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暖かな部屋で
しおりを挟む「あの・・、誠一様、何でしょうか・・・?」
生活保護区、その一室。
「君の現状を見に来た。」
「こ、困ります・・」
必死に中に入れようとせず、小雪は彼を拒む。
辺りを見回す。
誠一は少しびっくりする。
(温かみのある部屋だ。物も安いもの、拾ってきたものや粗末なものばかりだが、暖かい。)
誠一はこらえきれずに泣いた。
「君の部屋は暖かい。」
ツン。
「どうしたのですか?何か具合が悪く・・・」
小雪が誠一を部屋の中に通す。
「君が僕をかばってくれなくてもかまわない。」
そういうと、誠一は小雪をお姫様抱っこで牢獄にも似た個室から出てゆく。
「あ、あの・・・」
ぎゅっ。
誠一は思わず強く小雪を少し抱きしめてしまう。
何も言わなくなる小雪。
二人は同じ世界にいたー。
小雪は戸惑っていた。
「君に歌姫の名を考えたんだ。」
キラキラ輝く笑顔。
かすかな寂しさ含んでー
「え・・・」
「真心平愛党。これが僕の導き出した貫きたい新しい理念、そして、君は美山美羽。気に入ってくれるか?」
「・・・理念は・・?」
「君が当てて欲しい。今度は一発で・・・!」
「真の、心よき人々が、お金、地位、身分、そういったものを越えて笑いあえる国、ですよね?」
ドクン。
「いや、当ててくれたと思うのか?」
誠一は此の瞬間から未来の美山美羽を一瞬で全てで崇拝したー。
(本当は、君のための世界を掲げてみせたかったんだ)
少し、羨望のまなざしで見つめる灰かぶり姫を、誠一は愛おしいと思った。
「掲げてみせる!真心平愛党。君のために。」
二人は見つめあった。
「それならば、翼様と呼んでもかまいませんか?あなた様の願いが、羽ばたけるように・・・・」
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