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第1部

16:魔物の森にレッツゴー!頼もしい仲間ができました

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昨日は、ポーション作成依頼を受けて宿と服と食べ物をゲット。




 宿では、10歳からしか一人で泊まらせてもらえないようだったので、ギルドカードの年齢を偽装の魔法で10歳にした。私は、7歳の同い年の人と比べると発育のいい方だったので、小さめの10歳として見られることができたようだ。




今日は、依頼がなくならないように、依頼が張り出される9時半にギルドにつくように宿を出た。




依頼掲示板は、昨日とは比べ物にならないくらいの依頼が貼ってある。

今日は、昨日なかった討伐系の依頼を受けたい。




あ、これにしよう。




 ゴブリン集落の全滅 ランク:C~ ポイント:45




場所は、ミカさんたち赤い炎と出会った場所の近くらしい。




早速森へ向かった。







**********




どのあたりだろう。

ミカさんたちと会ったところまで行ったはいいが、ゴブリンの集落のようなものは見当たらない。

探知や気配察知のようなスキルは習得していないため、目視で探すしかないのだが、結構難しい。

コツもよくわからなかったので、ウロウロと歩き回っていた。




 ガサガサ




近くの茂みが揺れた。

あわてて、魔法がいつでもかけられるようにかまえる。

警戒していると、一匹のオオカミが出てきた。




魔法を唱えようとしてオオカミをにらみつけて気がついた。




オオカミは、何もしなくてもこのままだと死ぬ。




土で汚れ、腹部からかなりの血が出ている。

毛が赤く染まっていた。




そして、オオカミは倒れた。

苦しげな表情で、このまま放っておけばいいのに、なぜだか助けたくなって、気が付いたらハイヒールを唱えていた。




けがが治ってもかなりの出血量だ。血が足りず動けないのか倒れたままだ。




体が汚れているのも気になったので、クリーンをかけ、きれいにしてあげた。

すると、オオカミとは思えないほど、きれいな白銀の毛並だった。




この毛皮で冬用の洋服をつくったらきれいだろうなぁー、と考えていたら、




ぐ、ぐるるるるー




と、よわよわしく、あわててないた。




考えていることが分かったかのようなタイミングと鳴き声だったので思わず笑ってしまった。




本来の目的はゴブリンの集落を探し、滅することだったので、倒れているオオカミは放っておいて、もう一度探すことにした。




が、歩き始めると、後ろから一定の距離を開けてオオカミがついてくる。

早足にするとオオカミも少し早く歩く。




だんだんストーカーのようになってきたので(←最初から?)オオカミに話しかけてみた。




「どうしてついてくるの?」




ぐるるるるー




「一緒に来たいの?」




ぐるるるる!




どうやら一緒に行きたいらしい。

ふむ、どうしよう。

害意はなさそうなので、問題はないけれど、町に連れて行くと騒ぎになりそうだ。




「とりあえず、森の中だけだよ?そんなに大きい体だと人間の町にはつれていけないから。」




すると、2メートルくらいあった体が縮んで、ゴールデンレトリバーくらいのサイズになった。

これだと犬に見えなくもない。

ついていきたいから縮んだのかな?




「これならいいよ!いっしょにいこ!」




このサイズだと、生活の癒しになりそうだ。

一緒に生活するなら、名前を付けないとだよね。

なにがいいかな?




「そうだ!きれいな白銀の毛並だから、”ハク”ね!あなたの名前は、”ハク”だよ。」




単純かもしれないけど、これ以外に思いつかない。

私にネーミングセンスは備わっていないらしい。




⦅名をありがとう。かならず主殿の役に立って見せよう。⦆




「?? しゃべった?」




⦅念話だ。主殿が我に名をつけたために契約が完了した。⦆




「け、けいやく?」




⦅うむ。従魔契約のようなものと考えればよい。⦆




「そうなんだ。私でよかったの?」




⦅うむ。我は、生まれてすぐに一つの魂を見つけてな、その持ち主を探していたのだ。その魂からあふれた魔力は不思議とひきつけられるものでな。⦆




「それが私だったってこと?」




⦅最初に見つけたときは興奮してとびかかろうとしてしまったんだが、捕まえる直前で消えてしまってな⦆




転生した時、最初に間違えてオオカミの前に来た気がする。

その時のオオカミなのかな?

さっきも不思議と助けたくなったし、ハクも不思議とひかれたって言っているから、私たちは会うべくしてあったのかもしれない。




「今、私は冒険者で、ゴブリンの集落を壊さないといけないの。この辺りにあるはずなんだけど、わかる?」




⦅うむ。ついてくるとよい。⦆




しばらくついていくと、大きな洞穴が2つ横並びに空いているところについた。




⦅ここだ。⦆




「ありがとう!」




ゴブリンは、片耳を持っていけば討伐が認められたはずだ。今回の集落のゴブリンの数は70匹くらいと書かれていた。

耳を70個も持ち歩くなんて、いやだなぁ……。




そんなことを考えていると、私たちの気配を感じたのかゴブリンがたくさん出てきた。

ざっと100匹。

はじめてみたが、本当に醜い姿をしている。異臭もすごい。

うん、早く討伐しよう。




⦅ゴブリンの体液はかかるとなかなかとれぬから気を付けた方がよいぞ。⦆




「了解です!」




「リーフカッター!ブーメラン!」

今回のリーフカッターは、魔力を多めにこめて特大版だ。

横幅5メートルくらいかな。

ブーメランのように、私の方に戻ってくるような軌道にしたので、70匹くらいいっきに刈り取れた。

首が次々にはねられていく様子は見ていて気持ち悪い。

次は違うやり方にしよう。




残りを殺すため、もう一度唱えようとして驚いた。

30匹くらいいたゴブリンは、ハクの手によって地に伏していた。




「すごい!ハク、強いね!」




⦅これくらい、朝飯前だ。⦆




平然を装っているが、声は誉められてめちゃくちゃうれしそうだ。




中に残りがいないか確認するため、中に入ると、今までのゴブリンより装備がしっかりしていて、体も大きいゴブリンがいた。




⦅あれはゴブリンキングだな。⦆




王様だからなかで待っていた、というわけか。




「ウォーターボール!」

これも特大版。

キングさんの顔にはめてしばらく置いておくと、窒息死しました。

これなら、体液も出ず、首が飛んで気持ち悪い光景を見ることもなく、安全でいいとおもう。




⦅……⦆




なぜかハクが微妙な顔をしているように見える。

なんでかな?




キングの耳をハクがとってきてくれたので、もう一つの横の穴に入ることにした。




入ってみても、今度はゴブリンはいない。

あるのは金銀財宝……がちょっとと、どこかの商人の馬車からとったのか、箱に詰められた商品などがいっぱいだ。

こういうのは、討伐した人がもらえるらしい。




でも、私はそんなに大きい鞄は持っていない。

ゴブリンの耳を入れるための使い捨て布バッグ中を持っているだけなのだ。




悩んでいても仕方がないので外のゴブリンの耳を取ることに。

100匹近くいるので、とても大変だと思ったが、ハクも手伝ってくれたので15分で終わった。




今回討伐したもの

 ゴブリン ×108

 ゴブリンキング ×1




袋に詰めて帰ろうとしたら、ハクが、走って金銀財宝の洞穴に入っていった。

そして10秒くらいで戻ってきた。

何してたんだろう。




帰りは、ハクが町の近くの道の手前まで乗せていってくれた。

歩いて1時間半の道が10分になった。




空気抵抗がすごすぎて顔が痛くなったので、風魔法で体の前に壁みたいなものをつくった。

人生でこんなに早く移動したのは初めてだ。

ハクは、これでもゆっくり目に走ったらしく、到着しても全然疲れていなかった。一生懸命しがみついていた私のほうがつかれた気がする。




ギルドに行って依頼達成の報酬をもらった。小金貨6枚と大銀貨1枚(65000円)だ。

初の討伐依頼は結構簡単にこなすことができたが、耳を取る作業が、精神的に苦痛だったので、労働に見合う対価だった。

ポイントは、60になった。




ハクは、犬の姿で街を一巡りしに行った。

人の町は初めてで、興味があるらしい。

私と会えなくなるのでは?といったら、契約した人がどこにいるかは大体わかる、とのことだった。
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