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24.とある女社長side
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「早川陽向さん」
「!?」
「貴女は新しいお友達の為に色々と手を尽くした、そうですね?」
「なんの……事でしょう……」
「鈴木様の御子息とお付き合いをなさっている女子学生を貴女は大層気に入ったようね。いいえ、貴女だけじゃないわ。生徒会の者達、と言い直した方が宜しいかしら。倫子さんは主に裏方を担当されていたので知らないのかもしれませが、他の生徒会役は暴言を、時には暴力すれすれの行動で、せっかく親切に苦言を呈してくださる学生達を学園から追い出していたそうよ」
「そ、そんな……」
「その様子だと知らなかったようね」
私は全く知らなかった。
皆がそんな事をしていたなんて……。
そんな私の様子を見ていた母は、今度は優しく諭すように話しかける。
「貴女達の通う学校は私立です。しかも各家が寄付をする事で成り立っている学校なのです。当然、保護者の方々に学校側から連絡が入ります。貴女達が今まで何事もなく学校生活を続けられていたのは、あの学校に多くの寄付をしているのが高梨家と鈴木家だからに他なりません。学校側がこの両家に忖度をしたからこそ、罰せられる事もなく過ごせていたんです。ですが、これ以上の好き勝手を許す事はできません。貴女の行動は会社のイメージを悪化させる可能性があるのです」
「お、お母様……」
「幸い、貴女はまだ18歳。まだやり直しができる年齢。だからこそ私達は貴女に留学を命じます」
「!?」
母の言葉の後、父が再び口を開く。
「学園に通っていた生徒の中には既に世界に羽ばたいている者もいる。……聡い者達はとっくに彼らと距離を取っているんだ」
「どういうこと……ですか……?」
私は知らぬうちに両親の言葉に質問をしていた。
二人とも顔をしかめている。
両親の顔色は悪い。もしかしてあまり良くない事なのかもしれない。でも、聞かずにはいられなかった。
「鈴木家の晃司君には婚約者がいる。伊集院家の御令嬢だ。それだけで判断できるだろう。……奔放な息子を持つと大変なものだな。伊集院家も学生の間までは好きにさせてくれるかもしれん。だがその後は分からん。伊集院家が婚約解消を申し出るかもしれん。いや、晃司君が恋人を選んで婚約を解消するかもしれない。最悪、恋人と駆け落ちするかもしれん。……どちらに転んでも鈴木家は痛手を負う。それに巻き込まれる訳にはいかないのだ。事前に出来る手は打っておかないとな」
こ、婚約者……。
そうだ。鈴木君には婚約者がいたんだわ。
あぁ……どうして今まで忘れていたの!?
有名な話だったのに!!
私は足から力が抜けその場にへたり込んでしまった。
「理解していただけたようね。これから先、何が起ころうとも、かの特待生とは無関係を貫きなさい。いいですね?鈴木家とも関わってはなりません。分かりましたか?」
私は何も答える事が出来ない。それを確認した両親は満足そうに書斎から出て行った。
父は学園に様々なパイプを持っている。手出しする、しないは相手次第だと言っていたけれど、それはつまり……。
でも、そんな事どうでもいいじゃない……。
もう……終わった……。終わってしまった……。
御伽噺はめでたしめでたしで終わるけど現実は違う。
私は……私達は学園と言う小さな箱庭で人形劇をしていたに過ぎなかった。
「!?」
「貴女は新しいお友達の為に色々と手を尽くした、そうですね?」
「なんの……事でしょう……」
「鈴木様の御子息とお付き合いをなさっている女子学生を貴女は大層気に入ったようね。いいえ、貴女だけじゃないわ。生徒会の者達、と言い直した方が宜しいかしら。倫子さんは主に裏方を担当されていたので知らないのかもしれませが、他の生徒会役は暴言を、時には暴力すれすれの行動で、せっかく親切に苦言を呈してくださる学生達を学園から追い出していたそうよ」
「そ、そんな……」
「その様子だと知らなかったようね」
私は全く知らなかった。
皆がそんな事をしていたなんて……。
そんな私の様子を見ていた母は、今度は優しく諭すように話しかける。
「貴女達の通う学校は私立です。しかも各家が寄付をする事で成り立っている学校なのです。当然、保護者の方々に学校側から連絡が入ります。貴女達が今まで何事もなく学校生活を続けられていたのは、あの学校に多くの寄付をしているのが高梨家と鈴木家だからに他なりません。学校側がこの両家に忖度をしたからこそ、罰せられる事もなく過ごせていたんです。ですが、これ以上の好き勝手を許す事はできません。貴女の行動は会社のイメージを悪化させる可能性があるのです」
「お、お母様……」
「幸い、貴女はまだ18歳。まだやり直しができる年齢。だからこそ私達は貴女に留学を命じます」
「!?」
母の言葉の後、父が再び口を開く。
「学園に通っていた生徒の中には既に世界に羽ばたいている者もいる。……聡い者達はとっくに彼らと距離を取っているんだ」
「どういうこと……ですか……?」
私は知らぬうちに両親の言葉に質問をしていた。
二人とも顔をしかめている。
両親の顔色は悪い。もしかしてあまり良くない事なのかもしれない。でも、聞かずにはいられなかった。
「鈴木家の晃司君には婚約者がいる。伊集院家の御令嬢だ。それだけで判断できるだろう。……奔放な息子を持つと大変なものだな。伊集院家も学生の間までは好きにさせてくれるかもしれん。だがその後は分からん。伊集院家が婚約解消を申し出るかもしれん。いや、晃司君が恋人を選んで婚約を解消するかもしれない。最悪、恋人と駆け落ちするかもしれん。……どちらに転んでも鈴木家は痛手を負う。それに巻き込まれる訳にはいかないのだ。事前に出来る手は打っておかないとな」
こ、婚約者……。
そうだ。鈴木君には婚約者がいたんだわ。
あぁ……どうして今まで忘れていたの!?
有名な話だったのに!!
私は足から力が抜けその場にへたり込んでしまった。
「理解していただけたようね。これから先、何が起ころうとも、かの特待生とは無関係を貫きなさい。いいですね?鈴木家とも関わってはなりません。分かりましたか?」
私は何も答える事が出来ない。それを確認した両親は満足そうに書斎から出て行った。
父は学園に様々なパイプを持っている。手出しする、しないは相手次第だと言っていたけれど、それはつまり……。
でも、そんな事どうでもいいじゃない……。
もう……終わった……。終わってしまった……。
御伽噺はめでたしめでたしで終わるけど現実は違う。
私は……私達は学園と言う小さな箱庭で人形劇をしていたに過ぎなかった。
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