47 / 196
チュート殿下 32 キール爆誕‼
しおりを挟む
スキルく……じゃなかった、キールはやっぱり転生特典なのかすっごく有能!
今まで一人で空回りしていたことがよく分かった。
ただ、いつも近くにいるリフルには絶対気づかれないようにする、という心のストレスは蓄積されるけど、普段ボケーッと過ごすしかなかった時間も有用活用できて、俺が生き延びる確率が随分と上がった気がする。
基本、キールは誰の目にも触れないし、誰の気配察知に引っかかることもない。彼に物理的な壁も一切存在しない。だから、物体の間をすり抜けていくこともお茶の子さいさいだ。
キールの視覚と俺の視覚など感覚器をリンクすることもできるので、今までヒヤヒヤしながら行っていた、情報獲得という名目の隠密行動も態々自分で行う必要もなくなったのである。
俺が自分では気が付くことがなかった、今世の親の真実を知りたくないという深層心理。
全く見たことも会ったこともない王妃はまだしも、自分の一番近くに居て味方であるはずのマーシュに繋がって存在している、王の本当のところは知りたくないという、俺の心の弱さから、近づけなかった王の執務室。
情報を得るための本丸とも言えるそこに躊躇なく潜入し、知らなくてもいいような微細なことまで調べつくしてくれるキール。
キールのレベルは俺のそれと連動しているらしく、実体化して間もない今は、様々な判断を宿り主である俺が判断する必要があるらしく、どのようなことも選択することなく伝えてくる。
俺のレベルが上がれば、キールのレベルも上がるので、情報の取捨選択はできるようになるらしい。前世のAI
に近いものと考えればいいようで、知識はたくさん詰まっているがその応用に経験値がないと使い物にならない、今はまだその状態。
判断するのが俺なので、宝の持ち腐れ感が半端ない。
きっちりと指示をすればそのように返してくれるので、これからの俺の成長に期待だな……。
キールの出現以外、俺の生活そのものに変化というものはほとんどない。
この必要以上に閉ざされ守られた離宮の中で、決まった人以外に会うこともなく、毎日のルーティンを繰り返している。
マーシュは、相変わらず忙しいようで、中枢になるべく近づかないようにしながら、上級貴族の使わないような手口で、十分に王城内を暗躍している。
マーシュの働き方を覗き見る度に、キールはとても感心して、その方法の習得に余念がないようだ。
キールが自身で蓄積した技術に関しては、俺がそのことを出来るか出来ないかは関係ないらしく、嬉々として臨んでいる様子が見て取れる。
リフルは、何もなければ基本俺のそばに控えていて、俺の身の回りのことをしてくれているのであるが、俺が10歳になればどのような精霊契約になろうとも、王族である限り初級学校に進むことは確実であることから、その時の従者としての対応を学ぶため、そばを離れる必要がでてきた。
マーシュは、リフルがそばを離れるときに自分かもしくは他の者をそばに置こうとしたようだが、そもそも人手が余りにも少ないことや、俺自身が拒否したことから、今までよりも随分と一人の時間ができた。
勿論、この離宮から出ないわけだから、全くの一人ではないが、中庭にいるときもリフルのように近くにいるものはいない。
以前は一人で行っていた隠密行動を、キールと二人で行うことで、行動範囲も広がり、尚且つ魔力のコントロールも上達してきたことで疲れることも少なくなった。
聞いた話や目にする書類等々、知らない言葉や事項は隣にいるキールに問えば直ぐにその答えが返ってくる。
記憶力は俺と比べ物にならないくらい凄い瞬間記憶能力を持っている。その場で録音・録画・撮影しているみたいなものだ。
後で気になったことがあっても、きっちりフォローしてもらえることも、この上もなく情報収集には役立つことであった。
今まで一人で空回りしていたことがよく分かった。
ただ、いつも近くにいるリフルには絶対気づかれないようにする、という心のストレスは蓄積されるけど、普段ボケーッと過ごすしかなかった時間も有用活用できて、俺が生き延びる確率が随分と上がった気がする。
基本、キールは誰の目にも触れないし、誰の気配察知に引っかかることもない。彼に物理的な壁も一切存在しない。だから、物体の間をすり抜けていくこともお茶の子さいさいだ。
キールの視覚と俺の視覚など感覚器をリンクすることもできるので、今までヒヤヒヤしながら行っていた、情報獲得という名目の隠密行動も態々自分で行う必要もなくなったのである。
俺が自分では気が付くことがなかった、今世の親の真実を知りたくないという深層心理。
全く見たことも会ったこともない王妃はまだしも、自分の一番近くに居て味方であるはずのマーシュに繋がって存在している、王の本当のところは知りたくないという、俺の心の弱さから、近づけなかった王の執務室。
情報を得るための本丸とも言えるそこに躊躇なく潜入し、知らなくてもいいような微細なことまで調べつくしてくれるキール。
キールのレベルは俺のそれと連動しているらしく、実体化して間もない今は、様々な判断を宿り主である俺が判断する必要があるらしく、どのようなことも選択することなく伝えてくる。
俺のレベルが上がれば、キールのレベルも上がるので、情報の取捨選択はできるようになるらしい。前世のAI
に近いものと考えればいいようで、知識はたくさん詰まっているがその応用に経験値がないと使い物にならない、今はまだその状態。
判断するのが俺なので、宝の持ち腐れ感が半端ない。
きっちりと指示をすればそのように返してくれるので、これからの俺の成長に期待だな……。
キールの出現以外、俺の生活そのものに変化というものはほとんどない。
この必要以上に閉ざされ守られた離宮の中で、決まった人以外に会うこともなく、毎日のルーティンを繰り返している。
マーシュは、相変わらず忙しいようで、中枢になるべく近づかないようにしながら、上級貴族の使わないような手口で、十分に王城内を暗躍している。
マーシュの働き方を覗き見る度に、キールはとても感心して、その方法の習得に余念がないようだ。
キールが自身で蓄積した技術に関しては、俺がそのことを出来るか出来ないかは関係ないらしく、嬉々として臨んでいる様子が見て取れる。
リフルは、何もなければ基本俺のそばに控えていて、俺の身の回りのことをしてくれているのであるが、俺が10歳になればどのような精霊契約になろうとも、王族である限り初級学校に進むことは確実であることから、その時の従者としての対応を学ぶため、そばを離れる必要がでてきた。
マーシュは、リフルがそばを離れるときに自分かもしくは他の者をそばに置こうとしたようだが、そもそも人手が余りにも少ないことや、俺自身が拒否したことから、今までよりも随分と一人の時間ができた。
勿論、この離宮から出ないわけだから、全くの一人ではないが、中庭にいるときもリフルのように近くにいるものはいない。
以前は一人で行っていた隠密行動を、キールと二人で行うことで、行動範囲も広がり、尚且つ魔力のコントロールも上達してきたことで疲れることも少なくなった。
聞いた話や目にする書類等々、知らない言葉や事項は隣にいるキールに問えば直ぐにその答えが返ってくる。
記憶力は俺と比べ物にならないくらい凄い瞬間記憶能力を持っている。その場で録音・録画・撮影しているみたいなものだ。
後で気になったことがあっても、きっちりフォローしてもらえることも、この上もなく情報収集には役立つことであった。
36
あなたにおすすめの小説
転生したら最強種の竜人かよ~目立ちたくないので種族隠して学院へ通います~
ゆる弥
ファンタジー
強さをひた隠しにして学院の入学試験を受けるが、強すぎて隠し通せておらず、逆に目立ってしまう。
コイツは何かがおかしい。
本人は気が付かず隠しているが、周りは気付き始める。
目立ちたくないのに国の最高戦力に祭り上げられてしまう可哀想な男の話。
お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~
志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」
この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。
父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。
ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。
今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。
その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る
マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息
三歳で婚約破棄され
そのショックで前世の記憶が蘇る
前世でも貧乏だったのなんの問題なし
なによりも魔法の世界
ワクワクが止まらない三歳児の
波瀾万丈
転生調理令嬢は諦めることを知らない!
eggy
ファンタジー
リュシドール子爵の長女オリアーヌは七歳のとき事故で両親を失い、自分は片足が不自由になった。
それでも残された生まれたばかりの弟ランベールを、一人で立派に育てよう、と決心する。
子爵家跡継ぎのランベールが成人するまで、親戚から暫定爵位継承の夫婦を領地領主邸に迎えることになった。
最初愛想のよかった夫婦は、次第に家乗っ取りに向けた行動を始める。
八歳でオリアーヌは、『調理』の加護を得る。食材に限り刃物なしで切断ができる。細かい調味料などを離れたところに瞬間移動させられる。その他、調理の腕が向上する能力だ。
それを「貴族に相応しくない」と断じて、子爵はオリアーヌを厨房で働かせることにした。
また夫婦は、自分の息子をランベールと入れ替える画策を始めた。
オリアーヌが十三歳になったとき、子爵は隣領の伯爵に加護の実験台としてランベールを売り渡してしまう。
同時にオリアーヌを子爵家から追放する、と宣言した。
それを機に、オリアーヌは弟を取り戻す旅に出る。まず最初に、隣町まで少なくとも二日以上かかる危険な魔獣の出る街道を、杖つきの徒歩で、武器も護衛もなしに、不眠で、歩ききらなければならない。
弟を取り戻すまで絶対諦めない、ド根性令嬢の冒険が始まる。
転生貴族のスローライフ
マツユキ
ファンタジー
現代の日本で、病気により若くして死んでしまった主人公。気づいたら異世界で貴族の三男として転生していた
しかし、生まれた家は力主義を掲げる辺境伯家。自分の力を上手く使えない主人公は、追放されてしまう事に。しかも、追放先は誰も足を踏み入れようとはしない場所だった
これは、転生者である主人公が最凶の地で、国よりも最強の街を起こす物語である
*基本は1日空けて更新したいと思っています。連日更新をする場合もありますので、よろしくお願いします
【完結】ポーションが不味すぎるので、美味しいポーションを作ったら
七鳳
ファンタジー
※毎日8時と18時に更新中!
※いいねやお気に入り登録して頂けると励みになります!
気付いたら異世界に転生していた主人公。
赤ん坊から15歳まで成長する中で、異世界の常識を学んでいくが、その中で気付いたことがひとつ。
「ポーションが不味すぎる」
必需品だが、みんなが嫌な顔をして買っていく姿を見て、「美味しいポーションを作ったらバカ売れするのでは?」
と考え、試行錯誤をしていく…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる