78 / 177
五章
10.お楽しみは週末に
しおりを挟む
イーディスが妻となってから三ヶ月経った今では部屋はすっかり整頓されている。
「はい、次はこれです。資料はクリップで付けてあるので、それを見ながら大丈夫だと判断したら、ここにサインしてください。って、こっちの書類、締め切りが二ヶ月前じゃないですか!」
「あ~それなら催促されたやつを送り返しているから大丈夫」
「では破棄しておきますね。それでこっちの二週間前までのは……」
「初めてみた」
「今すぐチェックしてください! 送り状と封筒書いておきますから」
「助かる」
妻というよりも秘書、いや夏休みの宿題を最終日直前まで放置していた息子の世話をしているようだ。キースはやる気こそあるのだが、管理能力に欠けている。
「そろそろ水飲む時間ですよ~」
「喉乾いてない……」
その上仕事中はイーディスが世話してやらねば食事はおろか、水分補給すら忘れるほど。
とはいえ、三ヶ月もすればこの生活にも慣れる。
「一口でいいから! ほら口つけて」
かれこれ数刻は水分を口にしていない彼にカップを押し付ければ、渋々ながらに口をつける。当初は妻としてここまで世話を焼くつもりはなかったのだが、仕事中のキースに近づけるのはイーディスしかいないのだ。この部屋の書類は全て管理者とその配偶者しか見てはいけないらしく使用人はおろか、彼の血縁者ですらも奥まで立ち入ることは許されない。出入りは最低限。部屋に入ってきても一~二歩の辺りでピタリと止まって、物はそこに置いていくのだ。壁に並べられた箱がそんな彼らによって配置されたものだったと知ったのはつい一ヶ月前のこと。手伝ってくれとぼやいても無駄だったのだ。
そんなルールがあるせいで使用人達は見えないラインよりも先に進んでくることはなく、かといって声をかけたところでキースが返すのは空返事。そのため飲み物放置は当たり前、軽食を用意してもらっても放置という状況が生まれていく。
箱の謎が解けた時にようやく痩けた頬は精神状態の問題ではなく、彼の性格的なものだと理解した。健康な姿をマリアに見せると決心した後でこれなのだ。夢の外ではしっかりと食事を摂っていた彼は、ただマリアとイーディスが一緒にいたからに過ぎない。食事が大好きなイーディスにはにわかに信じがたいが、これが食に感心がないタイプというやつなのだろう。
「そろそろ食事が運ばれてくる時間なので、それが終わったら休憩に入りましょう」
「ん」
「じゃあ私はちょっと便せんの補充に」
「便せんでしたらこちらに」
ついでに足りない備品も補充しようと考えて振り返れば、そこには見覚えのある人がいた。シルバーグレーの髪を後ろに撫で、執事服をぴっしりと着込んだ彼はギルバート家の執事長・ギンペルである。彼は食事を載せたカートの下段から便せんの他にも、ちょうど補充しようと思っていたインクやシーリングワックスも取り出して備品棚に置いていく。ちなみに入り口付近に設置されたこの棚もカレンダー同様、イーディスの考案である。隣には郵送物を置くための机とチェック表が置かれている。
「ちょうど取りに行こうと思っていたんですよ~。ありがとうございます」
「今朝お邪魔した際に数が減っているのを見かけたものですから。それにしても棚を置くなんて考えてもみませんでした」
「引き出しに入れると残量がわかりにくくて……」
部屋の掃除が終わってすぐにイーディス用のデスクも導入してもらい、初めは引き出しの中に入れて管理していた。けれど残量の減り具合を見てもまだ足りるから後で補充しようと後回しにし続け、気付けば欲しい時に手元にないということが何度かあった。すぐに済むからこそ後回しにしてしまうものである。だから見えるようにした。手が空いた時に見る習慣を付けておけば、まだ足りるかもという時でもとりあえず補充しておくという選択肢が取れる。ギンペルを筆頭に、使用人が気付いて補充してくれることもある。
「ところで今日のご飯は……」
「白身魚のバターソテーです」
「もしかしてこのバター、ギルバート産ですか」
「え、ええ。よくわかりましたね」
「ギルバート家が酪農に力を入れているのは有名ですから。今度はチーズも食べてみたいです」
「申し訳ありません。酪農は最近力を入れ始めたばかりでして、チーズの生産は手がけておらず……」
図書館でキースが完成間近と話していたので、この世界でも完成しているとばかり思っていたのだが、どうやら夢の中と外とではギルバート領の動きも異なるようだ。ちょっとした雑談のつもりだったのだが、深々と頭を下げるギンペルに申し訳なさが募っていく。
「こちらこそすみません。どこかと勘違いをしていたみたいで」
他に食べ物は何を作っているのかと話を逸らせば、ギンペルの表情も次第に元に戻っていき、調子を取り戻していく。今後は中と外の知識が混ざらないように、こちらの世界のギルバート家についても調べなければと決心する。
「では坊ちゃま、温かいうちにお食べてください」
「これが終わったら食べる」
「それとイーディス様からリクエストを受けていた夕暮れパンナコッタですが、今日のおやつにお持ち致しますね」
「本当ですか!? 楽しみにしています」
ギンペルを見送り、るんるんと食事用のテーブルの上に昼食のセットをする。カップにお茶を注ぎ終わったタイミングでちょうどキースの仕事も一区切りがついたらしい。こちらに移動してきたキースは椅子を引きながら問いかける。
「夕暮れパンナコッタってなんだ?」
「マリア様と文通していた時に話題に挙がったデザートです。ベリーとオレンジを混ぜたソースがかかっているんですよ」
「食べ物もあるのか」
「料理長さんがマリア様に伝えたい料理はないかと聞いてくださりまして、遠慮なく頼んじゃいました」
聞かれたのはつい昨日のことだったのだが、もう作ってくれたらしい。ちょうど該当する本が手元にあったので、資料として貸し出してはいたが、それにしても早すぎる。材料が手元にあったのだろうか。『フォトブック作りに役立てて欲しい』とキースの両親からプレゼントされたカメラの出番はまだまだ先だと思っていたが、早速役立ちそうだ。るんるんで焼きたてパンを口に運ぶ。
「今頃、大量のパンナコッタを作っているだろうな。明日からいろんな奴に似たこと聞かれるぞ」
「どういうことですか?」
「ギルバート家の人間は皆、マリアを愛しているからな」
「よく分かりませんが、そんなこと言われると食べ物以外もいろいろ頼んじゃいますよ? ギルバート家の財産を食い荒らす悪女め! なんであんなのと結婚したんだ……とか親戚の方々から言われても遅いですからね?」
ギルバート家は大陸でも指折りの名家だ。総資産だってフランシカ家の数十倍はあるだろう。イーディスが全力でかかったところで食い荒らせるレベルではない。だが人は慣れるものだ。豪遊に慣れれば欲だって出てくるかもしれない。甘やかしすぎはよくないと遠回しに告げれば、キースはなんてことないように言い放つ。
「誰も文句なんて言わないさ。ドレスやアクセサリーだってねだってくれてもいいぞ?」
「マリア様のお出かけ服、テーマを決めて何セットか作るのもいいかもしれませんね」
「明日にでもデザイナーを呼ぼう」
「一日じゃ終わりませんよ。週末にしましょう。そこまでに急ぎのものは仕上げて、三日間くらい吟味しましょう」
「なら針子も呼んでおこう」
「よし、午後からは頑張りますよ~」
「おう!」
図書館でマリアが言っていたようにお揃いのドレスを作るのもいいかもしれない。一瞬、そんな考えが頭を過った。けれどすぐに揃えたところでここにはバッカスとローザはいないのだと却下する。マリアが作りたかったのは読書メンバーとのお揃いだ。ここで三人だけで揃えるのは違うような気がした。
「はい、次はこれです。資料はクリップで付けてあるので、それを見ながら大丈夫だと判断したら、ここにサインしてください。って、こっちの書類、締め切りが二ヶ月前じゃないですか!」
「あ~それなら催促されたやつを送り返しているから大丈夫」
「では破棄しておきますね。それでこっちの二週間前までのは……」
「初めてみた」
「今すぐチェックしてください! 送り状と封筒書いておきますから」
「助かる」
妻というよりも秘書、いや夏休みの宿題を最終日直前まで放置していた息子の世話をしているようだ。キースはやる気こそあるのだが、管理能力に欠けている。
「そろそろ水飲む時間ですよ~」
「喉乾いてない……」
その上仕事中はイーディスが世話してやらねば食事はおろか、水分補給すら忘れるほど。
とはいえ、三ヶ月もすればこの生活にも慣れる。
「一口でいいから! ほら口つけて」
かれこれ数刻は水分を口にしていない彼にカップを押し付ければ、渋々ながらに口をつける。当初は妻としてここまで世話を焼くつもりはなかったのだが、仕事中のキースに近づけるのはイーディスしかいないのだ。この部屋の書類は全て管理者とその配偶者しか見てはいけないらしく使用人はおろか、彼の血縁者ですらも奥まで立ち入ることは許されない。出入りは最低限。部屋に入ってきても一~二歩の辺りでピタリと止まって、物はそこに置いていくのだ。壁に並べられた箱がそんな彼らによって配置されたものだったと知ったのはつい一ヶ月前のこと。手伝ってくれとぼやいても無駄だったのだ。
そんなルールがあるせいで使用人達は見えないラインよりも先に進んでくることはなく、かといって声をかけたところでキースが返すのは空返事。そのため飲み物放置は当たり前、軽食を用意してもらっても放置という状況が生まれていく。
箱の謎が解けた時にようやく痩けた頬は精神状態の問題ではなく、彼の性格的なものだと理解した。健康な姿をマリアに見せると決心した後でこれなのだ。夢の外ではしっかりと食事を摂っていた彼は、ただマリアとイーディスが一緒にいたからに過ぎない。食事が大好きなイーディスにはにわかに信じがたいが、これが食に感心がないタイプというやつなのだろう。
「そろそろ食事が運ばれてくる時間なので、それが終わったら休憩に入りましょう」
「ん」
「じゃあ私はちょっと便せんの補充に」
「便せんでしたらこちらに」
ついでに足りない備品も補充しようと考えて振り返れば、そこには見覚えのある人がいた。シルバーグレーの髪を後ろに撫で、執事服をぴっしりと着込んだ彼はギルバート家の執事長・ギンペルである。彼は食事を載せたカートの下段から便せんの他にも、ちょうど補充しようと思っていたインクやシーリングワックスも取り出して備品棚に置いていく。ちなみに入り口付近に設置されたこの棚もカレンダー同様、イーディスの考案である。隣には郵送物を置くための机とチェック表が置かれている。
「ちょうど取りに行こうと思っていたんですよ~。ありがとうございます」
「今朝お邪魔した際に数が減っているのを見かけたものですから。それにしても棚を置くなんて考えてもみませんでした」
「引き出しに入れると残量がわかりにくくて……」
部屋の掃除が終わってすぐにイーディス用のデスクも導入してもらい、初めは引き出しの中に入れて管理していた。けれど残量の減り具合を見てもまだ足りるから後で補充しようと後回しにし続け、気付けば欲しい時に手元にないということが何度かあった。すぐに済むからこそ後回しにしてしまうものである。だから見えるようにした。手が空いた時に見る習慣を付けておけば、まだ足りるかもという時でもとりあえず補充しておくという選択肢が取れる。ギンペルを筆頭に、使用人が気付いて補充してくれることもある。
「ところで今日のご飯は……」
「白身魚のバターソテーです」
「もしかしてこのバター、ギルバート産ですか」
「え、ええ。よくわかりましたね」
「ギルバート家が酪農に力を入れているのは有名ですから。今度はチーズも食べてみたいです」
「申し訳ありません。酪農は最近力を入れ始めたばかりでして、チーズの生産は手がけておらず……」
図書館でキースが完成間近と話していたので、この世界でも完成しているとばかり思っていたのだが、どうやら夢の中と外とではギルバート領の動きも異なるようだ。ちょっとした雑談のつもりだったのだが、深々と頭を下げるギンペルに申し訳なさが募っていく。
「こちらこそすみません。どこかと勘違いをしていたみたいで」
他に食べ物は何を作っているのかと話を逸らせば、ギンペルの表情も次第に元に戻っていき、調子を取り戻していく。今後は中と外の知識が混ざらないように、こちらの世界のギルバート家についても調べなければと決心する。
「では坊ちゃま、温かいうちにお食べてください」
「これが終わったら食べる」
「それとイーディス様からリクエストを受けていた夕暮れパンナコッタですが、今日のおやつにお持ち致しますね」
「本当ですか!? 楽しみにしています」
ギンペルを見送り、るんるんと食事用のテーブルの上に昼食のセットをする。カップにお茶を注ぎ終わったタイミングでちょうどキースの仕事も一区切りがついたらしい。こちらに移動してきたキースは椅子を引きながら問いかける。
「夕暮れパンナコッタってなんだ?」
「マリア様と文通していた時に話題に挙がったデザートです。ベリーとオレンジを混ぜたソースがかかっているんですよ」
「食べ物もあるのか」
「料理長さんがマリア様に伝えたい料理はないかと聞いてくださりまして、遠慮なく頼んじゃいました」
聞かれたのはつい昨日のことだったのだが、もう作ってくれたらしい。ちょうど該当する本が手元にあったので、資料として貸し出してはいたが、それにしても早すぎる。材料が手元にあったのだろうか。『フォトブック作りに役立てて欲しい』とキースの両親からプレゼントされたカメラの出番はまだまだ先だと思っていたが、早速役立ちそうだ。るんるんで焼きたてパンを口に運ぶ。
「今頃、大量のパンナコッタを作っているだろうな。明日からいろんな奴に似たこと聞かれるぞ」
「どういうことですか?」
「ギルバート家の人間は皆、マリアを愛しているからな」
「よく分かりませんが、そんなこと言われると食べ物以外もいろいろ頼んじゃいますよ? ギルバート家の財産を食い荒らす悪女め! なんであんなのと結婚したんだ……とか親戚の方々から言われても遅いですからね?」
ギルバート家は大陸でも指折りの名家だ。総資産だってフランシカ家の数十倍はあるだろう。イーディスが全力でかかったところで食い荒らせるレベルではない。だが人は慣れるものだ。豪遊に慣れれば欲だって出てくるかもしれない。甘やかしすぎはよくないと遠回しに告げれば、キースはなんてことないように言い放つ。
「誰も文句なんて言わないさ。ドレスやアクセサリーだってねだってくれてもいいぞ?」
「マリア様のお出かけ服、テーマを決めて何セットか作るのもいいかもしれませんね」
「明日にでもデザイナーを呼ぼう」
「一日じゃ終わりませんよ。週末にしましょう。そこまでに急ぎのものは仕上げて、三日間くらい吟味しましょう」
「なら針子も呼んでおこう」
「よし、午後からは頑張りますよ~」
「おう!」
図書館でマリアが言っていたようにお揃いのドレスを作るのもいいかもしれない。一瞬、そんな考えが頭を過った。けれどすぐに揃えたところでここにはバッカスとローザはいないのだと却下する。マリアが作りたかったのは読書メンバーとのお揃いだ。ここで三人だけで揃えるのは違うような気がした。
23
あなたにおすすめの小説
ストーカー婚約者でしたが、転生者だったので経歴を身綺麗にしておく
犬野きらり
恋愛
リディア・ガルドニ(14)、本日誕生日で転生者として気付きました。私がつい先程までやっていた行動…それは、自分の婚約者に対して重い愛ではなく、ストーカー行為。
「絶対駄目ーー」
と前世の私が気づかせてくれ、そもそも何故こんな男にこだわっていたのかと目が覚めました。
何の物語かも乙女ゲームの中の人になったのかもわかりませんが、私の黒歴史は証拠隠滅、慰謝料ガッポリ、新たな出会い新たな人生に進みます。
募集 婿入り希望者
対象外は、嫡男、後継者、王族
目指せハッピーエンド(?)!!
全23話で完結です。
この作品を気に留めて下さりありがとうございます。感謝を込めて、その後(直後)2話追加しました。25話になりました。
悪役令嬢に転生したので地味令嬢に変装したら、婚約者が離れてくれないのですが。
槙村まき
恋愛
スマホ向け乙女ゲーム『時戻りの少女~ささやかな日々をあなたと共に~』の悪役令嬢、リシェリア・オゼリエに転生した主人公は、処刑される未来を変えるために地味に地味で地味な令嬢に変装して生きていくことを決意した。
それなのに学園に入学しても婚約者である王太子ルーカスは付きまとってくるし、ゲームのヒロインからはなぜか「私の代わりにヒロインになって!」とお願いされるし……。
挙句の果てには、ある日隠れていた図書室で、ルーカスに唇を奪われてしまう。
そんな感じで悪役令嬢がヤンデレ気味な王子から逃げようとしながらも、ヒロインと共に攻略対象者たちを助ける? 話になるはず……!
第二章以降は、11時と23時に更新予定です。
他サイトにも掲載しています。
よろしくお願いします。
25.4.25 HOTランキング(女性向け)四位、ありがとうございます!
転生しましたが悪役令嬢な気がするんですけど⁉︎
水月華
恋愛
ヘンリエッタ・スタンホープは8歳の時に前世の記憶を思い出す。最初は混乱したが、じきに貴族生活に順応し始める。・・・が、ある時気づく。
もしかして‘’私‘’って悪役令嬢ポジションでは?整った容姿。申し分ない身分。・・・だけなら疑わなかったが、ある時ふと言われたのである。「昔のヘンリエッタは我儘だったのにこんなに立派になって」と。
振り返れば記憶が戻る前は嫌いな食べ物が出ると癇癪を起こし、着たいドレスがないと癇癪を起こし…。私めっちゃ性格悪かった!!
え?記憶戻らなかったらそのままだった=悪役令嬢!?いやいや確かに前世では転生して悪役令嬢とか流行ってたけどまさか自分が!?
でもヘンリエッタ・スタンホープなんて知らないし、私どうすればいいのー!?
と、とにかく攻略対象者候補たちには必要以上に近づかない様にしよう!
前世の記憶のせいで恋愛なんて面倒くさいし、政略結婚じゃないなら出来れば避けたい!
だからこっちに熱い眼差しを送らないで!
答えられないんです!
これは悪役令嬢(?)の侯爵令嬢があるかもしれない破滅フラグを手探りで回避しようとするお話。
または前世の記憶から臆病になっている彼女が再び大切な人を見つけるお話。
小説家になろうでも投稿してます。
こちらは全話投稿してますので、先を読みたいと思ってくださればそちらからもよろしくお願いします。
竜帝に捨てられ病気で死んで転生したのに、生まれ変わっても竜帝に気に入られそうです
みゅー
恋愛
シーディは前世の記憶を持っていた。前世では奉公に出された家で竜帝に気に入られ寵姫となるが、竜帝は豪族と婚約すると噂され同時にシーディの部屋へ通うことが減っていった。そんな時に病気になり、シーディは後宮を出ると一人寂しく息を引き取った。
時は流れ、シーディはある村外れの貧しいながらも優しい両親の元に生まれ変わっていた。そんなある日村に竜帝が訪れ、竜帝に見つかるがシーディの生まれ変わりだと気づかれずにすむ。
数日後、運命の乙女を探すためにの同じ年、同じ日に生まれた数人の乙女たちが後宮に召集され、シーディも後宮に呼ばれてしまう。
自分が運命の乙女ではないとわかっているシーディは、とにかく何事もなく村へ帰ることだけを目標に過ごすが……。
はたして本当にシーディは運命の乙女ではないのか、今度の人生で幸せをつかむことができるのか。
短編:竜帝の花嫁 誰にも愛されずに死んだと思ってたのに、生まれ変わったら溺愛されてました
を長編にしたものです。
公爵令嬢は、どう考えても悪役の器じゃないようです。
三歩ミチ
恋愛
*本編は完結しました*
公爵令嬢のキャサリンは、婚約者であるベイル王子から、婚約破棄を言い渡された。その瞬間、「この世界はゲームだ」という認識が流れ込んでくる。そして私は「悪役」らしい。ところがどう考えても悪役らしいことはしていないし、そんなことができる器じゃない。
どうやら破滅は回避したし、ゲームのストーリーも終わっちゃったようだから、あとはまわりのみんなを幸せにしたい!……そこへ攻略対象達や、不遇なヒロインも絡んでくる始末。博愛主義の「悪役令嬢」が奮闘します。
※小説家になろう様で連載しています。バックアップを兼ねて、こちらでも投稿しています。
※以前打ち切ったものを、初めから改稿し、完結させました。73以降、展開が大きく変わっています。
[完結]私、物語りを改竄します。だって、女神様が全否定するんだもん
紅月
恋愛
病気で死んだけど、生まれ変わる前に号泣する女神様に会った。
何やらゲームのパッケージを見て泣きながら怒っている。
「こんなの私の世界で起こるなんて認めない」
あらすじを読んでいた私に向かって女神様は激おこです。
乙女ゲームはやった事ないけど、この悪役令嬢って書かれている女の子に対してのシナリオ、悲惨だ。
どのストーリーを辿っても処刑一択。
ならば私がこの子になってゲームのシナリオ、改ざんすると女神様に言うと号泣していた女神様が全属性の魔力と女神様の加護をくれる、と商談成立。
私は悪役令嬢、アデリーン・アドラー公爵令嬢としてサレイス王国で新しい家族と共に暮らす事になった。
溺愛最強 ~気づいたらゲームの世界に生息していましたが、悪役令嬢でもなければ断罪もされないので、とにかく楽しむことにしました~
夏笆(なつは)
恋愛
「おねえしゃま。こえ、すっごくおいしいでし!」
弟のその言葉は、晴天の霹靂。
アギルレ公爵家の長女であるレオカディアは、その瞬間、今自分が生きる世界が前世で楽しんだゲーム「エトワールの称号」であることを知った。
しかし、自分は王子エルミニオの婚約者ではあるものの、このゲームには悪役令嬢という役柄は存在せず、断罪も無いので、攻略対象とはなるべく接触せず、穏便に生きて行けば大丈夫と、生きることを楽しむことに決める。
醤油が欲しい、うにが食べたい。
レオカディアが何か「おねだり」するたびに、アギルレ領は、周りの領をも巻き込んで豊かになっていく。
既にゲームとは違う展開になっている人間関係、その学院で、ゲームのヒロインは前世の記憶通りに攻略を開始するのだが・・・・・?
小説家になろうにも掲載しています。
悪役令嬢の品格 ~悪役令嬢を演じてきましたが、今回は少し違うようです~
幸路ことは
恋愛
多くの乙女ゲームで悪役令嬢を演じたプロの悪役令嬢は、エリーナとして新しいゲームの世界で目覚める。しかし、今回は悪役令嬢に必須のつり目も縦巻きロールもなく、シナリオも分からない。それでも立派な悪役令嬢を演じるべく突き進んだ。
そして、学園に入学しヒロインを探すが、なぜか攻略対象と思われるキャラが集まってくる。さらに、前世の記憶がある少女にエリーナがヒロインだと告げられ、隠しキャラを出して欲しいとお願いされた……。
これは、ロマンス小説とプリンが大好きなエリーナが、悪役令嬢のプライドを胸に、少しずつ自分の気持ちを知り恋をしていく物語。なろう完結済み Copyright(C)2019 幸路ことは
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる