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一周目
無謀な提案
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「そんなの無理に決まってます……!」
両親のあまりにも度が外れた提案に、エリアーヌは思わず悲鳴のような否定の声をあげた。
「大丈夫よ。あなたは立派な素養があるもの」
「うむ。――もちろんお前がそう思う気持ちも分かる。だがここは家を助けると思い、やってくれないか。私たちも、お前ならできると思ったからこそ言っているんだ。そこを分かって欲しい」
さらに自分勝手な言い分を重ねられて言葉を失う。
立派な素養があるだなんて、今褒められたってちっとも嬉しくない。むしろこれまでエリアーヌを一度だって褒めてくれなかったのに、こんな状況で初めて褒められたことに喜びよりも苛立ちが募ってしまう。
冷ややかな思いが表情に出ていたのか、母は必死に笑顔を貼りつけて取り繕うように言葉を続けた。
「エリアーヌ。あなたにしかできない、大切なことなのよ」
笑みとも呆れともしれない感情で頬が引き攣る。
それはそうなのだろう。
だからどれだけエリアーヌが拒絶しようと両親は絶対に引いてはくれない。それこそ時間が来たら泣き落としや恫喝など、あらゆる手段を使って精神的に追い込むことさえやりかねなかった。実の娘にいくら非難されようと、彼らが今後失うものの大きさに比べたら些末なものだからだ。
「お断りします、と言ったら」
怒りが抑えきれずに震える声を絞り出せば両親は顔色を変えた。
母は青ざめ、父は気色ばむ。
ほら、今の時点でもう両親は冷静さを失っているのだ。それはエリアーヌのせいでも何でもなく、エリアーヌだって同様に――むしろ今はいちばんの被害者だというのに。彼らにとって可愛いのは自分たちの身でしかなかった。
「ねえエリアーヌ。一体何が不満だと言うの? 王太子殿下の元に嫁げるなんて、とても栄誉のあることじゃない」
母はまだ穏便な言動で説得を試みる。
けれどエリアーヌは思わず笑みを浮かべてしまった。
王太子に嫁ぐのは、あくまでも姉のイザベルだ。エリアーヌじゃない。でも母はそれがエリアーヌの栄誉なのだと言う。
エリアーヌとて貴族の娘だ。家の為の政略結婚の重要さはちゃんと分かっている。けれど自分が求められているでもない場所にいて何が幸せなのかは分からなかった。
「いい加減にしろ、エリアーヌ! 育ててもらった恩を忘れたか」
無言を貫くと、一方の父はエリアーヌの非であるかのように声を荒げた。
育ててもらった恩。
父は絶対にその言葉を口にすると思っていた。
予想よりずっと早いのは、それだけ父も精神的に余裕がないからなのだろう。
無理もない。
『王太子殿下との結婚はできません。さようなら』
たった一枚の書き置きだけを残して、ひと月後に王太子の下へと嫁ぐはずだった姉は行方をくらませてしまったのだから。
「ではお姉様を探し出して、同じ言葉を仰って連れ戻せば良いではありませんか。子供の頃より与えられた役割を無責任に放棄したお姉様の方が、私よりよほど恩知らずではないでしょうか」
「お前……!」
これ以上ない正論を口にしたら父の逆鱗に触れることは分かっていた。父だって手紙を見てすぐに姉を探しただろう。それでも何の手掛かりもなければ手の打ちようもなく、こうしている間にも姉はどんどん離れた場所へ向かっているに違いない。だからと言って、大っぴらに捜索するわけにもいかなかった。
でも、まんまと姉に逃げられたのは父の落ち度で、逃げたのは姉の我儘だ。いくら家族でもエリアーヌが尻拭いをする必要はない。
「それが無理なら」
テーブルの上に置かれたままの姉の書き置きを手に取り、正面に揃って座る両親へと掲げて見せる。
「この手紙を持って殿下や国王陛下に正直にお話ししてはいかがです。栄誉ある王太子妃として嫁ぐはずだった娘は、この書き置きだけを残して姿をくらませました、と」
「エリアーヌ! ふざけるのも大概にしろ!」
「ふざけてなどおりませんわ」
感情のまま固く握りしめた拳でテーブルを叩く父を一瞥し、エリアーヌは落ち着いて答えた。
昨日までのエリアーヌなら、母と同じように父の剣幕に気圧されておろおろするばかりだった。けれど今は違う。居合わせた家族の中でいちばん冷静でまともに頭が働いていると自負すらある。
「王家の方々にとってもこの婚姻はとても意味があるものですもの。婚姻を一旦延期したうえで、お姉様の捜索にもご尽力下さるのでは?」
「お前は、私に恥をかけと言うのか」
「まあ、恥だなんて。双方に利点がある以上、正直に話せば陛下方もご寛大にお許し下さるのではないでしょうか」
口ではそう言いながらエリアーヌ自身、仮に姉が見つかったとしても彼女が説得に応じておとなしく帰って来るなどとは思えなかった。
エリアーヌの姉イザベルは十年前、この国の王太子の婚約者に定められた。
国境ではないものの隣国にほど近い、華やかな王都とかけ離れた領地の娘にそのような話が持ちかけられたのは偏に、父の代になってこの土地の鉱山から希少な石が採掘されるようになったからだ。
聖水晶と名付けられた、透過性の高い青金に輝くそれは石自体がわずかな魔力を帯びているだけでなく、所有者の魔力を増幅させる奇跡の力をも秘めていた。
故に魔法国家たるこの国では他国に持ち出されることのないようにと、鉱山を徹底的に管理することとなった。その見返りが王家との縁組みというわけだ。幸いにして王太子と姉が同じ年に生まれたこともあり、話はとんとん拍子に進んで行った。
誰が見ても政略による婚約だったけれど、王太子は王都から馬車で一週間もかかる領地にも三か月に一度は足を運んだ。手紙や贈り物もまめに届けられるなど王太子にそこまでの労力を割かせる辺り、いかに聖水晶が多大な国益をもたらすのかを物語っていた。
眩い金色の髪に青空を映し込んだ青い瞳の、まさに王子様といった出で立ちの少年が姉を訪ね、仲睦まじそうに会話をしているのをエリアーヌは遠い場所から羨望の眼差しで眺めるだけだったのに。
(けれどお姉様は、二月ほど前の夜会で出会った殿方と恋に落ちて、駆け落ちしてしまった)
姉が人知れず秘密の恋に燃え上がっていることをエリアーヌは知っていた。
知っていながら両親に黙っていたのは、嫁ぐ日が近づけば姉も未来のない恋に別れを告げて気持ちの整理をつけると思っていたからだ。
告げ口のような真似をしたところで未来のない恋を燃え上がらせる障害になり、厄介な事態を引き起こすだけだと思った。
(裏目に出てしまったわけだけれど)
心の中で自嘲し、父に視線を向ける。
「それに……お父様はわたくしにこの先ずっと、お姉様の身代わりとして生を全うするようにと仰るの?」
「そ、そこは……折を見て、だな」
父の歯切れの悪い返答もやっぱり笑うしかない。
今この時点で真実を王家に打ち明けられないのに〝折を見て〟なんてそれこそ無理だ。
父にとっては〝聖水晶の所有権を盾に王家へ娘を嫁に出してやった〟優位な立場こそが重要なのであり、エリアーヌは面目を保つ為だけの、姉のスペアでしかないのだろう。
あくまでも姉の身代わりでエリアーヌ自身には何の価値もないと言っているのと何ら変わらなかった。
「聖水晶で魔力を増幅しても、お姉様に姿を変えて過ごすとなれば一年も持たないと思います」
エリアーヌを代わりの花嫁にと提案しているならまだ分かる。
そうしたらエリアーヌだって喜んで受け入れてはいけないと分かっていながら、浅ましい気持ちを抱えて受け入れていた。けれど両親が選んだ方法は違う。あくまでもすべてを隠して、エリアーヌをイザベルとして嫁がせようとしている。
魔力を使って誰かの姿を取ろうなんてやってみたことも、思ったことすらない。けれど、他人の目を誤魔化せるほどに完璧な状態にするのは相応の魔力が必要とされるのは簡単に予測がついた。
ましてや王族を欺こうとしているのだ。脅すつもりで言っているのではなくリスクが大きすぎる。しかも、二人してその事実から目を背けていることを危険と言わずして何を危険と言うのか。
「では、一年なら持つということか」
そう結論づける父に、エリアーヌは自分が見誤っていると悟った。母も何かに気がついたように瞳を輝かせる。
「お前が身を挺して時間を稼いでいる間に我々はイザベルを探し出し、何としても説得すると約束しよう」
「あなたも短い間とは言え王太子妃として過ごせるのだもの。良かったわね」
何が良かったと言うのか。
(だけど……)
エリアーヌが浅ましい想いを抱いているのも事実である以上、提案を拒絶しきることはできなかった。
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両親のあまりにも度が外れた提案に、エリアーヌは思わず悲鳴のような否定の声をあげた。
「大丈夫よ。あなたは立派な素養があるもの」
「うむ。――もちろんお前がそう思う気持ちも分かる。だがここは家を助けると思い、やってくれないか。私たちも、お前ならできると思ったからこそ言っているんだ。そこを分かって欲しい」
さらに自分勝手な言い分を重ねられて言葉を失う。
立派な素養があるだなんて、今褒められたってちっとも嬉しくない。むしろこれまでエリアーヌを一度だって褒めてくれなかったのに、こんな状況で初めて褒められたことに喜びよりも苛立ちが募ってしまう。
冷ややかな思いが表情に出ていたのか、母は必死に笑顔を貼りつけて取り繕うように言葉を続けた。
「エリアーヌ。あなたにしかできない、大切なことなのよ」
笑みとも呆れともしれない感情で頬が引き攣る。
それはそうなのだろう。
だからどれだけエリアーヌが拒絶しようと両親は絶対に引いてはくれない。それこそ時間が来たら泣き落としや恫喝など、あらゆる手段を使って精神的に追い込むことさえやりかねなかった。実の娘にいくら非難されようと、彼らが今後失うものの大きさに比べたら些末なものだからだ。
「お断りします、と言ったら」
怒りが抑えきれずに震える声を絞り出せば両親は顔色を変えた。
母は青ざめ、父は気色ばむ。
ほら、今の時点でもう両親は冷静さを失っているのだ。それはエリアーヌのせいでも何でもなく、エリアーヌだって同様に――むしろ今はいちばんの被害者だというのに。彼らにとって可愛いのは自分たちの身でしかなかった。
「ねえエリアーヌ。一体何が不満だと言うの? 王太子殿下の元に嫁げるなんて、とても栄誉のあることじゃない」
母はまだ穏便な言動で説得を試みる。
けれどエリアーヌは思わず笑みを浮かべてしまった。
王太子に嫁ぐのは、あくまでも姉のイザベルだ。エリアーヌじゃない。でも母はそれがエリアーヌの栄誉なのだと言う。
エリアーヌとて貴族の娘だ。家の為の政略結婚の重要さはちゃんと分かっている。けれど自分が求められているでもない場所にいて何が幸せなのかは分からなかった。
「いい加減にしろ、エリアーヌ! 育ててもらった恩を忘れたか」
無言を貫くと、一方の父はエリアーヌの非であるかのように声を荒げた。
育ててもらった恩。
父は絶対にその言葉を口にすると思っていた。
予想よりずっと早いのは、それだけ父も精神的に余裕がないからなのだろう。
無理もない。
『王太子殿下との結婚はできません。さようなら』
たった一枚の書き置きだけを残して、ひと月後に王太子の下へと嫁ぐはずだった姉は行方をくらませてしまったのだから。
「ではお姉様を探し出して、同じ言葉を仰って連れ戻せば良いではありませんか。子供の頃より与えられた役割を無責任に放棄したお姉様の方が、私よりよほど恩知らずではないでしょうか」
「お前……!」
これ以上ない正論を口にしたら父の逆鱗に触れることは分かっていた。父だって手紙を見てすぐに姉を探しただろう。それでも何の手掛かりもなければ手の打ちようもなく、こうしている間にも姉はどんどん離れた場所へ向かっているに違いない。だからと言って、大っぴらに捜索するわけにもいかなかった。
でも、まんまと姉に逃げられたのは父の落ち度で、逃げたのは姉の我儘だ。いくら家族でもエリアーヌが尻拭いをする必要はない。
「それが無理なら」
テーブルの上に置かれたままの姉の書き置きを手に取り、正面に揃って座る両親へと掲げて見せる。
「この手紙を持って殿下や国王陛下に正直にお話ししてはいかがです。栄誉ある王太子妃として嫁ぐはずだった娘は、この書き置きだけを残して姿をくらませました、と」
「エリアーヌ! ふざけるのも大概にしろ!」
「ふざけてなどおりませんわ」
感情のまま固く握りしめた拳でテーブルを叩く父を一瞥し、エリアーヌは落ち着いて答えた。
昨日までのエリアーヌなら、母と同じように父の剣幕に気圧されておろおろするばかりだった。けれど今は違う。居合わせた家族の中でいちばん冷静でまともに頭が働いていると自負すらある。
「王家の方々にとってもこの婚姻はとても意味があるものですもの。婚姻を一旦延期したうえで、お姉様の捜索にもご尽力下さるのでは?」
「お前は、私に恥をかけと言うのか」
「まあ、恥だなんて。双方に利点がある以上、正直に話せば陛下方もご寛大にお許し下さるのではないでしょうか」
口ではそう言いながらエリアーヌ自身、仮に姉が見つかったとしても彼女が説得に応じておとなしく帰って来るなどとは思えなかった。
エリアーヌの姉イザベルは十年前、この国の王太子の婚約者に定められた。
国境ではないものの隣国にほど近い、華やかな王都とかけ離れた領地の娘にそのような話が持ちかけられたのは偏に、父の代になってこの土地の鉱山から希少な石が採掘されるようになったからだ。
聖水晶と名付けられた、透過性の高い青金に輝くそれは石自体がわずかな魔力を帯びているだけでなく、所有者の魔力を増幅させる奇跡の力をも秘めていた。
故に魔法国家たるこの国では他国に持ち出されることのないようにと、鉱山を徹底的に管理することとなった。その見返りが王家との縁組みというわけだ。幸いにして王太子と姉が同じ年に生まれたこともあり、話はとんとん拍子に進んで行った。
誰が見ても政略による婚約だったけれど、王太子は王都から馬車で一週間もかかる領地にも三か月に一度は足を運んだ。手紙や贈り物もまめに届けられるなど王太子にそこまでの労力を割かせる辺り、いかに聖水晶が多大な国益をもたらすのかを物語っていた。
眩い金色の髪に青空を映し込んだ青い瞳の、まさに王子様といった出で立ちの少年が姉を訪ね、仲睦まじそうに会話をしているのをエリアーヌは遠い場所から羨望の眼差しで眺めるだけだったのに。
(けれどお姉様は、二月ほど前の夜会で出会った殿方と恋に落ちて、駆け落ちしてしまった)
姉が人知れず秘密の恋に燃え上がっていることをエリアーヌは知っていた。
知っていながら両親に黙っていたのは、嫁ぐ日が近づけば姉も未来のない恋に別れを告げて気持ちの整理をつけると思っていたからだ。
告げ口のような真似をしたところで未来のない恋を燃え上がらせる障害になり、厄介な事態を引き起こすだけだと思った。
(裏目に出てしまったわけだけれど)
心の中で自嘲し、父に視線を向ける。
「それに……お父様はわたくしにこの先ずっと、お姉様の身代わりとして生を全うするようにと仰るの?」
「そ、そこは……折を見て、だな」
父の歯切れの悪い返答もやっぱり笑うしかない。
今この時点で真実を王家に打ち明けられないのに〝折を見て〟なんてそれこそ無理だ。
父にとっては〝聖水晶の所有権を盾に王家へ娘を嫁に出してやった〟優位な立場こそが重要なのであり、エリアーヌは面目を保つ為だけの、姉のスペアでしかないのだろう。
あくまでも姉の身代わりでエリアーヌ自身には何の価値もないと言っているのと何ら変わらなかった。
「聖水晶で魔力を増幅しても、お姉様に姿を変えて過ごすとなれば一年も持たないと思います」
エリアーヌを代わりの花嫁にと提案しているならまだ分かる。
そうしたらエリアーヌだって喜んで受け入れてはいけないと分かっていながら、浅ましい気持ちを抱えて受け入れていた。けれど両親が選んだ方法は違う。あくまでもすべてを隠して、エリアーヌをイザベルとして嫁がせようとしている。
魔力を使って誰かの姿を取ろうなんてやってみたことも、思ったことすらない。けれど、他人の目を誤魔化せるほどに完璧な状態にするのは相応の魔力が必要とされるのは簡単に予測がついた。
ましてや王族を欺こうとしているのだ。脅すつもりで言っているのではなくリスクが大きすぎる。しかも、二人してその事実から目を背けていることを危険と言わずして何を危険と言うのか。
「では、一年なら持つということか」
そう結論づける父に、エリアーヌは自分が見誤っていると悟った。母も何かに気がついたように瞳を輝かせる。
「お前が身を挺して時間を稼いでいる間に我々はイザベルを探し出し、何としても説得すると約束しよう」
「あなたも短い間とは言え王太子妃として過ごせるのだもの。良かったわね」
何が良かったと言うのか。
(だけど……)
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