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本編
好き 2
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「く……っ。全部、挿ったよ」
それまでの甘い声色から一転、ユリウスの声はひどく掠れたものだった。でも彼のそんな声を知るのはセシリアだけに違いない。そう思うと下腹部が疼いた。
「ユリウス様……もっと、もっと、下さい」
ユリウス自身も、彼と交わす口づけも好きで、もっと欲しい。心が欲しがるまま口にすれば、胎内に収められたものの熱量と質量が増した気がした。
「きゃ……!」
「ああもう、君は、本当に……」
ユリウスが熱い吐息と共に言葉を吐き出す。それから噛みつくように唇が重ねられた。驚きに逃げる間もなく舌を深く絡み取られ、ユリウスの咥内へと連れ去られて行く。
ようやく拠り所を見つけた気がして、ユリウスの首に両手を回して縋りついた。嗚咽をこぼしながらも舌はユリウスのそれを求める。
呼吸さえも忘れて夢中になった。だからやがて空気を求めて唇が離れると、ユリウスが頬から耳、首筋を撫でた。
「ひ、あ……っ!」
その手が脇腹をなぞりながら下へと滑り、繋がったまま足のつけ根に辿り着く。
ユリウスは濡れた蕾を再びつまんで扱いた。先程はあまりの刺激に優しくして欲しいと訴えたけれど、痛みを堪える今はその強い刺激が気持ちいい。あっという間に絶頂へと昇りつめた。
「なけなしの理性を総動員して優しく抱いてあげたいのに……君が可愛すぎるから手加減出来なくなる」
「大丈夫、です……。ユリウス様なら、私……」
お互いの汗ばんだ素肌が吸いつき合って重なる。このまま身体ごと本当の意味で一つになれそうで、セシリアはしがみつく腕に力を込めた。
ユリウスがゆっくりと律動をはじめる。でも、それは最初のうちだけだった。手加減出来ないとの言葉通り、その動きは少しずつ速度を増して行く。蜜をこぼし、柔らかく解けかけた秘穴を熱く硬い肉の凶器が穿った。
激しく揺さぶられて離れそうになる度、セシリアは離れないでと首を振る。本当に離れてしまうことはないだろう。だけど怖かった。
背中にユリウスの両手が回され、腕の中に抱き込まれる。もっと強く、深く繋がりたい。無意識のうちに足でユリウスの腰の辺りにしがみついた。
ユリウスの荒い吐息が耳にかかる。その色香に充てられて再び腰が揺れだした。奥も入り口も気持ちいい。初恋の王子様を逃すまいと、秘穴が激しく蠕動を繰り返して奥へと誘う。
「ユ、リウス、様ぁ……! 下さい、あっ、ユ、ユリウス様を全部、私の中に下さい……!」
今さら取り繕ろおうとしたって無駄なのだ。
ユリウスが欲しい。
全部、全部、セシリアだけのものだ。
「セシリア……! だめだ、もう……!」
「あっ、あんっ、あ、あ……っ」
身体中でねだるセシリアの奥深い場所に熱い塊が何度も叩きつけられた。
大きな法悦に浸り、身動きが出来ないセシリアの髪を撫で、ユリウスはその耳元に唇を寄せる。耳朶を優しく食みながら甘く囁いた。
「愛してるよ。僕の可愛いセシリア」
「……す」
私も、ずっと愛しています。
その声はユリウスに届いただろうか。
三日後、第二王子ユリウスの突然の婚約発表に社交界は驚きに包まれた。
子供の頃の淡い初恋をようやく実らせたという逸話は庶民の人気を集め、事実を元にこれでもかとロマンチックな想像を盛り込んだ物語は少女たちに特に好まれることとなった。
彼の恋が実ったきっかけが、愛しの令嬢を想っての自慰を見られたからだ――なんてことは、もちろん当人たち以外には誰も知らない。
それまでの甘い声色から一転、ユリウスの声はひどく掠れたものだった。でも彼のそんな声を知るのはセシリアだけに違いない。そう思うと下腹部が疼いた。
「ユリウス様……もっと、もっと、下さい」
ユリウス自身も、彼と交わす口づけも好きで、もっと欲しい。心が欲しがるまま口にすれば、胎内に収められたものの熱量と質量が増した気がした。
「きゃ……!」
「ああもう、君は、本当に……」
ユリウスが熱い吐息と共に言葉を吐き出す。それから噛みつくように唇が重ねられた。驚きに逃げる間もなく舌を深く絡み取られ、ユリウスの咥内へと連れ去られて行く。
ようやく拠り所を見つけた気がして、ユリウスの首に両手を回して縋りついた。嗚咽をこぼしながらも舌はユリウスのそれを求める。
呼吸さえも忘れて夢中になった。だからやがて空気を求めて唇が離れると、ユリウスが頬から耳、首筋を撫でた。
「ひ、あ……っ!」
その手が脇腹をなぞりながら下へと滑り、繋がったまま足のつけ根に辿り着く。
ユリウスは濡れた蕾を再びつまんで扱いた。先程はあまりの刺激に優しくして欲しいと訴えたけれど、痛みを堪える今はその強い刺激が気持ちいい。あっという間に絶頂へと昇りつめた。
「なけなしの理性を総動員して優しく抱いてあげたいのに……君が可愛すぎるから手加減出来なくなる」
「大丈夫、です……。ユリウス様なら、私……」
お互いの汗ばんだ素肌が吸いつき合って重なる。このまま身体ごと本当の意味で一つになれそうで、セシリアはしがみつく腕に力を込めた。
ユリウスがゆっくりと律動をはじめる。でも、それは最初のうちだけだった。手加減出来ないとの言葉通り、その動きは少しずつ速度を増して行く。蜜をこぼし、柔らかく解けかけた秘穴を熱く硬い肉の凶器が穿った。
激しく揺さぶられて離れそうになる度、セシリアは離れないでと首を振る。本当に離れてしまうことはないだろう。だけど怖かった。
背中にユリウスの両手が回され、腕の中に抱き込まれる。もっと強く、深く繋がりたい。無意識のうちに足でユリウスの腰の辺りにしがみついた。
ユリウスの荒い吐息が耳にかかる。その色香に充てられて再び腰が揺れだした。奥も入り口も気持ちいい。初恋の王子様を逃すまいと、秘穴が激しく蠕動を繰り返して奥へと誘う。
「ユ、リウス、様ぁ……! 下さい、あっ、ユ、ユリウス様を全部、私の中に下さい……!」
今さら取り繕ろおうとしたって無駄なのだ。
ユリウスが欲しい。
全部、全部、セシリアだけのものだ。
「セシリア……! だめだ、もう……!」
「あっ、あんっ、あ、あ……っ」
身体中でねだるセシリアの奥深い場所に熱い塊が何度も叩きつけられた。
大きな法悦に浸り、身動きが出来ないセシリアの髪を撫で、ユリウスはその耳元に唇を寄せる。耳朶を優しく食みながら甘く囁いた。
「愛してるよ。僕の可愛いセシリア」
「……す」
私も、ずっと愛しています。
その声はユリウスに届いただろうか。
三日後、第二王子ユリウスの突然の婚約発表に社交界は驚きに包まれた。
子供の頃の淡い初恋をようやく実らせたという逸話は庶民の人気を集め、事実を元にこれでもかとロマンチックな想像を盛り込んだ物語は少女たちに特に好まれることとなった。
彼の恋が実ったきっかけが、愛しの令嬢を想っての自慰を見られたからだ――なんてことは、もちろん当人たち以外には誰も知らない。
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