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32.
コンコンコンと、来るのは二度目となるアンジェリカの部屋のドアを軽くノックする。
「はい」
少し間が空いてから返事とともにドアが開く。その間から顔を覗かせたのはこの部屋の主人であるアンジェリカ、ではなくシェードだった。
「モリア様!」
彼は突然の来訪である私を快く受け入れてくれたらしく、どうぞどうぞとアンジェリカに伺いを立てることなく部屋の中へと案内しようとする。
「お邪魔します」
シェードの様子を信頼であると都合のいいように受け取り、部屋の奥へと入って行くと窓から降り注ぐ光を浴びながら憂鬱そうに外を眺めるアンジェリカの姿があった。
「アンジェリカ、少しいいかしら?」
まるで有名な絵師が手がけた絵画のような少女におずおずと声をかけると、彼女の表情は一転していつものように明るいものへと変わっていった。これはこれで絵になるのだが、先ほどよりも幾分も話しかけやすい雰囲気になったのだから不思議なものである。
「お義姉様から来てくださるなんて嬉しいですわ!」
シェードと同じように来訪を歓迎してくれているアンジェリカに早速だが本題となるハンカチを差し出す。
「昨日のハンカチ出来たので、もしよろしければ……」
あえてラウス様と私の間にあった出来事には触れずにそれを差し出す。
「ありがとうございます! 大事にしますね!」
何も知らないアンジェリカは嬉しそうにそれを胸元へと寄せて笑った。その笑顔が崩れるのは私がこの屋敷を去った後のことだろう。彼女の愛らしい笑顔に罪悪感は積もっていく。
「……ありがとう」
重さを持ったそれを抱きかかえながら、何も知らない彼女が発した感謝の言葉を受け取る。自分でもズルイことをしているのは分かっている。それでも口元を無理矢理釣り上げて笑顔を作る。
残りの僅かな時間であっても私を慕ってくれた彼女の義姉でいたいと思いながら。
「お義姉様、どうかなさいましたか?」
「なんでもありませんよ」
心配そうに見つめてくれるその姿に嘘を返して、そしてその嘘がメッキのように剥がれ落ちる前にその部屋を後にした。
次はアンジェリカの向かいの部屋の五つ隣に位置するサキヌの部屋のドアをノックする。アンジェリカの部屋でそうしたようにコンコンコンと軽く三度。だが一向にサキヌの返事はやって来ない。コンコンコンと再び叩いてもまた返事はない。
居ないのだろうか?
そう思うものの、どうしてもお世話になったサキヌには自らの手で渡したいという気持ちが強いからか、もう一度だけとしつこく三度目のノックをしてしまう。
「誰?」
すると苛立たしげにボサボサになった頭を掻きながら顔を出すサキヌは、邪魔者を突き刺すかのような声で応対してくれた。どうやら寝て居たところを私のしつこいノック音によって起こされてしまったらしい。
「お休みのところをごめんなさい」
「義姉さん!? いや、もう起きるには遅い時間だし、気にしないで。それでお母様かアンジェリカに何かされた!?」
纏う雰囲気を刺々しいものから柔らかなものへと一転させたサキヌの中ではあの二人はどんなイメージなのだろうか。疑問に思いつつ、二人にはしてもらったことはあれど何かされたわけではないので慌てて否定する。
「いえ、そういうわけではなくて……。ハンカチが出来上がったので、もしよろしければと思いまして……」
もらって欲しいとは言い出せるわけもなく、こんな曖昧な言葉になってしまう。
「え、もう? さすが義姉さん、早いなぁ。ありがとう、大切にする」
だがそんな私の態度を気にすることなく、サキヌはアンジェリカ同様快くそれを受け取ってくれたのだった。そしてそれを受け取ると私の目をジッと見据えて強く言い聞かせた。
「義姉さん、今回は違うにしても何かされたら俺のところに言いに来て。しばらくすればまた寮に帰らなきゃだけど、それでも俺が屋敷にいるうちはちゃんとあの二人に言って聞かせるから!」
「皆さんには本当によくしていただいています」
「義姉さんは優しいな……。でもあの二人が何かしてないとなると…………お兄様となんかあった?」
「え?」
「表情が固いし、動作もぎこちない」
「そんなことは……」
ないと言い切れればいいのだろうが、きっと今の私はサキヌの言う通りだろうから否定するわけにもいかず、言葉を濁すことしかできない。
「義姉さん、安心して。二人の問題に首を突っ込むつもりはないから」
サキヌはその言葉通り、私を安心させるように明るく笑うと私の手元に残る二枚のハンカチに目を向けた。
「お母様なら今の時間、庭にいると思うよ」
サキヌに教えてもらった通り、ここ数日ですっかりとお馴染みとなった薔薇の咲き誇る庭へと足を向ける。先日四人でお茶を楽しんだテーブルには本を捲るお義母様の姿があった。読書一つとってもこんなにも品というものが現れるものかとその姿に思わず息を呑む。すると神聖なるその場に闖入者がやってきたことに気づいたらしいお義母様はゆっくりと目を上げて、そして笑いかけた。
「モリアちゃん!」
私という異物が混入したからなのか彫刻のような上品さを保っていたお義母様はすっかりといつもの姿へと変わっていった。アンジェリカやサキヌの変化と全く同じである。
やはり数日で人となりを十分に知るには難しかったということだろう。だが残念なことに私にはもう知るだけの時間は残されていない。
「ハンカチの刺繍が終わりましたので、もしよろしければ……」
やはり前の二人の時と同じように言葉を濁しながらハンカチを差し出すと、お義母様は快く受け取ってくれた。
「あら綺麗! モーチェフ様もきっと喜ばれるわ!」
最後の二枚を渡してしまった私の手にはもう何も残っていない。
そしてそれは同時にこの家ですべきことの終わりも告げていた。
「では失礼します」
深くお辞儀してからその場を立ち去ろうとする私をお義母様は何も言わずに腕を掴んで制止した。
「どうか、されましたか?」
「お話しましょう?」
「え?」
「今日は二人でお茶しましょう」
お義母様の言葉は尋ねているのではなく、この後の予定を確定させた報告であり、私に断るという選択肢はなかった。
それからすぐに私の分のカップと、数回のお茶会で知られたのだろう私のお気に入りのお菓子が運ばれてくる。そしてお義母様の正面が居場所として確立された私は、全てを見透かしてしまいそうな瞳をした彼女の視線を一身に受けることとなったのだ。
「モリアちゃん。今朝、ラウスが何かしでかしたようね」
その言葉でやっと私はこの場に来た時から尋問が開始される未来は出来上がっていたのだと知った。ここにサキヌとアンジェリカがいないのは私への優しさだろうか。ならば私も包み隠さずに話す必要があるだろう。
「ラウス様は……私が思い人ではないことを気づかれました」
私の重々しい告白から始まる罪の告白を打ち破ったのはお義母様の一言だった。彼女はたった一言「はぁ?」と発したのである。
「ごめんなさいモリアちゃん。あなたは悪くないのよ。そう、何も悪くないの。だけど、だけど一つだけ聞かせてちょうだい。ラウスは、あの馬鹿息子はあなたの誤解をまだ解いてなかったの!?」
「誤解、ですか?」
「あのね、モリアちゃん。ラウスが愛しているのは正真正銘あなたなのよ」
「ですが……」
「ラウスのことを全く覚えていないっていうのは、あなたがこの家に来た翌日にラウスから聞かされているわ。そしてあなたが何か勘違いしているらしいってことも。会った日はあなたのデビュタントだし、顔を合わせたのはほんの少しだけって言うし、何よりあの子は迎えに行くのに五年もかかったんだから忘れられても仕方ないことよ。だから早く誤解を解いておきなさいってあれほど言ったのに、だからお買い物まで譲ったのに、何であの子はまだ何もしてないのよ!!」
それは私に向けてというよりはラウス様に向けての言葉だった。
そのせいだろう。ラウス様から口止めされていた五年という数字の謎とラウス様のことを全く覚えていない理由も一気に解決してしまった。
デビュタントの夜。
通りで全く覚えがないはずだ。あの日の記憶なら丸っと、スッポリ抜けてしまっているのだから。
よくよく考えても見れば、公爵という地位を持ちながらどの階級の夜会にも顔を見せるダイナス様を除いて、下級貴族以外と手紙以外で交流を持ったのはあの一夜だけである。
我ながら何て失礼なことをしてしまったのだと頭が痛くなって来た。なんならこの罪をポンコツな頭ごと叩き割ってもらいたいくらいである。
「モリアちゃんはここで待っていて。あの馬鹿、引き摺ってでも連れてくるから!」
「いえ、私が謝罪に行きますので」
「モリアちゃんが謝ることなんて何一つもないわ!」
「全ては忘れていた私の責任です。どうか私に謝らせてください」
「モリアちゃん……」
謝って済むとは思っていない。
ラウス様は五年も私を想ってくれていたのに、私はすっかり忘れていて、あろうことか別人であるとまで言ってのけたのだから。だが一つ、引っかかるのはラウス様の『間違い』である。
彼は一体何を間違えたのだろうか?
いや、今はそんなこと気にしている場合ではない。
「はい」
少し間が空いてから返事とともにドアが開く。その間から顔を覗かせたのはこの部屋の主人であるアンジェリカ、ではなくシェードだった。
「モリア様!」
彼は突然の来訪である私を快く受け入れてくれたらしく、どうぞどうぞとアンジェリカに伺いを立てることなく部屋の中へと案内しようとする。
「お邪魔します」
シェードの様子を信頼であると都合のいいように受け取り、部屋の奥へと入って行くと窓から降り注ぐ光を浴びながら憂鬱そうに外を眺めるアンジェリカの姿があった。
「アンジェリカ、少しいいかしら?」
まるで有名な絵師が手がけた絵画のような少女におずおずと声をかけると、彼女の表情は一転していつものように明るいものへと変わっていった。これはこれで絵になるのだが、先ほどよりも幾分も話しかけやすい雰囲気になったのだから不思議なものである。
「お義姉様から来てくださるなんて嬉しいですわ!」
シェードと同じように来訪を歓迎してくれているアンジェリカに早速だが本題となるハンカチを差し出す。
「昨日のハンカチ出来たので、もしよろしければ……」
あえてラウス様と私の間にあった出来事には触れずにそれを差し出す。
「ありがとうございます! 大事にしますね!」
何も知らないアンジェリカは嬉しそうにそれを胸元へと寄せて笑った。その笑顔が崩れるのは私がこの屋敷を去った後のことだろう。彼女の愛らしい笑顔に罪悪感は積もっていく。
「……ありがとう」
重さを持ったそれを抱きかかえながら、何も知らない彼女が発した感謝の言葉を受け取る。自分でもズルイことをしているのは分かっている。それでも口元を無理矢理釣り上げて笑顔を作る。
残りの僅かな時間であっても私を慕ってくれた彼女の義姉でいたいと思いながら。
「お義姉様、どうかなさいましたか?」
「なんでもありませんよ」
心配そうに見つめてくれるその姿に嘘を返して、そしてその嘘がメッキのように剥がれ落ちる前にその部屋を後にした。
次はアンジェリカの向かいの部屋の五つ隣に位置するサキヌの部屋のドアをノックする。アンジェリカの部屋でそうしたようにコンコンコンと軽く三度。だが一向にサキヌの返事はやって来ない。コンコンコンと再び叩いてもまた返事はない。
居ないのだろうか?
そう思うものの、どうしてもお世話になったサキヌには自らの手で渡したいという気持ちが強いからか、もう一度だけとしつこく三度目のノックをしてしまう。
「誰?」
すると苛立たしげにボサボサになった頭を掻きながら顔を出すサキヌは、邪魔者を突き刺すかのような声で応対してくれた。どうやら寝て居たところを私のしつこいノック音によって起こされてしまったらしい。
「お休みのところをごめんなさい」
「義姉さん!? いや、もう起きるには遅い時間だし、気にしないで。それでお母様かアンジェリカに何かされた!?」
纏う雰囲気を刺々しいものから柔らかなものへと一転させたサキヌの中ではあの二人はどんなイメージなのだろうか。疑問に思いつつ、二人にはしてもらったことはあれど何かされたわけではないので慌てて否定する。
「いえ、そういうわけではなくて……。ハンカチが出来上がったので、もしよろしければと思いまして……」
もらって欲しいとは言い出せるわけもなく、こんな曖昧な言葉になってしまう。
「え、もう? さすが義姉さん、早いなぁ。ありがとう、大切にする」
だがそんな私の態度を気にすることなく、サキヌはアンジェリカ同様快くそれを受け取ってくれたのだった。そしてそれを受け取ると私の目をジッと見据えて強く言い聞かせた。
「義姉さん、今回は違うにしても何かされたら俺のところに言いに来て。しばらくすればまた寮に帰らなきゃだけど、それでも俺が屋敷にいるうちはちゃんとあの二人に言って聞かせるから!」
「皆さんには本当によくしていただいています」
「義姉さんは優しいな……。でもあの二人が何かしてないとなると…………お兄様となんかあった?」
「え?」
「表情が固いし、動作もぎこちない」
「そんなことは……」
ないと言い切れればいいのだろうが、きっと今の私はサキヌの言う通りだろうから否定するわけにもいかず、言葉を濁すことしかできない。
「義姉さん、安心して。二人の問題に首を突っ込むつもりはないから」
サキヌはその言葉通り、私を安心させるように明るく笑うと私の手元に残る二枚のハンカチに目を向けた。
「お母様なら今の時間、庭にいると思うよ」
サキヌに教えてもらった通り、ここ数日ですっかりとお馴染みとなった薔薇の咲き誇る庭へと足を向ける。先日四人でお茶を楽しんだテーブルには本を捲るお義母様の姿があった。読書一つとってもこんなにも品というものが現れるものかとその姿に思わず息を呑む。すると神聖なるその場に闖入者がやってきたことに気づいたらしいお義母様はゆっくりと目を上げて、そして笑いかけた。
「モリアちゃん!」
私という異物が混入したからなのか彫刻のような上品さを保っていたお義母様はすっかりといつもの姿へと変わっていった。アンジェリカやサキヌの変化と全く同じである。
やはり数日で人となりを十分に知るには難しかったということだろう。だが残念なことに私にはもう知るだけの時間は残されていない。
「ハンカチの刺繍が終わりましたので、もしよろしければ……」
やはり前の二人の時と同じように言葉を濁しながらハンカチを差し出すと、お義母様は快く受け取ってくれた。
「あら綺麗! モーチェフ様もきっと喜ばれるわ!」
最後の二枚を渡してしまった私の手にはもう何も残っていない。
そしてそれは同時にこの家ですべきことの終わりも告げていた。
「では失礼します」
深くお辞儀してからその場を立ち去ろうとする私をお義母様は何も言わずに腕を掴んで制止した。
「どうか、されましたか?」
「お話しましょう?」
「え?」
「今日は二人でお茶しましょう」
お義母様の言葉は尋ねているのではなく、この後の予定を確定させた報告であり、私に断るという選択肢はなかった。
それからすぐに私の分のカップと、数回のお茶会で知られたのだろう私のお気に入りのお菓子が運ばれてくる。そしてお義母様の正面が居場所として確立された私は、全てを見透かしてしまいそうな瞳をした彼女の視線を一身に受けることとなったのだ。
「モリアちゃん。今朝、ラウスが何かしでかしたようね」
その言葉でやっと私はこの場に来た時から尋問が開始される未来は出来上がっていたのだと知った。ここにサキヌとアンジェリカがいないのは私への優しさだろうか。ならば私も包み隠さずに話す必要があるだろう。
「ラウス様は……私が思い人ではないことを気づかれました」
私の重々しい告白から始まる罪の告白を打ち破ったのはお義母様の一言だった。彼女はたった一言「はぁ?」と発したのである。
「ごめんなさいモリアちゃん。あなたは悪くないのよ。そう、何も悪くないの。だけど、だけど一つだけ聞かせてちょうだい。ラウスは、あの馬鹿息子はあなたの誤解をまだ解いてなかったの!?」
「誤解、ですか?」
「あのね、モリアちゃん。ラウスが愛しているのは正真正銘あなたなのよ」
「ですが……」
「ラウスのことを全く覚えていないっていうのは、あなたがこの家に来た翌日にラウスから聞かされているわ。そしてあなたが何か勘違いしているらしいってことも。会った日はあなたのデビュタントだし、顔を合わせたのはほんの少しだけって言うし、何よりあの子は迎えに行くのに五年もかかったんだから忘れられても仕方ないことよ。だから早く誤解を解いておきなさいってあれほど言ったのに、だからお買い物まで譲ったのに、何であの子はまだ何もしてないのよ!!」
それは私に向けてというよりはラウス様に向けての言葉だった。
そのせいだろう。ラウス様から口止めされていた五年という数字の謎とラウス様のことを全く覚えていない理由も一気に解決してしまった。
デビュタントの夜。
通りで全く覚えがないはずだ。あの日の記憶なら丸っと、スッポリ抜けてしまっているのだから。
よくよく考えても見れば、公爵という地位を持ちながらどの階級の夜会にも顔を見せるダイナス様を除いて、下級貴族以外と手紙以外で交流を持ったのはあの一夜だけである。
我ながら何て失礼なことをしてしまったのだと頭が痛くなって来た。なんならこの罪をポンコツな頭ごと叩き割ってもらいたいくらいである。
「モリアちゃんはここで待っていて。あの馬鹿、引き摺ってでも連れてくるから!」
「いえ、私が謝罪に行きますので」
「モリアちゃんが謝ることなんて何一つもないわ!」
「全ては忘れていた私の責任です。どうか私に謝らせてください」
「モリアちゃん……」
謝って済むとは思っていない。
ラウス様は五年も私を想ってくれていたのに、私はすっかり忘れていて、あろうことか別人であるとまで言ってのけたのだから。だが一つ、引っかかるのはラウス様の『間違い』である。
彼は一体何を間違えたのだろうか?
いや、今はそんなこと気にしている場合ではない。
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※小説家になろう様にも掲載しています。