支援魔術師の俺、美女だらけの仲間と世界を救う

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第10章「初めての宴と誓い──仲間の証」

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炎に包まれた街路で、四人はフレイムデーモン・イグニスと対峙していた。
「さあ、来い」
イグニスは両手に炎を纏わせた。
「お前らの力、見せてもらおうか」
「みんな、気をつけて!」
蓮は叫んだ。
「グランド・サポート!」
三人の体が光り輝いた。
「行きます!」
アリシアが突撃した。
剣を振るうが──
イグニスは炎の壁を展開し、攻撃を防いだ。
「ぬるいな」
イグニスは冷笑した。
「フレイムバースト!」
イグニスの周囲から、無数の火球が放たれた。
「くっ……!」
アリシアは剣で火球を弾く。
「フリーズシールド!」
リリアが氷の盾を展開し、火球を防いだ。
「はあっ!」
セラが横から飛びかかる。
拳がイグニスの顔面に迫る──
だが、イグニスは軽々と避けた。
「遅い」
イグニスの蹴りが、セラの腹に叩き込まれた。
「ぐはっ……!」
セラは吹き飛ばされた。
「セラ!」
蓮は駆け寄った。
「大丈夫……?」
「う、うん……でも、めちゃくちゃ痛い……」
セラは立ち上がった。
「あいつ、強すぎる……」
「くっ……」
蓮は焦った。
支援強化をかけても、イグニスには通用しない。
「どうすれば……」
その時、リリアが叫んだ。
「神谷! もっと強力な支援はできないの!?」
「え……?」
「今のままじゃ、勝てないわ! もっと……もっと強い力が必要!」
「でも、俺の支援は、これが限界……」
「違う!」
アリシアが叫んだ。
「神谷さんには、もっと力があるはずです!」
「アリシア……」
「信じてください。自分自身を」
アリシアは真剣な目で蓮を見た。
「あなたは、私たちが思っている以上に強い」
「そうだよ!」
セラも頷いた。
「蓮は、すごい力を持ってるんだよ!」
「……」
蓮は自分の手を見た。
本当に、自分にはもっと力があるのか?
「信じて……」
その時、蓮の胸の中で何かが弾けた。
視界にメッセージが浮かび上がる。
【新スキル覚醒】
スキル名:オーバードライブ・サポート
効果:対象全員の全能力を3倍に強化
持続時間:5分
消費MP:全MP
リスク:使用後、1時間行動不能
「3倍……!」
蓮は驚いた。
だが、リスクも大きい。
使えば、戦闘後に倒れてしまう。
「……やるしかない」
蓮は決意した。
「みんな、聞いて!」
「何!?」
「今から、最強の支援魔法を使う。でも、俺はその後動けなくなる」
「え……」
三人は驚いた。
「だから、5分以内に決着をつけて」
「神谷さん、無茶です!」
アリシアは反対した。
「倒れたら、危険すぎます!」
「でも、これしか方法がない」
蓮は真剣な目で言った。
「みんなを信じてる。みんななら、きっと勝てる」
「……」
三人は顔を見合わせた。
やがて、アリシアが頷いた。
「わかりました。信じます」
「私も」
リリアも頷いた。
「あたしも!」
セラも拳を握りしめた。
「じゃあ、行くよ!」
蓮は両手を広げた。
「オーバードライブ・サポート!」
街全体が、眩い光に包まれた。
三人の体が、激しく輝く。
「この力……!」
アリシアは驚愕した。
体中に、これまでにない力が漲る。
「すごい……!」
リリアも魔力の高まりを感じた。
「信じられない……こんな力……」
「やばい……すごすぎる……!」
セラは拳を握りしめた。
「これなら……勝てる!」
「くっ……何だ、この魔力は……」
イグニスは警戒した。
「まさか、ここまでとは……」
「行くわよ!」
リリアが魔法を放った。
「フレイムエクスプロージョン!」
巨大な爆発がイグニスを襲う。
「ぐっ……!」
イグニスは防御したが、ダメージは大きい。
「はああっ!」
アリシアが斬りかかった。
その速さは、もはや光速に近い。
剣がイグニスの体を切り裂く。
「ガハッ……!」
「とどめ!」
セラが跳躍した。
そして──
渾身の一撃を、イグニスの顔面に叩き込んだ。
ドゴォォォンッ!
イグニスは地面に叩きつけられた。
「ぐ……お前ら……」
イグニスは立ち上がろうとしたが──
体が動かない。
「くそっ……まさか……こんな……」
イグニスの体が煙のように消えていった。
「覚えてろ……次は……必ず……」
イグニスは完全に消滅した。

「やった……!」
三人は喜びの声を上げた。
だが、次の瞬間──
「神谷さん!」
アリシアが振り向いた。
蓮は、地面に倒れ込んでいた。
「神谷!」
三人は駆け寄った。
「大丈夫……?」
セラが蓮を抱き起こした。
「うん……ちょっと……疲れただけ……」
蓮は弱々しく笑った。
「勝てた……?」
「ええ。あなたのおかげで」
リリアは涙ぐんでいた。
「ありがとう……」
「良かった……」
蓮は目を閉じた。
「みんな……無事で……」
そして、意識を失った。

蓮が目を覚ますと、宿の部屋のベッドに寝かされていた。
「あれ……?」
「目が覚めましたか!」
アリシアが駆け寄ってきた。
「良かった……心配しました……」
「どれくらい眠ってた?」
「一日です」
「一日も……」
蓮は起き上がろうとしたが、体がまだ重い。
「無理しないで」
リリアが言った。
「あなた、全MPを使い果たしたのよ。回復には時間がかかるわ」
「そっか……」
「でも、もう大丈夫だよ!」
セラが笑顔で言った。
「お医者さんも、あと数日で完全に回復するって」
「みんな……心配かけてごめん」
「謝らないで」
アリシアは微笑んだ。
「あなたのおかげで、私たちは勝てたんです」
「そうよ」
リリアも頷いた。
「あなたは、私たちの英雄よ」
「英雄なんかじゃないよ……」
蓮は照れくさそうに笑った。
「ただ、みんなを信じただけ」
「それが大切なのよ」
リリアは優しく言った。
「信じ合えるから、私たちは強いのよ」

数日後、蓮は完全に回復した。
「よし、もう大丈夫だ」
蓮は立ち上がった。
「本当に大丈夫ですか?」
アリシアが心配そうに尋ねた。
「うん、完璧」
蓮は笑顔で答えた。
「じゃあ、今日はお祝いをしましょう」
リリアが提案した。
「お祝い?」
「ええ。イグニス討伐の成功と、神谷の回復を祝って」
「いいね!」
セラは目を輝かせた。
「お肉、いっぱい食べたい!」
「また食べるの……」
リリアは呆れたが、その表情は優しかった。
「じゃあ、酒場に行きましょう」
「うん!」
四人は酒場へと向かった。

酒場では、バルトやギルドの仲間たちも集まっていた。
「おお、神谷! 復活したか!」
バルトが豪快に笑った。
「イグニス討伐、見事だったぞ!」
「ありがとうございます」
蓮は頭を下げた。
「お前たち、本当によくやった」
バルトは四人を見回した。
「トリニティは、今や王国最強のパーティの一つだ」
「光栄です」
アリシアは微笑んだ。
「さあ、今日は飲め! 食え!」
バルトが乾杯の音頭を取った。
「乾杯!」
酒場中に、歓声が響いた。

宴は盛り上がった。
冒険者たちが次々と乾杯し、武勇伝を語り合う。
「神谷の支援魔法、マジですげえよな」
「ああ、あんな強力な支援、見たことねえ」
「トリニティに入りたいって奴、多いんじゃねえか?」
冒険者たちの会話が聞こえてくる。
「人気者だね、蓮」
セラが笑った。
「そんなことないよ」
蓮は照れくさそうに答えた。

夜が更けてきた頃、四人は酒場の隅の席で静かに語り合っていた。
「今日は、本当に楽しかったですね」
アリシアが言った。
「ええ」
リリアも頷いた。
「こういう時間、大切ね」
「うん」
セラも笑顔で答えた。
「みんなと一緒だと、すっごく楽しい」
「……ねえ、みんな」
蓮は真剣な表情になった。
「俺、思うんだ」
「何?」
「俺たち、もうただのパーティじゃないよね」
蓮は三人を見た。
「家族みたいなものだと思う」
「……」
三人は静かに頷いた。
「そうね」
リリアが言った。
「私たちは、家族よ」
「ええ」
アリシアも微笑んだ。
「血は繋がっていないけど、心は繋がっています」
「うん!」
セラも頷いた。
「あたしたち、家族だよ!」
「だから……」
蓮は立ち上がった。
「みんなに誓いたい」
「誓い?」
「ああ」
蓮は真剣な目で言った。
「俺は、みんなを守る。どんな困難があっても、絶対に諦めない」
「神谷さん……」
「そして、みんなと一緒に、この世界を救いたい」
蓮は拳を握りしめた。
「魔王軍を倒し、平和を取り戻す」
「……」
三人は蓮を見つめた。
やがて、アリシアが立ち上がった。
「私も誓います」
アリシアは剣の柄に手を置いた。
「私は騎士として、仲間を守り、正義を貫きます」
「私も」
リリアも立ち上がった。
「私は魔術師として、仲間を支え、敵を打ち倒します」
「あたしも!」
セラも立ち上がった。
「あたしは戦士として、仲間と共に戦い、勝利を掴みます」
四人は手を重ねた。
「私たち、トリニティは──」
アリシアが言った。
「どんな困難も乗り越え──」
リリアが続けた。
「この世界を救う!」
セラが叫んだ。
「約束だ!」
蓮が締めくくった。
四人は固く誓い合った。

その夜、宴は深夜まで続いた。
だが、四人は静かに酒場を出た。
「今日は、いい日だったね」
蓮が言った。
「ええ」
アリシアは微笑んだ。
「本当に」
「あたし、すっごく幸せ」
セラは無邪気に笑った。
「みんなと一緒で」
「私も」
リリアも小さく微笑んだ。
「こんなに幸せな気持ち、初めてかもしれない」
四人は夜空を見上げた。
星が、美しく輝いていた。
「これから、どんな冒険が待っているんだろう」
蓮が呟いた。
「わからないわ」
リリアが答えた。
「でも、きっと困難が待っているわね」
「でも、大丈夫です」
アリシアは言った。
「私たちなら、乗り越えられます」
「うん!」
セラも頷いた。
「あたしたち、最強だもん!」
四人は笑い合った。

その時、蓮は気づいた。
自分がこの世界に来てから、三ヶ月が経っていた。
元の世界では、冴えない大学生だった。
誰にも必要とされず、孤独だった。
だが、今は違う。
仲間がいる。
信頼し合える仲間が。
「この世界に来て、本当に良かった」
蓮は心から思った。
「みんなと出会えて、本当に良かった」
「私たちも」
三人は揃って答えた。
「あなたと出会えて、本当に良かった」
四人は再び笑い合った。

だが、彼らが知らないうちに──
闇の中で、魔王軍の幹部たちが密かに会議を開いていた。
「イグニスが敗れたか……」
「トリニティ……厄介な存在だ……」
「早急に対処しなければ……」
「次は、私が行こう」
一人の幹部が立ち上がった。
「私が、あの小娘たちを始末する」
「頼んだぞ」
「任せろ」
闇の中で、不吉な笑い声が響いた。
新たな脅威が、静かに近づいていた。

翌朝、四人はギルドに集まった。
「おはよう」
「おはようございます」
「今日は、どんな依頼にしましょうか」
アリシアが掲示板を見た。
「これなんてどう?」
リリアが一枚の依頼書を指差した。

【依頼内容】
迷宮都市への調査依頼
古代遺跡に異変が発生
至急調査求む
報酬:100シルバー
難易度:B

「迷宮都市……」
蓮は興味を示した。
「行ってみたいな」
「じゃあ、これにしましょう」
アリシアが依頼書を取った。
「準備をして、明日出発しましょう」
「了解」
四人は新しい冒険に向けて、準備を始めた。

だが、この依頼が、彼らの運命を大きく変えることになる。
迷宮都市で、彼らは新たな真実を知ることになる。
魔王の正体。
世界の秘密。
そして──
もう一人の転生者との出会い。
物語は、新しい局面へと進んでいく。
だが、今はまだ、四人は知らない。
ただ、新しい冒険への期待に胸を膨らませているだけだった。
「楽しみだね」
蓮が笑った。
「ええ」
三人も微笑んだ。
「楽しみです」
四人は、希望に満ちた表情で未来を見つめていた。
絆を深めた仲間たち。
彼らの冒険は、ここから本格的に加速していく。
序章は終わり、物語は第二幕へと進む。
戦い、成長、そして──揺れ動く想い。
全てが、これから始まる。
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