女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

もる

文字の大きさ
1,432 / 1,519

雑魚の餌

しおりを挟む


 港の見える場所迄降りて行くと、トーピードとトーピードが戦っていた。片方は二足歩行、もう片方はボヨボヨボディで口から煙を吐いている。あれ臭いヤツだ。

「総員!退けえっ!!」

「「「うおおおおおっ!」」」

五月蝿い。二足歩行共が手際良く水際から離れ、此処からは俺の仕事か。《感知》で周囲を確認し、先ずは港周辺を《威圧》の壁で塞ぐ。これで行き来が出来無くなった。後は追い出すだけだ。ボヨボヨ共に《結界》を纏わせ《威圧》の壁の外へと飛ばす。水中に潜んでいても見逃さん。浮き上がり、飛んで行くボヨボヨ共の姿に、二足歩行共は何も言えなくなっていた。

「カケル、お前ぇ、凄ぇ奴だなっ!?」

「まだだよ」

港の中に居たトーピードを追い出して、終わったモノと勘違いするディカッカを止めると浮き上がり、魚雷渦巻く港の外へと飛んで行く。
陸ではボヨボヨのトーピードも海の中ではとても素早い。《威圧》の壁に突進したり、ぐるぐる旋回したりして、未だ怒りが収まらぬと言った様相を見せていた。

気絶しないギリギリを狙って《威圧》すると、みるみる内に海水が濁り、濁りの中から外海へ魚雷が飛んで行く。

「意趣返しに糞されちまったぜ」

「ンなモン雑魚の餌にならぁな。助かったぜ!カケルよぉ!今夜は祝いだ!とっとと仕事ぉ片ぁ付けてっ!店にカチ込むぞおおおっ!!」

「「「うおおおおおおおおおおっ!」」」

五月蝿い。店の名前はサンジョリンの店。二本目通り、一番手前の場所と聞く。後で向かうと約束し、夕方迄ワーリン家で休憩する事にした。ずっと人が居て恥ずかしかったのだ。

「はあ!?ディカッカに?飲みに誘われただとっ!?」

「あンた!静かにおしっ!」

 リュネやワーリンも誘おうと思ってさっきの話をしたら、パパリンが急に大声を上げ、ママリンにドヤされた。

「港でちょっと仕事をしたら、ウケが良かったみたいでな。ネーヴェ達を回収したら飯を奢ってもらおうと思う。キキラも連れてくか」

「お前さんともなると人程度じゃ屁でもないもんねー。オレ、ガキの頃ディカッカさん見て泣いちゃったぜ?これキキラには内緒な?んじゃ言って来るねー」

ワーリンがキキラの家へと出て行くと、静かに聞いてたアルアが口を開く。

「私等がご一緒しても大丈夫でしょうか…?」

「変な事したらお腹痛くしてやるから大丈夫だよ」

「私も変な事されたら守って下さいねぇ~」

「させないよ」

厄災から船員共を守護らねば。

そうこうして居る内に台所から良い匂いが漂って来る。ママリンが夕飯の支度を始めたみたい。

「そろそろネーヴェ達を回収するかな」

「私が行きますね~」

言ってる傍から消えた。リュネもやる事無くて退屈してたのかも知れないな。

「アルアは楽しめたかい?」

「はい。鉱山のお店を回って来ました。話には聞いて居りましたが来たのは初めてで、楽しい思い出を沢山作れました」

「何よりだよ」

「ただーまー」「「「ただいまー」」」「戻ったよー」「戻りましたぁ」

座標設定上手いな。六人が家具にめり込む事無く現れる。

「お帰り。やっぱりリュネは凄いな」

「うふ、もっと言って下さぁい」

「お腹、すいた」「「「腹減った」」」「僕も」

「夕飯をご馳走してくれるって奴が居るから皆で集りに行こう」

「いくー」「「「うぇーい」」」「集る?大丈夫なの?」

一部不安を抱える者を含みつつ、十人は指定された店に向かうのであった。

「寒い!」「あはばばばっ」「しぬっしぬるっ」

夜の外は寒かった様だ。動く丸太を量産し、店へと向かう。店の場所は地もピー二人が詳しかったので付いて行く。途中から喧騒と《感知》で見えたので分かったが、敏感女用心棒の居る店だった。

「カチ込みに来たぞー」

「おう!来たかっ!」

「「「うおおおおおおおっ」」」

五月蝿い。迎えに出て来たディカッカに仲間を紹介する。

「確かそっちの二人は傭兵んトコの」

「キキラだ」「ワーリンだ」

地もピーは顔が広い。











しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。 不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。 14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します

潮ノ海月@2025/11月新刊発売予定!
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる! トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。 領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。 アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。 だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう 完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。 果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!? これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。 《作者からのお知らせ!》 ※2025/11月中旬、  辺境領主の3巻が刊行となります。 今回は3巻はほぼ全編を書き下ろしとなっています。 【貧乏貴族の領地の話や魔導車オーディションなど、】連載にはないストーリーが盛りだくさん! ※また加筆によって新しい展開になったことに伴い、今まで投稿サイトに連載していた続話は、全て取り下げさせていただきます。何卒よろしくお願いいたします。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る

マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息 三歳で婚約破棄され そのショックで前世の記憶が蘇る 前世でも貧乏だったのなんの問題なし なによりも魔法の世界 ワクワクが止まらない三歳児の 波瀾万丈

処理中です...