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第45話三年前~学園の理事長side~
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ユリウス王太子殿下が留学された。
これで、学園にも平和が戻ってくるというものだ。
本来なら学園が王太子殿下の更生に力を注がなければならないところだが如何せん、あの王太子殿下は気に入った者としか会話をしない。成績も学園トップだ。才能あふれる王太子だった。けれど人望がまったくない。いや、あれだけ学内で暴れ回っていたのだ。なくて当然か。才能だけで国王など務まらないと言う事が分かっていない。この国に必要な王は、才気煥発な者ではなく調整役に優れた者だ。その点でいうならば、現国王陛下は理想的な君主と言えた。しかし、今代の王には子供が一人しかいない。それが悔やまれてならない。
旧来の悪しき慣例を撤廃したシャイン公爵を国王に望む声は今も多いが、あの方が頂にたてば混乱が生じるだろう。なにしろ、敵が多過ぎる。味方も勿論多いが、それ以上に、敵対する者が後を絶たないのだ。帝国皇女を妻に持っていなければ今頃暗殺者によって殺されていただろう。それだけキツイ方なのだ。もっともそれは御本人が一番よく御存知なのだから他者が何かを言う資格はない。
皆が言うように公爵の功績あってのこの国なのだ。
願わくば、次期国王に幸多かれ。
そう思う者は私だけではなく国民の誰もがそう思っているはずだ。
そして今日も私は職務を全うすべく学園に向かう。生徒の安全を守る為に。
「やっと王太子殿下が学園を去ったか。これで平穏な学園生活が送れるというものだ」
「まったくだ。腰巾着の連中も一緒にな」
「まあそう言ってやるなよ。ああいう手合いとは付き合わないに限るというものだ」
「そうは言うが、いずれ国王になられる方だ。無視もできないだろう?」
「無視せずに貴族の常識を話して聞かせたら殴ってくる始末だ。王家はまともに教育を施せないとみた」
「口より手が早い事は確かだ。まあ、ブリリアント様が手綱を引いてくださるだろう」
生徒達の酷評を聞く度に頭が痛くなる。どうすればここまで酷い関係になれるのか理解に苦しむ程だ。
そしてそれを訂正しない私も大概だった。
なにしろ、事実を言っている生徒に注意を促す言葉が見つからないのだから。
これで、学園にも平和が戻ってくるというものだ。
本来なら学園が王太子殿下の更生に力を注がなければならないところだが如何せん、あの王太子殿下は気に入った者としか会話をしない。成績も学園トップだ。才能あふれる王太子だった。けれど人望がまったくない。いや、あれだけ学内で暴れ回っていたのだ。なくて当然か。才能だけで国王など務まらないと言う事が分かっていない。この国に必要な王は、才気煥発な者ではなく調整役に優れた者だ。その点でいうならば、現国王陛下は理想的な君主と言えた。しかし、今代の王には子供が一人しかいない。それが悔やまれてならない。
旧来の悪しき慣例を撤廃したシャイン公爵を国王に望む声は今も多いが、あの方が頂にたてば混乱が生じるだろう。なにしろ、敵が多過ぎる。味方も勿論多いが、それ以上に、敵対する者が後を絶たないのだ。帝国皇女を妻に持っていなければ今頃暗殺者によって殺されていただろう。それだけキツイ方なのだ。もっともそれは御本人が一番よく御存知なのだから他者が何かを言う資格はない。
皆が言うように公爵の功績あってのこの国なのだ。
願わくば、次期国王に幸多かれ。
そう思う者は私だけではなく国民の誰もがそう思っているはずだ。
そして今日も私は職務を全うすべく学園に向かう。生徒の安全を守る為に。
「やっと王太子殿下が学園を去ったか。これで平穏な学園生活が送れるというものだ」
「まったくだ。腰巾着の連中も一緒にな」
「まあそう言ってやるなよ。ああいう手合いとは付き合わないに限るというものだ」
「そうは言うが、いずれ国王になられる方だ。無視もできないだろう?」
「無視せずに貴族の常識を話して聞かせたら殴ってくる始末だ。王家はまともに教育を施せないとみた」
「口より手が早い事は確かだ。まあ、ブリリアント様が手綱を引いてくださるだろう」
生徒達の酷評を聞く度に頭が痛くなる。どうすればここまで酷い関係になれるのか理解に苦しむ程だ。
そしてそれを訂正しない私も大概だった。
なにしろ、事実を言っている生徒に注意を促す言葉が見つからないのだから。
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