支援魔術師の俺、美女だらけの仲間と世界を救う

yukataka

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第11章「迷宮都市の試練──地下に眠る古代の罠」

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翌日、四人は王都を出発した。

迷宮都市ラビリントスまでは、馬車で二日の道のり。

「迷宮都市って、どんなところなんですか?」

蓮が尋ねた。

「古代文明の遺跡が地下に広がっている都市です」

アリシアが説明した。

「地上には普通の街があるんですが、地下には巨大な迷宮が眠っているんです」

「へえ、面白そう」

「でも、危険な場所でもあるわ」

リリアが付け加えた。

「迷宮の中には、古代の罠や魔物が潜んでいる。毎年、何人もの冒険者が命を落としているのよ」

「そうなんだ……」

蓮は少し緊張した。

「でも、大丈夫だよ!」

セラが元気よく言った。

「あたしたち、最強のパーティなんだから!」

「そうね」

リリアは微笑んだ。

「あなたと一緒なら、大丈夫な気がするわ」

二日後の夕方、四人は迷宮都市ラビリントスに到着した。

「着いた……」

蓮は街を見回した。

石造りの建物が立ち並ぶ、中世風の街。
だが、街の中心には巨大な穴が開いていた。

「あれが、迷宮の入り口ですか?」

「ええ」

アリシアは頷いた。

「地下300層以上あると言われています」

「300層……!?」

蓮は驚愕した。

「そんなに深いんですか……」

「ええ。最深層まで到達した冒険者は、歴史上数えるほどしかいません」

「でも、今回の依頼は、そこまで深く行く必要はないわ」

リリアが言った。

「異変が起きているのは、上層部だそうよ」

「それなら、何とかなりそうですね」

蓮は安堵した。

宿に荷物を置いた後、四人は冒険者ギルドの支部に向かった。

「いらっしゃい」

受付嬢が笑顔で迎えた。

「ああ、あなたたちが王都から来た『トリニティ』ですね」

「はい」

アリシアは頷いた。

「迷宮の異変について、詳しく教えていただけますか?」

「ええ。実は、三日前から迷宮の10層付近で奇妙な現象が起きているんです」

受付嬢は資料を広げた。

「壁が突然動いたり、今まで存在しなかった部屋が現れたり……」

「それって、罠ですか?」

蓮が尋ねた。

「わかりません。ただ、その付近に入った冒険者たちが、次々と行方不明になっているんです」

「行方不明……」

「ええ。すでに5人が帰ってきていません」

受付嬢は深刻な表情を浮かべた。

「このままでは、迷宮を封鎖せざるを得ないかもしれません」

「わかりました。すぐに調査します」

アリシアは決意を込めて言った。

「ありがとうございます。気をつけてくださいね」

翌朝、四人は迷宮の入り口に立っていた。

「よし、行こう」

蓮が言った。

「ええ」

四人は階段を下り始めた。

迷宮の中は、薄暗く湿っていた。

壁には古代文字が刻まれ、天井からは魔法の灯りが吊り下げられている。

「不気味ね……」

リリアが呟いた。

「魔力が濃いわ。何か強力な魔法が働いている」

「気をつけましょう」

アリシアは剣を抜いた。

1層、2層、3層……

四人は慎重に下層へと進んでいった。

途中、スライムやゴブリンなどの弱い魔物が現れたが、四人にとっては造作もない。

「順調だね」

セラが言った。

「このペースなら、すぐに10層まで着きそう」

だが、その時──

突然、床が崩れ落ちた。

「うわあっ!」

四人は一気に下へと落下した。

ドサッ。

蓮は地面に叩きつけられた。

「痛っ……」

「みんな、大丈夫……?」

アリシアが立ち上がった。

「うん、何とか……」

リリアとセラも無事だった。

「ここは……」

蓮は周囲を見回した。

広い石造りの部屋。
だが、出口が見当たらない。

「罠だったのか……」

「おそらく」

リリアは壁を調べた。

「古代の魔法陣が刻まれているわ。これは……転送の魔法ね」

「転送?」

「ええ。私たちを、迷宮のどこかに飛ばした」

「じゃあ、ここはどこなんだ?」

「わからないわ。でも……」

リリアは魔法陣をじっくりと見た。

「おそらく、かなり深い階層だと思うわ」

「深い階層……」

蓮は不安を感じた。

その時──

部屋の四隅から、魔物が出現した。

「スケルトン……!」

アリシアは剣を構えた。

骨だけの戦士が、4体。
それぞれが剣と盾を持っている。

「行きます!」

アリシアが突撃した。

「グランド・サポート!」

蓮は支援魔法を発動した。

戦闘は激しかった。

スケルトンは強い。
物理攻撃への耐性があり、なかなか倒れない。

「硬い……!」

アリシアの剣が、スケルトンの骨を砕くが、すぐに再生する。

「フレイムランス!」

リリアの炎の槍が、スケルトンを貫く。

だが、やはり再生する。

「どうすれば……」

「頭を破壊するのよ!」

リリアが叫んだ。

「スケルトンの核は頭にある! そこを砕けば、再生しない!」

「わかった!」

アリシアは狙いを定めた。

「はあっ!」

剣がスケルトンの頭を砕いた。

スケルトンは崩れ落ちた。

「やった!」

「あたしも!」

セラが拳を振るった。

スケルトンの頭が粉々になる。

「よし、残り2体!」

リリアとアリシアが協力して、残りのスケルトンを倒した。

「はあ……はあ……」

四人は息を整えた。

「何とか倒せたね」

「ええ。でも、これからもっと強い魔物が出てくるかもしれないわ」

リリアは警戒した。

「出口を探しましょう」

アリシアが言った。

「ここに留まるのは危険です」

四人は部屋の中を調べ始めた。

しばらく調べると、壁の一部に隠し扉が見つかった。

「ここだ」

セラが扉を押し開けた。

「よし、行こう」

四人は扉をくぐった。

扉の先には、長い廊下が続いていた。

「慎重に進みましょう」

アリシアが先頭を歩いた。

だが、数歩進んだところで──

床のタイルが沈んだ。

「まずい、罠だ!」

次の瞬間──

壁から無数の矢が飛んできた。

「うわっ!」

四人は咄嗟に伏せた。

矢が頭上を通り過ぎていく。

「危なかった……」

「この迷宮、罠だらけね……」

リリアは冷や汗を流した。

「もっと注意して進まないと」

四人は慎重に罠を避けながら、廊下を進んでいった。

落とし穴、毒ガス、炎の罠──

様々な罠が仕掛けられていた。

「古代人、罠好きすぎるだろ……」

蓮は呆れた。

「まあ、貴重なものを守るためなんでしょうけど」

リリアが言った。

「でも、確かにやりすぎよね」

廊下の終わりに、大きな扉が現れた。

「あれが出口かな?」

セラが言った。

「おそらく」

アリシアは扉に近づいた。

「開けてみましょう」

扉を押し開けると──

巨大な広間が広がっていた。

「うわあ……」

蓮は圧倒された。

天井は高く、柱が何本も立ち並んでいる。
そして、広間の奥には──

巨大な石像が鎮座していた。

騎士の姿をした石像。
剣を構え、盾を持っている。

「あれは……」

その時、石像が動き出した。

ゴゴゴゴゴ……

「動いた!?」

石像は立ち上がり、四人を見下ろした。

「ガーディアン……!」

リリアは驚愕した。

「Aランクの魔物……迷宮を守る番人よ!」

「Aランク……!」

蓮は緊張した。

ガーディアンは巨大な剣を振り上げた。

「来る……!」

アリシアは剣を構えた。

「みんな、覚悟して!」

激しい戦闘が始まった。

蓮は全力で支援魔法を発動した。

「グランド・サポート!」

「バーサーク・ブースト!」

三人の体が光り輝いた。

「行きます!」

アリシアが突撃した。

剣がガーディアンの足に叩き込まれる──

だが、傷は浅い。

「硬い……石で出来ているから、物理攻撃が通りにくい……!」

「フレイムエクスプロージョン!」

リリアの最大魔法が、ガーディアンを襲う。

ドオォォンッ!

爆発がガーディアンを包み込む。

だが──

ガーディアンは無傷だった。

「嘘……効いてない……!?」

「魔法耐性もあるのか……!」

蓮は焦った。

「どうすれば……」

その時、セラが叫んだ。

「関節を狙うんだよ!」

「関節?」

「石像でも、関節部分は脆いはず! そこを集中攻撃すれば、動きを止められる!」

「なるほど……!」

アリシアは狙いを定めた。

「みんな、膝を狙いましょう!」

「了解!」

三人は連携して、ガーディアンの膝を集中攻撃した。

アリシアの剣。
リリアの魔法。
セラの拳。

全てが、ガーディアンの膝に叩き込まれる。

バキッ!

ガーディアンの膝が砕けた。

「やった!」

ガーディアンは膝をつき、バランスを崩した。

「今だ!」

アリシアは跳躍した。

そして──

ガーディアンの頭部に剣を突き刺した。

ガシャァァンッ!

ガーディアンは崩れ落ちた。

「勝った……!」

四人は安堵の息を吐いた。

ガーディアンが倒れると、広間の奥の扉が開いた。

「あれが出口ね」

リリアが言った。

「行きましょう」

四人は扉をくぐった。

扉の先には、階段があった。

上へと続く階段。

「助かった……これで地上に戻れる」

蓮は安堵した。

「ええ。急ぎましょう」

四人は階段を上り始めた。

しばらく上ると、見覚えのある場所に出た。

「ここは……10層だわ」

リリアが言った。

「転送された場所から、戻ってこれたのね」

「良かった……」

蓮は安堵した。

「じゃあ、地上に戻ろう」

四人は迷宮を出た。

地上に戻ると、すでに夕方だった。

「お帰りなさい! 無事だったんですね!」

受付嬢が駆け寄ってきた。

「心配しました!」

「すみません、予想以上に時間がかかりました」

アリシアは謝った。

「いえいえ、無事なら何よりです」

「それで、異変の原因ですが……」

リリアが説明した。

「おそらく、古代の魔法陣が誤作動を起こしているのだと思います」

「魔法陣?」

「ええ。転送の魔法陣が、ランダムに発動しているようです」

「なるほど……それで冒険者たちが行方不明に……」

「おそらく、深い階層に飛ばされて、戻れなくなったのでしょう」

「……そうですか」

受付嬢は悲しそうな表情を浮かべた。

「では、迷宮を一時封鎖して、魔法陣を調査する必要がありますね」

「ええ。魔法陣を無効化すれば、安全になると思います」

「わかりました。ありがとうございます」

受付嬢は深々と頭を下げた。

「あなたたちのおかげで、これ以上の被害を防げます」

その夜、四人は宿の食堂で食事をしていた。

「今日は、本当に大変だったね」

蓮が言った。

「ええ。でも、何とか乗り越えられました」

アリシアは微笑んだ。

「みんなのおかげです」

「そうね」

リリアも頷いた。

「連携が完璧だったわ」

「えへへ、あたしたち最強!」

セラは無邪気に笑った。

「でもさ、あのガーディアン、めちゃくちゃ硬かったね」

「ええ。Aランクの魔物は、やはり強いわね」

リリアは真剣な表情になった。

「これから、もっと強い敵と戦うことになるでしょう」

「……魔王軍のことですか?」

蓮が尋ねた。

「ええ」

リリアは頷いた。

「魔王軍の幹部は、どれもAランク以上の強さがある」

「……」

四人は黙り込んだ。

「でも、大丈夫」

アリシアが言った。

「私たちは、もっと強くなります」

「そうだよ!」

セラも拳を握りしめた。

「あたしたち、まだまだ強くなれる!」

「ええ」

リリアも微笑んだ。

「神谷がいれば、私たちはどんどん強くなれるわ」

「……ありがとう、みんな」

蓮は笑顔で答えた。

「俺も、もっと強くなるよ」

その夜、蓮は一人、宿の屋上に立っていた。

星空を見上げながら、今日の戦いを振り返る。

「まだまだ、俺は弱いな……」

支援魔法は強力だ。
だが、それだけでは足りない。

「もっと、みんなを守れる力が欲しい」

蓮は拳を握りしめた。

その時、背後から声がした。

「神谷さん」

振り向くと、アリシアが立っていた。

「アリシア……」

「一人で、何を考えているんですか?」

「うん……今日の戦いのこと」

蓮は正直に答えた。

「俺、まだまだ弱いなって」

「そんなことありません」

アリシアは首を振った。

「あなたは、とても強いです」

「でも……」

「支援魔法だけが強さじゃありません」

アリシアは優しく言った。

「あなたには、仲間を信じる強さがある。それが、何よりも大切なんです」

「仲間を信じる……」

「ええ。あなたがいるから、私たちは戦えるんです」

アリシアは微笑んだ。

「だから、自信を持ってください」

「……ありがとう、アリシア」

蓮は笑顔で答えた。

二人は並んで星空を見上げた。

静かな夜だった。

だが、二人の心は温かかった。

翌朝、四人は王都へと戻る準備を始めた。

「じゃあ、出発しましょう」

アリシアが言った。

「うん」

四人は迷宮都市を後にした。

帰りの馬車の中で、セラがふと言った。

「ねえ、みんな」

「うん?」

「あたしたち、これからどうするの?」

「どうするって?」

「魔王軍と戦うんでしょ? でも、どうやって?」

「……」

四人は考え込んだ。

確かに、魔王軍の幹部は強い。
今のままでは、勝てるかどうかわからない。

「まずは、情報収集ね」

リリアが言った。

「魔王軍の動き、魔王の居場所……調べるべきことは山ほどあるわ」

「そうですね」

アリシアも頷いた。

「それに、私たちももっと強くならなければなりません」

「じゃあ、王都に戻ったら、訓練しよう」

蓮が提案した。

「もっと強くなって、魔王軍に勝てるように」

「賛成!」

セラは拳を握りしめた。

「あたし、もっともっと強くなる!」

「ええ」

四人は決意を固めた。

だが、彼らが知らないうちに──

王都では、大きな変化が起きようとしていた。

もう一人の転生者が、王都に到着していた。

そして、その転生者は──

蓮と同じく、異世界から来た日本人だった。

運命の出会いが、間もなく訪れる。

物語は、新しい局面へと進んでいく。




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