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外歩きの練習なんだけど、タララのせいで弱い敵が出ない
しおりを挟む不貞寝から目覚めて下に降りると、女三人急ぎ足で寄って来た。
「「ごめんなさい!」」「…ごめん、なさい」
「何について謝ってるんだ?鍋でも焦がしたか?それとも壁に穴でも開けたのか?」
「違うもん…」
「建具屋が閉まっておりまして…」
「はぁ。ここからは私が言うわ。三人で建具屋まで行ったけど、今コイツが言ったように閉まってて買えなかったの。買う意志があっても買えなかったのだから、パーティー解散なんて言わないわよね?」
「そうだな。それは次回持ち越しにしておくよ」
「それと、二人は無駄にエッチな誘いをしないって事に決めたそうよ?乳クリ合うならあんたから誘いなさいよね?」
「助かるよ」
「…で、なんか、生意気な事ばっかり言って、ごめんなさい」
「無理して謝られてもなぁ」
「今放逐されても生きられないもの。1人でも生活出来るようになるまで私達を導いてください。お願いします。料理も掃除も覚えます」
「ゲイ~ン」「ゲイン様ぁ」
「ゲイ~ン」「ゲイン様ぁ」
「ゲイ~ン」「ゲイン様ぁ」
「分かったよもう!」
タララと大きいヤツが指をワキワキさせて来るので思わず折れてしまった。とっとと飯にするぞ!
「「ありがと」うございます!」「…ありがとう」
部屋が真っ暗になる前に夕飯にする。買って来たソーサーに、作り置きして温め直したスープ。そして下味を付けた肉を焼いて夕飯の完成だ。水と水飴もちゃんと用意したよ。
「甘い!美味い!」
水飴を塗りたくったソーサーに噛み付いて、幸せを噛み締めているのはタララだけではない。三人が三人、蕩けた顔でソーサーを味わっていた。俺もまた然り。甘くなったソーサーに焼肉の塩味が加わり甘塩っぱくて美味い。そして骨を煮出したスープがまた格別だ。酒場のスープの100倍美味いと感じるのは自画自賛では決して無いはずだ。
「お店が出来ますね」
「屋敷に呼ばれたら二度と外に出られないわね」
「狩りで獲れた小さい獲物は煮てスープにされるんだけど、骨から味が出て美味くなるんだ。骨が当たって食べにくいけどみんなに行き渡るからね。それを参考にしてみたんだ」
「大きい骨なら先に取り出せますからね」
「貴族の料理人は何でそんな事に気付かないのかしら?」
「さあな。自分で食わないからだろ」
「かもね~。あ~、甘いのクセになるぅ~」
明日からの分残しておけよ?夕飯を食べ終えて、片付けをしたら風呂に入って、火の始末をして寝た。夜更かししてチップを千切りたいが、油もタダじゃないからな。
明けて翌日。朝食を摂って身支度を終えた俺達は、戸締まり用心火の用心して一路東門へ向かう。俺とタララは金属装備なので、いつもの感覚だとだいぶ遅いが、奴隷達には丁度良さそうだ。
「ねえ。あんたの村まで、どのくらいかかるのよ?」
「まだ街の中なのに疲れちゃったか?」
「そこまでヘナチョコじゃないわよ!」
「休憩はこまめに取るから安心しろ。今のペースで夕方までに着かないと野宿する羽目になる」
「って事はさ、ゲインのいた村までは丸一日歩くって事?」
「アクシデントが無けりゃな」
「ゲイン様、それですと村に着いても野宿する事になりそうですね」
「そうなるな…。とは言え街に近過ぎて野営地が無いんだよね。まあ、ブロック積めば外での野宿もそれなりに安全か」
話の途中で東門に到着し、門番に挨拶して外に出た。
「休憩するか?」
「荷物が無いから問題無いわ。マジックバッグ様々ね」
「なら木の門で休憩だな。みんな武器は提げとけよ?」
「私はこれにするわ」
小さい奴は棒を出し、トンと地面を突いた。杖代わりにするのだろう。タララは金棒だ。肩に担いで行くようだ。大きいヤツは刺突剣を腰に着けた。この中で1番強そうに見える。俺は腰にナイフや鉈が着いているのでそのままだ。木のナイフはもう要らないかも知れない。
街道を早足で進む。装備のおかげで走っても大して早くならないから走るだけ体力の無駄なのだ。それでも小さい奴がバテ始めるので歩くのも織り交ぜて移動して、木の門に着いた。
「こんにちわ~」
「…お前、ゲインか?」
「ゲインだとしたら…どうする?」
「殺す!殺してやる!後ろに居るの全員女だろ!このハーレム野郎、見損なっ「馬鹿もんがっ!」」
嫉妬に狂ったジェーンを隊長さんがドヤしつける。いつもの風景平和な証拠だな。
「隊長さん、こんにちは。ちょっと遠征して来るよ」
「ゲインの住んでた村に行くの」
「そうか。気を付けろよ?気になる事もあるからな」
「それって、父さんの事?」
「いや…。確かにファルケは見てないな」
「村に行って、父さん達に野菜を卸せって言いに行く予定なんだ。街に来てた知り合いも心配してるからねー」
「そしてご家族様に紹介して頂きます」
「爆ぜろ畜生!」
「良い人、紹介しようか?」
「お前が神か」
膝を折り祈りを捧げるジェーン。今なら何でも言う事聞きそうだ。
「ゲイン、相手の都合も考えるべきだぞ」
隊長さんがもっともな事を言う。ジェーンに彼女など、できる訳が無いのだ。
「そうだね。じゃああっちで休憩するから、また~」
「ゲイン頼むぞー!」
自分に彼女ができる事を信じて疑わないジェーンをよそに、俺達は畑の横の草藪で休憩だ。柵の周りは草が刈られているので座りやすいし、薬草をつまみ食いするのに丁度良い。ささっと10本程摘んだら、みんなに配って座って齧る。水飴も良いけれど、カツリョクソウの淡い甘さも良い。回復もするしね。
「ゲインー、あたい甘いのが良いー」
「夜まで待ってれ。あれは人に見られて良い物じゃ無い」
「確かに危険かも知れませんね」
「お金の匂いしかしないものね」
「ぐるる…、絶対だかんね?」
熊顔で威嚇するな。トイレはまだ良いらしいので休憩を終わらせ先に進もう。隊長さんに挨拶し、木の門を後にした。
街道を進んで行くと、道の脇に倒木が目立つ。行きにはそんなに無かったし、胴回り程もある大木がへし折れている。貴重な建材になんて事するのか。
「これってさ、モンスターとか魔獣の類いかな?」
「かも知れませんね」
「タララ、マジックバッグに余裕はあるか?100ナリ分に切って持って行こう」
「え?良いけど何に使うの?」
「色々だな。建材にもなるし、二人に持たせて武器としても使える」
「持てないわよ!」
「射出するんだよ」
「あ…」
仮面の下は赤くなってるかも知れないな。折れてバサバサの部分と枝を収納してスパッと切って捨てると、タララが100ナリ分で収納する。本当は魔法で脱水したいけど、温存しておいた方が良いだろう。切り取った丸太を一旦出して、奴隷二人にそれぞれ8本、持てるだけ持たせた。俺は2本、タララは4本収納した。
「立派な家ができるわね」
「時間はかかるが丸太小屋くらいなら作れるだろうな」
「ゲイン、見て」
タララが何かを見つけたようで、見てみると獣の毛だった。
「熊の毛、かな?コイツ持ち主が木をへし折ったんなら、魔獣化してるかも知れないな」
「怖いねー」
確かに怖い。見つからないよう祈って、音を立てないように先を急ぐ。自然とみんな早足が早くなっていた。
森の街道を抜けて草原に出たのは午後を少し回った頃だろうか。昼飯を食わずに森を突っ切った。
「どうやら…、見つからなかったみたいだね」
「少し行くと小さい丘があるから、そこで昼にしよう」
「足にマメができたわ」
「靴に見えてサンダルだもんな。丘まで我慢できないなら背負ってやる」
「いーなー」「羨ましいです」
「我慢できるけどこいつらを羨ましがらせたいから背負ってちょうだい」
口ではそんな事言ってるが、多分痛いんだろうな。ここはまだ森の目と鼻の先、熊がいるなら危険地帯だ。背負ってとっとと逃げるに限る。
「随分警戒してるのね」
耳元で囁かれるとゾクゾクします。
「熊に追いかけられた事無いだろ?俺はある」
「熊って、あれ?」
ドキッとして指の先を見ると、タララだった。大丈夫、感知系スキルにもタララの謎感知にも反応は無い。
「タララもたまに怖い顔になるな。けどそれの比ではないよ」
俺は動けなくなるけどな。
「ゲ~イン~。怖くないよ~。優しくて可愛いタララちゃんだよぉ~?」
「ゲイン様、私も優しくて可愛いです」
耳聡いタララに乗っかって大きいヤツまでからかって来た。怒るとトラウマ顔になるタララに、刺し傷をくれた大きいヤツ。優しいとは一体どんな意味なのか…。
「良かったわね、モテモテで」
「モテないよりはな」
丘の近くに敵はいないのを確認し、やっと一息着ける。背中にしがみ付く小さいのを降ろして先ずは治療だ。
座らせて、具足とサンダルを脱がせると、親指の股から足の甲にかけてプクッと数箇所膨らんでいた。1ヶ所は潰れてるな。ナイフで水脹れを切って水を抜き、ウォーターで足全体を洗い流す。細く切ったタオルで鼻緒を太くして、これで良し。
「少しはマシになったと思う。帰ったら鼻緒を直してもらおう」
「…ありがとう」
食事中も警戒は怠らない。4人、背を向けてソーサーと干し肉を齧る。
「スープが欲しいわ」
「安全を確保できないなら作れないよ」
「ゲイン、なんも居ないよ?」
「良い匂いさせてみろ、来ちゃうだろ?それにこの草原はウサギが出るからな」
「食料には事欠きませんね」
「狩れればな。ハシリウサギと追いかけっこはしたくないよ」
卓越した弓術か罠術が要るが、狩れなくはない。移動中の今は無駄に血の匂いを撒き散らしたくないので絶対にやらないと説明した。肉食獣のタララは残念そうだったが、遠くから覗き見てるウサギは心做しかほっとしているように見えた。タララが睨みつけると一目散に逃げ出してったよ。
「ねえゲイン、村に着く前に野宿するんだよね?どこにすんの?」
「できるだけここを離れたいんだよなー」
「ゲイン様の村はここからは見えないのですか?」
「向こうに丘があるだろ、街道に沿って迂回して、森と川を抜けた先にあるんだ」
「まっすぐ突っ切ったら良いじゃない」
「意外と疲れるんだよ」
「それはイヤね」
「そうなりますと、森を抜けた先。川まで行くのですか?」
「それしか無いんだよなぁ。川まで行ったら目と鼻の先なんだけど」
「ねえゲイン。装備を仕舞ってさ、アンテルゼちゃんを背負って全力で走ったらどうかな?」
「敵がいないならな」
「んー、だねー。リスク高くなっちゃうんだね」
「冒険者なんだから冒険しなさいよ」
「お前、それ歩きたくないから言ってるな?」
目を逸らした。当たりか。足痛いだろうし気持ちはわかるので責めるのは酷だろう。とは言えここに留まっても熊の危険はある訳で、食休みも取れた事だし先に進もう。少し気を使って歩いてく。
「う~、うずうずするぅ」
丘の脇を行く道中は、狩猟本能に目覚めた熊が獲物を品定めしているおかげでウサギが寄って来ない。まあ、ウサギは縄張りにでも入らない限り突っかかって来ないのだけどね。
「ゲイン様。これだけウサギがいるのに熊のような肉食獣がいるのでしょうか?」
「こいつら足早いから逃げ切れちゃうんじゃないか?沢山いて狙いも定まらんだろうし」
「成程」
「ゲイン、森~」
「ああ、森だな。この辺りは少ないがゴブリンがいるから気を付けて行こう。先頭はタララ、俺とお前は後ろからそいつを挟んで行くぞ」
「あーい」「わかりました」
「深追いしてばらけると餌にされちゃうからな?」
「夕飯にしてやるもん」
「ゴブリン食うのか?俺はやだぞ?」
「あたいもやだよ…」
多少げんなりしたタララを先頭に森に入る。街道は通っているが、馬車がすれ違うには難儀する程度の道幅しかないので、横からの攻撃に気を付けなきゃならん。
「タララ、殺すな」
「夕ご飯…」
道の脇に隠れてるウサギを威圧して逃がす。血の匂いを出したくないんだってば。
「川に着いたら魚捕って良いから。それまで温存しとけ」
街道沿いに肉食獣の眼が光る。鹿や小さい猪までも逃げて行く。とても楽でありがたい。フラストレーションが溜まるに連れて、大きい野獣が逃げるようになって行くが、それでも逃げ出さないヤツが目の前に立ちはだかった。
「ふっ、ふっ、ゲイン…殺るよ…」
これは止められないな。地面を前足でガリガリするデカい猪はやる気満々だし、盾を構えて地面を金棒でガリガリして近寄って行くタララもやる気満々だ。諦めて殺るしかない。奴隷二人には周囲の警戒をさせて、俺はフォローに回る。
ドガンッ!
一瞬でトップスピードになる猪の頭が、タララの盾に襲いかかった。
魅了!威圧!
俺は二つのスキルを同時に放ち、猪の動きを止める。
「ふんっ!!」
どっちが効いたか分からないが動きが止まった猪の後頭部に、タララの金棒がめり込んだ。
「ウォーターウォール!」
俺の作った水の壁が、猪の顔を包んで溺死させる。タララの一撃で既に事切れてたかも知れないが。
「ふしーー…」
「タララ、よくやったな」
「お肉にするまで終わってないよ」
終わってからお肉にするのでは?解体するまで…いや、解体中もその後も気は抜けないので異論は挟まないでおこう。
四人で足を持って少し森に入り、横たえた猪の傍の地面に穴を開ける。マジックバッグ様々だ。
「二人は周囲の警戒だ」
「了解です」「わかったわ」
先ずは血抜き。時間をかける訳には行かないので魔法を使う。解体ナイフで首を切り付けて血が流れだすのを見てデリートウォーターをかけると流れる血が止まった。やはりこの魔法は危険だ。更に切り付け、鉈に持ち替え首を外すが、更なる出血は見られなかったので血抜きは成功のようだ。今回は肉優先なので首は穴へ。再び解体ナイフに持ち替えて首元から腹を経由し肛門まで皮を切る。腹膜を開いて内臓を穴へ流し込み、肛門と胃の入口を切り離すと消化器官がドシャっと穴へ落ちて行った。匂いが出る前に穴を塞ぐ。
「タララ、持てるか?」
「え?んっしょ…。あたい、盾より重いモン持った事ないよー」
それはいろんな物を持てるな。抱えてはいるけれど、持ち上げるには至らない重さなのだろう。手足や尻尾、要らない所を切り取って、マジックバッグで半分にして収納した。切り取った不要部分も新たな穴を開けて埋めるのを忘れない。
「長居はできないから少し急ごう」
「あんた、マジックバッグに余裕持たせてたのね」
「飛び道具はたくさん持ってるからな。お前等は8発っきりだ。使う時はケチらず使えよ?それに、家作る時に使うだろ。薪にもなるし捨て置く意味がわからないぞ」
急ぎ足で森を抜け、河川敷に着く頃には夕方に差しかかっていた。急いで寝床を作らないと暗くなってしまう。草藪の中に陣取って早速設営開始だ。
「タララ、休憩もなくてすまないが寝床になる場所の草を倒してくれ。俺は壁と壕を作る」
「あいよー」
「お前等は丸太を出して、壁作りの手伝いだ」
「わかりました」「わかったわよ」
「丸太を転がして倒すけどいーよね?」
「良いぞ。重いから気を付けてな」
奴隷二人と俺は丸太を出して荷を減らすと、タララが地均ししてる周りで土のブロックを切り出す。切り出したブロックは奴隷に出し入れさせて、壁として積み上げてもらう。直径10ハーン程度の1周目が終わり、2周目からはレンガ積みの指示を出す。
「ゲイーン、均したよー?」
「こっちの作業を代わってくれ。俺は屋根の支度するから」
「あ~い」
タララに壁を任せたら、俺は切り出したブロックを壁の内側に沿うように、階段状に並べてく。壁と階段が3ハーン程積み上がったので、下に降りて入口を切り取り、丸太を回収するため外に出ようとしたのだが…、壕が意外と広くて困った。しかも意外と深くしたようで、重装備のタララが上がれなくなっていた。
「ゲイン~、助けてぇ~」
「よくがんばったな。外向きに階段を作りなされ…。二人、どっちでも良いが丸太を壕に渡してくれないか」
「では私が」
だいぶ長いが丸太橋が出来た。これは後で外すので、石を噛ませるだけにしておく。橋を渡って丸太を収納したら、階段を上がって屋根の代わりに並べて行った。長さは様々、1本100ナリもあるのでそっと乗せないと危険だ。1本犠牲にするつもりで板に加工しようとした結果、真っ二つにする事ができたよ。10本の丸太を真っ二つにして屋根ができた。雨さえ降らなきゃ何とか一晩過ごせそうだ。
「それだけの性能で1000ヤンって、他のスキルがゴミみたいよね」
「他のスキルも使い方によっては化けると思うぞ?取り敢えずみんな、乾いた草をできるだけ沢山摘んで来てくれ。寝心地良い方が良いだろ?俺は火の準備するから、俺の分も取って来てくれよな」
「あーい」「取れるだけ取って来ます」「はいはい」
家の中心の草を避け上に竈を設置した。橋を渡って端っこを20ハーン程で数個切り出し、草と一緒にデリートウォーター。家に戻ってカラカラになった丸太を鉈で割り、薪にした。
竈の中に、丸めた干し草を一掴み。その上から細い薪から組んで行き、小さな山を作る。
「エンバー」
火口セットはあるけど時間が惜しいので魔法に頼ってしまった。薪を足して火を強め、鍋に水と干し肉を入れて茹でる。暖かいし、そのままよりは柔らかくなり、塩味も取れるので食べやすくなるのだ。香辛料も入れてやろう。蓋をして、上にソーサーを乗せておく。
茹で汁がポコポコ言い出した頃に、みんな揃って帰って来た。
「ゲイン、何作ってんの?」
「茹で干し肉だよ。家造りに時間がかかって魚を捕りに行けなかったからな」
「ゲイン様、採って来た草は何処に敷きましょう?」
「入口以外の壁際にぐるっと寄せといてくれ」
「ねえ、トイレ無いの?」
「したいのか?」
「今は別に。けど気になっただけ」
「確かに作り忘れてたな」
階段にしていたブロックをバラして個室の形に組んで、真ん中に穴を開けた。これで良いかな?
「ゲイン。ちょっと出てくるね」
「どうかしたのか?」
「葉っぱ取って来るんだよ」
用心のために大きいヤツを連れて行かせた。俺はその間に飯の支度を済ませよう。リュックをテーブル代わりに皿やコップ、スプーンを並べる。
「甘いのも忘れないでよね」
覚えていたか。水飴の入った鍋に、水を入れる鍋を出す。川で水汲みできなかったので魔法水を注ぐ。
「ただいまー」「只今戻りました」
葉っぱを摘んで来た二人が家に入ったので丸太橋を回収し、入口を塞いだ。
「逃げられなくなったわ」
「襲われ難くしたんだよ」
「居るじゃない、野獣が」
「タララの寝相は酷いからなぁ。お前等気を付けろよ」
「獣人差別はんたーい」
「壁に足かけて寝てただろうが」
「…もう良いわ。ご飯まだ?」
何かを諦めた顔でコップに水を注いでた。大きいヤツがみんなの皿にソーサーと茹で干し肉をよそい、質素なキャンプ飯を頂いた。タララは水飴塗りたくり、小さいヤツはスープが欲しいと言うので茹で汁を与えた。悪くない味だそうで俺達も飲んだ。騙された。けど無いよりはマシだった。茹で干し肉はそれなりに美味くなってたよ。そのまま齧るよりは、だが。
「ゲイン、あたいの猪、どうしたの?」
覚えていたか。俺も焼肉にしたかったが良い匂いをさせると熊が来ちゃうから作れない、と説明すると、朝は絶対焼肉だかんね!とトラウマ顔で念を押された。
キャンプで寝る時は装備を脱がない。金属鎧の俺とタララは寝にくい事この上ない。座って、背中を壁に付けてる方が全然楽だ。奴隷の二人は皮装備なので平気そうで、竈の前に陣取る俺の後ろで寝てるぜ。今は見張りとして俺が火の番をしているのだが、寝相の悪いタララは寝てる上から盾をかけて寝てた。動かなくはなったが金属鎧でなきゃ死んじゃうぞ?
遠くでオオカミが鳴いている。サラサラガサガサ草を揺らすは風の音。感知系スキルで辺りを見回し、ウサギが跳ねているのを見つけた。こいつらが騒ぎ出したら危険の合図なのでみんなを起こそうと思う。
「起きれタララ、交代だ。ターラーラー」
数オコン程して俺の限界も近いのに、タララは盾の下で微動だにしない。
「仕方ない、起きろお前」
タララの代わりに後ろで寝てた大きいヤツを起こす。が、起きてはいるが目が開いてないし動きもしない。
「俺が寝るまで膝枕させてや「起きたよ」「起きてます」起きてたんじゃねーか」
2人共横座りして枕になる気満々である。予定通りタララに任せ、壁際に寄りかかって寝た。
目覚めると膝にタララの頭があった。膝枕出来なかったからって俺の膝を枕にするとはけしからん奴だ。
「起きろこの野郎。猪は全部売り払うからな」
「うぇぇ…。ゲイン酷いよぉー」
「敵に襲われた時に動けなかったらどうすんだ?あ?」
「私が先にゲイン様の膝を枕にしたのです。お許しください」
火の番をしていた大きいヤツが土下座して詫びた。
「お肉食べたいわ」
小さいヤツも空気を読んだか、2人のフォローに回る。純粋に焼肉が食べたいだけなのかも知れないが。
「なら2人でみんなの分料理しろ。それと、本当に危ないんだから二度とするなよ?」
「ごめんよゲイン」「申し訳ございませんでした」
猪の肉を取り出して、みんなの分を切って渡す。全部渡すと丸焼きにしかねないからな。
「これだけ?」
「焼くのに時間がかかるだろ?」
「そう言えば焼き鍋がありませんね」
「買い忘れちゃったね」
焼き鍋とは、肉焼き用の底の薄い鍋だ。2人分くらいならスープも作れる。だが、冒険者は焼き鍋等使わない。
「鍋の蓋を使って焼くんだよ。家用には欲しいけど、家で肉を焼く機会はあるのだろうか…」
「あるよ!焼こうよ!」
需要はある。俺だって朝から肉汁を味わいたい。しかし作る時間が無いのだよ。
切り分けた肉をそのまま鍋の蓋に乗せようとしたので止めた。皮の周りの脂を切り取り鍋蓋の上でよく焼いて、染み出る油を蓋全体に塗り回してから四角く1口大に切った肉を並べて行け、と指示を出して見守った。
「ゲイン、塩はー?」
「食う時付けたら良いんじゃないか?」
「あーい」
「ゲイン様、香辛料は如何しましょう?」
「焼ける前に軽くまぶしとけ」
「了解しました」
皿とコップにカトラリー、ソーサーと水。ついでに水飴も用意して、肉の焼けるのを待つ。
「全部茶色になったよー」
「みんなによそって飯にしよう」
「では私が」
大きいヤツがみんなのソーサーに肉を乗せ、揃った所で頂きます。
「私、スープの味には拘らない事にしたの」
「昨夜の内に骨でも煮出しておけば良かったな。次は忘れる前に教えてくれ」
小さいヤツは昨日のスープでも文句言わずに飲んでたし、食事にスープは必須なのだろう。
食事の後、女達は川へ食器を洗いに行った。俺は家の片付けだ。屋根に使った木材は明日からの野宿に使えるからな。木材を収納して壕の外に置き、屋根が取れたらブロック毎に回収して壕とトイレを埋めてった。埋め戻した跡がボコボコしてるけど気にしない。元々デコボコしてたしな。
「ゲイーン、人が居るよー?」
川の方からタララが呼んでいる。人って事は野盗じゃないな。きっと村の誰かだろう。急いで川辺に降りて行くと懐かしい顔があった。
「あ、ミカさんだ。久しぶりでーす」
「ん?その声はゲイン?ゲインなのか!?」
村は川の目と鼻の先。川の方から煙が上がるのを見て調査に来たのだと言う。
「夜に村に入ると寝る場所がないから、ここで野営してたんです」
「ゲイン、喋り方が元に戻ってるよ?」
「丁寧で良いと思います」
「どっちでも良いわ」
「ゲインはもう、冒険者なんだね。なら冒険者の話し方にしな」
「んー、ミカさんは先輩だからタメ口はちょっと」
「それもまたゲインの生き方さ。用が済んだら村に来な。あたしは報告に帰るよ」
ミカさんは優しい目をすると、槍を担いでスタスタ帰って行った。
「ねえ、ゲイン」
「なんだ?」
「ゲインとミカさんって、どんな関係?」
「私も気になります」
「…母だ」
「「え!?」」
「嘘ね」
母であり、姉であり、先生だ。小さな村で共同生活を送っていると、女性はみんなそんな感じの関係になる。歳下はみんな妹だし、おばあちゃんはみんなおばあちゃんなのだ。タララだって似たような生活してるだろうが。
洗った食器と置いといた木材を仕舞ったら、橋を渡って村に行く。門が開いててミカさんが待ってたよ。
「ただいまー。冒険者のゲインにタララとおまけ2人。入って良い?」
「おまけってなんだおまけって。せめて名を名乗らせろ」
「はーい、あたいタララ。ゲインのお嫁さんになるの!」
「私はエリモア。ゲイン様に忠誠を誓う元騎士です」
「アンテルゼよ。私はその2人とは違うから」
「タララにエリモアにアンテルゼだな。ゲインの女だからと言っても、騒ぎを起こしたらお仕置きは免れないからな?」
「はーい」「肝に銘じます」「しないわよ」
「じゃあ、一度家に行ってみます」
「そうか、親御さんも喜ぶだろう」
懐かしい顔が見える度、挨拶を交わしながら実家へと向かう。
「ゲイン、嬉しそう」
「そうだな。ひとまずの不安が解消されたしな」
「不安?お父さんが街に来ない理由の事かな?」
「傷んでたり死んでないって事だろ?通る人みんなそう言う事言わないし」
「隠してるのかも知れないわよ?」
「ないない。そう言うのは我先に走って来て報告して来るんだよ。田舎は娯楽が無いからなー」
「貴族も似たようなモノね」
「ゲイン様のご実家はまだかかるのですか?」
「あの坂の上だよ」
村の中心から外れ、斜面を切って開墾された段々畑を横目に歩く事十数リット。坂の上に建つ、石と木の家が俺の実家だ。
「着いたぞ」
「ついた~」
「あ、足にきますね…」
「村までの…道中より…キツいって…、なんなのよ…」
足元の良い村の土道でさえこうなのだ。草ぼらけの丘越えがどれだけキツいか分かるだろう。
「ゲインかい?」
玄関のドアを開けて声をかけて来たのは俺の母さんだ。
現在のステータス
名前 ゲイン 15歳
ランク C/F
HP 100% MP 98%
体力 D
腕力 E
知力 E
早さ D-
命中 E-
運 D
所持スキル
走る☆☆ 走る☆☆ 走る 走る 走る
刺突☆☆ 刺突
硬化☆☆ 硬化 硬化
投擲☆☆ 投擲
急所外物理抵抗☆☆
飛躍☆ 飛躍
木登り☆
噛み付き☆☆ 噛み付き
腕力強化☆ 腕力強化 腕力強化
脚力強化☆ 脚力強化☆ 脚力強化
知力強化☆
体力強化☆ 体力強化 体力強化
ナイフ格闘術☆ ナイフ格闘術
棒格闘術☆
短剣剣術☆
避ける☆
魅力☆
鎧防御術
察知
探知
マジックバッグ
魅了
威圧
水魔法☆ 水魔法
ウォーター
ウォッシュ
デリートウォーター
ウォーターバレット
ウォーターウォール
ボーグ
土魔法☆
ソイル
サンド
ストーン
火魔法
エンバー
ディマー
デリートファイヤー
所持品
鉄兜E
肩当E
胸当E
腰当E
上腕当E
脛当E
鉄靴E
革製ヘルメット
革製肩鎧
革製胴鎧
皮手袋E
皮の手甲
混合皮のズボンE
皮の脚絆
耐水ブーツ
耐水ポンチョ
草編みカバンE
草編みカバン2号E
布カバンE
革製リュックE
木のナイフE
ナイフE
剣鉈E
解体ナイフE
ダガーE
革製ベルトE
小石中465
小石大446
石大☆20
冒険者ギルド証 5980269→5952269ヤン
財布 銀貨14 銅貨6
首掛け皮袋 鉄貨31
冊子
筆記用具と獣皮紙
奴隷取り扱い用冊子
寸胴鍋
お玉
コップ
皿
カトラリー
竈
五徳
木ベラ
籠入り石炭0(貸出中)
洗濯籠
多目的板
蓋の無い箱
敷物
ランタン
油瓶0.8ナリ
着火セット
翡翠特大
中古タオル
中古タオル
中古パンツE
パンツ
ヨレヨレ村の子服セット(使用済み)
サンダル
革靴
街の子服Aセット(使用済み)
街の子服Bセット
奴隷
エリモア
アンテルゼ
スキルチップ
ウサギ 3022/4391
ウサギS 0/1
ウサギG 0/1
ハシリトカゲ 2056/3166
ハシリトカゲS 0/1
ハチ 1742/2859
ハチS 0/1
カメ 2000/3459
カメS 0/1
ヨロイトカゲS 0/2
石 4/1861
石S 0/1
スライム 1023/2024
鳥? 213/1360
トンビS 0/4
サル 715/857
ウルフ 19/1070
ワニS 0/1
蝶 0/204
花 0/161
腕 440/541
腕S 0/1
腕G 0/1
脚 549/650
脚S 0/101
脚G 0/1
頭 475/576
体 422/523
体S 0/1
体G 0/1
棒 526/627
ナイフ 128/520
ナイフS 0/1
短剣 12/232
鎧S 0/1
袋S 0/1
水滴 157/394
水滴S 0/1
立方体 175/275
火 3/4
魅了目S 0/1
威圧目S 0/1
頭三本線S 0/1
頭三本線G 0/1
未鑑定チップ 1000
9
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