女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

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依存

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 今日進めたのは十階分、しかもハズレルートを幾つか端折ってだ。見付けてしまった所は全部調査したが、それ以外はスルー。加減しているのもあるが、穴を掘るのに時間が取られるので一日の進みが十階層程度となってしまうのは仕方の無い事だろう。現在三十階、残り七十階。現在二日目で行きで七日。帰りは急いで五日として十四日。遅れが怖くなる気持ちも分かる。

「カケルよ、お前スープはどんだけ持って来たんだ?俺はもうそれが無いと飯を食った気がしねぇ」

装備の整備を終えたバシットがスープの前にドカッと座り湯気を吸う。遠征中に温かい物を食う習慣が無かっただけに依存度は高そうだ。

「食べ盛り六人が日に二食として…そうだな。後五日分はあるな」

「なん…だと…」「宿屋の飯並のスープが…」「戻るか。スープを作って出直しだろう?」

「落ち着け。材料はあるから問題無い」

此処は依存者だらけだ。若しくは女達が何か混ぜたか?全員の整備が終わったので飯を食う。女達が愛情込めて作ったスープは後五日分。有難く食え。

 食後、高鼾の馬鹿を放って少しだけ先の事を話し合う。調査の優先度を、最奥に行くと言う事に重きを置く方針としたのだ。空洞に出ても何も無く、ダンジョンで無くなった事も確認出来た。となれば後は最奥を確認するだけとなった訳で、五人はその案を了承。バシットは起きてから説明すれば良いとのバルディの判断となり、夜警しながら寝た。

「皆が話し合ってそう決めたのなら俺は従う迄だ。コイツが飲めなくなるのも困るしな」

スープ片手にサラりと言うバシット。決断が早い。食事を平らげ片付けると、穴掘りを進めて行った。

「空洞だが、敵の気配は無いな。カケルはどうだ?」

「同意だ。死んでるのも無いな」

「お前そこ迄分かるのか」

バルディの質問に答えると少し驚かれるが、それだと死霊系の敵に気付けないのでは無いか?俺遭った事無いけど。バルディ曰く、死霊系のモンスターは墓場や死体の近くに湧いて出ると言う。そう言や墓場ってイゼッタの家族の所しか行った事無かったわ。そんな感じで見付けてしまった空洞も索敵だけでスルーする事になり、進行速度が少し上がり、今日はちょっと残業して二十階分降りる事が出来た。

「三日で半分なら余裕が出るね」

「話は後だ。先ずは飯飯っ」「食ったら直ぐに寝ちまうだろうが」

ダールッターの言葉を遮ってスープを強請る馬鹿を突っ込むバルディ。もう慣れたモノだ。敵も無く、唯潜るだけの仕事だが、何だか冒険してるみたいで、ちょっと楽しいな。


 その後一日半を掛けて八十階に到達。ボス部屋を掘り進んで下へ向かうが、やはり嫌な感じはしなかった。してたら普通の冒険者ならおかしくなっているだろうし。

「よくもまあ、こんな大部屋に詰め物したモンだ」

「だな。ダンジョン潰す気満々、と言った所か」

「それだけ執念があったのだろうな」

装備を外し、整備を始めるバシットに、同調するツッコミ担当。そこへ照明係が乗っかった。

「執念か。何に関しての執念だろうね」

ギルマスは動機を考えつつ、皆にも予想を求めた。

「ダンジョンに親でも殺されたか?」

鎧を脱いだアーチヴがお決まりの台詞を放つ。親でも妻子でも仲間でも、大事な誰かに対する思いは強い。

「俺達にはよくある事だな。街を潰すのが目的かも知れんぞ?」

最初に出たのが正解なので、他は捻らなければならない。バシットは捻った結果、陰謀論を導き出した。

「街を担う者の一人として、恨まれるような事はしてない…と思いたいね」

「勿体無いな。この街の女は若くても積極的だし」

が積極的何だ?」

「どう積極的なのだ?」

「何処で積極的なのか」

「幾らで積極的なのだ?」

「誰が積極的なんだい?」

グイグイ来るなぁ。断欲生活も長くなって来たし、そろそろ金玉パンパンなのだろう。勿論俺もパンパンなのだが。




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