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20年後
25.公爵子息視点5
「恐らく、神殿は我が国に破門宣告をしてくる可能性が高い」
「は、破門!?」
「そうだ」
「な、何故!?」
「はぁ……。あのな、よく考えてみろ。臣下に降ったとはいえ叔父上は王位継承権を持っている。その叔父上が息子のお前の母親を偽って神殿に登録しているんだ。神殿側からすればあり得ない事態だ」
「で、でも!」
「本来なら、こんな事は起きない」
「え?」
「不正がないように神殿が用意する登録用紙には何らかの力があって、血の繋がらない親子は母娘と見做されない処置をしている。どういう仕掛けかは分からんが、枢機卿たちが関わっている事は確かだ」
「なら僕は……」
「何故か登録用紙は『実の親子』とされた。血は繋がっていないにも拘わらずな。ビンチ枢機卿が言うには『祝福を受けし者の加護をもつ人間なら可能かもしれない』とな」
「それって」
「ああ。十中八九、レオーナ様のことだろう。神殿は、この国はレオーナ様の加護の力をいいように利用したと判断するだろう。父上や叔父上は知らなかったの一点張りだが、そんなこと神殿側の知った事じゃない。現にレオーナ様はこの国に利用されて殺されたようなものだ。下手な言い訳が通用するとは思えん。まぁ、仮に父上達の言っている事が本当だとしても誰が信じる?要は、第三者が見た事実が真実になるんだ」
この国を取り巻く状況は最悪のようだ。
「俺の婚約も近々解消される。大国の力は借りられない」
「殿下……」
「それでも俺はこの国の王太子だ。逃げる事はできない。だが、お前は違う。留学、外遊、何でもいい。こちらで言い訳を考えてやる。この国を出ろ」
従兄の提案に驚く他なかった。
国を出る事など考えた事もなかった。
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「寧ろ、この国に残る方がお前にとって危険だ。人って奴はな、責任を誰かに押し付けたくなる生き物だ。お前はいい生贄になるだろうよ」
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だから逃げろ、と言われた気がした。
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それでも国に残ったところで僕に出来ることは無い。従兄の足手まといになるだけだ。
一週間後、僕は家令を連れて国をでた。
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