訳あり救世主が天上から降臨されたようです

月影砂門

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第四章~白雪ノ宴

第二話~疑惑

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 一哉と聖は明らかに疲労した様子で寺に帰ってきた。この様子では今日は特訓は無理だな、と珍しく明が慈悲を与えようかと思いきや


 「さあ、聖。結跏趺坐をするのだよ」

 「ああ、そうだな」


 明たちにただいまと言うなり部屋に閉じこもってしまった。部屋を覗いてみれば、本当に結跏趺坐を組んでいた。結跏趺坐というよりかは精神統一のように見えた。明たちはそっとしておこうと部屋を後にした。屋敷で何かあったことは容易に想像がつく。二人が事情を話してくれるまでは待っていることにした。午後六時頃、慈が夕食を用意してくれた。いつもならすぐに席につく二人が来ない。慈が心底心配そうに部屋を見つめる。散歩をしていたらしい蘭が帰ってきた。事情を話すと、蘭は首を傾げた。光は腕組みをしながら部屋を睨むように見つめる。倶留孫は何があったのか想像できない様子だ。


 「カズ、聖・・・夕食ができたのだが・・・」


 そっと慈が呼びかけた。ふっと息を吐いた一哉と聖は、覚悟を決めたように立ち上がると顔を見合わせ頷いた。そして、いつもの調子で席に着いた。夕食の間は、いつものように賑やかで、さっきまでの心配や疑念などは吹き飛んでしまった。
 そして、明と光が食器を片付け食卓に戻ってくると、意を決した一哉が口を開いた


 「屋敷が存在しない?」

 「えぇっと・・・意味が分かんない。行ったんじゃ・・・」


 一哉と聖は確かに屋敷を訪れた。女主人が現れ、その女主人からとある事件についての事実を突きつけられた。その事件を知らない明たちは、侍女の執念にゾッとした。しかし、ゾッとするのはまだ早いのだよと一哉に言われ、ひとまず落ち着いた。


 「女主人は自殺だと言った。そして、執事は女主人砂亜紗が殺したと言った」

 「でも、被疑者として起訴されたのは主人鬼島公司。しばらくして祟られたのも鬼島公司」


 愼のうちの害という煩悩を宿して主人を殺したのは侍女ということになる。さらに、女主人砂亜紗は階段から突き落とされ足が不自由になった。存在しない屋敷で。女主人も執事も死んでいたということになるのか、と明たちは首を傾げる。聡明な彼らも混乱していた。


 「紅茶を溢して殺された・・・か。わたしでも恨みます」

 
 蘭が言った。この件は侍女がただただ不憫だ。女主人と執事の正体を突き止める必要が出てきた。事実か嘘かもわからない事件のはなし。しかし、屋敷は嘘だった。何を信じるべきか分からなくなった一哉と聖は、ストレスが溜まりに溜まって疲労困憊。挙句精神統一のために座禅を組んでいたのだ。


 「で、その屋敷が存在しないと思ったのはどうして?」

 「それは、窓の外を見たからなのだよ。・・・一階だった」

 「確かに階段を上った感覚はあった。でも、窓の景色がリビングで見たものと同じだったって一哉が気付いたんだ」


 女主人の話の途中、一哉は外の景色を見た。茫々に生えた草と塀しかなかった。そして、階段を上ったあとふと窓の外を見てみれば、リビングから見た景色と一致したのだ。事実を探るため図書館のパソコンで検索。現在の地図だ。住所を入力したところ、塀に囲まれた空き地しか出てこなかった。しかし、近所の住人はその家の存在を知っていた。別の屋敷なのかと愛唯に確認してみれば、そこだと頷かれてしまった。見ていないものがいないという異常。幻術なのかとも思う。その屋敷全体から感じられた殺意。未練。それらによって出来た実体に近すぎる幻影。しかし、足には床を踏んだ感覚が残っているのだ。


 「それが幻術だとして、かなりの力の持ち主だよ・・・」

 「上位の羅刹レベルかの」

 
 羅刹のなかでも上位の力を持つ者くらいしか実体レベルの幻術を使うことが出来ない。女ということはラークシャサということになる。執事田中は何者かという疑問もある。


 「ただ、侍女の魂は極楽に行かせてあげてほしいのだよ」

 「う~ん、そうだね・・・」

 「殺しちゃってるしね。怨念とはいえ」

 「情状酌量ってやつだよ。殺す気はなかったかもしれないじゃねぇか。死んでまで主人と会うことになるなんて最悪だろ」

 「まず、殺した公司に問題があるのであって、侍女は被害者なのだよ」


 一哉と聖が必死に侍女をフォローする。殺され、この男も死ねばいいのにと願っていた矢先に結果的に亡くなっただけだと。どんなに虐めを受けても、最期まで主人に仕え続けた。その侍女を救うなら、極楽に挙げてあげるくらいしかないだろう、と。仏たちに訴えかける。良くも悪くも平等な仏だ。しかし、生前は何もしていない。そのあたりから考慮してあげてほしいと。死ねばいいのにというのは人間なら一度は口走ってしまう。怨霊になってその思いが事実になってしまったのなら同情の念しか起きない


 「確かに胸糞悪い話ではあるな。しかし、慈さまはどちらにせよ救うと思うぞ」
 
 「本当かね?」

 「ああ、もちろんだ」

 「よっしゃ、やったな一哉」

 「ホッとしたのだよ」


 一哉と聖は胸を撫で下ろした。とにかく、侍女は報われるだろうと。問題は、羅刹の疑いが出てしまった女主人砂亜紗だ。それに仕える田中も怪しい。


 「明日は学校で無理だしねぇ。土曜日くらいになるのかなぁ」

 「ところで、その侍女が殺害されたというお屋敷はお調べになったのですか?」

 「ついでに調べたところ、その屋敷は実在するのだよ」

 「訳アリ物件だから住んでるやつはいないみてぇだな」


 今度はそこが心霊スポットになるのではないかと一哉たちは懸念していた。


 「まぁ、あの事件を覚えている人はそういないのではないかの?」
  
 「確かに。二年前のことなんだもんね。オカルト系が好きって子が知ってる可能性は無きにしも非ず」


 実在しない屋敷を幽霊屋敷だと言って噂を流した者は中学生なのか、中学生の上の兄や姉なのかは不明だが、知っている可能性はあった。変死ともなれば、オカルト好きにはヨダレが出るほどの餌だ。


 「公司っていう人が亡くなっていたのは刑務所なのに、刑務所が心霊スポット扱いされないのは何でなんだろうね。私なら、その檻に入っていて、その果てに病死した霊の仕業だと思うね」


 刑務所内で突然死。それも窒息死。不可思議なところが多すぎる。それについて書かれていたのは新聞のみで、テレビでやってはいなかった。紙媒体を読まなくなった学生が果たして読んでいるのかという問題があるのだが、この際その点は置いておく。


 「まぁ、なんでそんな噂が広まったのか愛唯に聞いてみる」

 「噂については・・・優姫ちゃんこの話聞いててくれないかなぁ」

 「優姫さんは聞いているでしょうね」


 地獄の鬼以上の鋭い聴覚を持つ優姫。その優姫は一哉たちにとって情報屋のような存在だ。「これ以上頼るなら金とるわよ」と言われている。因みに「慈さまは免除よ」とも言われていた。


 「この際お金も払おうか・・・」

 「本当に情報屋を経営し始めるんじゃないの?」

 「情報によっては命懸けだったりしますから。お金をとるのは真面な感覚です」


 黒幕が提婆達多ダイバダッタであることを突き止めたのは優姫だ。その際は重傷で戻ってきた。それを思い出した慈は不安げな表情をする。情報を持ってきてくれるのは有り難い。しかし、その分無茶をする。優姫も慈を不安にさせるのは本意ではないのだ。それでも天界でも情報屋として仏に仕えていたこともあり、不動明王・明と難陀竜王・光にとって怪我をするのはほぼ常識。寧ろ無傷で済む情報収集はないと思っている。


 「そういえば、天界にいる頃も言っていたな。宝石一つで勘弁してあげる、とか」

 「そうだった。地蔵菩薩にお供えの饅頭を下さい、とかね」


 対価はいただくということだ。タダほど怖いものは無いというのは、地上に住む一哉と聖にとっては常識だ。

 そして、学級閉鎖が解かれた翌日。
 いつものように、光里とともに遅刻ギリギリに優姫が来た。優姫は一哉を一瞥するなり不敵な笑みを浮かべた。「昨日の話、聞いていたわよ」と言わんばかりの笑みだ。明もその視線に気づいているらしく、珍しく顔を引き攣らせていた。
 昼休みに入り、話そうとは思うがこの時間内に話尽くせるかという問題があるため、放課後にすることになった。
 

 「一哉、聖」

 「天宮くん」

 「情報交換しない?あなたたちが持っている情報を対価にしてあげるわ」

 「それはいいんだけどよ・・・」

 「そう。それは助かるわ」


 清楚で美しさと可愛さと神聖さを兼ね備える慈はある意味近寄りがたいが、圧倒的に人気。妖精のような可愛らしい容姿から人気のある蘭。口を開かなければ少し派手なクールビューティ系の優姫。プライドが高く気が強いため、告白した男は尽く心をへし折られている。そんな優姫から、仲間でありながら珍しく話しかけられた一哉と聖は動揺を隠せずにいた。


 「蘭と奈美と違って怖いよな」

 「聞こえているからやめた方がいいのだよ」

 「気を付ける」

 
 天界の情報屋の名は伊達ではないのだ。
 放課後はすぐに来る。一日一日過ぎるのが早い。集うのはやはり寺だった。ふと、明は思い出した。


 「一哉、弓のことなんだけど」

 「ああ。言い忘れていたのだよ。でも、遠距離なら慈くんを守るには持って来いなのだよ」

 「遠距離で守るのはいいけれど、浄化はどうするのです?」

 「ふむ・・・今は無理かもしれぬが、慈さまの浄化の光を一哉の矢に纏わせて放てば、遠距離でも成仏させることは可能かもしれぬ」

 「なるほど。一哉がさらにレベルアップしなきゃいけないってことだね」


 この数か月でかなりレベルが上がった一哉。体術に関しても翻弄する闘いを学んでいたはずだが、八童子を悉く倒していくほどには強くなった。成長っぷりに明と光は喜んだ。


 「慈ちゃんに見せる日はいつになるかな」

 「楽しみにしている」


 一哉は、「あまりハードルを上げないでほしいのだよ」と苦笑混じりに呟いた。しかし、明と光が認めるほどには成長していたのだ。


 「自信を持つが良い」

 「というわけで・・・優姫ちゃん」

 「そうね。まずはわたしから。幽霊屋敷の噂を流したのは、中学校の先生よ」

 「先生?」

 「愛唯さんの通っている学校とはまた別のエスカレーター式の私立校。そこの理事長が鬼島」


 エスカレーター式の私立高根学園の理事長が鬼島公司。あまり表に出てくることの無い存在で、生徒もその顔を見ていない。そのうちの中等部で教鞭をとっていたのがその妻砂亜紗。


 「有りもしない幽霊屋敷の噂を流したのよ。好奇心旺盛な子どもたちはその噂をどんどん広めていく。結果、愛唯さんたちの耳にも入ったってわけね」

 「何のためにそんなこと・・・」

 「行った子どもたち、帰ってこなかったそうよ」


 優姫からの爆弾発言に、一哉たちは呆然とする。子どもたちを屋敷に来るように誘導したとしか考えられない。


 「呪術というものがあってな」

 「慈さま?」


 慈がふと呟いた。呪術。独学や誤った知識で行われることのある秘術。そのうちの一つに当てはまるのではと慈は言った


 「若返りか」

 「そう。子どもの血を器に注ぎ、何らかの呪文を唱え飲むと若返るという悪趣味で無意味な迷信だ」

 「呪術で思い出したのだよ」

 
 一哉が呟く。頭のなかであの屋敷にあったものを思い浮かべてみたところ、思い当たるところがあった。聖もまた同じだ


 「リビングにあった本棚に、大量の呪術書と思われるものを見つけたのだよ。聞いてみれば趣味ですと」

 「それかは知らねぇけど、砂亜紗が飲んでた真っ赤な液体。トマトジュースなんてありがちなことを言ってたぜ」

 「今思えばあの色はあり得ないのだよ」


 あれがもし、子どもの血液だとしたらと一哉と聖はゾッとした。それを二人の前で平気で飲んでいたというのも悍ましい話だ。


 「しかし、子どもが行方不明となれば警察に届けが出されているはずだろうよ。テレビでもやっているだろうしの」

 「確かに。話題にも挙がっていませんでしたね」

 「ネットニュースにも上がっておらんかった」

 「龍ノ上くんと成宮くん、地上に馴染みすぎではないのかね?」

 「郷に入っては郷に従えといいますからね」

 
 いつの間にか寺にテレビが設置されていることを、一哉たちは知らなかった。元々この寺は蘭が住んでいるところだ。彼女の家なのだから何を置いても自由だ。結果、現代に馴染みすぎた。彼らはあくまで、天界に住む存在である。


 「そういえば、その夫婦子どもがいるのではなかったかの?」

 「そのことで」

 「む?」

 「砂亜紗の年齢は32歳。20で産んだとしても子どもは現在12か13。つまり、まだ親から離れて暮らせる年齢ではないということ」

 「祖父母の家っていう説は?」

 「両祖父母は既に亡くなってんだと」


 人殺しの子ども。どう計算しても親と離れて暮らせない。保育園にいるという考えもあるが、二年前に教師を辞めたのであれば預ける必要はない。使用人が育ててくれている説。しかし、これは使用人が山田しかいないうえ、彼は主人の世話で精一杯。ならば子どもはどこへ行ったのか。行方不明の児童とともに犠牲になった可能性が考えられた。


 「なんかもう、警察呼んだ方がいい気がしてきた」

 「でもさ、警察が入れるような作りしてないでしょ。幻術が使えるっていうなら」

 「そんな細工をするくらいですから、二階に子どもはいないのでは?」

 「いや待て・・・実在する屋敷の方はどうだ?」


 光の言葉で一哉たちは思い出した。これまでは実在しない屋敷のなかであったことの話をしていた。しかし、実際の事件は実在する屋敷で起きていたということを。本当に事件が起きた場所に肝試しに行こうと考える者はそういない。隠せる場所は幻術でできた屋敷ではなく、事件が起きた屋敷。


 「二つに分かれようか。実在しない屋敷に行く者と実在する屋敷に行く者。土曜日に実行に移そう」

 「了解」

 「で、どう分かれる?」

 
 事件のことを知っており、場所を知っている一哉と聖を筆頭にしてチームで別れた。一哉チームには慈。聖チームには優姫。ここは確定だ。あとはくじ引きで決めることになる。


 「偏ったらヤバイよ?」


 奈美の言葉に確かにと全員が頷いた。明と光が同じチームに言った場合を考えたのだ。片方のチームには倶留孫を充てるしかない。そして蘭が入ってようやく穴が埋まる。


 「オレと龍くん別れよっか」

 「いつもと違う面々で行こうかの」

 「新鮮でいいね。じゃあ、オレは聖くんに付くよ。龍くんがいるなら安心だし」


 明は、光を心から認めている。体術はともかく剣で勝つことはできないと受け入れているのだ。自分よりも立派なものがある光に慈を任せることに何ら不満はない。それに今は頼もしくなり始めている一哉がいる。
 そして、くじ引きの結果。一哉チームは、慈。光。奈美。来斗。聖チームは、優姫。明。蘭。灯李となった。バランスの良い布陣となった。蘭が少しだけ凹んでいたが、そこは運だと受け入れるしかなかった。


 「倶留孫さまは?」

 「どちらかにランダムで来るかもしれぬな」

 「なるほどね。まあ、いっか」
 
 「では、土曜日は誰も予定入れないように」


 一哉と聖は少しだけ憂鬱な気分ではあったが、彼らがいるなら問題ないだろうと腹を括ったのだった




 
 

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