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チュート殿下 56 大名……じゃなくて王子様行列か!
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第二大隊は王都以外の秩序を守る騎士団で、貴族出身であっても中級以下の出身の者が多く、大半は平民出身の者らしい。
この俺の護衛部隊である近衛の騎士さんは一応は貴族出身らしいけど、今回のこの騒動で移動になってきたようで、マーシュも全く把握していない貴族らしい。
今度の人事は宰相あたりが絡んでいるだろうから、露骨に俺のことを殺そうとしている集団に関係する人物を俺の護衛騎士にするはずがないのだが、マーシュも把握していない人物であるので、警戒する必要があるのだろう。
今のこの彼の態度を見れば、いい人に感じられるけど。
とりあえず、今日の通学から行き帰り、この近衛第三部隊が護衛として就くことになるのは決定。
しかし、事前通知もなしで、所属隊員の身元確認もこちらとしてはまだしていない状態で、もちろん信じられるわけがない。内部から襲撃ではシャレにならないので、こちらからのきちんとした確認が取れるまでは、護衛だけど敵扱いで行きます。
まだ通学する時間までには間があるので、彼には外に居てもらう。名前とかその他はマーシュが聞いておくことにして、制服に着替え時間まで優雅にお茶でも飲むかな。
離宮の正面玄関の車寄せから馬車に乗り込み、後宮の前の主要道路を通って王城の中央近くを抜けて、学校が建ち並ぶ王城の南西地区へ進む。
今までは俺の乗る馬車一両で移動することがほとんどだった。馬車自体目立たない何も修飾のついていない物。性能はいいものだけど。
なのにこれからは、いらない護衛を引き連れたハデハデな馬車で学校まで通わなければならない。
今日は何時ものようにこの馬車だけにマーシュがガチガチに結界を張って出発するようだ。
王城内では速度制限でもあるのか特に馬車の速度は遅い。人の歩く速度よりは確かに早いけど、前世で見ていたマラソンランナーよりは遅いかもしれない。
石畳の道なので、馬の足音もパカパカと高い音で響いている。
外を見るのは禁止。大きくない扉についた窓には内側から薄い鉄でできた鎧戸のようなものが下りている。
馬車中は魔石でできたライトがほんのりと照らしている。
『やっぱ、マジックミラーになるような物作ろうかなぁ……シールのようなもので屈折率を変えればいいんだよね、この窓小さいし。スプリングも付けたいな、この馬車に毎日乗らないといけないんだろう……腰痛くなりそう……』
なんてことをつらつら考えながら、脳内でキールと会話しながら、体感では30分、実際その半分ぐらいで初級学校の門をくぐったようだ。
他の生徒の馬車は、徒歩の者もいるけど、学校の門を抜けると直ぐに右手に回り、校舎の横に作られている車寄せに生徒を下ろして、そのまま校舎の裏に回り入ってきたのとは違う門から校外に出ていくのだそうだ。
俺の馬車は、来賓と同じように校舎正面の車寄せに止まる。
もちろん、直ぐには扉を開けない。俺には外にたくさん人が立っていることが索敵魔法でわかるが、
知らない人物の特定まではできない。何人かは情報収集していた時に一方的に会ったことある人達だけどね。
一応俺の護衛責任者である近衛第三部隊長……長い!とにかくそいつが、外からノックをして外に出る合図をする。
マーシュも仕方なくおれを結界で包んでから馬車の扉を開ける。外の明るさに一瞬目を焼かれる。
マーシュの影がはっきり見えてから、周りの模様もはっきり見えるようになった。
馬車から下りるためのステップの先には真っ直ぐ赤いジュータンがエントランスの中に続いている。
絨毯の両側にはズラリと大人たちが並んでいる。絨毯の上に立ち一番近くに居てこちらを見てにこにこしているのは、今回の騒動で何もしなかったことが功を奏して、校長に横滑りで就くことになった前副校長だ。
マーシュの調べによると、実家の地位の高さから楽なポジションを渡り歩きながら、気の小ささと能力の低さから悪い奴に相手にされず、今回生き残った人らしい。
彼の手を取るのは、もう少し様子を見てからです。とマーシュが言っていた。
こういう風に苦労せず高い地位を得たものは、そのまま何事もなく月日の流れに身を任せ生き残る者と、自分の能力をはき違えて道から転げ落ちる者が居て、この新校長の場合、俺という誰もが欲しがるカードを手に入れたと勘違いしたら、痛い目を見る事になるタイプかもしれないから、特に注意が必要ということだ。
この俺の護衛部隊である近衛の騎士さんは一応は貴族出身らしいけど、今回のこの騒動で移動になってきたようで、マーシュも全く把握していない貴族らしい。
今度の人事は宰相あたりが絡んでいるだろうから、露骨に俺のことを殺そうとしている集団に関係する人物を俺の護衛騎士にするはずがないのだが、マーシュも把握していない人物であるので、警戒する必要があるのだろう。
今のこの彼の態度を見れば、いい人に感じられるけど。
とりあえず、今日の通学から行き帰り、この近衛第三部隊が護衛として就くことになるのは決定。
しかし、事前通知もなしで、所属隊員の身元確認もこちらとしてはまだしていない状態で、もちろん信じられるわけがない。内部から襲撃ではシャレにならないので、こちらからのきちんとした確認が取れるまでは、護衛だけど敵扱いで行きます。
まだ通学する時間までには間があるので、彼には外に居てもらう。名前とかその他はマーシュが聞いておくことにして、制服に着替え時間まで優雅にお茶でも飲むかな。
離宮の正面玄関の車寄せから馬車に乗り込み、後宮の前の主要道路を通って王城の中央近くを抜けて、学校が建ち並ぶ王城の南西地区へ進む。
今までは俺の乗る馬車一両で移動することがほとんどだった。馬車自体目立たない何も修飾のついていない物。性能はいいものだけど。
なのにこれからは、いらない護衛を引き連れたハデハデな馬車で学校まで通わなければならない。
今日は何時ものようにこの馬車だけにマーシュがガチガチに結界を張って出発するようだ。
王城内では速度制限でもあるのか特に馬車の速度は遅い。人の歩く速度よりは確かに早いけど、前世で見ていたマラソンランナーよりは遅いかもしれない。
石畳の道なので、馬の足音もパカパカと高い音で響いている。
外を見るのは禁止。大きくない扉についた窓には内側から薄い鉄でできた鎧戸のようなものが下りている。
馬車中は魔石でできたライトがほんのりと照らしている。
『やっぱ、マジックミラーになるような物作ろうかなぁ……シールのようなもので屈折率を変えればいいんだよね、この窓小さいし。スプリングも付けたいな、この馬車に毎日乗らないといけないんだろう……腰痛くなりそう……』
なんてことをつらつら考えながら、脳内でキールと会話しながら、体感では30分、実際その半分ぐらいで初級学校の門をくぐったようだ。
他の生徒の馬車は、徒歩の者もいるけど、学校の門を抜けると直ぐに右手に回り、校舎の横に作られている車寄せに生徒を下ろして、そのまま校舎の裏に回り入ってきたのとは違う門から校外に出ていくのだそうだ。
俺の馬車は、来賓と同じように校舎正面の車寄せに止まる。
もちろん、直ぐには扉を開けない。俺には外にたくさん人が立っていることが索敵魔法でわかるが、
知らない人物の特定まではできない。何人かは情報収集していた時に一方的に会ったことある人達だけどね。
一応俺の護衛責任者である近衛第三部隊長……長い!とにかくそいつが、外からノックをして外に出る合図をする。
マーシュも仕方なくおれを結界で包んでから馬車の扉を開ける。外の明るさに一瞬目を焼かれる。
マーシュの影がはっきり見えてから、周りの模様もはっきり見えるようになった。
馬車から下りるためのステップの先には真っ直ぐ赤いジュータンがエントランスの中に続いている。
絨毯の両側にはズラリと大人たちが並んでいる。絨毯の上に立ち一番近くに居てこちらを見てにこにこしているのは、今回の騒動で何もしなかったことが功を奏して、校長に横滑りで就くことになった前副校長だ。
マーシュの調べによると、実家の地位の高さから楽なポジションを渡り歩きながら、気の小ささと能力の低さから悪い奴に相手にされず、今回生き残った人らしい。
彼の手を取るのは、もう少し様子を見てからです。とマーシュが言っていた。
こういう風に苦労せず高い地位を得たものは、そのまま何事もなく月日の流れに身を任せ生き残る者と、自分の能力をはき違えて道から転げ落ちる者が居て、この新校長の場合、俺という誰もが欲しがるカードを手に入れたと勘違いしたら、痛い目を見る事になるタイプかもしれないから、特に注意が必要ということだ。
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