宰相に手帳を見られ、見られたら乙女ゲームが崩壊し始めたことに気が付きました。

ろろる

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第3章 聖女は恋よりお金がお好き(1)

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「……国の利益になる方を選ぶ。
皇太子としてな。まずはユリシア・マードレを王城に来させろ。
ユリシアが聖なる乙女…まぁ聖女としておこう。
ユリシアが聖女なのかは見てから見極めればいいさ。
それに皇后になるなんて言うのはただの噂にすぎん。
私にはシウという次期皇后になる妻がいるのだからな、
そう簡単にはいかないさ。
なぁ、グロキシニア?」

とルマンはグロキシニアにニヤリと笑った。
残りの三人は「宰相」であるグロキシニアに尋ねたのかと
思っただろうが、これは立派な挑発であった。

「……ええそうですね、殿下。
シウ妃を悲しませるようなことはされてはいけませんよ。」
「もちろんだ。シウは大切な我が妻だからな。」

(シウ様を妃として扱ったこともないクソ野郎が、
何が我が妻だ。反吐が出る……)

会議が終わり、5人とも部屋から出ていく。
そしてグロキシニア はルマンに引き止められる。

「なぁグロキシニア。
お前はまだシウのことを好いているのか?」
「もちろんでございます。
臣下としてお慕いしておりますよ。」
「ちっ…、つまらん回答をらする奴だな。
もういい下がれ」
「失礼いたします。」

(誰がお前を楽しませるようなことを言うか。
そんな時間があるなら早くシウ様のご尊顔を見たい……。
いつかあのクソ野郎を地の底に突き落として…)

「生まれてきたことを後悔させるぐらいに、
絶望と恐怖をたっぷり味あわせてあげますよ。
もちろんシウ妃を妻にしたこともね。」

そうグロキシニアは不気味に不気味に微笑む。
「……全ては私のレディーのために。
いえ、私のなんておこがましい。」

グロキシニアはシウを宗教と同等レベルに崇め、崇拝している。
いわゆる、シウ限定にだがドMという類の人種である。

「あの、宰相閣下。
お客様がいらっしゃっていますが。
閣下の部屋にお通ししましたよ。」

後ろから声がして、グロキシニアを驚かせる。
シウの護衛の、皇太子妃付き護衛チヤだ。

チヤは元は平民のため団長には推薦されなかったが、
実質近衛騎士団長のジェイの何倍も強い。
グロキシニアは剣や武術も極めているが、チヤには適わず
後ろから声を掛けられたら気配を察知できずにいつもびくりとする。

「ありがとうございますチヤ。
気配を消して近づくのは止めてくださいと何回も言っているんでけれどね…。
それとシウ妃の護衛についていなくていいのですか?」
「……そっちの方がレアな閣下見られて面白いんで。
ご主人様は一人になりたいそうなので。
この耳で全部聞こえてますから」

と、チヤが猫耳を指さした。

(くっそその耳欲しい……!!
そしたらシウ様の日常が…。いえいえ、いけません。)

グロキシニアは気を取り直して笑い、
「あなたそういう所シウ妃に似てますよね…。
おっと、人を待たせているんでした。失礼しますよ」
「はい。」

グロキシニアが呼んだ客というのは
ユリシアのことである。

ルマンは滅茶苦茶女好きのため、
ユリシアの方が可愛いと感じれば国とか関係なくユリシアを選ぶだろう。あの人間はそういう男だ。
そのため、三日後にユリシア来るはずがユリシアがどんな女か見るために明日にはユリシアを王城に呼び出すだろう。

さてと、と部屋に戻る。
「お待たせしましたね、ユリシアさん。」
「こんにちは!えっーと、お兄様?」



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