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囚われの小鳥
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黒いシーツの海の中、フィーナはゆっくりと目を開けた。
目を開けて良かったのか、良くなかったのか、分からない。ただ生きているのだと、感情のこもらない静かな息がこぼれた。
「お目覚めか、天使の姫君」
ふいに声をかけられて身をすくませる。
フィーナの自室でも、見知った場所でもないベッドで眠っていた。その事実が、今さらながらフィーナの心に棘を刺す。
声をかけたのはリュシフェルだった。
天使とは太古の昔より敵対する悪魔の中でも屈指の能力を持つ大悪魔だ。そんな彼は何の気まぐれか人間と契約し、当然のように《下界》に身を置いているらしい。
フィーナが苦痛に泣き叫ぶ姿も、快楽に甘く啼く姿も、どちらも目にしておきながらその態度に何ら変わったところはなかった。少なくとも彼らにとっては一過性の、ほんの一夜の戯れでしかないのだろう。
そして、その"獲物"はフィーナが偶然罠にかかったというだけで、誰でも良かったに違いない。
「レイジは留守にしている。今のうちに羽を癒やして風呂に入っておくといい」
レイジ、とはおそらくあの男の名だろう。
名を知ったところで呼びかけることなどないだろうし、向こうも呼んで欲しくないに違いない。そもそも、フィーナが呼んだとして届かないものだ。
自分を汚したその名に呼応したかのように足のつけ根がずきりと痛み、粘着性のある液体が内ももを伝う。
お風呂に入れるのなら入りたい。《天界》に帰れるのならそれがいちばんだけれど、それだけはフィーナの意思では叶えられないと分かっている。
とりあえず、羽を治してもいいと、魔力を使ってもいいと許可は得た。リュシフェルが監視役としてついているからだろう。羽が癒えたところで逃げられないと踏んでいるし、フィーナも逃げられるとは思えない。
身を包むシーツで身体の前面を隠しながら起きあがる。
広いベッドには他に誰かが寝ていた形跡は微塵もなかった。フィーナが眠っていた周辺以外は綺麗なままだ。自分を凌辱した相手と一緒に眠りたいわけではないけれど、フィーナは玩具でしかないのだと改めて突きつけられているようで胸が痛む。
そうして、乱れた髪の向こうに白い羽が見えた。
(堕天、してない……?)
魂に穢れが満ちると全ての羽が抜け落ちるか、羽が黒く染まると教えられている。どちらの状態にも当てはまらないフィーナは、堕天せずに天使のままだということだ。
そういえばリュシフェルも先程「天使の」と話しかけていた。もっとも、この先も堕天しないなんて保証はどこにもないし、さらに最悪の事態を想定するなら羽が白いまま堕天した初めてのケースがフィーナになる可能性もなくはない。
フィーナが、ほぼすべての天使が知るのは"堕天したらどうなるのか"ということだけ。けれど"どのような過程で堕天するのか"は知らない。
左腕をゆっくりとさすり、動きが止まった。
恐ろしい仕打ちの記憶が蘇る。右肩に触れるべきか迷い、手はそれ以上動かなかった。
けれど意識したことで引き攣れたような痛みを覚える。フィーナの右肩につけられた痕は悪夢の中での出来事などではなく、消えてはいないのだ。
息を深く吐き、頭を振る。
それから水をすくうように小指を触れ合わせて軽く指を曲げた。
手のひらの器の中に、馴染みのある力が集まって来る。
魔力を失ってはいない。そのことに何よりも安堵し、目を閉じて両手の指を組み合わせた。フィーナの周りを淡く白い光が包み、傷ついた羽へと流れて行く。
わずかに羽が震え、そして飛ぶ前の時のように広がった。
羽が癒えただけで全身に生命力が満ち溢れる。
深手を負っていないことを確認するよう、慎重に何度かはためかせた。羽が自由に動く感覚は空を飛んでいる時と同様に気持ちがいい。場所は《天界》ではないけれど、フィーナはようやく懸念を払拭して息を吐いた。
「あの、お風呂はどこに?」
羽をしまえば、望まぬ行為の名残りを残した身体が気になる。リュシフェルもお風呂に入るよう言っていた。
フィーナの言葉にリュシフェルは目を細め、何故か楽しそうに笑った。
「昨夜、あんな目に遭ったばかりだというのに、天使の姫君は意外としたたかなようだな」
多分、悪意はない。おそらくは褒められている。
けれどフィーナは悪魔に褒めてもらっても嬉しくない。むしろ小馬鹿にされているようで不愉快だった。
「私は……早く、帰りたいの」
神の寵愛はまだフィーナにも注がれている。希望に満ちた祈りが神や兄に届くかは分からないけれど、祈ること自体をやめてしまったら決して届くことはない。
フィーナの願いは一秒でも早く《天界》に帰ること。それだけだ。
悪魔とて分かりきっている答えだろう。何も言わず、代わりにどこから出したのか、男物の黒いシャツをフィーナの手元に出現させた。
「レイジのシャツだが、そうやってシーツに包まっているよりはマシだろう」
「――ありがとう」
「バスルームは左奥のドアを開けた先だ」
フィーナが《天界》に帰れないのは、あの人間の男や悪魔のせいだ。でも施しを受けたことにはお礼を言った。
シーツをしっかりと巻き、シャツを胸に抱えてベッドを降りる。そうして教えられたドアを開けた。
そこは先程までいた部屋と比べたらずっと狭い部屋だった。清潔で柔らかそうな白いリネンの入った棚と、空っぽの大きなバスケットが置いてあるだけだ。奥にはさらにガラス戸が取りつけられている。空気がわずかに温かく、バスルームがその奥にあるのだろう。
唯一身を隠すシーツを脱ぎ捨て、その上にシャツを置く。バスルームに続くであろうガラス戸を開けて中に入った。
一人で使うには広い空間が再び現れた。床をくり抜いて作られたバスタブは黒曜石で縁取りされており、なみなみと張られたお湯が時折溢れ出している。
右肩には触れてしまわないように意識しながらシャワーで身体を洗い流し、ゆっくりとバスタブに足を踏み入れる。
あまり深くはないようだ。温かなお湯に吐息がこぼれる。壁に背中を預け、大きなバスタブの中で膝を抱えて小さくなった。
目を閉じて、これからについて考える。
でも何も思い浮かばなかった。
リュシフェルに渡されたシャツは、もちろんフィーナには大きいサイズで肩や袖に余裕はあったものの丈が少し心許ない。
シーツを幾重にも折ってスカートのように巻きつけ、部屋へと戻る。どこに身を置いて良いのか分からず、今度はシーツを膝掛け代わりにしてベッドの端に控え目に座った。
部屋の主は不在で、悪魔と二人きりでいると沈黙が重い。フィーナは思い切って口を開いた。
「出掛けているって、どこに……?」
「おそらくは馴染みの商人の店だろう。弾丸のストックも底を突きはじめているだろうからな」
質問に主語はなかったけれど、今のフィーナが所在を気にかける相手は一人しかいない。悪魔もそれは承知のうえで、すんなりと答えてくれた。
悪魔は気まぐれで、召喚した人間に嘘をつくことも少なくはない。けれどここで嘘を告げる理由はないと判断し、フィーナは相手が悪魔であってもその言葉を疑わなかった。
「弾丸……」
返事の中にあった、気にかかる言葉を口の中で小さく反芻する。
昨夜、木箱の影に隠れていた時に聞こえた破裂音、あれは銃声だったのだ。
レイジの左手付近からにおっていたのは火薬の残り香で――フィーナを探しに来たと思しき三体の天使を、直前に射殺したということなのだろう。
だから近くにいるのにフィーナに助けは来なかった。
もうとっくに夜が明けている。
兄もフィーナがいなくなっていることに気がついたはずだ。そしておそらくは《天界》と《下界》を繋ぐゲートの番人である彼らも、何の連絡もないまま戻って来てはいないことにも。
「どうやらお前の身体をかなり気に入ったらしい。他の女のところに立ち寄ることもせず、しばらくの間は真っすぐ帰って来るはずだ」
フィーナの呟きは聞こえなかったのか、聞こえていてもあえて反応しなかったのか、悪魔はレイジの動向について話す。
気に入ったと言われても、フィーナが天使だから物珍しいだけだ。人とは大きく異なる羽も、傷を癒やしてもうしまった。だから他の女性に夢中になって、そちらに入り浸ってくれたらいいのに。
もちろんそんなことは言えなかったけれど、リュシフェルには伝わったらしい。楽しげに唇の端を上げる。
「何か欲しいものがあればレイジに言えばいい。ああ見えてレイジはこの国の王子様だ。金で買えるものなら何だって用意してくれるだろう」
王族だから粗暴な振る舞いをしても粗野ではないのか。
納得はしたものの、彼が次の国王になったら兄はさらに人間とは分かり合えないと苦労することになりそうだ。
フィーナはそっと溜め息を吐き、かぶりを振った。
「何も欲しくないわ。私は《天界》に帰りたいだけだもの」
「それは無理な話だ」
フィーナ自身が無理だと分かっていることを、悪魔は簡単に否定する。
分かっている。
でも、再び溜め息を吐かずにはいられなかった。
目を開けて良かったのか、良くなかったのか、分からない。ただ生きているのだと、感情のこもらない静かな息がこぼれた。
「お目覚めか、天使の姫君」
ふいに声をかけられて身をすくませる。
フィーナの自室でも、見知った場所でもないベッドで眠っていた。その事実が、今さらながらフィーナの心に棘を刺す。
声をかけたのはリュシフェルだった。
天使とは太古の昔より敵対する悪魔の中でも屈指の能力を持つ大悪魔だ。そんな彼は何の気まぐれか人間と契約し、当然のように《下界》に身を置いているらしい。
フィーナが苦痛に泣き叫ぶ姿も、快楽に甘く啼く姿も、どちらも目にしておきながらその態度に何ら変わったところはなかった。少なくとも彼らにとっては一過性の、ほんの一夜の戯れでしかないのだろう。
そして、その"獲物"はフィーナが偶然罠にかかったというだけで、誰でも良かったに違いない。
「レイジは留守にしている。今のうちに羽を癒やして風呂に入っておくといい」
レイジ、とはおそらくあの男の名だろう。
名を知ったところで呼びかけることなどないだろうし、向こうも呼んで欲しくないに違いない。そもそも、フィーナが呼んだとして届かないものだ。
自分を汚したその名に呼応したかのように足のつけ根がずきりと痛み、粘着性のある液体が内ももを伝う。
お風呂に入れるのなら入りたい。《天界》に帰れるのならそれがいちばんだけれど、それだけはフィーナの意思では叶えられないと分かっている。
とりあえず、羽を治してもいいと、魔力を使ってもいいと許可は得た。リュシフェルが監視役としてついているからだろう。羽が癒えたところで逃げられないと踏んでいるし、フィーナも逃げられるとは思えない。
身を包むシーツで身体の前面を隠しながら起きあがる。
広いベッドには他に誰かが寝ていた形跡は微塵もなかった。フィーナが眠っていた周辺以外は綺麗なままだ。自分を凌辱した相手と一緒に眠りたいわけではないけれど、フィーナは玩具でしかないのだと改めて突きつけられているようで胸が痛む。
そうして、乱れた髪の向こうに白い羽が見えた。
(堕天、してない……?)
魂に穢れが満ちると全ての羽が抜け落ちるか、羽が黒く染まると教えられている。どちらの状態にも当てはまらないフィーナは、堕天せずに天使のままだということだ。
そういえばリュシフェルも先程「天使の」と話しかけていた。もっとも、この先も堕天しないなんて保証はどこにもないし、さらに最悪の事態を想定するなら羽が白いまま堕天した初めてのケースがフィーナになる可能性もなくはない。
フィーナが、ほぼすべての天使が知るのは"堕天したらどうなるのか"ということだけ。けれど"どのような過程で堕天するのか"は知らない。
左腕をゆっくりとさすり、動きが止まった。
恐ろしい仕打ちの記憶が蘇る。右肩に触れるべきか迷い、手はそれ以上動かなかった。
けれど意識したことで引き攣れたような痛みを覚える。フィーナの右肩につけられた痕は悪夢の中での出来事などではなく、消えてはいないのだ。
息を深く吐き、頭を振る。
それから水をすくうように小指を触れ合わせて軽く指を曲げた。
手のひらの器の中に、馴染みのある力が集まって来る。
魔力を失ってはいない。そのことに何よりも安堵し、目を閉じて両手の指を組み合わせた。フィーナの周りを淡く白い光が包み、傷ついた羽へと流れて行く。
わずかに羽が震え、そして飛ぶ前の時のように広がった。
羽が癒えただけで全身に生命力が満ち溢れる。
深手を負っていないことを確認するよう、慎重に何度かはためかせた。羽が自由に動く感覚は空を飛んでいる時と同様に気持ちがいい。場所は《天界》ではないけれど、フィーナはようやく懸念を払拭して息を吐いた。
「あの、お風呂はどこに?」
羽をしまえば、望まぬ行為の名残りを残した身体が気になる。リュシフェルもお風呂に入るよう言っていた。
フィーナの言葉にリュシフェルは目を細め、何故か楽しそうに笑った。
「昨夜、あんな目に遭ったばかりだというのに、天使の姫君は意外としたたかなようだな」
多分、悪意はない。おそらくは褒められている。
けれどフィーナは悪魔に褒めてもらっても嬉しくない。むしろ小馬鹿にされているようで不愉快だった。
「私は……早く、帰りたいの」
神の寵愛はまだフィーナにも注がれている。希望に満ちた祈りが神や兄に届くかは分からないけれど、祈ること自体をやめてしまったら決して届くことはない。
フィーナの願いは一秒でも早く《天界》に帰ること。それだけだ。
悪魔とて分かりきっている答えだろう。何も言わず、代わりにどこから出したのか、男物の黒いシャツをフィーナの手元に出現させた。
「レイジのシャツだが、そうやってシーツに包まっているよりはマシだろう」
「――ありがとう」
「バスルームは左奥のドアを開けた先だ」
フィーナが《天界》に帰れないのは、あの人間の男や悪魔のせいだ。でも施しを受けたことにはお礼を言った。
シーツをしっかりと巻き、シャツを胸に抱えてベッドを降りる。そうして教えられたドアを開けた。
そこは先程までいた部屋と比べたらずっと狭い部屋だった。清潔で柔らかそうな白いリネンの入った棚と、空っぽの大きなバスケットが置いてあるだけだ。奥にはさらにガラス戸が取りつけられている。空気がわずかに温かく、バスルームがその奥にあるのだろう。
唯一身を隠すシーツを脱ぎ捨て、その上にシャツを置く。バスルームに続くであろうガラス戸を開けて中に入った。
一人で使うには広い空間が再び現れた。床をくり抜いて作られたバスタブは黒曜石で縁取りされており、なみなみと張られたお湯が時折溢れ出している。
右肩には触れてしまわないように意識しながらシャワーで身体を洗い流し、ゆっくりとバスタブに足を踏み入れる。
あまり深くはないようだ。温かなお湯に吐息がこぼれる。壁に背中を預け、大きなバスタブの中で膝を抱えて小さくなった。
目を閉じて、これからについて考える。
でも何も思い浮かばなかった。
リュシフェルに渡されたシャツは、もちろんフィーナには大きいサイズで肩や袖に余裕はあったものの丈が少し心許ない。
シーツを幾重にも折ってスカートのように巻きつけ、部屋へと戻る。どこに身を置いて良いのか分からず、今度はシーツを膝掛け代わりにしてベッドの端に控え目に座った。
部屋の主は不在で、悪魔と二人きりでいると沈黙が重い。フィーナは思い切って口を開いた。
「出掛けているって、どこに……?」
「おそらくは馴染みの商人の店だろう。弾丸のストックも底を突きはじめているだろうからな」
質問に主語はなかったけれど、今のフィーナが所在を気にかける相手は一人しかいない。悪魔もそれは承知のうえで、すんなりと答えてくれた。
悪魔は気まぐれで、召喚した人間に嘘をつくことも少なくはない。けれどここで嘘を告げる理由はないと判断し、フィーナは相手が悪魔であってもその言葉を疑わなかった。
「弾丸……」
返事の中にあった、気にかかる言葉を口の中で小さく反芻する。
昨夜、木箱の影に隠れていた時に聞こえた破裂音、あれは銃声だったのだ。
レイジの左手付近からにおっていたのは火薬の残り香で――フィーナを探しに来たと思しき三体の天使を、直前に射殺したということなのだろう。
だから近くにいるのにフィーナに助けは来なかった。
もうとっくに夜が明けている。
兄もフィーナがいなくなっていることに気がついたはずだ。そしておそらくは《天界》と《下界》を繋ぐゲートの番人である彼らも、何の連絡もないまま戻って来てはいないことにも。
「どうやらお前の身体をかなり気に入ったらしい。他の女のところに立ち寄ることもせず、しばらくの間は真っすぐ帰って来るはずだ」
フィーナの呟きは聞こえなかったのか、聞こえていてもあえて反応しなかったのか、悪魔はレイジの動向について話す。
気に入ったと言われても、フィーナが天使だから物珍しいだけだ。人とは大きく異なる羽も、傷を癒やしてもうしまった。だから他の女性に夢中になって、そちらに入り浸ってくれたらいいのに。
もちろんそんなことは言えなかったけれど、リュシフェルには伝わったらしい。楽しげに唇の端を上げる。
「何か欲しいものがあればレイジに言えばいい。ああ見えてレイジはこの国の王子様だ。金で買えるものなら何だって用意してくれるだろう」
王族だから粗暴な振る舞いをしても粗野ではないのか。
納得はしたものの、彼が次の国王になったら兄はさらに人間とは分かり合えないと苦労することになりそうだ。
フィーナはそっと溜め息を吐き、かぶりを振った。
「何も欲しくないわ。私は《天界》に帰りたいだけだもの」
「それは無理な話だ」
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