箱入り令嬢と秘蜜の遊戯 -無垢な令嬢は王太子の溺愛で甘く蕩ける-

瀬月 ゆな

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夜会

隠せない情欲 2  ☆

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 じゃあ、とたくしあげたスカートの向こうでアドルフォードは目を細めた。隠すもののない秘裂を指で押し開き、とろりとした蜜を指先にたっぷりとまとわりつかせる。

「フィオレアも同じようにセックスしたくなった?」

 再び否定に首を振ると、アドルフォードはわずかに首を傾げた。
 今にも泣き出しそうなフィオレンツィアを見ているくせに意地悪だ。

「どちらでもないなら、こうして僕にドレスをたくしあげて見せるだけでこんなになったってことかな。……それとも」

 もう聞きたくない。そう言わんばかりにフィオレンツィアは何度も首を振った。
 それでもアドルフォードは言葉を束ねて作られた鞭を振り下ろすのをやめてはくれない。指を優しくすべらせては蜜が絶えず潤む音をわざと上げた。

「庭園でキスした時から?」

 言い訳をしながら逃げ込める道を一つずつ断たれて、フィオレンツィアの瞳からとうとう涙がこぼれた。
 どうせ最初からすぐ行き止まりになっている細い道だと分かっていても、突き詰められれば羞恥を覚える。

 何故ならアドルフォードの言うことは全て事実だった。
 初めて見知らぬ男女の交わりを見たことも、快楽に身を委ねた令嬢の痴態にあてられたことも、自分でドレスをたくし上げてみせることも、庭園で口づけたことも。
 その全てが、フィオレンツィアにはしたない蜜をこぼさせた。

「――そう。僕の小さな花はとてもいやらしくて可愛いね」

 華奢な腰を左手で引き寄せながら、足の間に息づく淡い花の蕾に唇を寄せる。幾度か優しい口づけを贈ると、ゆっくりと口に含んだ。

「あ……っ!」

 それだけで切ない想いがフィオレンツィアの全身を駆け上がった。
 普段より不自然な体勢で、普段よりも小さな刺激。もどかしくて、じれったい。だけど甘い痺れをフィオレンツィアにもたらした。
 庭園で口づけをした時に感じた気持ちと同じだ。
 してはいけないことを、してはいけない場所でしている。背徳感が羞恥心を煽り、官能を揺さぶってしまう。

 無意識のうちにドレスから左手が離れ、アドルフォードの髪に触れた。淡いラベンダー色越しに見える青銀の髪に指を絡ませる。
 鮮やかな紫色の目は見えない。でも、レースの花に埋め込まれたいくつものアメジストが煌めく度、はしたなく乱れる姿をあますことなく見つめられているような気になった。

「待っ……に、さま、待って、おねが」

 息も絶え絶えに懇願する耳に水音が響く。
 細い指が蕾の下、さらに奥深くに秘められた場所に触れた。すでに蜜を溢れさせている泉はなおも新たな蜜を零し、言葉とは裏腹に指を――あるいは、もっと雄々しいものを――誘う。

 ねだりながらも快楽から逃げようとする腰を、アドルフォードは半ば強引に押し留めた。ぬかるみに遊ばせていた人差し指と中指とを、その中心の窪みにそっとあてがう。

「どんなにしたくても今はまだ出来ないから、指で我慢して」
「ひ、あぁ……っ!」

 身体の中心を押し開いて串刺しにする二本の指に、フィオレンツィアは切ない啼き声をあげて両足をがくがくと震わせた。
 舌先で蕾を舐めあげられる音と、指で蜜口をかき混ぜられる音。似ているようで似ていない、異なった二つの音が淫靡なハーモニーを奏でてフィオレンツィアを翻弄する。

 水音が、恥ずかしい。
 だけどその羞恥こそが気持ちイイのだとフィオレンツィアは知っている。それでもいやいやとかぶりを振った。
 刺激が強すぎて、あっという間に達してしまいそうになる。指を入れられた場所が切なさを訴えるよう、きゅっと締まりはじめた。
 なのに絶頂を迎える寸前で蕾を転がす舌も、蜜口をかき混ぜる指も離れて行った。

「やめちゃ、やだあ……っ」

 燻る炎だけを身体に残され、咄嗟に非難するような甘えた声があがる。躊躇ためらいがちに腰を揺らせば、立ち上がったアドルフォードの手がドレスをたくし上げる手をそっと離させた。快楽そのものが逃げて行くように、柔らかな布がフィオレンツィアの手の中からすべり落ちて行く。

「――ど、して」

 乱された息と心のまま咎めるような言葉を呟くと抱き寄せられた。
 まるで聞き分けのない子供をあやす時さながらの仕草に、フィオレンツィアはかぶりを振った。

 子供じゃない。
 フィオレンツィアをそうしたのはアドルフォードだ。

 右のこめかみに口づけられ、そのまま唇は耳へと滑る。優しく耳朶じだを食みながら、背中に回された手が編み上げのリボンを引っ張って解きはじめた。

「あ……」

 ドレスを脱がされる。
 それが意味することを察してフィオレンツィアの身体が期待に震えた。
 耳殻にアドルフォードの舌が触れ、濡れた音をより強く響かせる。先程まで自分の秘められた場所が立てていた、はしたない水音を思い出さないわけがない。フィオレンツィアはよりいっそうと熱を帯びた吐息を切なげにこぼす。

ちゃんとしてあげる・・・・・・・・・からおいで」

 囁かれた言葉に、小さく頷くことしかできなかった。

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