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第6話:ちょっとドキドキ、映画の約束①ー灯里視点
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放課後、灯里の部屋。ルカはスマホを手に、目を輝かせていた。
「えっ、『トキメキ☆モンスター』が実写映画になるんだ!? チャンスじゃん! 誘いなよ!」
灯里をもっと笑顔にしたい――その気持ちが強くなったルカは、いつもに増して暴走モード。
「僕にできるのは恋の応援だけ!」と張り切り、灯里の嬉しそうな顔を想像してはひとりでわくわくしていた。
「ちょっ……そんな簡単に言わないでよ!」
一方、そんな事情を知らない灯里は、どうして彼がこんなに張り切ってるのか分からず、ただただ戸惑っていた。
「男の子とただ話すだけでも緊張するのに、映画に誘うなんて無理だよ……!」
想像しただけでも、鼓動が早くなり、冷や汗が出る。
「え? なんで? 僕とは普通に話せてるよね?」
ルカが心底不思議そうに首をかしげる。
「そ、それは……ルカって最初から変なことばっかり言ってたし……。男の子とか女の子って感じじゃなかったから……」
慌ててごまかすように言葉を並べる。自分でも苦しい言い訳だと思うが、ルカにだけ素直に話せるなんて悔しくて言いたくない。
ふと顔を上げると――ルカのまっすぐな笑顔と目が合った。
胸がギュッと締めつけられ、目を逸らそうとしたのに、なぜか視線を外せなかった。
(ダメだ……最近ルカに見られると、頭が真っ白になっちゃう……)
そのまま瞳に吸い込まれるように見つめてしまう灯里。
普段は振り回されてばかりで、じっくり見ることなんてなかったけど……
透き通るような肌。前髪の隙間からのぞく青い瞳。整った顔に似合わぬ子どもみたいな笑顔。
(最初は、流星くんに似てるから気になるんだと思ってた……)
でも、今は違う。表情や仕草、そして中身まで含めて、ルカ自身から目が離せなくなっていた。
(……これって……やっぱり……ルカのことが…好き…ってことだよね……)
ルカを見つめたまま、灯里はぼんやり考え込む。
思いがけないまっすぐな眼差しに、ルカは一瞬少し驚いたように目を見開いた。
でもすぐに、柔らかく笑みを浮かべ、ふわっと声をかける。
「もしかして、僕がカッコ良すぎて見惚れちゃった?」
ルカの言葉にハッと現実に引き戻され、慌てて灯里は否定する。
「な、なに言ってんのよ!」
顔の熱がどんどん上がっていくのを感じる。
そんな灯里を見て、ルカはますます面白くなる。
真剣な顔になり、壁に手をつき、一歩踏み出してぐっと顔を近づけた。
「今日の灯里、かわいいな……」
触れそうな距離に、灯里は一気に顔が真っ赤になる。
必死に横を向こうとするけれど、壁に塞がれて逃げ場がない。
視線を逸らそうとしても、どうしてもルカの瞳とぶつかってしまう。
「……っ……!」
堪えきれずに肩を震わせる灯里。
耳まで真っ赤になった灯里の様子に、ルカの表情がふっと揺らいだ。
「ぷっ……ははは! 照れすぎだって……」
「だ、だって……!」
「僕ともまともに話せないようじゃ、瀬戸くんとうまくいかないんじゃない?」
「そ、それは……大丈夫だよ!」
こんなにドキドキするのは、ルカだから――なんて言えるはずもなく、灯里は言葉を飲み込んだ。ルカは笑いながらも、赤く染まった灯里の顔を、心に焼きつけるように見つめていた。
◇ ◇ ◇
翌朝。
「ちゃんと今日、誘うんだよ!」
「わ、わかったって……」
念を押すルカに、灯里は少し複雑な気持ちになった。
(ルカはやっぱり私と瀬戸くんがうまくいってほしいんだ……
それが仕事だから当然だけど……)
一緒にいると楽しくて、つい忘れてしまう。
けれど現実に戻れば、自分はルカにとって、“恋を応援する対象”でしかないんだと思い知らされる。
心の奥が少し重たくなった。
それでもーー
ルカの顔を見ると、全力で背中を押そうとしてくれてるのが伝わる。
(それがわかるから、余計に複雑なんだよ……)
ルカの期待に応えたいだけじゃなく、高校生になっても男の子と話すのが苦手な自分を少しでも変えたい――そんな気持ちも芽生えていた。
(瀬戸くん、好きな人がいるから、逆に誘いやすいかもしれない……よし、頑張ってみよう)
◇ ◇ ◇
学校に着き、灯里は、陽真にさりげなく映画の話を振る。
「あ、あのさ。今”トキメキ☆モンスター”の映画やってるよね…..」
「あ、もしかして坂下さん、行く予定ある?」
「あ、うん、行こうと思ってて……」
「じゃあさ、一緒に行こうよ。実は姉ちゃんの彼氏と3人で行く予定だったんだけど、気まずくて……坂下さんも来てくれると助かる」
意外にも、すんなり一緒に映画に行けることになった。灯里はホッとしながらも、内心少し戸惑っていた。
「えっ、『トキメキ☆モンスター』が実写映画になるんだ!? チャンスじゃん! 誘いなよ!」
灯里をもっと笑顔にしたい――その気持ちが強くなったルカは、いつもに増して暴走モード。
「僕にできるのは恋の応援だけ!」と張り切り、灯里の嬉しそうな顔を想像してはひとりでわくわくしていた。
「ちょっ……そんな簡単に言わないでよ!」
一方、そんな事情を知らない灯里は、どうして彼がこんなに張り切ってるのか分からず、ただただ戸惑っていた。
「男の子とただ話すだけでも緊張するのに、映画に誘うなんて無理だよ……!」
想像しただけでも、鼓動が早くなり、冷や汗が出る。
「え? なんで? 僕とは普通に話せてるよね?」
ルカが心底不思議そうに首をかしげる。
「そ、それは……ルカって最初から変なことばっかり言ってたし……。男の子とか女の子って感じじゃなかったから……」
慌ててごまかすように言葉を並べる。自分でも苦しい言い訳だと思うが、ルカにだけ素直に話せるなんて悔しくて言いたくない。
ふと顔を上げると――ルカのまっすぐな笑顔と目が合った。
胸がギュッと締めつけられ、目を逸らそうとしたのに、なぜか視線を外せなかった。
(ダメだ……最近ルカに見られると、頭が真っ白になっちゃう……)
そのまま瞳に吸い込まれるように見つめてしまう灯里。
普段は振り回されてばかりで、じっくり見ることなんてなかったけど……
透き通るような肌。前髪の隙間からのぞく青い瞳。整った顔に似合わぬ子どもみたいな笑顔。
(最初は、流星くんに似てるから気になるんだと思ってた……)
でも、今は違う。表情や仕草、そして中身まで含めて、ルカ自身から目が離せなくなっていた。
(……これって……やっぱり……ルカのことが…好き…ってことだよね……)
ルカを見つめたまま、灯里はぼんやり考え込む。
思いがけないまっすぐな眼差しに、ルカは一瞬少し驚いたように目を見開いた。
でもすぐに、柔らかく笑みを浮かべ、ふわっと声をかける。
「もしかして、僕がカッコ良すぎて見惚れちゃった?」
ルカの言葉にハッと現実に引き戻され、慌てて灯里は否定する。
「な、なに言ってんのよ!」
顔の熱がどんどん上がっていくのを感じる。
そんな灯里を見て、ルカはますます面白くなる。
真剣な顔になり、壁に手をつき、一歩踏み出してぐっと顔を近づけた。
「今日の灯里、かわいいな……」
触れそうな距離に、灯里は一気に顔が真っ赤になる。
必死に横を向こうとするけれど、壁に塞がれて逃げ場がない。
視線を逸らそうとしても、どうしてもルカの瞳とぶつかってしまう。
「……っ……!」
堪えきれずに肩を震わせる灯里。
耳まで真っ赤になった灯里の様子に、ルカの表情がふっと揺らいだ。
「ぷっ……ははは! 照れすぎだって……」
「だ、だって……!」
「僕ともまともに話せないようじゃ、瀬戸くんとうまくいかないんじゃない?」
「そ、それは……大丈夫だよ!」
こんなにドキドキするのは、ルカだから――なんて言えるはずもなく、灯里は言葉を飲み込んだ。ルカは笑いながらも、赤く染まった灯里の顔を、心に焼きつけるように見つめていた。
◇ ◇ ◇
翌朝。
「ちゃんと今日、誘うんだよ!」
「わ、わかったって……」
念を押すルカに、灯里は少し複雑な気持ちになった。
(ルカはやっぱり私と瀬戸くんがうまくいってほしいんだ……
それが仕事だから当然だけど……)
一緒にいると楽しくて、つい忘れてしまう。
けれど現実に戻れば、自分はルカにとって、“恋を応援する対象”でしかないんだと思い知らされる。
心の奥が少し重たくなった。
それでもーー
ルカの顔を見ると、全力で背中を押そうとしてくれてるのが伝わる。
(それがわかるから、余計に複雑なんだよ……)
ルカの期待に応えたいだけじゃなく、高校生になっても男の子と話すのが苦手な自分を少しでも変えたい――そんな気持ちも芽生えていた。
(瀬戸くん、好きな人がいるから、逆に誘いやすいかもしれない……よし、頑張ってみよう)
◇ ◇ ◇
学校に着き、灯里は、陽真にさりげなく映画の話を振る。
「あ、あのさ。今”トキメキ☆モンスター”の映画やってるよね…..」
「あ、もしかして坂下さん、行く予定ある?」
「あ、うん、行こうと思ってて……」
「じゃあさ、一緒に行こうよ。実は姉ちゃんの彼氏と3人で行く予定だったんだけど、気まずくて……坂下さんも来てくれると助かる」
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