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そんな藁にもすがるような思いで切り出せば、エイリーフがビクンと動いた。
「エイリーフ様?」
「ああ。幼い頃、何度も読んだよ」
「私、ヴェールが洞窟を冒険するシーンが好きなんです」
「僕も好き」
「先が見えなくて怖いはずなのに、お母さんの薬草を取りに行く姿が格好良くて」
「光る薬草を見つけた時は興奮した」
「壁についていた手のところが崩れた時はヒヤッとしましたね」
「でもそのおかげで見つかった」
話しながら、彼の緊張は少しずつ解れていった。そして馬車に乗り込むと、悩みの正体を打ち明けてくれた。
「他国の姫が留学生が来ることが決まった。姫は留学中は王城に滞在する。……今までより離れ離れになる時間が長くなる」
「どのくらい滞在されるのでしょうか」
「一年。その間、僕が王子として、生徒会長として彼女のサポートにあたる」
「そう、ですか……」
気の抜けたような声が出る。
アンナはそれ以外の答えを持っていなかった。
姫様の留学までの間、エイリーフはますますアンナから離れなくなった。
二ヶ月なんてあっという間に過ぎていき、いよいよ姫様が我が国にやってきた。
はじめての一人での登校はなんだか落ち着かない。ソワソワとしてしまう。けれどその思いは学園についてますます強くなっていった。
「エイリーフ、あれは何かしら」
「メリンの花ですね。我が国にしか咲かない花です」
「綺麗ね」
姫とエイリーフの距離は近い。普段のアンナと彼との距離と同じ。腕を絡めながら、こてんと頭を預けるのである。
一目見てすぐに気づいた。姫はエイリーフに恋をしている。アンナを見つけると、氷のように冷たい視線を向けた
。
それはこの時だけではなかった。アンナとエイリーフはほとんど同じ授業を受けているので、姫様とも行動が被っている。彼女はアンナが近づくと顔を歪め、エイリーフとともに離れていくのである。
一日が終わる頃には、姫の留学の目的がエイリーフであることを理解させられた。アンナとの婚約を聞きつけ、留学を決めたのかもしれない。
下級貴族のアンナが他国の姫様と関わる機会なんてなかった。けれどエイリーフは今まで何度と姫と会っている。幼い頃からの知り合いらしかった。少し前に婚約者になったアンナとでは年数が違う。
彼もまんざらではなさそうだ。姫の留学が決まってから毎日暗かったのが嘘かのよう。
「休日も共に過ごされているらしいわ」
「でもエイリーフ王子にはアンナ様が」
「最近ご一緒にいるところを見かけませんわ」
一月経つ頃にはそんな噂が流れるようになった。
共に過ごす時間がないので、当然舐められることもない。日に日に彼の体温が薄れていく。遠くに行ってしまったかのようだ。
迎えが来るまでの時間を図書館で潰せば空しさが押し寄せる。誰も迎えになんて来てくれない。幼い頃読んでいた本を何冊か借り、胸に抱く。空白を埋めるには本が一番だ。彼は戻ってきてくれると言っていた。
少しだけ我慢すればいいのだ。そう思う一方で、気が変わっているのではないかとも思ってしまう。
舐めることが出来れば誰でもいいんじゃないか。
一度そこに行き着いてしまったら、完全に迷いを脱ぎ去ることは出来なかった。エイリーフと姫様の姿を見ないようにしても、楽しそうな声が耳に届く。その度に「お似合いよね」と幻聴が聞こえてくるのだ。
逃げてしまいたい。
そんなことばかり考えていたからだろう。図書館で時間を潰すアンナの元に一人の令息がやってきた。
「まだ捨てられたんだな。溺愛されていたように見えたが、結局王子ももっといい相手が出てきたら乗り換えるのか」
「え……」
初めて見る人だ。けれど彼はアンナのことをよく知っているようだ。まるで自分が傷つけられているみたいな表情をしている。
いきなりナイフのように鋭い言葉を投げつけられたのはアンナだっていうのに、怒ることさえも出来ない。パクパクと口を動かすので精一杯。その間に目の前の彼は言葉を続ける。
「だが伯爵令嬢相手よりも他国の姫の方がいい。普通、そっちを取るよな。あそこまで惚れられていれば揺らぐのも無理はない。王族同士の婚姻が結ばれれば国に利益がある。乗り換えることこそ賢い選択だ。……元婚約者とは違う」
最後の言葉でハッとした。彼はアンナの元婚約者の浮気相手の元婚約者だ。相手の伯爵令嬢にも婚約者がいた。自分のことでいっぱいいっぱいで、向こう側の婚約破棄相手のことなんて考えてもみなかった。
「アンナ=ヴェルン、君にとって元婚約者はどんな人だった?」
彼はそう問いかけながら、アンナの横に腰掛けた。
泣きそうな顔は変えぬまま「いきなりだったな。先に俺のことから話そう」と遠くを見つめた。
そして彼にとっての元婚約者について語ってくれた。
相手の女性のことが好きで、仲は良いと思っていたこと。頻繁に贈り物をしていたこと。
けれど実際は家柄が低い彼のことを下に見ていた。金を持っていたから仲良くしていただけなのだと、婚約破棄が成立してから知ったこと。
彼は子爵令息だが、母が有名な商会の娘なのでお金には余裕があるらしい。
「別に君を恨んでいる訳じゃない。むしろ感謝しているんだ。卒業したら母の実家の商会で働くことにした」
「あなたは強いんですね」
「君の方が強い。俺はあの日からもう、お茶会にも夜会にも参加していない。学園だって本当は通いたくないくらいだ。だが君が勇気をくれたから、箔をつけるためって割り切って通えるようになった」
「私?」
「初めて顔を合わせた相手に言われて気持ち悪いかもしれないが、君には仲間意識みたいなものを持っている。だから大切にされて欲しいと、幸せになって欲しいと思う」
彼の目には嘘一つ混じってはいない。
見れば分かる。彼は心からの親切心で言ってくれている。
「簡単に割り切れないなら早く諦めた方が良い。信じて捨てられるのは辛い。君だってよく知っているだろう?」
表情を歪め、よく考えるんだと肩を掴む。胸がずきんと痛む。
アンナはエイリーフが好きだ。変態じみたところでさえも愛おしくてたまらない。
彼はアンナが胸に秘めた思いに気づいていて、もっと深みにはまらないようにと忠告してくれている。
「ありがとう。よく考えてみます」
「ああ。困ったら頼って欲しい。捨てられ仲間として」
「嫌な名前ですね」
アンナが苦笑いをすると、彼は初めて楽しそうに笑った。
迎えの馬車が来る時間となり、図書館を去った。彼は元々図書館に用事があったようで、そのまま残るそう。
手に持っていたのはアンナが受けている授業で配られたプリントだった。今まで気づかなかっただけで、同じ授業を受けているらしかった。
馬車で揺られながら、自室で一人になりながら、身の振り方を考えた。
ひとまず彼への思いを避けて、どれが最善なのかを追いかける。
悩んで悩んで悩んで悩んで。
最善の道は図書館で告げられたものだった。
「エイリーフ様?」
「ああ。幼い頃、何度も読んだよ」
「私、ヴェールが洞窟を冒険するシーンが好きなんです」
「僕も好き」
「先が見えなくて怖いはずなのに、お母さんの薬草を取りに行く姿が格好良くて」
「光る薬草を見つけた時は興奮した」
「壁についていた手のところが崩れた時はヒヤッとしましたね」
「でもそのおかげで見つかった」
話しながら、彼の緊張は少しずつ解れていった。そして馬車に乗り込むと、悩みの正体を打ち明けてくれた。
「他国の姫が留学生が来ることが決まった。姫は留学中は王城に滞在する。……今までより離れ離れになる時間が長くなる」
「どのくらい滞在されるのでしょうか」
「一年。その間、僕が王子として、生徒会長として彼女のサポートにあたる」
「そう、ですか……」
気の抜けたような声が出る。
アンナはそれ以外の答えを持っていなかった。
姫様の留学までの間、エイリーフはますますアンナから離れなくなった。
二ヶ月なんてあっという間に過ぎていき、いよいよ姫様が我が国にやってきた。
はじめての一人での登校はなんだか落ち着かない。ソワソワとしてしまう。けれどその思いは学園についてますます強くなっていった。
「エイリーフ、あれは何かしら」
「メリンの花ですね。我が国にしか咲かない花です」
「綺麗ね」
姫とエイリーフの距離は近い。普段のアンナと彼との距離と同じ。腕を絡めながら、こてんと頭を預けるのである。
一目見てすぐに気づいた。姫はエイリーフに恋をしている。アンナを見つけると、氷のように冷たい視線を向けた
。
それはこの時だけではなかった。アンナとエイリーフはほとんど同じ授業を受けているので、姫様とも行動が被っている。彼女はアンナが近づくと顔を歪め、エイリーフとともに離れていくのである。
一日が終わる頃には、姫の留学の目的がエイリーフであることを理解させられた。アンナとの婚約を聞きつけ、留学を決めたのかもしれない。
下級貴族のアンナが他国の姫様と関わる機会なんてなかった。けれどエイリーフは今まで何度と姫と会っている。幼い頃からの知り合いらしかった。少し前に婚約者になったアンナとでは年数が違う。
彼もまんざらではなさそうだ。姫の留学が決まってから毎日暗かったのが嘘かのよう。
「休日も共に過ごされているらしいわ」
「でもエイリーフ王子にはアンナ様が」
「最近ご一緒にいるところを見かけませんわ」
一月経つ頃にはそんな噂が流れるようになった。
共に過ごす時間がないので、当然舐められることもない。日に日に彼の体温が薄れていく。遠くに行ってしまったかのようだ。
迎えが来るまでの時間を図書館で潰せば空しさが押し寄せる。誰も迎えになんて来てくれない。幼い頃読んでいた本を何冊か借り、胸に抱く。空白を埋めるには本が一番だ。彼は戻ってきてくれると言っていた。
少しだけ我慢すればいいのだ。そう思う一方で、気が変わっているのではないかとも思ってしまう。
舐めることが出来れば誰でもいいんじゃないか。
一度そこに行き着いてしまったら、完全に迷いを脱ぎ去ることは出来なかった。エイリーフと姫様の姿を見ないようにしても、楽しそうな声が耳に届く。その度に「お似合いよね」と幻聴が聞こえてくるのだ。
逃げてしまいたい。
そんなことばかり考えていたからだろう。図書館で時間を潰すアンナの元に一人の令息がやってきた。
「まだ捨てられたんだな。溺愛されていたように見えたが、結局王子ももっといい相手が出てきたら乗り換えるのか」
「え……」
初めて見る人だ。けれど彼はアンナのことをよく知っているようだ。まるで自分が傷つけられているみたいな表情をしている。
いきなりナイフのように鋭い言葉を投げつけられたのはアンナだっていうのに、怒ることさえも出来ない。パクパクと口を動かすので精一杯。その間に目の前の彼は言葉を続ける。
「だが伯爵令嬢相手よりも他国の姫の方がいい。普通、そっちを取るよな。あそこまで惚れられていれば揺らぐのも無理はない。王族同士の婚姻が結ばれれば国に利益がある。乗り換えることこそ賢い選択だ。……元婚約者とは違う」
最後の言葉でハッとした。彼はアンナの元婚約者の浮気相手の元婚約者だ。相手の伯爵令嬢にも婚約者がいた。自分のことでいっぱいいっぱいで、向こう側の婚約破棄相手のことなんて考えてもみなかった。
「アンナ=ヴェルン、君にとって元婚約者はどんな人だった?」
彼はそう問いかけながら、アンナの横に腰掛けた。
泣きそうな顔は変えぬまま「いきなりだったな。先に俺のことから話そう」と遠くを見つめた。
そして彼にとっての元婚約者について語ってくれた。
相手の女性のことが好きで、仲は良いと思っていたこと。頻繁に贈り物をしていたこと。
けれど実際は家柄が低い彼のことを下に見ていた。金を持っていたから仲良くしていただけなのだと、婚約破棄が成立してから知ったこと。
彼は子爵令息だが、母が有名な商会の娘なのでお金には余裕があるらしい。
「別に君を恨んでいる訳じゃない。むしろ感謝しているんだ。卒業したら母の実家の商会で働くことにした」
「あなたは強いんですね」
「君の方が強い。俺はあの日からもう、お茶会にも夜会にも参加していない。学園だって本当は通いたくないくらいだ。だが君が勇気をくれたから、箔をつけるためって割り切って通えるようになった」
「私?」
「初めて顔を合わせた相手に言われて気持ち悪いかもしれないが、君には仲間意識みたいなものを持っている。だから大切にされて欲しいと、幸せになって欲しいと思う」
彼の目には嘘一つ混じってはいない。
見れば分かる。彼は心からの親切心で言ってくれている。
「簡単に割り切れないなら早く諦めた方が良い。信じて捨てられるのは辛い。君だってよく知っているだろう?」
表情を歪め、よく考えるんだと肩を掴む。胸がずきんと痛む。
アンナはエイリーフが好きだ。変態じみたところでさえも愛おしくてたまらない。
彼はアンナが胸に秘めた思いに気づいていて、もっと深みにはまらないようにと忠告してくれている。
「ありがとう。よく考えてみます」
「ああ。困ったら頼って欲しい。捨てられ仲間として」
「嫌な名前ですね」
アンナが苦笑いをすると、彼は初めて楽しそうに笑った。
迎えの馬車が来る時間となり、図書館を去った。彼は元々図書館に用事があったようで、そのまま残るそう。
手に持っていたのはアンナが受けている授業で配られたプリントだった。今まで気づかなかっただけで、同じ授業を受けているらしかった。
馬車で揺られながら、自室で一人になりながら、身の振り方を考えた。
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悩んで悩んで悩んで悩んで。
最善の道は図書館で告げられたものだった。
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