なんで夜だけ鬼畜ですか

うに

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する?

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「……ッは、キッツ。ねえ、男とセックスもした事ないの?ミヤお姉ちゃん。」

からかうような声が聞こえる。涙で滲んで顔はよく見えない。

「薬、効いてるでしょ?そんなに、痛くはない、…よねっ?ほら」

「…はっ、あっぅあっ」

グッ、と最奥をゆっくり突かれて、圧迫感が増した。
「痛くない様にやってあげるからね」とあやす様に囁き、ユルユルとお腹の奥を揺さぶり始める。

「……ま、まって…っそこ、しゅう…、ぁー」

今までの気持ち良さとは違う未知の感覚に、ミヤは浅い息を吐きながら側にあったクッションを掴むと、半ば無意識に顔を埋める。

「なに、こっちも?好きだもんねぇココ」

と敏感な芽を指先で摘みながら、奥の行き止まりを優しくノックされて、とうとう異物感までもが快楽になり変わる。
勝手に溢れて止まらない声をクッションに吸い込ませていると、乱暴に取り上げられてポイッと床に放られる。

「…はっ、あっ あっ やだ、」

「その甘えた声好きなんだよね」

満足そうに言うと胸を鷲掴み、先端に軽く爪を立てられる。
感じる場所を好き勝手に弄ばれて、身体の奥から来る快感に支配される恐怖で涙目になりながら、マシューの腕をギュウッと掴むけれど、向けられたのは愉しそうに瞳を輝かせた、嗜虐的な顔だった。
掴み返された手は、まるでここに入っていると確かめさせる様に下腹部に当てられる。

「ほら、挿れたままイってごらん」

ゆっくりと深く出し入れされる気持ち良さと、器用に動く指先の直接的な刺激で、ミヤは言われるがままにマシューを締め付け、腰を震わせてしまった。


「お仕置きだよな?コレ。お仕置きになってんのか?」

甘い声を出して果てるミヤをからかうように笑いながら、ビクビクと跳ねる腰を掴み、またユルユルと動き始める彼を慌てて止める。

「はぁッ…や、まって…!もーできなっ…やら、しゅう…!」

登り詰めた快感から中々降りてこられずに、舌っ足らずに懇願した淡く優しげな色合いの彼は、
突き放すような瞳で見つめ返してきて、

「俺はまだイってないよ。出すまでずっとイってれば?」

そう言って激しく腰を打ち付けた。



「えっ、帰るの?」

髪を梳かれる感触で目が覚めると、もう日は高かった。
重い身体でのそのそとベッドを降りようとするレーミヤを、マシューは寂しそうに眉を下げて見つめている。

(人間に戻ってる…)

なんて失礼な事を考えながら、今日の予定を思い返す。

「だって、父様が夕方には帰ってくるから。婚約の事をきちんと相談しないといけないわ。」

マシューとは気心が知れているとは言え、主治医をしていた男がいきなり娘と結婚すれば、きっと驚くだろう。もしかしたら怒るかも知れない。
うまく説明出来る様に、まずは母様に相談して、それから、ユーリのことを考えて、それで…

「もう報告はしたよ?3日後に僕も行くからさぁ、その時に一緒に考えればいーよ。」

「…え⁈何を報告したの⁈」

ゆるーい感じで言っているけれど、まさか結婚するなんて言った訳では…

「娘さんがやっと折れたので結婚しますよーって。家同士で話は進んでたから、今からやる事は特にないと思うよ。」

自分の事なのに置いてけぼりなミヤをのんびりとベッドに抱き戻すと、後ろから腕を回して首筋に顔を埋める。

「あとは好きってミヤに言わせるだけだったんだよ。クソみてーな邪魔が入ったけどさぁ、僕を手放せない事に気付けたんなら当て馬野郎も本望だよねー。」

ゆるーい喋り方のままに毒を吐くマシューに内心ドキリとしながら、それでも置いてけぼり感は拭えない。

「そんな、どうして知らないところでもう話が進んでいるの?私、貴方との縁談なんて覚えがないわよ?いつからそんな計画があったのよ」

「ハ、いつからかって?知りたいの?」

笑っているのか怒っているのか分からない声で言われて、振り向かないままに頷くと、耳元で低く囁かれる。

「僕が側に居ないと生きていけないって泣きじゃくりながら、縋り付いて、離さなかったんだ。君は覚えていないと思うけど」

(それは…、)

「貴方と初めて会った時?」

他人が居ると魔力酔いで気分が悪くなる私の前に、唯一現れた、心地良い魔力の波長の持ち主。それが、当時の主治医の息子である、シューだった。
どうしても離れ難くてつい引き止めて、初対面で我がままを言ってしまった覚えがある。

「なんて可愛い生き物なんだろうと思ったよ。あの子が、君が、ずっと欲しかった。」

(…………えっ?そこから?)

「主治医になろうと決めて勉強を始めた時も、僕に会えなくて君がまた泣くのかと思うと頑張れたよ。…ねぇ、あの頃は寂しかった?」

パタリと会えない期間があった。
それまで、父親の往診について来た彼と過ごす事が、当たり前になっていた。
寂しくて、甘えすぎたと後悔して、自分から会いに行くどころか、出掛ける事もままならない無力な自分を嫌悪して…。
そして、出来る事を少しでも増やそうと立ち上がった時、再びマシューに会えた。

「…………寂しかった。」

ポロリと溢れた涙と本音。
泣くだけの子供だった頃とは違う、情けない姿はもう見せないようにしてきたつもりなのに、彼の前では、いつも情けない。

「ねぇ、レーミヤ。この先もずっと側に居て欲しい?」

「……居て欲しい。」

抱き締める力が強まり、首筋に強くキスをされると、そこからじわりと幸せが広がっていく。

「僕と…、結婚する?」

コクリと頷くと、露出したうなじに何度もキスを落とされる。

「…する。シューとしたい。私、その為に何でも努力するわ。シューに一緒に居たいって思ってもらえるように、役に立つ、いっ、痛い。首を噛まないで」

「……やばい。興奮してきた。」

「はあ?」

微妙に噛み合わない時があるのは、昔から変わらない。
今の私の決意って聞こえてた?なんなの、マイペースなの?朝でも獣になるの?
そんな言葉を全て飲み込んで、

(まぁ、これから歩み寄って行く…のよね?)

と、婿殿の外すボタンを片っ端から閉め直しながら、結婚生活に思いを馳せた。

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