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4-5 魔物創造;崩落後1578年
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鞭が空を切り肉を強かに打ち付ける音。直後、少女の悲痛な叫びが辺りに響く。
もう幾度となく繰り返されたのだろう。その幼気な響きは掠れ、消え入るように発せられる呻きからは極度の疲労と諦めが窺える。そしてまた一つ、虚しく消えていった。
暗く湿った歪な洞の影は否応なく少女を苛む。
「いえ、取り敢えずそれくらいでいいでしょう」
片手を挙げ、今一度振り被った男を制す。数種の獣の革を裁断し鞣し束ねた鞭の威力は鋭い。たとえ日頃から打たれ慣れた馬でさえ、一被りでも耐え兼ねる痛みとなるだろう。眼下に倒れ伏す少女の背は裂け、痛ましいほどに血が滴っている。一先ず十分だろう。
「さて、もう一度聞きますが。力を受け入れる覚悟はできましたか?」
三度目になる問いを傷だらけの少女に投げ掛ける。どちらにせよ為すことに変わりはないのだが、後の結果を加味して試みているに過ぎない。要はこちらの意向次第である。
「――嫌だ。誰が、お前たちの、言いなりになど」
粗く削られた岩の床が裸体に痛々しい。彼女はまだ自らが置かれた立場を弁えていないようだ。震える体と僅かに向けられた反抗的とも言える虚ろな目がそう物語っている。
何をそんなにむきになる必要があるのか。これほどまでに心身を苛まれ、間違いなく今後も止むことのない苦痛をまだ望もうと言うのか。陳謝し迎合しようものなら、すぐにでも解放しようという意志がどうして伝わらないのか。
痛々しいにもほどがある。
――どちらにせよ、そちら側の意向など知ったことではないのだが。
「はぁ……。ならもういいです。このまま死なない程度に続けてください」
正直もう飽き飽きしたという本音を溜息に込め、残酷にも監守にその旨を伝えておく。そこに転がる塊が如何に「取るに足りない物」であるかを解らせるには、もう十分過ぎるほどの時間を与えたはずだ。それが更に求めようものならば、応えてやるのも人情だろう。
権能の引き継ぎに同意を求める行為。これも無駄なのかもしれない。魔法にはそれを扱う者の意志の影響が大きく関わっている。故に引き継ぐ側の意向に沿わず、一方的に譲渡することが「失敗」の原因ではないかと疑ったのだ。
風切り音、一際大きく肉を打つ音。背後から叫びが上がる。最早それほどの余力さえ残っていないと目論んでいただけに感心する。これはまだまだ説得し甲斐がありそうだ。
振り返らず、殊更にゆっくりとした歩みでその場から離れて行く。「もうこれが最後の機会だ」と言わんばかりに。優秀な監守はそれと見て先より鞭の回転を上げる。
「――あぁ! ま、待ってください! もう、赦して……!」
猶鞭の勢いは止まない。見る見る内にその体から生気が失せていくのが分かる。
「赦す、とは。一体何のことでしょう」
「……ぅう――……は、話します! 私がしてきたこと――」
素晴らしい。やはり人を正直にさせる最も有効な手段とは「痛み」に他ならない。聞き分けのない生物を説得するには本能に訴えることである。元より情など無いのだから。
少女の皮を被ったそれは言った。己が他所の世界の、既得権益者であったこと。あろうことかその権力により私腹を肥やしたことを吐いた。多くの者を貶め、尚且つそれを自覚しながら苦しむ貧者を見てほくそ笑んだことを悔いた――無論その間も相槌に鞭を打った。
「いつから自覚していたのですか?」
「え? ま、待ってください! それはどういう意味ですか!?」
彼女は相当混乱しているようだ。良い傾向である。しかし言いたいことは分かる。要は、他所の世界での罪の意識と、この世界に至って得た自我の、どちらをいつ自覚したかについて答えるべきか迷っているのだ。
「どちらでもいい。早くしろ」
いい加減飽きたことを、唐突に突き放すことで示す。取り付く島を求める人間には効果的な言葉遣いである。案の定、先程よりも蒼白になった顔を捻り、懸命に思案している。
「三年前です……。旅の途中で他の、その、何と言ったらいいか――」
「転生者ですね」
「は、はい! その方たちに会いまして。そこでしばらく過ごしている内に自覚しました」
勿論、彼女について大体の経緯は知っていた。ただ、彼女の口から直接訊いてみたかったのだ。「一体あの方たちに取り入って何を企んでいたのか」と。
監守から鞭を預かる。返答次第では有無を言わさず叩きのめすつもりだ。
「ええ、ええ。よく分かりましよ。辛いのによく話してくれましたねユミルさん――しかし、あの方たちと接触を試みるのは何故ですか。今のあなたはもう立派な『魔術師』です。二人に取り入る理由はないでしょう」
「ふ……二人にはとても感謝しているんです。この身に生を受けてから旅立つまで、ずっと私の世話をしてくれていたのですから。あの子ともたくさんの時を過ごして、何か、家族以上の繋がりを感じていたのかもしれません」
すかさず鞭を振り降ろす。油断していただけに叫びの響も堂に入っている。
「で、彼女をどこへ連れ出そうとしたのです?」
「――そ、それは」
再び鞭を振るう。特製の鞭の具合は上々である。熊、狼、虎、牛、馬、羊、その他亜種。
様々な種の革を用いたのはただの趣味だが、執拗に鞣し馴染ませた甲斐があったというものだ。打ち下ろした威力はそのままに、しっかりと人の肌に沿って伝わるのが分かる。
「南西の! 南西大陸のモイラです! 国境近くの森に、転生者が集う里があります!」
「そうですか! いやぁ、お話しいただいて本当に助かりましたよ――これ以上鞭が傷むのは本意ではありませんから。大方、彼女を擁立して、或いは権能を奪い、国を、果ては世界を転覆させるのが目的だったのでしょう――……しかし、問題なのはそれを誰が意図したのか、です。心当たりはありませんか?」
「分かりません! 私はただ、彼らの理想のため動いているに過ぎません!」
そうだろうとも。勿論それも知っている。そこの代表なる者が、この世界においてさえ、かつての歪んだ国を再興しようと企んでいることも。しかし、何故愚物であるはずの彼らが、権能者である彼女のことを知り得たのか。その深部までは未だ読み取ることができないでいる――だからこうして直接労してもいる。
モイラのはぐれ里については後回しで良いと思っていたのだが、少し急ぐ必要が見えてきた。
「では、私は準備に掛かります。あとのことは任せましたよ」
監守に鞭を預け、モイラへの出発のため準備に向かう。
そこへ、どうやら事の成り行きが読めずに呆然としていたらしい女が突然喚き出した。目の前を通り過ぎる際には、危うくローブの裾を掴まれるところだった。
「赦して! 赦してください! お願いしますぅっ!」
「ああ。これはこれは――すっかり忘れていましたよ。いやぁ、何かに夢中になると忘れっぽくなるのがいけませんね。大丈夫です。今すぐ、とは流石にいきませんが、いずれ楽になるかもしれませんよ」
荒れた床に転がる「少女」に向って屈む。手を翳し、若干魔素を取り出す要領で瞬間的な隙間を作り、そこへ権能の一部――魔法の一種とも言える――を流し込む。あとは成功することを祈るだけだが、多分に失敗する。
愚物に権能の定着は端から期待していない。せめてこの魔法がどのようにその身を滅ぼすのか、観察することにしよう。
「これで新たな種――そうですね。その身に魔法を宿した物、<魔物>とでも言いましょうか。それにでもなったら面白いんですがね」
「――え?」
少女の叫びが暗い洞窟にこだまする。
一体彼女は肉になるか、灰となるか、或いは――
「……ありえませんね。ではこれの処理はお願いしますね。肉は好きに使ってくれて構いませんよ」
気の迷いか、振り向き様に目の端に少女の綺麗な黒髪が映った。
ふと記憶の中に微かに残った同胞の姿と重なる。異界にいるはずの、大切な人が扉越しに見せた最後の後ろ姿だ。
もう幾度となく繰り返されたのだろう。その幼気な響きは掠れ、消え入るように発せられる呻きからは極度の疲労と諦めが窺える。そしてまた一つ、虚しく消えていった。
暗く湿った歪な洞の影は否応なく少女を苛む。
「いえ、取り敢えずそれくらいでいいでしょう」
片手を挙げ、今一度振り被った男を制す。数種の獣の革を裁断し鞣し束ねた鞭の威力は鋭い。たとえ日頃から打たれ慣れた馬でさえ、一被りでも耐え兼ねる痛みとなるだろう。眼下に倒れ伏す少女の背は裂け、痛ましいほどに血が滴っている。一先ず十分だろう。
「さて、もう一度聞きますが。力を受け入れる覚悟はできましたか?」
三度目になる問いを傷だらけの少女に投げ掛ける。どちらにせよ為すことに変わりはないのだが、後の結果を加味して試みているに過ぎない。要はこちらの意向次第である。
「――嫌だ。誰が、お前たちの、言いなりになど」
粗く削られた岩の床が裸体に痛々しい。彼女はまだ自らが置かれた立場を弁えていないようだ。震える体と僅かに向けられた反抗的とも言える虚ろな目がそう物語っている。
何をそんなにむきになる必要があるのか。これほどまでに心身を苛まれ、間違いなく今後も止むことのない苦痛をまだ望もうと言うのか。陳謝し迎合しようものなら、すぐにでも解放しようという意志がどうして伝わらないのか。
痛々しいにもほどがある。
――どちらにせよ、そちら側の意向など知ったことではないのだが。
「はぁ……。ならもういいです。このまま死なない程度に続けてください」
正直もう飽き飽きしたという本音を溜息に込め、残酷にも監守にその旨を伝えておく。そこに転がる塊が如何に「取るに足りない物」であるかを解らせるには、もう十分過ぎるほどの時間を与えたはずだ。それが更に求めようものならば、応えてやるのも人情だろう。
権能の引き継ぎに同意を求める行為。これも無駄なのかもしれない。魔法にはそれを扱う者の意志の影響が大きく関わっている。故に引き継ぐ側の意向に沿わず、一方的に譲渡することが「失敗」の原因ではないかと疑ったのだ。
風切り音、一際大きく肉を打つ音。背後から叫びが上がる。最早それほどの余力さえ残っていないと目論んでいただけに感心する。これはまだまだ説得し甲斐がありそうだ。
振り返らず、殊更にゆっくりとした歩みでその場から離れて行く。「もうこれが最後の機会だ」と言わんばかりに。優秀な監守はそれと見て先より鞭の回転を上げる。
「――あぁ! ま、待ってください! もう、赦して……!」
猶鞭の勢いは止まない。見る見る内にその体から生気が失せていくのが分かる。
「赦す、とは。一体何のことでしょう」
「……ぅう――……は、話します! 私がしてきたこと――」
素晴らしい。やはり人を正直にさせる最も有効な手段とは「痛み」に他ならない。聞き分けのない生物を説得するには本能に訴えることである。元より情など無いのだから。
少女の皮を被ったそれは言った。己が他所の世界の、既得権益者であったこと。あろうことかその権力により私腹を肥やしたことを吐いた。多くの者を貶め、尚且つそれを自覚しながら苦しむ貧者を見てほくそ笑んだことを悔いた――無論その間も相槌に鞭を打った。
「いつから自覚していたのですか?」
「え? ま、待ってください! それはどういう意味ですか!?」
彼女は相当混乱しているようだ。良い傾向である。しかし言いたいことは分かる。要は、他所の世界での罪の意識と、この世界に至って得た自我の、どちらをいつ自覚したかについて答えるべきか迷っているのだ。
「どちらでもいい。早くしろ」
いい加減飽きたことを、唐突に突き放すことで示す。取り付く島を求める人間には効果的な言葉遣いである。案の定、先程よりも蒼白になった顔を捻り、懸命に思案している。
「三年前です……。旅の途中で他の、その、何と言ったらいいか――」
「転生者ですね」
「は、はい! その方たちに会いまして。そこでしばらく過ごしている内に自覚しました」
勿論、彼女について大体の経緯は知っていた。ただ、彼女の口から直接訊いてみたかったのだ。「一体あの方たちに取り入って何を企んでいたのか」と。
監守から鞭を預かる。返答次第では有無を言わさず叩きのめすつもりだ。
「ええ、ええ。よく分かりましよ。辛いのによく話してくれましたねユミルさん――しかし、あの方たちと接触を試みるのは何故ですか。今のあなたはもう立派な『魔術師』です。二人に取り入る理由はないでしょう」
「ふ……二人にはとても感謝しているんです。この身に生を受けてから旅立つまで、ずっと私の世話をしてくれていたのですから。あの子ともたくさんの時を過ごして、何か、家族以上の繋がりを感じていたのかもしれません」
すかさず鞭を振り降ろす。油断していただけに叫びの響も堂に入っている。
「で、彼女をどこへ連れ出そうとしたのです?」
「――そ、それは」
再び鞭を振るう。特製の鞭の具合は上々である。熊、狼、虎、牛、馬、羊、その他亜種。
様々な種の革を用いたのはただの趣味だが、執拗に鞣し馴染ませた甲斐があったというものだ。打ち下ろした威力はそのままに、しっかりと人の肌に沿って伝わるのが分かる。
「南西の! 南西大陸のモイラです! 国境近くの森に、転生者が集う里があります!」
「そうですか! いやぁ、お話しいただいて本当に助かりましたよ――これ以上鞭が傷むのは本意ではありませんから。大方、彼女を擁立して、或いは権能を奪い、国を、果ては世界を転覆させるのが目的だったのでしょう――……しかし、問題なのはそれを誰が意図したのか、です。心当たりはありませんか?」
「分かりません! 私はただ、彼らの理想のため動いているに過ぎません!」
そうだろうとも。勿論それも知っている。そこの代表なる者が、この世界においてさえ、かつての歪んだ国を再興しようと企んでいることも。しかし、何故愚物であるはずの彼らが、権能者である彼女のことを知り得たのか。その深部までは未だ読み取ることができないでいる――だからこうして直接労してもいる。
モイラのはぐれ里については後回しで良いと思っていたのだが、少し急ぐ必要が見えてきた。
「では、私は準備に掛かります。あとのことは任せましたよ」
監守に鞭を預け、モイラへの出発のため準備に向かう。
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「赦して! 赦してください! お願いしますぅっ!」
「ああ。これはこれは――すっかり忘れていましたよ。いやぁ、何かに夢中になると忘れっぽくなるのがいけませんね。大丈夫です。今すぐ、とは流石にいきませんが、いずれ楽になるかもしれませんよ」
荒れた床に転がる「少女」に向って屈む。手を翳し、若干魔素を取り出す要領で瞬間的な隙間を作り、そこへ権能の一部――魔法の一種とも言える――を流し込む。あとは成功することを祈るだけだが、多分に失敗する。
愚物に権能の定着は端から期待していない。せめてこの魔法がどのようにその身を滅ぼすのか、観察することにしよう。
「これで新たな種――そうですね。その身に魔法を宿した物、<魔物>とでも言いましょうか。それにでもなったら面白いんですがね」
「――え?」
少女の叫びが暗い洞窟にこだまする。
一体彼女は肉になるか、灰となるか、或いは――
「……ありえませんね。ではこれの処理はお願いしますね。肉は好きに使ってくれて構いませんよ」
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