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父の墓に咲く薔薇ー前編
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王都の片隅。 古びた屋敷の一室に、蝋燭の灯が揺れていた。
その淡い光の下で、アラン・ヴァルモントは黙々と帳簿をめくっていた。
指先は冷え切っていたが、彼の目は熱を帯びていた。
黒薔薇商会――表向きは貿易商。
だが、その実態は、復讐のための情報収集と工作を行う秘密組織である。
アランはその中心に立つ者だった。ページをめくる手が、ふと止まる。
そこに記されていた名――エルヴァン公爵。
「……やっと、ここまで来たか」
その声は、誰にも聞かれぬように呟かれた。
だが、その言葉には、長い年月を経た者だけが持つ重みがあった。
* **
かつてアランは、誠実な父と優しい母に愛されて育った、ヴァルモント男爵家の嫡男だった。
男爵家は国内有数のワイナリーを所有していた。
父の作るワインはすっきりとした味わいで評判を呼び、利益も出ていた。
だが、生活は平民と変わらぬほど質素だった。貴族である以上、使用人はいた。
けれども、家族の暮らしを潤すよりも、領地の民に還元することを優先する両親の姿に、幼いアランは苛立ちを覚えていた。
ある日、父が「人身売買の主犯」として告発され、衛兵に連行された。
激しい尋問の末、憔悴しきった姿で帰宅した父は、翌朝、中庭で命を絶った姿で発見された。
母はその衝撃に心を病み、数ヶ月後に、父の後を追った。
裁判は父不在のまま進められ、刑が確定した。
領地は没収され、男爵家は取り潰され、土地はエルヴァン公爵家のものとなった。
十五歳の冬、アランは孤独となった。
施設でも父の名は知られており、居場所を失った。
絶望の中、盗みや詐欺に手を染め、やがてマスレイン収容所へ送られた。
* **
収容所でアランは、エリス・レイノルズと出会った。
元伯爵令嬢でありながら、姉と婚約者の陰謀により冤罪を着せられ、火灼の刑を受けた少女。
彼女は薬草の知識で囚人や看守の信頼を得ていた。
ある日、薬草を摘む彼女にアランは問いかけた。
「お前が親切にするのは、食べ物を分けてもらうためか?それとも感謝されたいからか?」
「どちらでもない……私は必ず生き抜く。そして、私を陥れた者たちを裁く」
その言葉は、アランに父を思い出させた。
彼女もまた、家族を失い、裏切られた者だった。
違うのは、彼女が未来を見据えていたことだった。
* **
冬の寒い日、アランは一人出所した。
迎えはなかったが、彼の心は前を向いていた。
父とエリスの冤罪を晴らすこと――それが彼の使命だった。
アランはエリスの事件を調べ、囚人の戸籍を買い取り、彼女を“ロゼ”として出所させた。
本物のロゼは数日前に他界しており、エリスの死として王宮に伝えられた。
髪の色も顔立ちも変えたエリスは、“ロゼ”という名でエルヴァン公爵家に潜り込んでいた。
表向きは洗濯係。だが、その目的はただひとつ――証拠を掴むことだった。
かつて自分を裏切った侍女、マリアがこの屋敷にいる。
リリアナの推薦で雇われたと聞いたとき、エリスは違和感を覚えた。
犯罪者に仕えていた侍女が、伯爵家よりも上の爵位を持つ公爵家で働いている。
それは、どう考えても不自然だった。
エリスは、洗濯場と帳簿室を行き来しながら、少しずつ情報を集めていった。
誰にも気づかれぬように、足音を忍ばせ、視線を避けながら。
ある日、洗濯場の廊下で、マリアがふと足を止めた。
そこに立っていたのは、うつむき加減の若い使用人――“ロゼ”と名乗るエリスだった。
マリアは、彼女の横顔に目を留めた。
その仕草、歩き方、視線の動かし方――どこか懐かしいものがあった。
(……誰かに似てる。お嬢様……?いや、そんなはずはない。彼女はもう亡くなった)
記憶の底から、かつて仕えていた令嬢の面影が浮かび上がる。
だが、マリアはその思いを打ち消した。 あれは過去のこと。
今ここにいるのは、ただの他人だ――そう言い聞かせながら。
それでも、疑念は消えなかった。
マリアは、洗濯場での彼女の動きを観察し始めた。
洗濯物の扱い方、帳簿室への出入り、薬品庫の鍵の所在――どこか不自然だった。
そして、ある夜。 マリアは、薬品庫の扉がわずかに開いているのを見つけた。
中に入ると、棚の一角がわずかに乱れていた。
そこには、〈アーリスの根〉――かつて人身売買に使われていた毒草が、ひと房だけ欠けていた。
その瞬間、マリアの背筋に冷たいものが走った。
この毒は、かつて自分が見聞きした。 人々に飲ませて体の自由を奪い、誘拐するために使われていた。
マリアはリリアナの指示で公爵家に潜入しているスパイでもあった。
だからこそ、この毒の恐怖を知っていた。
* **
翌日、公爵夫人が倒れた。 食後に突然、体の自由を失い、椅子にしがみつくようにして震えた。
目は見開かれ、声にならぬ悲鳴をあげた。
使用人たちは慌てふためき、医師を呼ぶために使いを走らせた。
だが、医師がこの屋敷に到着するには、少なくとも一刻はかかる。
その間に、夫人の容態は急速に悪化していった。
「誰か……誰か、何が起きたのか分かる者はおらぬのか!」
執事の怒号が飛ぶ中、ひとりの使用人が静かに進み出た。
“ロゼ”――エリス・レイノルズだった。
「この症状……〈アーリスの根〉です。毒です。すぐに処置を」
その言葉に、周囲の者たちは息を呑んだ。
なぜ、洗濯係のメイドが、そんなことを知っているのか。
だが、彼女の手際は迷いがなかった。
薬草棚から解毒に使える薬草を選び、湯に溶かして夫人の口元に運ぶ。
その様子を見ていたマリアの顔色が、みるみるうちに青ざめていった。
そして、ふとした瞬間、エリスと目が合った。
その瞳――あの頃と同じ。
(まさか……エリスお嬢様……)
マリアの中で、すべてが繋がった。
見た目は違うが、あの仕草、あの声、あの目―― あれは、エリス・レイノルズだ。
マリアが公爵夫人に投与したとされた毒――その濃度は、ほんの少しだけ“誤って”いた。
夫人は命を落とさずに済んだ。 だが、体には麻痺が残り、自由を奪われた。
毒殺未遂の容疑で、マリアは拘束された。 彼女は叫んだ。声を振り絞るように。
「私はやっていない! あの娘が……!」
その声は、誰にも届かなかった。
屋敷の者たちは、夫人を救ったメイドが、夫人を毒を盛るはずがないと信じていた。
過去に犯罪者に仕えていた侍女の言葉など、耳を貸す価値もないと決めつけていた。
エリスは、廊下の陰からその様子を見ていた。
マリアの叫びも、震える指も、すべてを見届けていた。 そして、静かに呟いた。
「あなたが私を裏切ったように、今度は私があなたを裁く」
かつて人々を沈黙させるために使われた毒―― 今度は、罪を暴くために使われたのだ。
* **
エルヴァン公爵夫妻は、かつて人身売買で莫大な利益を得ていた。
その金で贅沢の限りを尽くし、特に夫人は宝飾と絹のドレスに身を包み、社交界の華として君臨していた。
エルヴァン公爵夫人の衣装は、王都の仕立て屋でも特別扱いされるほどで、刺繍には金糸が使われ、香水は国外から取り寄せたものだった。
だが、その贅沢の裏には、数え切れぬほどの犠牲があった。
〈アーリスの根〉――かつて、リリアナとラウルが人身売買に用いた毒草。
標的に飲ませて体の自由を奪い、誘拐するために使われた。
見た目はただの乾燥した薬草だが、濃度を誤れば命を奪う。
それを使って、彼らは人々を沈黙させ、売り物として扱っていた。
* **
その〈アーリスの根〉が、ある日、公爵夫人の口に入った。
マリアが毒を仕掛けたとされた。
夫人は食後に突然、体の自由を失い、椅子にしがみつくようにして震えた。
目は見開かれ、声にならぬ悲鳴をあげた。
かつて人々に与えていた毒に、自分が蝕まれたのだ。
その恐怖は、彼女の心を深く抉った。
麻痺は残り、華美な衣装は麻痺の体では、脱着が難しく、身にまとえなくなった。
今では、質素な衣服に身を包み、鏡の前で眉をひそめる日々が続いていた。
着飾ることができない苛立ちが、夫人の怒りとして屋敷中に広がっていた。
マリアの騒動のさなか、エリスはさらに公爵家へ深く入り込んでいた。
帳簿の一頁に、アランの父――トマス・ヴァルモントが拒んだ“独占契約”の痕跡が残されていた。
公爵家はヴァルモント家のワインを独占しようとしたが、男爵はそれを断った。
「貴族の口にだけ届く酒にするつもりはない」――それが、男爵の信念だった。
契約破棄の直後、男爵家は告発され、領地は公爵家のものとなった。
帳簿の数字と印章が、その流れを物語っていた。
さらに、ワインの輸出ルートは、人身売買の経路と一致していた。
エリスは、震える手で帳簿の一頁を抜き取った。
それを、黒薔薇商会へ送る。 沈黙の中に刻まれた告発だった。
「これが……証拠」
その言葉は、帳簿室の闇に落ちていった。 だが、確かに――裁きの始まりだった。
その淡い光の下で、アラン・ヴァルモントは黙々と帳簿をめくっていた。
指先は冷え切っていたが、彼の目は熱を帯びていた。
黒薔薇商会――表向きは貿易商。
だが、その実態は、復讐のための情報収集と工作を行う秘密組織である。
アランはその中心に立つ者だった。ページをめくる手が、ふと止まる。
そこに記されていた名――エルヴァン公爵。
「……やっと、ここまで来たか」
その声は、誰にも聞かれぬように呟かれた。
だが、その言葉には、長い年月を経た者だけが持つ重みがあった。
* **
かつてアランは、誠実な父と優しい母に愛されて育った、ヴァルモント男爵家の嫡男だった。
男爵家は国内有数のワイナリーを所有していた。
父の作るワインはすっきりとした味わいで評判を呼び、利益も出ていた。
だが、生活は平民と変わらぬほど質素だった。貴族である以上、使用人はいた。
けれども、家族の暮らしを潤すよりも、領地の民に還元することを優先する両親の姿に、幼いアランは苛立ちを覚えていた。
ある日、父が「人身売買の主犯」として告発され、衛兵に連行された。
激しい尋問の末、憔悴しきった姿で帰宅した父は、翌朝、中庭で命を絶った姿で発見された。
母はその衝撃に心を病み、数ヶ月後に、父の後を追った。
裁判は父不在のまま進められ、刑が確定した。
領地は没収され、男爵家は取り潰され、土地はエルヴァン公爵家のものとなった。
十五歳の冬、アランは孤独となった。
施設でも父の名は知られており、居場所を失った。
絶望の中、盗みや詐欺に手を染め、やがてマスレイン収容所へ送られた。
* **
収容所でアランは、エリス・レイノルズと出会った。
元伯爵令嬢でありながら、姉と婚約者の陰謀により冤罪を着せられ、火灼の刑を受けた少女。
彼女は薬草の知識で囚人や看守の信頼を得ていた。
ある日、薬草を摘む彼女にアランは問いかけた。
「お前が親切にするのは、食べ物を分けてもらうためか?それとも感謝されたいからか?」
「どちらでもない……私は必ず生き抜く。そして、私を陥れた者たちを裁く」
その言葉は、アランに父を思い出させた。
彼女もまた、家族を失い、裏切られた者だった。
違うのは、彼女が未来を見据えていたことだった。
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冬の寒い日、アランは一人出所した。
迎えはなかったが、彼の心は前を向いていた。
父とエリスの冤罪を晴らすこと――それが彼の使命だった。
アランはエリスの事件を調べ、囚人の戸籍を買い取り、彼女を“ロゼ”として出所させた。
本物のロゼは数日前に他界しており、エリスの死として王宮に伝えられた。
髪の色も顔立ちも変えたエリスは、“ロゼ”という名でエルヴァン公爵家に潜り込んでいた。
表向きは洗濯係。だが、その目的はただひとつ――証拠を掴むことだった。
かつて自分を裏切った侍女、マリアがこの屋敷にいる。
リリアナの推薦で雇われたと聞いたとき、エリスは違和感を覚えた。
犯罪者に仕えていた侍女が、伯爵家よりも上の爵位を持つ公爵家で働いている。
それは、どう考えても不自然だった。
エリスは、洗濯場と帳簿室を行き来しながら、少しずつ情報を集めていった。
誰にも気づかれぬように、足音を忍ばせ、視線を避けながら。
ある日、洗濯場の廊下で、マリアがふと足を止めた。
そこに立っていたのは、うつむき加減の若い使用人――“ロゼ”と名乗るエリスだった。
マリアは、彼女の横顔に目を留めた。
その仕草、歩き方、視線の動かし方――どこか懐かしいものがあった。
(……誰かに似てる。お嬢様……?いや、そんなはずはない。彼女はもう亡くなった)
記憶の底から、かつて仕えていた令嬢の面影が浮かび上がる。
だが、マリアはその思いを打ち消した。 あれは過去のこと。
今ここにいるのは、ただの他人だ――そう言い聞かせながら。
それでも、疑念は消えなかった。
マリアは、洗濯場での彼女の動きを観察し始めた。
洗濯物の扱い方、帳簿室への出入り、薬品庫の鍵の所在――どこか不自然だった。
そして、ある夜。 マリアは、薬品庫の扉がわずかに開いているのを見つけた。
中に入ると、棚の一角がわずかに乱れていた。
そこには、〈アーリスの根〉――かつて人身売買に使われていた毒草が、ひと房だけ欠けていた。
その瞬間、マリアの背筋に冷たいものが走った。
この毒は、かつて自分が見聞きした。 人々に飲ませて体の自由を奪い、誘拐するために使われていた。
マリアはリリアナの指示で公爵家に潜入しているスパイでもあった。
だからこそ、この毒の恐怖を知っていた。
* **
翌日、公爵夫人が倒れた。 食後に突然、体の自由を失い、椅子にしがみつくようにして震えた。
目は見開かれ、声にならぬ悲鳴をあげた。
使用人たちは慌てふためき、医師を呼ぶために使いを走らせた。
だが、医師がこの屋敷に到着するには、少なくとも一刻はかかる。
その間に、夫人の容態は急速に悪化していった。
「誰か……誰か、何が起きたのか分かる者はおらぬのか!」
執事の怒号が飛ぶ中、ひとりの使用人が静かに進み出た。
“ロゼ”――エリス・レイノルズだった。
「この症状……〈アーリスの根〉です。毒です。すぐに処置を」
その言葉に、周囲の者たちは息を呑んだ。
なぜ、洗濯係のメイドが、そんなことを知っているのか。
だが、彼女の手際は迷いがなかった。
薬草棚から解毒に使える薬草を選び、湯に溶かして夫人の口元に運ぶ。
その様子を見ていたマリアの顔色が、みるみるうちに青ざめていった。
そして、ふとした瞬間、エリスと目が合った。
その瞳――あの頃と同じ。
(まさか……エリスお嬢様……)
マリアの中で、すべてが繋がった。
見た目は違うが、あの仕草、あの声、あの目―― あれは、エリス・レイノルズだ。
マリアが公爵夫人に投与したとされた毒――その濃度は、ほんの少しだけ“誤って”いた。
夫人は命を落とさずに済んだ。 だが、体には麻痺が残り、自由を奪われた。
毒殺未遂の容疑で、マリアは拘束された。 彼女は叫んだ。声を振り絞るように。
「私はやっていない! あの娘が……!」
その声は、誰にも届かなかった。
屋敷の者たちは、夫人を救ったメイドが、夫人を毒を盛るはずがないと信じていた。
過去に犯罪者に仕えていた侍女の言葉など、耳を貸す価値もないと決めつけていた。
エリスは、廊下の陰からその様子を見ていた。
マリアの叫びも、震える指も、すべてを見届けていた。 そして、静かに呟いた。
「あなたが私を裏切ったように、今度は私があなたを裁く」
かつて人々を沈黙させるために使われた毒―― 今度は、罪を暴くために使われたのだ。
* **
エルヴァン公爵夫妻は、かつて人身売買で莫大な利益を得ていた。
その金で贅沢の限りを尽くし、特に夫人は宝飾と絹のドレスに身を包み、社交界の華として君臨していた。
エルヴァン公爵夫人の衣装は、王都の仕立て屋でも特別扱いされるほどで、刺繍には金糸が使われ、香水は国外から取り寄せたものだった。
だが、その贅沢の裏には、数え切れぬほどの犠牲があった。
〈アーリスの根〉――かつて、リリアナとラウルが人身売買に用いた毒草。
標的に飲ませて体の自由を奪い、誘拐するために使われた。
見た目はただの乾燥した薬草だが、濃度を誤れば命を奪う。
それを使って、彼らは人々を沈黙させ、売り物として扱っていた。
* **
その〈アーリスの根〉が、ある日、公爵夫人の口に入った。
マリアが毒を仕掛けたとされた。
夫人は食後に突然、体の自由を失い、椅子にしがみつくようにして震えた。
目は見開かれ、声にならぬ悲鳴をあげた。
かつて人々に与えていた毒に、自分が蝕まれたのだ。
その恐怖は、彼女の心を深く抉った。
麻痺は残り、華美な衣装は麻痺の体では、脱着が難しく、身にまとえなくなった。
今では、質素な衣服に身を包み、鏡の前で眉をひそめる日々が続いていた。
着飾ることができない苛立ちが、夫人の怒りとして屋敷中に広がっていた。
マリアの騒動のさなか、エリスはさらに公爵家へ深く入り込んでいた。
帳簿の一頁に、アランの父――トマス・ヴァルモントが拒んだ“独占契約”の痕跡が残されていた。
公爵家はヴァルモント家のワインを独占しようとしたが、男爵はそれを断った。
「貴族の口にだけ届く酒にするつもりはない」――それが、男爵の信念だった。
契約破棄の直後、男爵家は告発され、領地は公爵家のものとなった。
帳簿の数字と印章が、その流れを物語っていた。
さらに、ワインの輸出ルートは、人身売買の経路と一致していた。
エリスは、震える手で帳簿の一頁を抜き取った。
それを、黒薔薇商会へ送る。 沈黙の中に刻まれた告発だった。
「これが……証拠」
その言葉は、帳簿室の闇に落ちていった。 だが、確かに――裁きの始まりだった。
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