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第2部
34:アドバイス!②
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「そうですね、私なら―――――――。」
特売品コーナーの前まで移動して、私はまた言葉を続ける。
「まず、”今日の特売品”っていう紙がせっかくあるのだから、もっと他にキャッチフレーズを入れて目立たせるベきだと思います。」
そう、この店には、ポップなどもあって、ますますスーパーのようなのだ。
それならば、スーパーらしさを活かしても問題ないだろう。
「たとえば、”豚解体祭りの必需品!”とか、”豚大量確保の準備は万全ですか!?”とか。今考えたので、あまりいい出来ではないですけど……。」
「あと、高さをつけたりしてメリハリを出した方がいいですね。自然と他より目が留まりますし。今回だったら、目玉であり、一番割引している石鹸を一番高くなるようにして、その周りにタオル類を置くべきですね。あ、あと、ティッシュペーパーや、石鹸みたいな四角い箱型のものは、ピラミット――――こんな風にして積み重ねると、買うたびに高さが減っているのが一目でわかるので、売り切れるかも、と思わせることができます。」
「こういう時は、きっちり置くことも大切ですが、少し大雑把に置いた方が特売感がでます。安く見える、と言いますか。」
「すごい!さっそくやってみるよ!」
「豚のイラストなんかを貼っておいてもいいかもしれません。」
レイさん、メモのスピードがとっても速い。
そして、熱がすごい。
本気で経営者になろうと頑張っているんだろう。
「ありがとう。ぜひ、また話を聞かせてほしい。今日は、ゆっくり楽しんで行ってね。」
そう言い残すと、控え室のようなところに早足で入っていった。
ここで走らないのがさすがである。
「ごめん、変な兄貴で。」
「全然大丈夫だよ。あんなに熱心ですごいと思うし。」
「そうか?それより、おまえ、すげーな。」
「そ、そうかな?見たら思っただけだよ。」
ディベメント家の次期家長に殺されかけるまでは、とーさまに教えて頂いてて、なんてディベメント商会の顔に泥を塗ってしまうから言えるわけない。
さらに、こういうアイデアは、前世の記憶からもひっぱり出してきてるのだからなおのこと言えない。
「いや、それがすげーんだろ。おまえ、どっかの商人の子なのか?」
「え、あ、わたしは、た・だ・の・エ・レ・ナ・、よ。」
「そ、そうか。まあ、いろいろあるのか?」
いろいろあるわけじゃないよ!?っていいたいけど、うそになっちゃうからなぁ……。
「ま、いいや。このあとどーすんの?店ん中は見終わっただろ?」
「んー、どうしよ。私、まだ今日の宿とってないから、宿探し、かなぁ。」
「ひとりで?」
「ん?もちろんそうだよ?」
「おまえ、冒険者の再登録しに行くんだろ?パーティーのメンバーとか、いないの?」
「うん、いないよ?登録してからもたいして活動する前にせいれ―――――用事ができてしまったから。それに、私は知り合いも少ないし、パーティー組めるような中のヒトもいないもの。」
危ない、精霊界に行った、って言いそうになった。
さすがに、精霊界に行ける人間が他にいるとは思えないし、口外すべきではないとおもう。
ていうか、言ってて悲しくなってきた。私、ホントに友達0人じゃん!
家の中からほとんど出ずに過ごして、出たと思ったら数日で人間界からいなくなった、って、これじゃあ友達も知り合いもできるわけないよね……。
「そ、そうか。あ、それなら、その――――――」
「ん?なぁに?」
「いや、なんでもない。お、おれいい宿知ってるんだ。案内してやるよ。」
「いいの!?ありがとう!」
地元の人がいい宿を教えてくれるなんて、なんて心強いんだろう!
宿選びで失敗するリスクがグーンと減った!
そして、道に迷わずに宿に行ける!
後者の方が私にとって重要であるのは言うまでもないが……。
なにせ、ホイット商会に来たのは初めてだし、裏路地を通ってきたから正規ルートがわからない。
というか、ここがどのあたりにあるのかもだいたいしかわからない。
「もういくか?」
「日が暮れないうちに行きたいから、お願いしてもいい?」
「ああ。まかせろ。」
特売品コーナーの前まで移動して、私はまた言葉を続ける。
「まず、”今日の特売品”っていう紙がせっかくあるのだから、もっと他にキャッチフレーズを入れて目立たせるベきだと思います。」
そう、この店には、ポップなどもあって、ますますスーパーのようなのだ。
それならば、スーパーらしさを活かしても問題ないだろう。
「たとえば、”豚解体祭りの必需品!”とか、”豚大量確保の準備は万全ですか!?”とか。今考えたので、あまりいい出来ではないですけど……。」
「あと、高さをつけたりしてメリハリを出した方がいいですね。自然と他より目が留まりますし。今回だったら、目玉であり、一番割引している石鹸を一番高くなるようにして、その周りにタオル類を置くべきですね。あ、あと、ティッシュペーパーや、石鹸みたいな四角い箱型のものは、ピラミット――――こんな風にして積み重ねると、買うたびに高さが減っているのが一目でわかるので、売り切れるかも、と思わせることができます。」
「こういう時は、きっちり置くことも大切ですが、少し大雑把に置いた方が特売感がでます。安く見える、と言いますか。」
「すごい!さっそくやってみるよ!」
「豚のイラストなんかを貼っておいてもいいかもしれません。」
レイさん、メモのスピードがとっても速い。
そして、熱がすごい。
本気で経営者になろうと頑張っているんだろう。
「ありがとう。ぜひ、また話を聞かせてほしい。今日は、ゆっくり楽しんで行ってね。」
そう言い残すと、控え室のようなところに早足で入っていった。
ここで走らないのがさすがである。
「ごめん、変な兄貴で。」
「全然大丈夫だよ。あんなに熱心ですごいと思うし。」
「そうか?それより、おまえ、すげーな。」
「そ、そうかな?見たら思っただけだよ。」
ディベメント家の次期家長に殺されかけるまでは、とーさまに教えて頂いてて、なんてディベメント商会の顔に泥を塗ってしまうから言えるわけない。
さらに、こういうアイデアは、前世の記憶からもひっぱり出してきてるのだからなおのこと言えない。
「いや、それがすげーんだろ。おまえ、どっかの商人の子なのか?」
「え、あ、わたしは、た・だ・の・エ・レ・ナ・、よ。」
「そ、そうか。まあ、いろいろあるのか?」
いろいろあるわけじゃないよ!?っていいたいけど、うそになっちゃうからなぁ……。
「ま、いいや。このあとどーすんの?店ん中は見終わっただろ?」
「んー、どうしよ。私、まだ今日の宿とってないから、宿探し、かなぁ。」
「ひとりで?」
「ん?もちろんそうだよ?」
「おまえ、冒険者の再登録しに行くんだろ?パーティーのメンバーとか、いないの?」
「うん、いないよ?登録してからもたいして活動する前にせいれ―――――用事ができてしまったから。それに、私は知り合いも少ないし、パーティー組めるような中のヒトもいないもの。」
危ない、精霊界に行った、って言いそうになった。
さすがに、精霊界に行ける人間が他にいるとは思えないし、口外すべきではないとおもう。
ていうか、言ってて悲しくなってきた。私、ホントに友達0人じゃん!
家の中からほとんど出ずに過ごして、出たと思ったら数日で人間界からいなくなった、って、これじゃあ友達も知り合いもできるわけないよね……。
「そ、そうか。あ、それなら、その――――――」
「ん?なぁに?」
「いや、なんでもない。お、おれいい宿知ってるんだ。案内してやるよ。」
「いいの!?ありがとう!」
地元の人がいい宿を教えてくれるなんて、なんて心強いんだろう!
宿選びで失敗するリスクがグーンと減った!
そして、道に迷わずに宿に行ける!
後者の方が私にとって重要であるのは言うまでもないが……。
なにせ、ホイット商会に来たのは初めてだし、裏路地を通ってきたから正規ルートがわからない。
というか、ここがどのあたりにあるのかもだいたいしかわからない。
「もういくか?」
「日が暮れないうちに行きたいから、お願いしてもいい?」
「ああ。まかせろ。」
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