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第31話六年前~ブリリアントside~
公式愛妾には「お披露目会」があります。
夜会で、国王陛下が「今」の公式愛妾を貴族達に招待し周知させるという仕来たりが。
ベリー伯爵夫人は一から貴族の常識を学ばなければなりませんでした。下町育ちということで貴族特有の高慢さや傲慢さが一切ない女性です。そんな彼女と一緒にシュゼット側妃を鍛えようという事になりました。共に学べばシュゼット側妃の識改革になるだろうという考えからだったのです。
「宜しいこと、シュゼット側妃。貴女は曲がりなりにも貴族階級出身なのですよ?なのに、何故、ベリー伯爵夫人にできる事が貴女にはできないのですか!」
「申し訳ありません」
「謝っていただきたいのではありません。きちんと学んでいただきたいのです。成果を出して欲しいのです。分かりますか?」
「……ほんとうに……申し訳ありません」
「ベリー伯爵夫人は貴婦人として相応しい言葉遣いや立ち居振る舞い、マナーを身に付けましたわ。勉学の方も著しい成長過程が見られます。最初は文字の読み書きから始まったのにですよ。その間、貴女は一体何を学んでいたのですか!!」
簡単な挨拶と、基本的なマナーを何とか詰め込むことに成功しました。ですが、それ以上はどうしても成果がでません。一緒に学んでいたベリー伯爵夫人に追い抜かれてしまっている始末です。
ダンスにしても、何度練習してもステップを踏み間違えています。お茶の産地も全く頭に入っていないようですし、どうしたら覚えてくださるのでしょう?
まだまだ覚える事は山のようにあります。
貴族の名前と親族関係、派閥、経歴、歴史、地理、と必要最低限を学ぶ事を拒否しているとしか思えません。
シュゼット側妃の教育は前途多難としか言いようがありません。
全て終えるのに年単位が必要になるのではないでしょうか?
頭の痛い問題はそれだけではありませんでした。
「母上を苛めるのはやめよ」
勘違いも甚だしい。
その後は散々でした。
ユリウス王子は選りにも選って私情を優先させたのです。
シュゼット側妃の勉学を全て取り止めにする暴挙に及びました。これには妃達も呆れ果てていましたわ。あまりにも御自分の立場を理解していない行動だったのですもの。
「もう放っておきなさい」
「お母様」
「王妃の許可も取ってあるし、国王からの了承も得ているのだもの。あの親子が夜会で失態を演じてもそれは彼らの責任というものよ。ブリリアントが説明しても全然だったのでしょう?」
「はい。私や他の妃達がシュゼット側妃を教育と言う名の虐めをしているとしか受け取りません」
「随分と、捻くれた解釈をしてくれるわね。後で大恥をかくのは自分だっていうのに」
「前から思っていましたが、ユリウス王子は必要以上にシュゼット側妃を庇われるのです。シュゼット側妃もそれが当然のような御様子ですわ」
「母と息子が揃って依存症だなんて最悪な展開ね。ブリリアント、シュゼット側妃の教育は諦めなさい。あれでは打つ手がないわ。苦労人の妃と聞いてはいたけど……どうやら、別の意味で箱入りだったのね。まあ、十五歳で後宮に引き籠っていたら世間知らずのままよね。良いじゃない。ユリウス王子はそれで良いと言ったんでしょう」
「はい。『母上は学ぶ必要はない』の一点張りです」
「なら、現実を見せてあげればいいわ。自分の母親が中身スカスカの顔だけ女だって事をね」
夜会で、国王陛下が「今」の公式愛妾を貴族達に招待し周知させるという仕来たりが。
ベリー伯爵夫人は一から貴族の常識を学ばなければなりませんでした。下町育ちということで貴族特有の高慢さや傲慢さが一切ない女性です。そんな彼女と一緒にシュゼット側妃を鍛えようという事になりました。共に学べばシュゼット側妃の識改革になるだろうという考えからだったのです。
「宜しいこと、シュゼット側妃。貴女は曲がりなりにも貴族階級出身なのですよ?なのに、何故、ベリー伯爵夫人にできる事が貴女にはできないのですか!」
「申し訳ありません」
「謝っていただきたいのではありません。きちんと学んでいただきたいのです。成果を出して欲しいのです。分かりますか?」
「……ほんとうに……申し訳ありません」
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簡単な挨拶と、基本的なマナーを何とか詰め込むことに成功しました。ですが、それ以上はどうしても成果がでません。一緒に学んでいたベリー伯爵夫人に追い抜かれてしまっている始末です。
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まだまだ覚える事は山のようにあります。
貴族の名前と親族関係、派閥、経歴、歴史、地理、と必要最低限を学ぶ事を拒否しているとしか思えません。
シュゼット側妃の教育は前途多難としか言いようがありません。
全て終えるのに年単位が必要になるのではないでしょうか?
頭の痛い問題はそれだけではありませんでした。
「母上を苛めるのはやめよ」
勘違いも甚だしい。
その後は散々でした。
ユリウス王子は選りにも選って私情を優先させたのです。
シュゼット側妃の勉学を全て取り止めにする暴挙に及びました。これには妃達も呆れ果てていましたわ。あまりにも御自分の立場を理解していない行動だったのですもの。
「もう放っておきなさい」
「お母様」
「王妃の許可も取ってあるし、国王からの了承も得ているのだもの。あの親子が夜会で失態を演じてもそれは彼らの責任というものよ。ブリリアントが説明しても全然だったのでしょう?」
「はい。私や他の妃達がシュゼット側妃を教育と言う名の虐めをしているとしか受け取りません」
「随分と、捻くれた解釈をしてくれるわね。後で大恥をかくのは自分だっていうのに」
「前から思っていましたが、ユリウス王子は必要以上にシュゼット側妃を庇われるのです。シュゼット側妃もそれが当然のような御様子ですわ」
「母と息子が揃って依存症だなんて最悪な展開ね。ブリリアント、シュゼット側妃の教育は諦めなさい。あれでは打つ手がないわ。苦労人の妃と聞いてはいたけど……どうやら、別の意味で箱入りだったのね。まあ、十五歳で後宮に引き籠っていたら世間知らずのままよね。良いじゃない。ユリウス王子はそれで良いと言ったんでしょう」
「はい。『母上は学ぶ必要はない』の一点張りです」
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