くを通りがかったイゼッタに見られてしまった。

「おいしいの?」

「味見す「いらない」…そうか」

見た目でダメなら仕方無いな。《収納》して仕事に向かおう。





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