1 / 1
森のランプ
しおりを挟む
ちょっとだけむかし。
ある山のふもとの森に、ちいさなカラスの子がいました。
名前は「くろすけ」。
黒い羽はつやつやピカピカ。
飛ぶのはまだまだ下手っぴで、木から木をめざしても、いつもドテッと落ちてしまいます。
「うまく飛べないなぁ」
くろすけはきのうもきょうも。まい日、まい日飛びました。
「うまく飛べるようになって、いつかだれかの役に立つんだ…」と心の中でつぶやきました。
■ きらきらの宝物 ■
ある日のこと。
くろすけはきょうも朝から飛ぶれんしゅうをし、お昼ご飯を食べようと道ばたを歩いていると、草むらの中でキラッと光るものを見つけました。
「なんだろう?」
近づいて拾いあげてみると、それは丸くてつるつるしていて、ぴかぴか光る平らな石でした。
「わぁ!まるでお月さまのかけらみたい」
くろすけはうれしくなって、羽の下に大事にしまいました。
■ 森の困りごと ■
その日の夜。
森のどうぶつたちが広場に集まって困っていました。
空は雲でいっぱい、お月さまもお星さまも見えず、森はまっくら。
「道が見えなくて、お家にかえれないよ」
「こわくて動けないわ」
ウサギさんもリスさんもシカさんも、みんな泣きそうな顔。
そこへ、ドテドテ歩いてきたくろすけが言いました。
「あのね。この石、つかってみる?」
羽の下からそっととりだすと――
ぴかぁぁーっとかがやきが広がり、あたりがやさしい光に包まれました。
「わあ! まるで小さなお月さまみたい!」
「なにこれ!お星さまのかけら?」
みんなの目がキラキラかがやきました。
■ くろすけの大冒険 ■
「これをつかったらお家へかえれるよ!」
くろすけは近くのウサギさんに光る石を渡そうとしました。
「わたしが持っても、みんなをお家にかえせないよ。この光る石をもってだと前に進むことがむずかしいし、時間がかかっちゃう。きみが空からみんなをみちびいて」
「でも・・・ぼく。まだまだうまく飛べないんだ」
くろすけはちいさな声でこたえました。
「そうかな?ぼくたちはみんな、きみがまい日まい日飛ぶれんしゅうをしているのを見ているんだよ」
シカさんがくろすけのきれいな羽をやさしくなでながら言いました。
「すごいな、がんばってるなって、ぼくもまい日見て、ゆうきをもらっていたんだよ。だいじょうぶだよ」
リスさんがくろすけにほほえみかけました。
くろすけはゆっくり目をつぶると、しんこきゅうをしました。そして、
「みんな、ぼくについてきて!」
と、空へまいあがりました。
すると、ふしぎなことに、石のやさしい光がくろすけの羽をふわりと持ち上げました。
気がつけば、くろすけは今まででいちばん高く、力強く飛んでいたのです。
「すごい!くろすけが空を飛んでいる!」
「光の道をつくっているよ!」
どうぶつたちはくろすけのあとをついて歩き、無事に家へかえることができました。
■ 森のランプ ■
それからというもの、くろすけは「森のランプ」とよばれるようになりました。
おまつりの日や、森がまっくらになった日には、くろすけが光る石で道をてらすのです。
「ぼくは黒い羽だから、目立たないと思っていたけど、くらいときにこそ、みんなを照らすことができるんだ」
くろすけはうれしくて、羽の下の宝物をぎゅっとにぎりました。
こうして、ちいさなカラスのくろすけは、森でいちばんたよりにされる存在になりました。
めでたし、めでたし。
ある山のふもとの森に、ちいさなカラスの子がいました。
名前は「くろすけ」。
黒い羽はつやつやピカピカ。
飛ぶのはまだまだ下手っぴで、木から木をめざしても、いつもドテッと落ちてしまいます。
「うまく飛べないなぁ」
くろすけはきのうもきょうも。まい日、まい日飛びました。
「うまく飛べるようになって、いつかだれかの役に立つんだ…」と心の中でつぶやきました。
■ きらきらの宝物 ■
ある日のこと。
くろすけはきょうも朝から飛ぶれんしゅうをし、お昼ご飯を食べようと道ばたを歩いていると、草むらの中でキラッと光るものを見つけました。
「なんだろう?」
近づいて拾いあげてみると、それは丸くてつるつるしていて、ぴかぴか光る平らな石でした。
「わぁ!まるでお月さまのかけらみたい」
くろすけはうれしくなって、羽の下に大事にしまいました。
■ 森の困りごと ■
その日の夜。
森のどうぶつたちが広場に集まって困っていました。
空は雲でいっぱい、お月さまもお星さまも見えず、森はまっくら。
「道が見えなくて、お家にかえれないよ」
「こわくて動けないわ」
ウサギさんもリスさんもシカさんも、みんな泣きそうな顔。
そこへ、ドテドテ歩いてきたくろすけが言いました。
「あのね。この石、つかってみる?」
羽の下からそっととりだすと――
ぴかぁぁーっとかがやきが広がり、あたりがやさしい光に包まれました。
「わあ! まるで小さなお月さまみたい!」
「なにこれ!お星さまのかけら?」
みんなの目がキラキラかがやきました。
■ くろすけの大冒険 ■
「これをつかったらお家へかえれるよ!」
くろすけは近くのウサギさんに光る石を渡そうとしました。
「わたしが持っても、みんなをお家にかえせないよ。この光る石をもってだと前に進むことがむずかしいし、時間がかかっちゃう。きみが空からみんなをみちびいて」
「でも・・・ぼく。まだまだうまく飛べないんだ」
くろすけはちいさな声でこたえました。
「そうかな?ぼくたちはみんな、きみがまい日まい日飛ぶれんしゅうをしているのを見ているんだよ」
シカさんがくろすけのきれいな羽をやさしくなでながら言いました。
「すごいな、がんばってるなって、ぼくもまい日見て、ゆうきをもらっていたんだよ。だいじょうぶだよ」
リスさんがくろすけにほほえみかけました。
くろすけはゆっくり目をつぶると、しんこきゅうをしました。そして、
「みんな、ぼくについてきて!」
と、空へまいあがりました。
すると、ふしぎなことに、石のやさしい光がくろすけの羽をふわりと持ち上げました。
気がつけば、くろすけは今まででいちばん高く、力強く飛んでいたのです。
「すごい!くろすけが空を飛んでいる!」
「光の道をつくっているよ!」
どうぶつたちはくろすけのあとをついて歩き、無事に家へかえることができました。
■ 森のランプ ■
それからというもの、くろすけは「森のランプ」とよばれるようになりました。
おまつりの日や、森がまっくらになった日には、くろすけが光る石で道をてらすのです。
「ぼくは黒い羽だから、目立たないと思っていたけど、くらいときにこそ、みんなを照らすことができるんだ」
くろすけはうれしくて、羽の下の宝物をぎゅっとにぎりました。
こうして、ちいさなカラスのくろすけは、森でいちばんたよりにされる存在になりました。
めでたし、めでたし。
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
ほら、ほら、ホラーだね!
ちゃーころん
児童書・童話
ゆうちゃんは、古いおばあちゃんの家におとまりします。夜、トイレに行こうとすると廊下が鳴り……。こわいけれど気になって、ゆうちゃんはそっと音のするほうへ。ほっとする出来事のあと、また別の音が……。白い影、誰もいないはずの廊下。
さて、ゆうちゃんが見たものは――?
瑠璃の姫君と鉄黒の騎士
石河 翠
児童書・童話
可愛いフェリシアはひとりぼっち。部屋の中に閉じ込められ、放置されています。彼女の楽しみは、窓の隙間から空を眺めながら歌うことだけ。
そんなある日フェリシアは、貧しい身なりの男の子にさらわれてしまいました。彼は本来自分が受け取るべきだった幸せを、フェリシアが台無しにしたのだと責め立てます。
突然のことに困惑しつつも、男の子のためにできることはないかと悩んだあげく、彼女は一本の羽を渡すことに決めました。
大好きな友達に似た男の子に笑ってほしい、ただその一心で。けれどそれは、彼女の命を削る行為で……。
記憶を失くしたヒロインと、幸せになりたいヒーローの物語。ハッピーエンドです。
この作品は、他サイトにも投稿しております。
表紙絵は写真ACよりチョコラテさまの作品(写真ID:249286)をお借りしています。
ママのごはんはたべたくない
もちっぱち
絵本
おとこのこが ママのごはん
たべたくないきもちを
ほんに してみました。
ちょっと、おもしろエピソード
よんでみてください。
これをよんだら おやこで
ハッピーに なれるかも?
約3600文字あります。
ゆっくり読んで大体20分以内で
読み終えると思います。
寝かしつけの読み聞かせにぜひどうぞ。
表紙作画:ぽん太郎 様
2023.3.7更新
緑色の友達
石河 翠
児童書・童話
むかしむかしあるところに、大きな森に囲まれた小さな村がありました。そこに住む女の子ララは、祭りの前日に不思議な男の子に出会います。ところが男の子にはある秘密があったのです……。
こちらは小説家になろうにも投稿しております。
表紙は、貴様 二太郎様に描いて頂きました。
そうして、女の子は人形へ戻ってしまいました。
桗梛葉 (たなは)
児童書・童話
神様がある日人形を作りました。
それは女の子の人形で、あまりに上手にできていたので神様はその人形に命を与える事にしました。
でも笑わないその子はやっぱりお人形だと言われました。
そこで神様は心に1つの袋をあげたのです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる