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本編
もっと身体中の全てを征服して 3
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「痛くない? 指、気持ちいい?」
「気持ち、い……で、す」
「いい子だね」
素直に頷けば圧迫感が強くなる。二本目の指が挿入されたのだとすぐに分かった。じんじんと痺れたような感覚はするけれど痛みはない。でも、それまでの快楽とはあきらかに違った感覚に戸惑ってしまう。
気持ちいいと口にしたことは嘘じゃない。身も心も文字通りユリウスで満たされている幸福感で胸がいっぱいだった。だけど欲しいとねだる気持ちが、それ以上にセシリアを強く支配する。そしてこの感情は、最も暴かれてはいけないパーツのような予感がした。
かろうじて残る理性では分かっている。
でも本能は違った。
三本目の指さえも悦んで受け入れていた。中から掻き回され、セシリアの形が徐々に変化して行くような錯覚に陥る。
変わってしまうことは怖い。
けれどユリウスに触れられる前と今のセシリアとでは、確実に変わってしまっていた。初恋の王子様であるユリウスに五年振りに会い、一緒に踊ることに無邪気な喜びを覚えたセシリアはもういない。ここにいるのは少女のベールを脱ぎ捨ててユリウスに素肌を曝し、淫らな愛撫に悦びを覚えるセシリアだった。
貪っているのはユリウスとセシリア、どちらなのだろう。
啼き声をあげながらしっかりと咥え込み、そして――腰が、揺れた。
「っ、あっ、ん……っ!」
一度揺らしてしまえばもう止められなかった。
ぎこちない動きで快楽を追いかける。ユリウスは与えてくれることもあれば、指の動きを止めたり、浅い部分まで指を抜いたりと時折意地悪をした。
「いじ、わる、しないで……」
「ん……ああ、ここかな?」
「ひあぁっ!」
浅く探る指がふいに強い快楽をもたらす。
まだ気持ちいい場所があるなんて知らなかった。ユリウスの指は重点的にその部分を攻め立て、右手はもう愛撫されないとばかり思っていたふくらみを包み込む。柔らかく揉みしだいて手の中で弾ませながら、未だ固く尖ったままの乳首を指先でつまんでは転がした。
「あっ、あ……ひ、あっ、あぁ――っ!」
気持ちよすぎて身体が跳ねる。
ユリウスの手で、初めて快楽を知った。
それを得られる箇所を一度に弄られ、セシリアはひたすら啼き声をあげた。すると胎内を探る左手側の親指が頂上に息づく蕾をそっと押し潰す。蜜とユリウスの唾液で濡れている蕾の上を踊るように指は滑らかに動き、甘く捏ね回した。
「や、壊れちゃ……! いや、ユ、リ……様ぁ……っ、あ、あ……っ!」
蜜口がきつく収縮し、秘穴全体が激しくうごめく。
ユリウスは苦しげに眉根を寄せ、やがて波が引くように蠕動が治まりはじめるとゆっくりと指を引き抜いた。
「あ……っ!」
その動きにすら反応して蜜が滴る。
待って。離れて行かないで。
こぼれそうになる哀願の言葉を必死になって飲み込んだ。
「セシリア……。可愛い、可愛すぎる。君の中に挿れたい」
その言葉の意味は分かる。
つまり、セシリアと交わりたいと、そういうことだ。
肩で荒く息をつくセシリアは注意して見ればそうと分かる程度に頷いた。
どうせもう他の殿方のところへは嫁げない。
それならばユリウスとの間に最後の秘密と思い出が欲しいと思った。
「セシリア……」
「でも、あの」
思考はぐずぐずに蕩けきってしまっても、これだけはどうしても譲れない、一つだけ聞き届けて欲しいことがある。
ユリウスの顔を見ることは出来ず、顔を背けると今にも消え入りそうな声で告げた。
「ユリウス様も……脱いで、下さい。私だけ、裸、は……恥ずか、しい……です」
「気持ち、い……で、す」
「いい子だね」
素直に頷けば圧迫感が強くなる。二本目の指が挿入されたのだとすぐに分かった。じんじんと痺れたような感覚はするけれど痛みはない。でも、それまでの快楽とはあきらかに違った感覚に戸惑ってしまう。
気持ちいいと口にしたことは嘘じゃない。身も心も文字通りユリウスで満たされている幸福感で胸がいっぱいだった。だけど欲しいとねだる気持ちが、それ以上にセシリアを強く支配する。そしてこの感情は、最も暴かれてはいけないパーツのような予感がした。
かろうじて残る理性では分かっている。
でも本能は違った。
三本目の指さえも悦んで受け入れていた。中から掻き回され、セシリアの形が徐々に変化して行くような錯覚に陥る。
変わってしまうことは怖い。
けれどユリウスに触れられる前と今のセシリアとでは、確実に変わってしまっていた。初恋の王子様であるユリウスに五年振りに会い、一緒に踊ることに無邪気な喜びを覚えたセシリアはもういない。ここにいるのは少女のベールを脱ぎ捨ててユリウスに素肌を曝し、淫らな愛撫に悦びを覚えるセシリアだった。
貪っているのはユリウスとセシリア、どちらなのだろう。
啼き声をあげながらしっかりと咥え込み、そして――腰が、揺れた。
「っ、あっ、ん……っ!」
一度揺らしてしまえばもう止められなかった。
ぎこちない動きで快楽を追いかける。ユリウスは与えてくれることもあれば、指の動きを止めたり、浅い部分まで指を抜いたりと時折意地悪をした。
「いじ、わる、しないで……」
「ん……ああ、ここかな?」
「ひあぁっ!」
浅く探る指がふいに強い快楽をもたらす。
まだ気持ちいい場所があるなんて知らなかった。ユリウスの指は重点的にその部分を攻め立て、右手はもう愛撫されないとばかり思っていたふくらみを包み込む。柔らかく揉みしだいて手の中で弾ませながら、未だ固く尖ったままの乳首を指先でつまんでは転がした。
「あっ、あ……ひ、あっ、あぁ――っ!」
気持ちよすぎて身体が跳ねる。
ユリウスの手で、初めて快楽を知った。
それを得られる箇所を一度に弄られ、セシリアはひたすら啼き声をあげた。すると胎内を探る左手側の親指が頂上に息づく蕾をそっと押し潰す。蜜とユリウスの唾液で濡れている蕾の上を踊るように指は滑らかに動き、甘く捏ね回した。
「や、壊れちゃ……! いや、ユ、リ……様ぁ……っ、あ、あ……っ!」
蜜口がきつく収縮し、秘穴全体が激しくうごめく。
ユリウスは苦しげに眉根を寄せ、やがて波が引くように蠕動が治まりはじめるとゆっくりと指を引き抜いた。
「あ……っ!」
その動きにすら反応して蜜が滴る。
待って。離れて行かないで。
こぼれそうになる哀願の言葉を必死になって飲み込んだ。
「セシリア……。可愛い、可愛すぎる。君の中に挿れたい」
その言葉の意味は分かる。
つまり、セシリアと交わりたいと、そういうことだ。
肩で荒く息をつくセシリアは注意して見ればそうと分かる程度に頷いた。
どうせもう他の殿方のところへは嫁げない。
それならばユリウスとの間に最後の秘密と思い出が欲しいと思った。
「セシリア……」
「でも、あの」
思考はぐずぐずに蕩けきってしまっても、これだけはどうしても譲れない、一つだけ聞き届けて欲しいことがある。
ユリウスの顔を見ることは出来ず、顔を背けると今にも消え入りそうな声で告げた。
「ユリウス様も……脱いで、下さい。私だけ、裸、は……恥ずか、しい……です」
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