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「あいつプライド高いからさぁ、言いたいけど言えないんだよ。いつも彩ちゃんに憎まれ口ばっか叩いてるけど、本当は好きで好きで仕方ないんだよ。こっちはじれったくて、いつも見ててイライラするんだけど。でも、それが彩ちゃんにはちゃんと伝わってたから、今まであいつと一緒にいたってことだろ?」
健太が確かめるように尋ねた。
「うん……そうだよ」
健太には及ばないかもしれないが、十年間一緒にいればわかる。気持ちが伝わっていたから、十年間一緒にいたのだ。
「それからさぁ、翔が飲み屋で客に絡んでるって話。あれも、実は今回のことが原因だったんだ。あいつ、何かもう自棄になってて、うちの店来ても浴びるように酒飲むようになってたんだ」
「え、健ちゃんの店でも!? 全然知らなかった」
「そりゃそうだよ。あいつの性格上、好きな女の前で……彩ちゃんにだけは、絶対そんな格好悪い姿みせないはずだから」
自分が今まで翔のその姿を見たことがなかった理由が、そこにあったというわけだ。
「十年前、あいつ言ってたよ。『すげぇ好きな人が出来た。洋食店の娘さんなんだ』って。勿論彩ちゃんのことだよ。あいつの口からそんな言葉聞いたの初めてで、すげぇ驚いたの覚えてるよ」
「翔ちゃんがそんなこと言ったの?」
驚いて聞き返した。
翔がどんな表情でそんなことを言ったのか、想像もつかない。
「実は私、出会った頃から今まで、翔ちゃんに好きだとかそういうことはあんまり言われたことないんだよね」
彩華がぽつりと零すと、「だろうな」と健太が苦笑いした。
「でもね、結婚する時、こんな私に翔ちゃんが言ってくれたの。『身ひとつで俺のところに来てくれたらいい。これからのことは、全部俺が責任持つから』って。それがすごく嬉しくて」
「へえ。格好いいね。白藤さんらしいっていうか……」
黙って聞いていた野上が口を開いた。
「もうここまで話したら一緒だから、言っとくよ」
健太のその言葉に、まだ何かあるのか、と彩華は身構えた。
「あいつ、彩ちゃんのいないとこではベタ褒めだったんだよ。『あいつはよく気が利く女だけど、そこじゃなくて、こんな俺とずっと一緒にいてくれるあいつの存在が、俺を立ててくれてる』って」
健太に聞かされ、彩華の目に涙が溢れた。
「翔さぁ、料理上手な彩ちゃんいるのに、外食よくするだろ? まあ、今はうちの店が多いかもしれないけど」
「うん。家で飲んでも、お酒飲まない私が相手じゃつまらないんだと思うの」
彩華は指で涙を拭った。
「違う違う」
「え?」
「あいつ、彩ちゃんのこと人に見せびらかしたいだけなんだよ。ほんと子供みたいな奴だよな」
そう言って一瞬フッと笑った健太は、溜め息を零した。
「庇ってやりてぇけど、今回のことはどう考えたってあいつが悪いし、彩ちゃんの気持ち考えたら到底許せることじゃないのはわかってるけど、でも、ひとつだけ……。あいつの彩ちゃんに対する気持ちが変わってないことは確かだから。それだけは、わかってやっててほしいんだ」
健太は言い終えると、俯いて目頭を押さえた。
その言葉に何一つ嘘はないと、彩華は感じた。
健太が確かめるように尋ねた。
「うん……そうだよ」
健太には及ばないかもしれないが、十年間一緒にいればわかる。気持ちが伝わっていたから、十年間一緒にいたのだ。
「それからさぁ、翔が飲み屋で客に絡んでるって話。あれも、実は今回のことが原因だったんだ。あいつ、何かもう自棄になってて、うちの店来ても浴びるように酒飲むようになってたんだ」
「え、健ちゃんの店でも!? 全然知らなかった」
「そりゃそうだよ。あいつの性格上、好きな女の前で……彩ちゃんにだけは、絶対そんな格好悪い姿みせないはずだから」
自分が今まで翔のその姿を見たことがなかった理由が、そこにあったというわけだ。
「十年前、あいつ言ってたよ。『すげぇ好きな人が出来た。洋食店の娘さんなんだ』って。勿論彩ちゃんのことだよ。あいつの口からそんな言葉聞いたの初めてで、すげぇ驚いたの覚えてるよ」
「翔ちゃんがそんなこと言ったの?」
驚いて聞き返した。
翔がどんな表情でそんなことを言ったのか、想像もつかない。
「実は私、出会った頃から今まで、翔ちゃんに好きだとかそういうことはあんまり言われたことないんだよね」
彩華がぽつりと零すと、「だろうな」と健太が苦笑いした。
「でもね、結婚する時、こんな私に翔ちゃんが言ってくれたの。『身ひとつで俺のところに来てくれたらいい。これからのことは、全部俺が責任持つから』って。それがすごく嬉しくて」
「へえ。格好いいね。白藤さんらしいっていうか……」
黙って聞いていた野上が口を開いた。
「もうここまで話したら一緒だから、言っとくよ」
健太のその言葉に、まだ何かあるのか、と彩華は身構えた。
「あいつ、彩ちゃんのいないとこではベタ褒めだったんだよ。『あいつはよく気が利く女だけど、そこじゃなくて、こんな俺とずっと一緒にいてくれるあいつの存在が、俺を立ててくれてる』って」
健太に聞かされ、彩華の目に涙が溢れた。
「翔さぁ、料理上手な彩ちゃんいるのに、外食よくするだろ? まあ、今はうちの店が多いかもしれないけど」
「うん。家で飲んでも、お酒飲まない私が相手じゃつまらないんだと思うの」
彩華は指で涙を拭った。
「違う違う」
「え?」
「あいつ、彩ちゃんのこと人に見せびらかしたいだけなんだよ。ほんと子供みたいな奴だよな」
そう言って一瞬フッと笑った健太は、溜め息を零した。
「庇ってやりてぇけど、今回のことはどう考えたってあいつが悪いし、彩ちゃんの気持ち考えたら到底許せることじゃないのはわかってるけど、でも、ひとつだけ……。あいつの彩ちゃんに対する気持ちが変わってないことは確かだから。それだけは、わかってやっててほしいんだ」
健太は言い終えると、俯いて目頭を押さえた。
その言葉に何一つ嘘はないと、彩華は感じた。
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