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第五章 『カフェ ライ』
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店の扉扉を開けると、俺の耳には、扉に付いていたベルの音と店の人の 、
「いらっしゃいませ!空いている席にどうぞ。」
という元気の良さと優しさが感じられる声が耳に届き、コーヒーのような香りが俺達四人を包み込んだ。
店のカウンターには、銀色の髪で、ショートカットの女の子が立っている。年齢は俺らと同じくらいだろうか。
俺達は、とりあえず、扉のすぐ近くの4人がけの席に俺と太陽は、大聖と楓生の2人と向かいあって座った。
座ってから間もなく、あの銀色の髪の女の子が俺達の所へ来た。
「ご注文が決まりましたらお呼びください。」
彼女はそう言うと、楓生はすかさず、
「あの、属性鑑定をしてもらいたいんです。」
すると、彼女は意外そうに、
「もしかして、おじいちゃんが言ってたのはあなた達ね。」
「おじいちゃん!?」
俺達は驚いて、そう聞き返す。
「そうよ。私のおじいちゃんは、本屋の店長なの。それはそうと、あなた達の年齢は?」
「僕達は十七です。」
楓生が答える。
「あら、私と同じ。でも、普通は属性鑑定なんて、生まれたばかりの赤ちゃんとかがするのよ。」
彼女は、少しばかにするかのように、僕達に言う。
「僕達、さっきまで、属性の存在を知らなかったんです。」
「相当な田舎から来たんだね。まぁ、いいわ、それじゃぁ、四人ともカウンター席の方にきて。早く!」
俺達四人は言われるがままにカウンター席に移動した。
「それじゃあ、まずはそこの体格のいい子からね。名前は?」
左側に座っていた大聖の名前を彼女は尋ねた。
「大蔵大聖です。」
「大聖君ね。では始めるわ!それじゃあ、まず、目を閉じて。」
そう言うと、彼女は楓生の額に手を当てて、目を閉じた。
店にはなんとも言えない雰囲気が漂う。
鑑定が始まってから三分程経った。
彼女は目を開け、大聖の額から手を離した。
「大聖君、目を開けて。」
大聖は言われた通り、目を開けた。
彼女は大聖を見て
「大聖君、君の属性は、水です!」
と言った。
「水ですか!」
大聖は、自分のイメージと違ったのか、とても驚いていた。
彼女は結果を言うと、楓生を指差した。
「じゃあ、次は君よ!名前は?」
「あの、僕達…」
「はい、ごちゃごちゃ言わない!それで、君の名前は?」
「楓生ですが…」
「楓生君ね。はい、目を閉じて。」
楓生は何か言いたいことを言おうとしたが、彼女の勢いに押され、言う事ができなかった。
楓生も大聖の時と同じくらいで終わった。
「楓生君、目を開けて。」
楓生は言われるがままに目を開ける。
「はい、では、鑑定の結果を言います。楓生君の属性は草です。」
「草ですか…そんなことより、」
「はいはい、話は後で!四人終わらせちゃうから。じゃあ、三番目の君の名前は?」
楓生は再び、何かを言おうとしたが、彼女の勢いに押され、何も言えなかった。
「太陽です!」
太陽の頭はもうこの世界を楽しみ初めているのが彼の未知のものに対する興味への目の輝きから見て分かる。
「はい、じゃあ目を閉じてねー」
太陽も目を閉じた。
前の二人と同じくらいの時間で太陽も終わった。
「はい、終わり!」
彼女の声で、太陽も目を開ける。
「はい、君の属性は雷ね!」
雷すっか!やばーいなんか異世界感あるな!こういうの!なぁ楓生!」
太陽の異常なほど高いテンションとは対照的な楓生は、静かな声で、
「ああ…」
とだけ行った。
そして、彼女は最後に残った俺を見て、
「はい、じゃあ君でラストね。君の名前は?
「大和です。」
少し、不安そうな楓生を気にはしつつも、俺は自分の名前を言った。大聖は椅子に座って店の天井を眺めながら何かを考えている。
「はい、目を閉じてね。」
俺は、前の二人と同じように目を閉じた。
目を閉じながら、俺は自分の属性が何かを考えていた。
「大和君、目を開けて…」
彼女の声は、さっきの元気のいい声がどこかへ行ってしまったかのように、静かな声で、俺に目を開けるように言った。その声は俺を不安にさせる。
「すみません、俺に何かありました?」
「大和君、あなたに鑑定の結果を伝えるわ。」
彼女の元気のない声のせいで、俺の心臓の鼓動はだんだん早くなっている。
「大和君、あなたの属性は、天です!」
彼女は、目を光らせて俺の方を見ている。
「あの…、なんで、さっき、あんな暗い声だったんですか?」
「私も、驚いたわよ!だって、天なんて伝説の属性なのよ!天と魔属性は鑑定する時、鑑定士の体をその気が包み込むらしいの。それが、あなたの気だけにあったのよ!まさか、天属性を持つ人と出会えるとは思いもしなかったわ!」
どうやら、俺は、伝説の属性みたいだったが、何故か実感がわかない。きっと、まだ、俺の心のどこかに、これは夢の世界なのではないかという思いが残っているからかもしれない。
それにしても、彼女とあの笑顔は、相当嬉しかったに違いない。俺に鑑定結果を告げてからずっと、満面の笑みで興奮した様子で俺達に話している。
「よーし、あなた達にコーヒーを1杯ずつ奢ってあげる!」
彼女は、そう言うと、カウンターの後ろの棚から、たくさんあるのコーヒーの豆が入ったビンから一つ選んで、サイフォンのような機械に豆を入れ始めた。
しかし、空気の読まない楓生はここで、
「あの、ライさん、大変言いにくいのですが、僕達、お金を持っていないんです…」
楓生がそう言った途端、彼女の手は止まる。そして、俺たちを見て、
「あなた、なんで、そんなことを今更言うの…」
彼女の口調から、彼女がとても怒っていることはすぐに分かった。
「僕は何度も言おうとしましたが、ライさんが、どんどん、進めてしまって…」
「何!あなた、私が悪いって言いたいわけ?
だいたい、金のない人がなんでここに来るのよ!」
「それは、本屋のおじいさんに勧められて…」
楓生と彼女が言い合いしていると店の扉が開いた。
「やぁ、ライちゃん。」
そう言うと、本屋のおじいさんが店に入ってきた。そして、カウンター席の方へ行くと、大聖の隣の席に座る。
「おじいちゃん、どうしたの?」
「少し、君達が気になってね。」
微笑みながら、彼女と話している。
「おじいちゃん!おじいちゃんが言っていた人達、お金持っていなかったんだけど、どういうこと!お金を持っていないのに、私の店を勧めるなんて。」
彼女は、本屋のおじいさんにも怒っているようだ。
「その感じだと、鑑定はしてしまったようだね。それで、結果はどうだったのかな?」
おじいさんは、とても冷静に話をし始める。
彼女は少し納得はしてはいないようだったがおじいさんの質問に一応答えた。
「えーっと、手前の子が水で、その隣のの子が草、3番目の子が雷、そして、一番奥の子が天だったの。」
「天の属性の子がいたのか!それはすごいことだ。ライちゃん、天属性を鑑定出来るなんて、そう滅多にないぞ。ここは、天属性を鑑定できたのだから、鑑定費を無料にしてやってもいいのではないかね?もし、無料にするのが嫌なら、その費用の分をこの店で働いて貰いなさい。」
本屋のおじいさんが俺達の代わりに彼女を説得してくれている。
「おじいちゃんがそこまで言うなら、無料にしてあげるわ。ただし、この店であなた達三人には、働いて貰うわ。しょうがないから、ご飯と、泊まるところも付けてあげる…。」
彼女はそう言うと、大聖が、
「働くって!?」
「あなた達をこのまま返しても、お金がなかいんだから死んじゃうでしょ。だから、少しの間だけ、雇ってあげるのよ。どうせ、家には、私とおじいちゃんしかいないから、部屋は余ってるし。」
彼女は頬を赤くしながら、俺達に言う。
すると、本屋のおじいさんが俺達に、
「よし、今日は店を閉めて、家に行くか。でも、その前に、自己紹介をしなくてはだな。私はクリストファー・アラム。そこの、女の子は私の孫のライ・アラム。私の娘の子なんだ。」
すると、彼女は、
「ライ・アラムだ。ライと呼んでくれ。父親は、兵士で、私が幼い頃に戦いで死んでしまった。母親は去年病気で死んじゃったから、今は、このおじいちゃんと2人で暮らしている。」
ライは、自分の親が死んで、今は、おじいちゃんと暮らしていることを俺達に言った。きっと、家に言って両親がいないことを不思議に思われるのが嫌なんだろう。
「じゃあ、次は俺達の番だな。」
大聖がそう言うと、大聖が自己紹介を始めた。
「俺は、大蔵大聖。柔道っていうのをやってる。少しの間だけど、よろしくお願いします!」
「柔道とは初めて聞きますな。それは運動かな?」
クリストファーさんが大聖に尋ねる。
「はい、簡単に説明すると武器を持たずに相手と戦って背中を地面に着くと勝ち負けを決まる競技ですかね。」
大聖が自己紹介を終えると、さっきまで、ライと言い合いをしていた楓生が自己紹介を始めた。
「松風楓生です。魔法には昔から興味がありったので、もし、可能だったら魔法の使い方を教えて欲しい。これからよろしく。」
すると、ライが、
「しょうがないから、明日から少しだけ、あなた達に魔法の使い方を教えてあげるけど…。」
ライは、さっき、準備していたコーヒーを俺達四人のためにカップに入れながら、俺達に言った。
「俺は、三浦太陽!走るのが得意なんだ!よろしく!」
太陽は他の三人より、簡単な自己紹介で直ぐに終わった。
「よし、次は俺か…俺は焔大和。フォリスト村に行こうと思って旅をしているんだ。これから、少しの間、二人にはお世話になります!」
俺は、そう言うと、頭を下げた。
自己紹介が一応終わると、ライはコーヒーを俺達の前に置き、
「苦いけど、砂糖欲しい?」
そう言うと、俺らの前に角砂糖らしきものが入った小さなビンを置いた。どうやら、この世界の砂糖と俺らの世界の砂糖と同じらしい。
「じゃあ、一応。」
俺がそう言うと、俺達三人は角砂糖を2つくらい入れた。俺達は砂糖の入ったクローフを飲む。
コーヒーの味もモモと同じで向こうの世界と大して変わらなかった。
俺はその味の懐かしさのせいか、涙目になってしまった。きっと、その涙には、異世界という、自分の知らない世界でこれから生活する事への不安や、元の世界に帰りたいという思いがあったのだろう。
俺達は無言でコーヒーを飲んだ。他の二人は涙目になってはいなかったが、きっと、このコーヒーの匂いや味に俺らの住んでいた元の世界の事を思い出していると思った。
「ライ、このコーヒーとっても美味い!」
コーヒーを飲み終わった。俺は、カップを洗っているライにそう言った。横を見ると、二人も少し笑みを浮かべていた。
「よし!では、家に行くか。」
クリストファーさんがそう言うと、ライが、
「その前に、早速君達には店の掃除をして貰うからね。」
と言う。俺らは言われた通り、看板を中にしまい、テーブルを拭いたり、床をほうきので掃いた。
掃除が終わると、カウンターに座っていたクリストファーさんが再び、
「では、今度こそ家に帰りますか。」
俺達は店を出て、ライは店の扉の鍵を閉めた。
「いらっしゃいませ!空いている席にどうぞ。」
という元気の良さと優しさが感じられる声が耳に届き、コーヒーのような香りが俺達四人を包み込んだ。
店のカウンターには、銀色の髪で、ショートカットの女の子が立っている。年齢は俺らと同じくらいだろうか。
俺達は、とりあえず、扉のすぐ近くの4人がけの席に俺と太陽は、大聖と楓生の2人と向かいあって座った。
座ってから間もなく、あの銀色の髪の女の子が俺達の所へ来た。
「ご注文が決まりましたらお呼びください。」
彼女はそう言うと、楓生はすかさず、
「あの、属性鑑定をしてもらいたいんです。」
すると、彼女は意外そうに、
「もしかして、おじいちゃんが言ってたのはあなた達ね。」
「おじいちゃん!?」
俺達は驚いて、そう聞き返す。
「そうよ。私のおじいちゃんは、本屋の店長なの。それはそうと、あなた達の年齢は?」
「僕達は十七です。」
楓生が答える。
「あら、私と同じ。でも、普通は属性鑑定なんて、生まれたばかりの赤ちゃんとかがするのよ。」
彼女は、少しばかにするかのように、僕達に言う。
「僕達、さっきまで、属性の存在を知らなかったんです。」
「相当な田舎から来たんだね。まぁ、いいわ、それじゃぁ、四人ともカウンター席の方にきて。早く!」
俺達四人は言われるがままにカウンター席に移動した。
「それじゃあ、まずはそこの体格のいい子からね。名前は?」
左側に座っていた大聖の名前を彼女は尋ねた。
「大蔵大聖です。」
「大聖君ね。では始めるわ!それじゃあ、まず、目を閉じて。」
そう言うと、彼女は楓生の額に手を当てて、目を閉じた。
店にはなんとも言えない雰囲気が漂う。
鑑定が始まってから三分程経った。
彼女は目を開け、大聖の額から手を離した。
「大聖君、目を開けて。」
大聖は言われた通り、目を開けた。
彼女は大聖を見て
「大聖君、君の属性は、水です!」
と言った。
「水ですか!」
大聖は、自分のイメージと違ったのか、とても驚いていた。
彼女は結果を言うと、楓生を指差した。
「じゃあ、次は君よ!名前は?」
「あの、僕達…」
「はい、ごちゃごちゃ言わない!それで、君の名前は?」
「楓生ですが…」
「楓生君ね。はい、目を閉じて。」
楓生は何か言いたいことを言おうとしたが、彼女の勢いに押され、言う事ができなかった。
楓生も大聖の時と同じくらいで終わった。
「楓生君、目を開けて。」
楓生は言われるがままに目を開ける。
「はい、では、鑑定の結果を言います。楓生君の属性は草です。」
「草ですか…そんなことより、」
「はいはい、話は後で!四人終わらせちゃうから。じゃあ、三番目の君の名前は?」
楓生は再び、何かを言おうとしたが、彼女の勢いに押され、何も言えなかった。
「太陽です!」
太陽の頭はもうこの世界を楽しみ初めているのが彼の未知のものに対する興味への目の輝きから見て分かる。
「はい、じゃあ目を閉じてねー」
太陽も目を閉じた。
前の二人と同じくらいの時間で太陽も終わった。
「はい、終わり!」
彼女の声で、太陽も目を開ける。
「はい、君の属性は雷ね!」
雷すっか!やばーいなんか異世界感あるな!こういうの!なぁ楓生!」
太陽の異常なほど高いテンションとは対照的な楓生は、静かな声で、
「ああ…」
とだけ行った。
そして、彼女は最後に残った俺を見て、
「はい、じゃあ君でラストね。君の名前は?
「大和です。」
少し、不安そうな楓生を気にはしつつも、俺は自分の名前を言った。大聖は椅子に座って店の天井を眺めながら何かを考えている。
「はい、目を閉じてね。」
俺は、前の二人と同じように目を閉じた。
目を閉じながら、俺は自分の属性が何かを考えていた。
「大和君、目を開けて…」
彼女の声は、さっきの元気のいい声がどこかへ行ってしまったかのように、静かな声で、俺に目を開けるように言った。その声は俺を不安にさせる。
「すみません、俺に何かありました?」
「大和君、あなたに鑑定の結果を伝えるわ。」
彼女の元気のない声のせいで、俺の心臓の鼓動はだんだん早くなっている。
「大和君、あなたの属性は、天です!」
彼女は、目を光らせて俺の方を見ている。
「あの…、なんで、さっき、あんな暗い声だったんですか?」
「私も、驚いたわよ!だって、天なんて伝説の属性なのよ!天と魔属性は鑑定する時、鑑定士の体をその気が包み込むらしいの。それが、あなたの気だけにあったのよ!まさか、天属性を持つ人と出会えるとは思いもしなかったわ!」
どうやら、俺は、伝説の属性みたいだったが、何故か実感がわかない。きっと、まだ、俺の心のどこかに、これは夢の世界なのではないかという思いが残っているからかもしれない。
それにしても、彼女とあの笑顔は、相当嬉しかったに違いない。俺に鑑定結果を告げてからずっと、満面の笑みで興奮した様子で俺達に話している。
「よーし、あなた達にコーヒーを1杯ずつ奢ってあげる!」
彼女は、そう言うと、カウンターの後ろの棚から、たくさんあるのコーヒーの豆が入ったビンから一つ選んで、サイフォンのような機械に豆を入れ始めた。
しかし、空気の読まない楓生はここで、
「あの、ライさん、大変言いにくいのですが、僕達、お金を持っていないんです…」
楓生がそう言った途端、彼女の手は止まる。そして、俺たちを見て、
「あなた、なんで、そんなことを今更言うの…」
彼女の口調から、彼女がとても怒っていることはすぐに分かった。
「僕は何度も言おうとしましたが、ライさんが、どんどん、進めてしまって…」
「何!あなた、私が悪いって言いたいわけ?
だいたい、金のない人がなんでここに来るのよ!」
「それは、本屋のおじいさんに勧められて…」
楓生と彼女が言い合いしていると店の扉が開いた。
「やぁ、ライちゃん。」
そう言うと、本屋のおじいさんが店に入ってきた。そして、カウンター席の方へ行くと、大聖の隣の席に座る。
「おじいちゃん、どうしたの?」
「少し、君達が気になってね。」
微笑みながら、彼女と話している。
「おじいちゃん!おじいちゃんが言っていた人達、お金持っていなかったんだけど、どういうこと!お金を持っていないのに、私の店を勧めるなんて。」
彼女は、本屋のおじいさんにも怒っているようだ。
「その感じだと、鑑定はしてしまったようだね。それで、結果はどうだったのかな?」
おじいさんは、とても冷静に話をし始める。
彼女は少し納得はしてはいないようだったがおじいさんの質問に一応答えた。
「えーっと、手前の子が水で、その隣のの子が草、3番目の子が雷、そして、一番奥の子が天だったの。」
「天の属性の子がいたのか!それはすごいことだ。ライちゃん、天属性を鑑定出来るなんて、そう滅多にないぞ。ここは、天属性を鑑定できたのだから、鑑定費を無料にしてやってもいいのではないかね?もし、無料にするのが嫌なら、その費用の分をこの店で働いて貰いなさい。」
本屋のおじいさんが俺達の代わりに彼女を説得してくれている。
「おじいちゃんがそこまで言うなら、無料にしてあげるわ。ただし、この店であなた達三人には、働いて貰うわ。しょうがないから、ご飯と、泊まるところも付けてあげる…。」
彼女はそう言うと、大聖が、
「働くって!?」
「あなた達をこのまま返しても、お金がなかいんだから死んじゃうでしょ。だから、少しの間だけ、雇ってあげるのよ。どうせ、家には、私とおじいちゃんしかいないから、部屋は余ってるし。」
彼女は頬を赤くしながら、俺達に言う。
すると、本屋のおじいさんが俺達に、
「よし、今日は店を閉めて、家に行くか。でも、その前に、自己紹介をしなくてはだな。私はクリストファー・アラム。そこの、女の子は私の孫のライ・アラム。私の娘の子なんだ。」
すると、彼女は、
「ライ・アラムだ。ライと呼んでくれ。父親は、兵士で、私が幼い頃に戦いで死んでしまった。母親は去年病気で死んじゃったから、今は、このおじいちゃんと2人で暮らしている。」
ライは、自分の親が死んで、今は、おじいちゃんと暮らしていることを俺達に言った。きっと、家に言って両親がいないことを不思議に思われるのが嫌なんだろう。
「じゃあ、次は俺達の番だな。」
大聖がそう言うと、大聖が自己紹介を始めた。
「俺は、大蔵大聖。柔道っていうのをやってる。少しの間だけど、よろしくお願いします!」
「柔道とは初めて聞きますな。それは運動かな?」
クリストファーさんが大聖に尋ねる。
「はい、簡単に説明すると武器を持たずに相手と戦って背中を地面に着くと勝ち負けを決まる競技ですかね。」
大聖が自己紹介を終えると、さっきまで、ライと言い合いをしていた楓生が自己紹介を始めた。
「松風楓生です。魔法には昔から興味がありったので、もし、可能だったら魔法の使い方を教えて欲しい。これからよろしく。」
すると、ライが、
「しょうがないから、明日から少しだけ、あなた達に魔法の使い方を教えてあげるけど…。」
ライは、さっき、準備していたコーヒーを俺達四人のためにカップに入れながら、俺達に言った。
「俺は、三浦太陽!走るのが得意なんだ!よろしく!」
太陽は他の三人より、簡単な自己紹介で直ぐに終わった。
「よし、次は俺か…俺は焔大和。フォリスト村に行こうと思って旅をしているんだ。これから、少しの間、二人にはお世話になります!」
俺は、そう言うと、頭を下げた。
自己紹介が一応終わると、ライはコーヒーを俺達の前に置き、
「苦いけど、砂糖欲しい?」
そう言うと、俺らの前に角砂糖らしきものが入った小さなビンを置いた。どうやら、この世界の砂糖と俺らの世界の砂糖と同じらしい。
「じゃあ、一応。」
俺がそう言うと、俺達三人は角砂糖を2つくらい入れた。俺達は砂糖の入ったクローフを飲む。
コーヒーの味もモモと同じで向こうの世界と大して変わらなかった。
俺はその味の懐かしさのせいか、涙目になってしまった。きっと、その涙には、異世界という、自分の知らない世界でこれから生活する事への不安や、元の世界に帰りたいという思いがあったのだろう。
俺達は無言でコーヒーを飲んだ。他の二人は涙目になってはいなかったが、きっと、このコーヒーの匂いや味に俺らの住んでいた元の世界の事を思い出していると思った。
「ライ、このコーヒーとっても美味い!」
コーヒーを飲み終わった。俺は、カップを洗っているライにそう言った。横を見ると、二人も少し笑みを浮かべていた。
「よし!では、家に行くか。」
クリストファーさんがそう言うと、ライが、
「その前に、早速君達には店の掃除をして貰うからね。」
と言う。俺らは言われた通り、看板を中にしまい、テーブルを拭いたり、床をほうきので掃いた。
掃除が終わると、カウンターに座っていたクリストファーさんが再び、
「では、今度こそ家に帰りますか。」
俺達は店を出て、ライは店の扉の鍵を閉めた。
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