森のランプ

ちゃーころん

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森のランプ

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ちょっとだけむかし。
ある山のふもとの森に、ちいさなカラスの子がいました。

名前は「くろすけ」。
黒い羽はつやつやピカピカ。
飛ぶのはまだまだ下手っぴで、木から木をめざしても、いつもドテッと落ちてしまいます。

「うまく飛べないなぁ」

くろすけはきのうもきょうも。まい日、まい日飛びました。

「うまく飛べるようになって、いつかだれかの役に立つんだ…」と心の中でつぶやきました。



 ■ きらきらの宝物 ■


ある日のこと。

くろすけはきょうも朝から飛ぶれんしゅうをし、お昼ご飯を食べようと道ばたを歩いていると、草むらの中でキラッと光るものを見つけました。

「なんだろう?」

近づいて拾いあげてみると、それは丸くてつるつるしていて、ぴかぴか光る平らな石でした。

「わぁ!まるでお月さまのかけらみたい」

くろすけはうれしくなって、羽の下に大事にしまいました。



 ■ 森の困りごと ■


その日の夜。
森のどうぶつたちが広場に集まって困っていました。

空は雲でいっぱい、お月さまもお星さまも見えず、森はまっくら。

「道が見えなくて、お家にかえれないよ」
「こわくて動けないわ」

ウサギさんもリスさんもシカさんも、みんな泣きそうな顔。

そこへ、ドテドテ歩いてきたくろすけが言いました。

「あのね。この石、つかってみる?」

羽の下からそっととりだすと――
ぴかぁぁーっとかがやきが広がり、あたりがやさしい光に包まれました。

「わあ! まるで小さなお月さまみたい!」
「なにこれ!お星さまのかけら?」

みんなの目がキラキラかがやきました。



 ■ くろすけの大冒険 ■


「これをつかったらお家へかえれるよ!」

くろすけは近くのウサギさんに光る石を渡そうとしました。

「わたしが持っても、みんなをお家にかえせないよ。この光る石をもってだと前に進むことがむずかしいし、時間がかかっちゃう。きみが空からみんなをみちびいて」

「でも・・・ぼく。まだまだうまく飛べないんだ」

くろすけはちいさな声でこたえました。

「そうかな?ぼくたちはみんな、きみがまい日まい日飛ぶれんしゅうをしているのを見ているんだよ」
シカさんがくろすけのきれいな羽をやさしくなでながら言いました。

「すごいな、がんばってるなって、ぼくもまい日見て、ゆうきをもらっていたんだよ。だいじょうぶだよ」
リスさんがくろすけにほほえみかけました。

くろすけはゆっくり目をつぶると、しんこきゅうをしました。そして、
「みんな、ぼくについてきて!」
と、空へまいあがりました。

すると、ふしぎなことに、石のやさしい光がくろすけの羽をふわりと持ち上げました。
気がつけば、くろすけは今まででいちばん高く、力強く飛んでいたのです。

「すごい!くろすけが空を飛んでいる!」
「光の道をつくっているよ!」

どうぶつたちはくろすけのあとをついて歩き、無事に家へかえることができました。



 ■ 森のランプ ■


それからというもの、くろすけは「森のランプ」とよばれるようになりました。
おまつりの日や、森がまっくらになった日には、くろすけが光る石で道をてらすのです。

「ぼくは黒い羽だから、目立たないと思っていたけど、くらいときにこそ、みんなを照らすことができるんだ」

くろすけはうれしくて、羽の下の宝物をぎゅっとにぎりました。

こうして、ちいさなカラスのくろすけは、森でいちばんたよりにされる存在になりました。

めでたし、めでたし。

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