【完結】婚約破棄される前に私は毒を呷って死にます!当然でしょう?私は王太子妃になるはずだったんですから。どの道、只ではすみません。

つくも茄子

文字の大きさ
15 / 37

14.筆頭公爵

しおりを挟む

まさか王太子殿下が、これほどまでに愚かだったとは。
そこに自分の息子も加担している事に嘆くしかない。
どうして庶子の自分が『跡取り』と勘違いしていたのか理解に苦しむ。
理由はだ。
コーリアが原因だろう。
伯爵令嬢にも拘らず、貴族らしからぬ女だ。
まあ、そこが気に入っていたともいえるのだが。
若かったのだ。
頭の弱いバカな女に癒された。
飛びぬけた美貌の女でもあったのも惹かれた一因だ。
美しく弱く非常識な女が“他とは違う”と感じて愛した。
私も息子の事をとやかく言えた義理ではないが、アレコリンと違って分別は持っていた。身分的にも、素質的にも、決して正妻には出来ない事は理解していたのだ。だが、囲い者愛人には最適な女だった。コーリアの実家も喜んで娘を引き渡してきたところからも、コーリア自身が下位貴族の妻にもなれない貴族令嬢としては落第だという事を嫌というほど理解していた。

貴族令嬢の作法は出来ていたが、一般常識貴族社会の常識が無かった。
基本、家を取り仕切るのは妻だ。
その事からも、コーリアは無能の一言に尽きた。
だが、それでよかったのだ。コーリア自身も「愛される女」で居続けることを望んでいたのだからな。

恐らく、男爵令嬢もコーリアに似通った女なのだろう。

コーリアは伯爵令嬢にも拘らず甘やかされて育てられた女だった。
跡取り息子に恵まれ、嫁ぎ先要員である娘にも恵まれた伯爵夫妻。
年を取ってから出来た末娘は大層可愛かったのだろう。上の子供達には貴族として厳しく躾けたのに、コーリアだけは甘やかしている。
家のためになる子供達が既にいたからだろう。
まるでペットを可愛がるかのように溺愛していた。
いっそのこと、室内ペットでも飼えばいいものを、と思うが、伯爵夫妻は大の動物嫌いだった。
恐らく、コーリアはその代わりだったのだろう。
本人達は否定するだろうが、客観的に見ればそうとしか思えない。

コーリアは自由な女だ。
世間知らずで、甘え上手。
楽しい事が好きで、努力することを知らない。
贅沢を好み、毎日を楽に面白く過ごすことを望んでいる。



男爵令嬢は更に質が悪い。
婚約者のいる王太子殿下に擦り寄るのだからな。
そんな女を正妃にする?
正気の沙汰ではない。

今回の一件は諸外国でも物議を醸している。
失われた信頼を取り戻すことは不可能に近い。
なにしろ、騒ぎの原因は次代を担う若者たち。
いずれ我が国のトップに立つ王太子殿下とその配下だ。
彼らが跡を継げば我が国が滅ぶ。
今でさえ、各国から絶縁を言い渡されている状態だ。
殿下達はアレクサンドラが目を覚ましたらなんとかなる、と思っているようだが、事はそんな簡単ではない!

あの国が動く……。

しおりを挟む
感想 71

あなたにおすすめの小説

悪役令嬢は手加減無しに復讐する

田舎の沼
恋愛
公爵令嬢イザベラ・フォックストーンは、王太子アレクサンドルの婚約者として完璧な人生を送っていたはずだった。しかし、華やかな誕生日パーティーで突然の婚約破棄を宣告される。 理由は、聖女の力を持つ男爵令嬢エマ・リンドンへの愛。イザベラは「嫉妬深く陰険な悪役令嬢」として糾弾され、名誉を失う。 婚約破棄をされたことで彼女の心の中で何かが弾けた。彼女の心に燃え上がるのは、容赦のない復讐の炎。フォックストーン家の膨大なネットワークと経済力を武器に、裏切り者たちを次々と追い詰めていく。アレクサンドルとエマの秘密を暴き、貴族社会を揺るがす陰謀を巡らせ、手加減なしの報復を繰り広げる。

彼女にも愛する人がいた

まるまる⭐️
恋愛
既に冷たくなった王妃を見つけたのは、彼女に食事を運んで来た侍女だった。 「宮廷医の見立てでは、王妃様の死因は餓死。然も彼が言うには、王妃様は亡くなってから既に2、3日は経過しているだろうとの事でした」 そう宰相から報告を受けた俺は、自分の耳を疑った。 餓死だと? この王宮で?  彼女は俺の従兄妹で隣国ジルハイムの王女だ。 俺の背中を嫌な汗が流れた。 では、亡くなってから今日まで、彼女がいない事に誰も気付きもしなかったと言うのか…? そんな馬鹿な…。信じられなかった。 だがそんな俺を他所に宰相は更に告げる。 「亡くなった王妃様は陛下の子を懐妊されておりました」と…。 彼女がこの国へ嫁いで来て2年。漸く子が出来た事をこんな形で知るなんて…。 俺はその報告に愕然とした。

【完結】高嶺の花がいなくなった日。

恋愛
侯爵令嬢ルノア=ダリッジは誰もが認める高嶺の花。 清く、正しく、美しくーーそんな彼女がある日忽然と姿を消した。 婚約者である王太子、友人の子爵令嬢、教師や使用人たちは彼女の失踪を機に大きく人生が変わることとなった。 ※ざまぁ展開多め、後半に恋愛要素あり。

あなたなんて大嫌い

みおな
恋愛
 私の婚約者の侯爵子息は、義妹のことばかり優先して、私はいつも我慢ばかり強いられていました。  そんなある日、彼が幼馴染だと言い張る伯爵令嬢を抱きしめて愛を囁いているのを聞いてしまいます。  そうですか。 私の婚約者は、私以外の人ばかりが大切なのですね。  私はあなたのお財布ではありません。 あなたなんて大嫌い。

なぜ、虐げてはいけないのですか?

碧井 汐桜香
恋愛
男爵令嬢を虐げた罪で、婚約者である第一王子に投獄された公爵令嬢。 処刑前日の彼女の獄中記。 そして、それぞれ関係者目線のお話

貴方が側妃を望んだのです

cyaru
恋愛
「君はそれでいいのか」王太子ハロルドは言った。 「えぇ。勿論ですわ」婚約者の公爵令嬢フランセアは答えた。 誠の愛に気がついたと言われたフランセアは微笑んで答えた。 ※2022年6月12日。一部書き足しました。 ※架空のお話です。現実世界の話ではありません。  史実などに基づいたものではない事をご理解ください。 ※話の都合上、残酷な描写がありますがそれがざまぁなのかは受け取り方は人それぞれです。  表現的にどうかと思う回は冒頭に注意喚起を書き込むようにしますが有無は作者の判断です。 ※更新していくうえでタグは幾つか増えます。 ※作者都合のご都合主義です。 ※リアルで似たようなものが出てくると思いますが気のせいです。 ※爵位や言葉使いなど現実世界、他の作者さんの作品とは異なります(似てるモノ、同じものもあります) ※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。

【完結】側妃は愛されるのをやめました

なか
恋愛
「君ではなく、彼女を正妃とする」  私は、貴方のためにこの国へと貢献してきた自負がある。  なのに……彼は。 「だが僕は、ラテシアを見捨てはしない。これから君には側妃になってもらうよ」  私のため。  そんな建前で……側妃へと下げる宣言をするのだ。    このような侮辱、恥を受けてなお……正妃を求めて抗議するか?  否。  そのような恥を晒す気は無い。 「承知いたしました。セリム陛下……私は側妃を受け入れます」  側妃を受けいれた私は、呼吸を挟まずに言葉を続ける。  今しがた決めた、たった一つの決意を込めて。 「ですが陛下。私はもう貴方を支える気はありません」  これから私は、『捨てられた妃』という汚名でなく、彼を『捨てた妃』となるために。  華々しく、私の人生を謳歌しよう。  全ては、廃妃となるために。    ◇◇◇  設定はゆるめです。  読んでくださると嬉しいです!

一番悪いのは誰

jun
恋愛
結婚式翌日から屋敷に帰れなかったファビオ。 ようやく帰れたのは三か月後。 愛する妻のローラにやっと会えると早る気持ちを抑えて家路を急いだ。 出迎えないローラを探そうとすると、執事が言った、 「ローラ様は先日亡くなられました」と。 何故ローラは死んだのは、帰れなかったファビオのせいなのか、それとも・・・

処理中です...