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~輝く日の宮の章~
第58話先帝の女四の宮、入内
しおりを挟む桐壺の更衣がいる以上、来ないと思っていた藤壺の女御が入内した。
なんで?
しかも原作と同様に十五歳で。あれ十四歳だっけ?
今、僕が九歳だから、五歳足して十四歳か。
兎にも角にも、先の帝の第四皇女が入内する話は宮中を驚かせた。
――内裏――
「御覧になりまして?新しく入内なさる姫宮様」
やっぱり噂になったか。
まあ、なるわな。
「ですが、何故、姫宮様は入内なさったのでしょう?内親王は婚姻しないのが習わし。前例がない訳ではありませんが、それでも稀な事ですわ」
「確かにそうですね。よほどのことがなければ婚姻などなさらないはず……。
後ろ盾のない姫宮ならば兎も角、内親王様には頼りになる後ろ盾おありの先帝の女四の宮…何故かしら?」
「母君がお亡くなりになり、塞ぎがちになっている内親王様を兄君の兵部卿の宮が心の気晴らにどうかと申して入内させたそうですよ」
「……それは…少し無理があるのではないかしら?今の内裏は気晴らしが出来るような場所ではありません。却って、気を悪くなさるのではないかしら?」
「それが、帝も『早くに御両親を亡くされた女四の宮が実に気の毒だ。先帝は私の叔父上でもあり、生前は大変お世話になった。私も女四の宮を実の娘のように思っておる。入内するというならば、皇女たちと同列に遇することにしよう』と仰っていたそうですわ」
「お珍しい」
「クスクスクス。本当のところ、兵部卿の宮の熱心さに根負けしたというのが実情らしいですわ」
「あらあらあら。兵部卿の宮はよほど自身が御有りのようですわね」
「妹宮を送り込んでくるぐらいですもの。帝の寵を競えると踏んでいらっしゃるのでしょう」
どうやら兄である兵部卿の宮の策略らしい。
それにしても、相変わらず女御様方は情報通だな。
どこかの女御の局に遊びにいくと何かしら情報が溢れているんだから。
え?
会話に参加しないのかって?
ムリムリムリ。
こういうのは男はひたすら貝になってないといけない。
女の会話に男が入り込むのはタブーだよ!
「兵部卿の宮は自身が御有りなのでしょう。なんでも桐壺の更衣に瓜二つという話ですわ」
「それは内親王様に失礼というものです。更衣風情に似ているなど」
「けれど、生き写しのように似ているそうですわ」
「それが本当だとすれば、兵部卿の宮様は、桐壺の更衣に瓜二つの妹宮を入内させれば、必ず主上の寵愛を得られると踏んだのでしょう」
女御たちの言葉は的を得ている。
寵妃と同じ顔で、若く、身分も高い。
桐壺更衣への寵愛は、妹宮にそっくりそのまま移る、という考えだろう。
些か考えが甘い。
あの実母は不思議ちゃんの信者製造機よ?
普通の皇女じゃムリでしょ?
そう思っていたら、やっぱりムリだった。
根回しをして『藤壺の局』(本来、寵愛する妃が使用する局)を妹宮に用意した兵部卿の宮だったが、帝の御手がつかないという惨事に
見舞われた。
おバカさんかな?
やっぱりおバカさんなんだね?
これからは馬鹿宮と呼んであげよう!
ここ数年、桐壺帝は桐壺更衣としか床を共にしていないんだよ!
ばかたれ!!!
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