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~ボルゴーヌ王国編~
3.ドタキャン2
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「フリッド様にもお立場というものがあるでしょうし、あまり強くは言いたくありませんが。王女殿下もお立場を考えて行動して頂かなくては」
「仰る通りです。申し訳ございません」
再び頭を下げる執事。
謝罪は何度も聞きました。
本人からではなく、公爵家に仕える人々からは。
この執事は特に。
何度もフリッド様のために頭を下げられています。
「いえ、フリッド様を責めているわけではありませんわ。ただ、もう少し自覚を持って頂きたいものですわ」
「はい……」
「ですが、今度からはちゃん前日までには連絡を入れて下さいと私が言っていたと伝えてくださいな」
「かしこまりました。そのように伝えておきます」
「それと、これ以上、マナー違反を繰り返すようであれば、私も相応の対応を取らざるを得ませんわ、とも」
最後通知というわけではありませんが、こう続いてはね。
「はい。肝に銘じておきます」
「よろしくお願い致しますわ」
「それでは、失礼いたします」
そうして、執事は帰っていきました。
これで何度目かしら?
お茶会やデートをドタキャンされたのは。
主人の不始末を謝罪する執事には悪いけれど、つい軽蔑の眼差しで見てしまうわ。
フリッド様もどうして前もって連絡するという手段を取れないのかしら?直前になって王女に「行かないで」と縋られたから?病人だから?四日前には殆ど治りかけていたのに。急変した?普通は「おかしい」と感じるものです。
フリッド様はそうは感じなかったようですわね。
幼馴染だから信頼しているのかしら?
それとも王女は「そういうもの」とでも思っているのかしら?
どれも当てはまりそうだわ。
執事の忠告も聞かないでしょうしね。
約束破りが日常化しつつあるし、今後も守られることはないでしょう。
「困るのは自分達だと理解していないのよね」
まあ、どちらにしても明日になればまた新しい噂が追加されるでしょう。
今度はどんな内容になるか楽しみだわ。
「仰る通りです。申し訳ございません」
再び頭を下げる執事。
謝罪は何度も聞きました。
本人からではなく、公爵家に仕える人々からは。
この執事は特に。
何度もフリッド様のために頭を下げられています。
「いえ、フリッド様を責めているわけではありませんわ。ただ、もう少し自覚を持って頂きたいものですわ」
「はい……」
「ですが、今度からはちゃん前日までには連絡を入れて下さいと私が言っていたと伝えてくださいな」
「かしこまりました。そのように伝えておきます」
「それと、これ以上、マナー違反を繰り返すようであれば、私も相応の対応を取らざるを得ませんわ、とも」
最後通知というわけではありませんが、こう続いてはね。
「はい。肝に銘じておきます」
「よろしくお願い致しますわ」
「それでは、失礼いたします」
そうして、執事は帰っていきました。
これで何度目かしら?
お茶会やデートをドタキャンされたのは。
主人の不始末を謝罪する執事には悪いけれど、つい軽蔑の眼差しで見てしまうわ。
フリッド様もどうして前もって連絡するという手段を取れないのかしら?直前になって王女に「行かないで」と縋られたから?病人だから?四日前には殆ど治りかけていたのに。急変した?普通は「おかしい」と感じるものです。
フリッド様はそうは感じなかったようですわね。
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どれも当てはまりそうだわ。
執事の忠告も聞かないでしょうしね。
約束破りが日常化しつつあるし、今後も守られることはないでしょう。
「困るのは自分達だと理解していないのよね」
まあ、どちらにしても明日になればまた新しい噂が追加されるでしょう。
今度はどんな内容になるか楽しみだわ。
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