4 / 4
毛玉は毛玉でした。
しおりを挟む
俺は、昨日の事を話しに仕事帰りに、病院へ寄った。
「こんばんは。昨日の事が決まったので報告しに来ました。」
昨日も来てるので、受付のスタッフも覚えていてくれた。
「わかりました。先生を呼んできますね。」
今日の時間はもう患者さんはいないようで、すぐにつないでくれる。
「こんばんは。今日も仕事帰り?」
「はい。仕事中にすみません。」
「いいのよ。今日はもう患者さん来ないみたいだし。で、決まったのかな?」
「はい。大家さんの許可がとれたので、俺がその子を引き取ります。」
先生へ昨日の大家さんとのやり取りを説明した。
「そう。良かったわね。でも、大村さん猫飼ったことないんでしょう?大丈夫?」
おう!さすが先生。痛いところをひと刺しされた。昨日は勢いにに任せていたが、よくよく考えると本当に大丈夫かと心配になる。
「そうなんです。それが心配で…。ネットとかで色々と調べはしたんですが…もう、聞くが早いかなって。」
「ふふ。素直なんですね。わかりました。猫の飼育に必要な物から、詳しく教えてますよ。」
笑った顔が先生ではなく、普通の女性に見え一瞬ドキッとなったような気がした。
その後は、病院のスタッフの人から、必要な物を教えて貰いその間、子猫はずっと俺の腕の中に寝ていた。
子猫ってそんなに寝るの?っていうくらい。触っている手から、じわじわと体温が伝わってくるのと、なんとも言えない毛並みの手触り。俺の心も、じわじわと暖まり、ほっこりとした気持ちで話を聞けた。
あれから、教えて貰ったものを休日に買いそろえた。結構な金額になり、財布が寂しくなってしまったが、これで一安心だろう。
猫のトイレセット
水いれ
えさ皿
爪研ぎ
移動用のキャリー
おもちゃなど
成長や性格に合わせて買い揃える物も出てくるらしい。見てると他にも大きいキャットタワーなど欲しくなるが、まずは最低限の物で様子を見ることにした。
あとは、いつ引き取るかだが、慣れるためにまとまった休みがあるときがいいなと、考えながらカレンダーを見つめる。あっ!近々都合よく連休がある。しかも、有給も残っているので、合わせて休もうかと計画してみる。病院もその日で大丈夫と言ってくれたし、そうするか。
なんだか、子どものようにワクワクしてしまっている。
なんやかんやと、仕事の合間に準備をしたりしていたら、とうとう猫を引き取る日になっていた。
俺はいそいそと、真新しいキャリーを持って昼間に病院を訪れた。
本当にあの子は、うちの子になってくれるだろうか。慣れてくれるだろうかと少し不安な気持ちで病院へ向かった。
「さぁ、ここがお前のうちだぞ。」
恐る恐る、ゆっくりとキャリーを開ける。
病院では、しっかりと鳴いていたし、とても元気に見えた。なんだかんだで、1ヶ月位病院でお世話になっていた。預かり費用は、最初はいらないと言われていたが、やはりそれでは俺の気がすまない。これからもお世話になるだろうし。なので、ちゃんと風邪の治療や検査、ワクチンなどの費用と合わせて精算してもらった。だけど、思ったより安かったような…。割引してくれたのかな?
と、思い出していると、ちょこちょこと小さな前足がキャリーから出たり入ったりしている。
外が気になるのかな?まだ怖いのかな?それとも、俺が出してやったほうがいいのかな?色々と考えてしまう。先生からは、急がず、ゆっくり待ってくださいね。と言われているので、待つしかできない。
あぁ、でも気になる!気になりすぎてしまい、そっと覗き込むと、奥の方に行って小さくなってしまう。元々、小さいのにさらに小さく見えてしまう。
俺はまたそれが可愛いと思ってしまうほどに、いつの間にかメロメロになっていた。やっぱり、待つしかないな。
よし、待っている間にご飯の準備して、俺もちょっとゆっくりしよう。午前中から、バタバタと慌ただしかったので、昼もまだ食べていない。時間はもうすぐ2時になろうとしている。
「ぐーう」
時間を把握すると、腹が鳴った。
俺は、後ろ髪を引かれながら台所へ行き、昼飯を作り出した。
自炊はある程度できる方だと自分では、思っている。しかし、今日は手のこんだものは昼にはしたくないので、さっと適当な材料を炒めて食べることにした。
まあまあ手際で作り出して、調子よく鼻歌を歌いだした時には足元にフワッとした何が触れる感触がした。
驚いた俺は、触れた足元をソロっと見るとそこには、さっきまでキャリーの奥に丸くなっていたはずの仔猫がいた。俺と目が合うと「ミィー」と小さく鳴き、足に寄り添うように丸くなった。
「え?いつの間に?っていうか、めっちゃ可愛くね!」
丸くなった仔猫は、やっぱり毛玉のようだった。
仔猫は足元にピッタリとひっついている。
「どうしよう…動けない…」
「こんばんは。昨日の事が決まったので報告しに来ました。」
昨日も来てるので、受付のスタッフも覚えていてくれた。
「わかりました。先生を呼んできますね。」
今日の時間はもう患者さんはいないようで、すぐにつないでくれる。
「こんばんは。今日も仕事帰り?」
「はい。仕事中にすみません。」
「いいのよ。今日はもう患者さん来ないみたいだし。で、決まったのかな?」
「はい。大家さんの許可がとれたので、俺がその子を引き取ります。」
先生へ昨日の大家さんとのやり取りを説明した。
「そう。良かったわね。でも、大村さん猫飼ったことないんでしょう?大丈夫?」
おう!さすが先生。痛いところをひと刺しされた。昨日は勢いにに任せていたが、よくよく考えると本当に大丈夫かと心配になる。
「そうなんです。それが心配で…。ネットとかで色々と調べはしたんですが…もう、聞くが早いかなって。」
「ふふ。素直なんですね。わかりました。猫の飼育に必要な物から、詳しく教えてますよ。」
笑った顔が先生ではなく、普通の女性に見え一瞬ドキッとなったような気がした。
その後は、病院のスタッフの人から、必要な物を教えて貰いその間、子猫はずっと俺の腕の中に寝ていた。
子猫ってそんなに寝るの?っていうくらい。触っている手から、じわじわと体温が伝わってくるのと、なんとも言えない毛並みの手触り。俺の心も、じわじわと暖まり、ほっこりとした気持ちで話を聞けた。
あれから、教えて貰ったものを休日に買いそろえた。結構な金額になり、財布が寂しくなってしまったが、これで一安心だろう。
猫のトイレセット
水いれ
えさ皿
爪研ぎ
移動用のキャリー
おもちゃなど
成長や性格に合わせて買い揃える物も出てくるらしい。見てると他にも大きいキャットタワーなど欲しくなるが、まずは最低限の物で様子を見ることにした。
あとは、いつ引き取るかだが、慣れるためにまとまった休みがあるときがいいなと、考えながらカレンダーを見つめる。あっ!近々都合よく連休がある。しかも、有給も残っているので、合わせて休もうかと計画してみる。病院もその日で大丈夫と言ってくれたし、そうするか。
なんだか、子どものようにワクワクしてしまっている。
なんやかんやと、仕事の合間に準備をしたりしていたら、とうとう猫を引き取る日になっていた。
俺はいそいそと、真新しいキャリーを持って昼間に病院を訪れた。
本当にあの子は、うちの子になってくれるだろうか。慣れてくれるだろうかと少し不安な気持ちで病院へ向かった。
「さぁ、ここがお前のうちだぞ。」
恐る恐る、ゆっくりとキャリーを開ける。
病院では、しっかりと鳴いていたし、とても元気に見えた。なんだかんだで、1ヶ月位病院でお世話になっていた。預かり費用は、最初はいらないと言われていたが、やはりそれでは俺の気がすまない。これからもお世話になるだろうし。なので、ちゃんと風邪の治療や検査、ワクチンなどの費用と合わせて精算してもらった。だけど、思ったより安かったような…。割引してくれたのかな?
と、思い出していると、ちょこちょこと小さな前足がキャリーから出たり入ったりしている。
外が気になるのかな?まだ怖いのかな?それとも、俺が出してやったほうがいいのかな?色々と考えてしまう。先生からは、急がず、ゆっくり待ってくださいね。と言われているので、待つしかできない。
あぁ、でも気になる!気になりすぎてしまい、そっと覗き込むと、奥の方に行って小さくなってしまう。元々、小さいのにさらに小さく見えてしまう。
俺はまたそれが可愛いと思ってしまうほどに、いつの間にかメロメロになっていた。やっぱり、待つしかないな。
よし、待っている間にご飯の準備して、俺もちょっとゆっくりしよう。午前中から、バタバタと慌ただしかったので、昼もまだ食べていない。時間はもうすぐ2時になろうとしている。
「ぐーう」
時間を把握すると、腹が鳴った。
俺は、後ろ髪を引かれながら台所へ行き、昼飯を作り出した。
自炊はある程度できる方だと自分では、思っている。しかし、今日は手のこんだものは昼にはしたくないので、さっと適当な材料を炒めて食べることにした。
まあまあ手際で作り出して、調子よく鼻歌を歌いだした時には足元にフワッとした何が触れる感触がした。
驚いた俺は、触れた足元をソロっと見るとそこには、さっきまでキャリーの奥に丸くなっていたはずの仔猫がいた。俺と目が合うと「ミィー」と小さく鳴き、足に寄り添うように丸くなった。
「え?いつの間に?っていうか、めっちゃ可愛くね!」
丸くなった仔猫は、やっぱり毛玉のようだった。
仔猫は足元にピッタリとひっついている。
「どうしよう…動けない…」
0
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(1件)
あなたにおすすめの小説
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
彼の巨大な体に覆われ、満たされ、貪られた——一晩中
桜井ベアトリクス
恋愛
妹を救出するため、一ヶ月かけて死の山脈を越え、影の沼地を泳ぎ、マンティコアとポーカー勝負までした私、ローズ。
やっと辿り着いた先で見たのは——フェイ王の膝の上で甘える妹の姿。
「助けなんていらないわよ?」
は?
しかも運命の光が私と巨漢戦士マキシマスの間で光って、「お前は俺のものだ」宣言。
「片手だけなら……」そう妥協したのに、ワイン一杯で理性が飛んだ。
彼の心臓の音を聞いた瞬間、私から飛びついて、その夜、彼のベッドで戦士のものになった。
遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。
沼野 花
恋愛
私は、夫にも子供にも選ばれなかった。
その事実だけを抱え、離縁を突きつけ、家を出た。
そこで待っていたのは、最悪の出来事――
けれど同時に、人生の扉がひらく瞬間でもあった。
夫は愛人と共に好きに生きればいい。
今さら「本当に愛していたのは君だ」と言われても、裏切ったあなたを許すことはできない。
でも、子供たちの心だけは、必ず取り戻す。
妻にも母にもなれなかった伯爵夫人イネス。
過去を悔いながらも、愛を手に入れることを決めた彼女が辿り着いた先には――
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
タダで済むと思うな
美凪ましろ
ライト文芸
フルタイムで働きながらワンオペで子育てをし、夫のケアもしていた井口虹子は、結婚十六年目のある夜、限界を迎える。
――よし、決めた。
我慢するのは止めだ止め。
家族のために粉骨砕身頑張っていた自分。これからは自分のために生きる!
そう決めた虹子が企てた夫への復讐とは。
■十八歳以下の男女の性行為があります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
猫ちゃんとの物語が始まるって感じで気になったのでお気に入り登録させてもらいました(^^)
何より主人公がやさしい…。
良かったら私の作品も観てくださいね(^^)/