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番外編
ローザの逃避⑧
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「おはよう、ローザ。昨日はよく眠れたか?」
「はい。ぐっすりと」
気を遣わせまいと平然と嘘を吐く。一晩寝ないなんてよくあることなのでメイドにも指摘されなかった。だがローザよりも王子だ。彼の顔面は血の気が引いたように青白い。具合が悪いのではないだろうか。
「王子は少し顔色が良くないように見えますが」
予定をズラしますか? と暗に告げれば、彼は軽く首を振る。
「緊張で昨晩はよく眠れなくてな」
「緊張?」
「ああ、いや、なんでもない。気にしないでくれ」
バラ園を散歩するだけで緊張なんて、と思ったが、よくよく考えてみればこうして特別な用事もなく王子とどこかに行ったのはいつぶりだろうか。歩きながら記憶を掘り起こすが、なかなか該当する日が見つからない。もしや学園入学以来だったりするのではないか。そう思うと途端にローザも緊張してしまう。鼓動は早くなり、美しい花を咲かせるバラを見ずに地面ばかり見てしまう。王子との間に生まれた小さな距離にもどかしさと安心感を覚えるなんて、これではまるで恋を覚えたばかりの少女のようではないか。何か話せばこの緊張感も和らぐかもしれないと話を振ろうにも、ちょうどいい話題が見つからない。
「今日は良い天気ですね。絶好の散歩日和で!」
「そうだな。暑すぎず寒すぎず気温もちょうどいい」
なんとか絞り出した天気の話題など長く続くはずもなく、再び会話は途切れてしまった。だがこのいたたまれない空気に耐える勇気はない。なんとかそれらしい話題を考え、ふと先日のカルドレッドの会話が思い浮かんだ。
「カルドレッドはそろそろ寒くなりはじめまして、ラスカ様はセーターを編もうかと考えているそうなのです。でも彼はすぐに体温が高くなるからいらないかもしれないと楽しそうに悩んでいらっしゃって。その姿がとても羨ましくて」
思い出してふふふと声を漏らせば、彼はピタリと足を止めて「ローザ」と話を切った。どうやら重い沈黙は本題に入るための準備だったらしい。はい、と短く返事をすれば、彼は隣からローザと向き合う位置に移動した。まっすぐとした瞳に先ほどとは違う緊張が走る。
「ローザが私と結婚してくれたのは彼女の件があったからで、それさえなければきっと君はカルドレッドで研究に打ち込めていたかもしれない。一度は婚約解消を認めながらも、結局自分達ではどうにも出来ないからと君に助けを求め、縛り付けたこと、今さらながら謝罪させてくれ。申し訳なかった」
深々と頭を下げられ、彼は今日、離縁を言い出すために呼び出したのかと理解する。徐々に冷静になっていく頭で、思えば部屋から護衛は一人もついてきていない上にバラ園は人払いがされていることに気付いた。
まだまだローザのやるべきことは沢山あるが、それは王子妃でなくとも出来る。それこそ度々国を留守にするローザをカルドレッドに送り、必要な時だけ派遣してもらって、王子は王子妃に適任の女性を妻に迎えればいい。少し年は離れてしまうかもしれないが、王子を支えてくれる女性がきっといるはずだ。いや、もう見つかっているのかもしれない。子どものように浮かれて、周りの状況を飲み込めていなかった自分が恥ずかしい。
「頭を上げてください。私は公爵家の娘として当然のことをしたまでです」
結婚したのはローザが公爵家の令嬢だったから。
政略の一部だと自分に言い聞かせ、これから来るであろうショックを緩和するための予防線を張る。
「公爵家の娘だから、か。君は責任感でこの場に留まってくれている。そう分かっていてもいつかそれが責任感だけではなくなるんじゃないかと期待して、そんな気持ちがローザに居心地の悪さを抱かせてしまった。子ども達も元気に育ってくれた今、本当は君を解放するべきなのかもしれない。この一年、これからのことを私なりにじっくりと考えてみたんだ。考えて、考えて……けれど結局答えが出なかった。自由になって笑う君が見たいと思う一方で、ローザを失った後の生活を想像すると怖くてたまらなかった。私は自分勝手な人間だ。リガロのように剣才があるわけでも、バッカスのように何かを突き詰められるわけでも、アルガのように寄り添うことも出来ず、ただただ見ているしか出来ない私を愛して欲しいと思ってしまうんだ」
「スチュワート、王子……」
「こんなことを話した後で言うのも卑怯だと思うが、君が自由になることを望むのならすぐにでも離縁が出来るよう、陛下とも話がついている」
そう告げて、スチュワート王子は胸元から折りたたまれた紙を取り出した。開いて確認すれば、それは王子と陛下のサインが書かれた離縁届だった。
「一日遅れてしまったが、誕生日おめでとう。幸せになってくれ」
愛して欲しいと言いながら、悲しげに微笑む彼はローザが離縁届にサインすると確信しているようだった。ああ、なんて最低の誕生日なのだろう。こんな最悪なプレゼントは生まれて始めてだ。けれど、彼にこんなものを用意させてしまったのは他でもないローザである。
こんなことになるのなら、昨日もいつものように逃げていれば良かった。そうすればまだもう少し彼と一緒に居られたのに……。いや、もう無理か。どんなに避けてもいずれローザの手にはこの紙切れがやってくることになっていたのだ。もう逃げられない。いつまでも逃げてばかりはいられない。今こそ彼と向き合うべきなのだ。小さく息を吐けば、頭にはイーディスの顔が浮かぶ。イーディスだけではない。バッカスにマリアとキース、それにリガロも。彼らはきっとローザが道を間違えても手を引いてくれるはずだ。彼らがいるから大丈夫。怖くない。そう自分に言い聞かせて、真っ直ぐとスチュワートを見据えた。そして彼の目の前で最悪なプレゼントを引き裂いた。
「何を!?」
「こんなもの必要ありませんわ。私はこれからもスチュワート王子の妻なのですから」
「だが……」
「今まで逃げてばかりいてごめんなさい。もし王子が私をまだ待っていてくれるなら、向き合って話す時間をいただけませんか」
「いい、のか?」
「といっても今はまだ天気の話題くらいしか浮かびませんが」
「ならこれから一緒に少しずつ増やしていこう」
出会ってから二十年以上が経ち、結婚もして子どもだっている。
それでも王子はローザのゆっくりな歩みに付き合おうとしてくれる。彼から伸ばされた手に甘え、ローザは自身の手を重ねる。
いつか咲き誇るバラのように鮮やかな赤を語れる日が来ることを願いながら。
ローザの逃避 完
「はい。ぐっすりと」
気を遣わせまいと平然と嘘を吐く。一晩寝ないなんてよくあることなのでメイドにも指摘されなかった。だがローザよりも王子だ。彼の顔面は血の気が引いたように青白い。具合が悪いのではないだろうか。
「王子は少し顔色が良くないように見えますが」
予定をズラしますか? と暗に告げれば、彼は軽く首を振る。
「緊張で昨晩はよく眠れなくてな」
「緊張?」
「ああ、いや、なんでもない。気にしないでくれ」
バラ園を散歩するだけで緊張なんて、と思ったが、よくよく考えてみればこうして特別な用事もなく王子とどこかに行ったのはいつぶりだろうか。歩きながら記憶を掘り起こすが、なかなか該当する日が見つからない。もしや学園入学以来だったりするのではないか。そう思うと途端にローザも緊張してしまう。鼓動は早くなり、美しい花を咲かせるバラを見ずに地面ばかり見てしまう。王子との間に生まれた小さな距離にもどかしさと安心感を覚えるなんて、これではまるで恋を覚えたばかりの少女のようではないか。何か話せばこの緊張感も和らぐかもしれないと話を振ろうにも、ちょうどいい話題が見つからない。
「今日は良い天気ですね。絶好の散歩日和で!」
「そうだな。暑すぎず寒すぎず気温もちょうどいい」
なんとか絞り出した天気の話題など長く続くはずもなく、再び会話は途切れてしまった。だがこのいたたまれない空気に耐える勇気はない。なんとかそれらしい話題を考え、ふと先日のカルドレッドの会話が思い浮かんだ。
「カルドレッドはそろそろ寒くなりはじめまして、ラスカ様はセーターを編もうかと考えているそうなのです。でも彼はすぐに体温が高くなるからいらないかもしれないと楽しそうに悩んでいらっしゃって。その姿がとても羨ましくて」
思い出してふふふと声を漏らせば、彼はピタリと足を止めて「ローザ」と話を切った。どうやら重い沈黙は本題に入るための準備だったらしい。はい、と短く返事をすれば、彼は隣からローザと向き合う位置に移動した。まっすぐとした瞳に先ほどとは違う緊張が走る。
「ローザが私と結婚してくれたのは彼女の件があったからで、それさえなければきっと君はカルドレッドで研究に打ち込めていたかもしれない。一度は婚約解消を認めながらも、結局自分達ではどうにも出来ないからと君に助けを求め、縛り付けたこと、今さらながら謝罪させてくれ。申し訳なかった」
深々と頭を下げられ、彼は今日、離縁を言い出すために呼び出したのかと理解する。徐々に冷静になっていく頭で、思えば部屋から護衛は一人もついてきていない上にバラ園は人払いがされていることに気付いた。
まだまだローザのやるべきことは沢山あるが、それは王子妃でなくとも出来る。それこそ度々国を留守にするローザをカルドレッドに送り、必要な時だけ派遣してもらって、王子は王子妃に適任の女性を妻に迎えればいい。少し年は離れてしまうかもしれないが、王子を支えてくれる女性がきっといるはずだ。いや、もう見つかっているのかもしれない。子どものように浮かれて、周りの状況を飲み込めていなかった自分が恥ずかしい。
「頭を上げてください。私は公爵家の娘として当然のことをしたまでです」
結婚したのはローザが公爵家の令嬢だったから。
政略の一部だと自分に言い聞かせ、これから来るであろうショックを緩和するための予防線を張る。
「公爵家の娘だから、か。君は責任感でこの場に留まってくれている。そう分かっていてもいつかそれが責任感だけではなくなるんじゃないかと期待して、そんな気持ちがローザに居心地の悪さを抱かせてしまった。子ども達も元気に育ってくれた今、本当は君を解放するべきなのかもしれない。この一年、これからのことを私なりにじっくりと考えてみたんだ。考えて、考えて……けれど結局答えが出なかった。自由になって笑う君が見たいと思う一方で、ローザを失った後の生活を想像すると怖くてたまらなかった。私は自分勝手な人間だ。リガロのように剣才があるわけでも、バッカスのように何かを突き詰められるわけでも、アルガのように寄り添うことも出来ず、ただただ見ているしか出来ない私を愛して欲しいと思ってしまうんだ」
「スチュワート、王子……」
「こんなことを話した後で言うのも卑怯だと思うが、君が自由になることを望むのならすぐにでも離縁が出来るよう、陛下とも話がついている」
そう告げて、スチュワート王子は胸元から折りたたまれた紙を取り出した。開いて確認すれば、それは王子と陛下のサインが書かれた離縁届だった。
「一日遅れてしまったが、誕生日おめでとう。幸せになってくれ」
愛して欲しいと言いながら、悲しげに微笑む彼はローザが離縁届にサインすると確信しているようだった。ああ、なんて最低の誕生日なのだろう。こんな最悪なプレゼントは生まれて始めてだ。けれど、彼にこんなものを用意させてしまったのは他でもないローザである。
こんなことになるのなら、昨日もいつものように逃げていれば良かった。そうすればまだもう少し彼と一緒に居られたのに……。いや、もう無理か。どんなに避けてもいずれローザの手にはこの紙切れがやってくることになっていたのだ。もう逃げられない。いつまでも逃げてばかりはいられない。今こそ彼と向き合うべきなのだ。小さく息を吐けば、頭にはイーディスの顔が浮かぶ。イーディスだけではない。バッカスにマリアとキース、それにリガロも。彼らはきっとローザが道を間違えても手を引いてくれるはずだ。彼らがいるから大丈夫。怖くない。そう自分に言い聞かせて、真っ直ぐとスチュワートを見据えた。そして彼の目の前で最悪なプレゼントを引き裂いた。
「何を!?」
「こんなもの必要ありませんわ。私はこれからもスチュワート王子の妻なのですから」
「だが……」
「今まで逃げてばかりいてごめんなさい。もし王子が私をまだ待っていてくれるなら、向き合って話す時間をいただけませんか」
「いい、のか?」
「といっても今はまだ天気の話題くらいしか浮かびませんが」
「ならこれから一緒に少しずつ増やしていこう」
出会ってから二十年以上が経ち、結婚もして子どもだっている。
それでも王子はローザのゆっくりな歩みに付き合おうとしてくれる。彼から伸ばされた手に甘え、ローザは自身の手を重ねる。
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ローザの逃避 完
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