宰相に手帳を見られ、見られたら乙女ゲームが崩壊し始めたことに気が付きました。

ろろる

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第2章 手帳の紛失と離縁(3)

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「宰相さんっ、ごきげんよう?でしたっけ。
貴族のご令嬢はそうあいさつなさるものでしたね。」

シウの部屋から戻ってきて手帳を見てしまった10分後、
「コンコンコンッ」という可愛らしい三回のノックがなった。
ユリシアがグロキシニアの自室を訪れのだ。

「ええそうですよユリシア。
掛けてください」
「はぁい。
あいさつなんてこんにちはで十分なのに、
品を求める貴族って面倒くさァい」

とユリシアはポスンとソファーにかけた。
「全く、あなたは面倒臭がり屋ですね。」
「あはっ、可愛い??」

とユリシアがグロキシニアにキラリンと
上目遣いをするが、それをグロキシニアはさらりとかわした。

「生憎私はシウ殿下にしか興味を持ちませんので。」
「冗談だよぉ。ていうかお兄様も冗談って分かってよね~?
だって仮にも私達兄弟じゃない。」

実はグロキシニアとヒロインのユリシアは
異母兄弟だった。

グロキシニアの母親は正室、
ユリシアの母親は元侍女であり、ユリシアの妊娠が分かり
仕事を辞め、街でひっそり暮らしている。

このことをグロキシニアは最初から知っている訳ではなかった。
聖なる力を持つ少女、ユリシアの存在を知ったのはつい二週間前のことである。

ユリシアがただの聖なる乙女ならばグロキシニアも放っておいた。
だがそのユリシアには「皇后になる」という予言もどきの噂付き。

そうなればシウが危険な目に合う可能性があるため、
もちろんユリシアの素性も母親も、ユリシアについても徹底的に調べた。

そしたら何と驚いたことに、
ユリシアとグロキシニアの父親はもう引退したクロデンドルム公爵、自分の父親だった。

つまりはグロキシニアとユリシアは異母兄弟なのである。

そしてシウが少しでも脅かされる可能性があるのならば、
グロキシニアが動く理由には十分。
一週間徹夜で動いた。

まずユリシアの買収から。
少し、いやかなり小汚いやり口ではあるがユリシアを丸め込む必要があった。

理由はユリシアの存在が分かってからの会議から。
その会議には皇太子であるルマン、第二皇子のリヒト、
近衛隊長であるジェイ、宮廷魔道士長であるライラ、
そして宰相のグロキシニアが参加していた。

「聖女が現れたって話は本当なのかいグロキシニア。」

ライラが尋ねてくる。

「ええ、本当みたいですよ。
詳しいことは分かりませんが名前はユリシア・マードレ。
貴族でなく一般庶民ですよ。」

嘘である。
グロキシニアは既にあらゆるユリシアの情報を取得していた。
生年月日、すきな食べ物、街での評判、趣味まで把握している。

「ユリシア・マードレね……。
その聖なる力ってのが怪しいけど。
大丈夫なんスか?自分面倒ごとは嫌ッスよ」

近衛隊長のジェイがふぅとため息をつく。

「それに皇后になるって噂あるらしいじゃん。
もう陛下って60代でしょ?
お母様どうなる訳?」

第二皇子のリヒトがヘラヘラと笑い出す。
いや、そんなわけないだろうがと全員がツッコミたくなったが、
それにきちんとグロキシニアは対処した。

「あはは、面白いことをおっしゃいますねリヒト殿下。
もしそのユリシアとやらが…皇后になると言うのならば、
ユリシアとご結婚なさるのはルマン皇太子殿下でしょう。
すでにルマン殿下にはシウ妃という次期皇后になる奥様がいらっしゃいますが、その時はどうするおつもりで?」

この返答によってはルマンはグロキシニアを敵に回すことになる。
さあ、返答は如何に…。
四人が静まり返るとルマンは口を開いた。

「私は…」







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