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第一章 街を作る前準備編
11 王都のみんなに会いに行こう その① お土産買って会いに行こう
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魔術協会から、30分ほどゆっくり歩き、俺は王都の中央部分へと足を踏み入れた。
王都外周とは違い、石畳が敷かれた道で整備されている。
だからそれまでの、舗装されてはいても剥き出しの地面とは違い、歩くたびに硬い感触が返ってきた。
(しかし毎回思うけど、よく人力だけで、これだけの石畳を敷けたよな)
いま歩いている王都中央は、建物以外の地面は、全て石畳で覆われている。
これは交通の便もあるけれど、清掃対策の目的でもそうなっている。
元々ゆるやかな丘の頂きに王城を作り、そこから放射状に城下町を広げる形で発展してきた中央は、僅かではあるが傾斜がある。
その傾斜と石畳のお蔭で、定期的に降る大雨が来ると、王都に溜まったゴミは雨水で洗い流されるのだ。
お蔭で、街は比較的いつも清潔に保たれ、疫病の発生などが抑えられている。
とはいえ、ゴミが流れてくる王都外周は堪ったものではない。
などと言えないのが、面白い所だ。
王都外周には、隣接する形で幾つか森があるのだが、可能な限りそちらにゴミの混ざった雨水は流れるようになっている。
その流れ込む雨水が、肥料の役割も果たしているのだ。
実際、雨水が流れ込む森と流れて行かない森では、流れ込む森の方が勢いが良い。
(それも今の所、自然に還るゴミしかないからだけど……その辺も考えて、新技術の普及とか考えていかないとなぁ)
つらつら考えながら、石畳を歩いていく。石畳と言っても、実際の所はコンクリではあるが。
もっとも、コンクリと言っても、元居た世界の古代コンクリートぐらいの耐久性のある高品質ではあるけども。
転生前は土建屋だった勇者の一人が、調べてみて驚いていたぐらいだ。
(魔術があるせいで歪になってるだけで、劣ってる訳じゃないんだよな、こっちの世界の技術。単純に、発展せずに遅れてるだけで)
変わらず歩きながら考えていると、前から重いモノが動く音が。
視線を向ければ、巨大な猫。2匹が連れ立って、大きな荷台をひいている。
ミークンという魔獣の一種だ。
魔獣は、魔力に適応した動物の総称なのだけど、それぞれ生態として魔術めいたものを使うことが出来る。
ミークンは、身体強化系の魔術に似たモノが常時使えるため、見た目よりも更に力が強い。
その上、非常に人懐っこく穏やかな性質をしているので、昔から運搬などに使うために飼われている。
(……もふりたい)
横切ったミークンを見て、思わずそんな気に。
いまの2匹は虎縞で似てたので、親子か兄弟かもしれない。
(……いかんいかん。表情、緩んじゃってるな)
割と猫好きなので、知らず知らずそうなっちゃうので、気を付けないと。
軽く、パシパシと頬を叩いて気持ちを入れ替え、先に進む。
王城に近付けば近付くほどに建物は多くなり、賑わいは増していった。
荷物を忙しそうに運ぶ運搬業の人達に、道の端に露店を広げる商人の人たち。
活気のある騒がしさに、傍を通るだけで心が弾んでいく。すると、
「おうっ、ニィさん! 買ってかねぇか! 良いのが安いよ!」
干した果物売りのおいちゃんに呼び止められる。ちょうど良いので、
「なにか良いのある? 子供が喜びそうなの」
お土産代わりに何か買うことにする。おいちゃんは、にっと笑い、
「あるあるっ! べリムの実なんてどうだい! 甘くて美味いよ! うちのガキ共も好きだからな!」
山盛りになったべリムの実を、一つまみ取って俺に渡してくる。
「好いね。俺も好きなんだ、これ」
苺に似たべリムの実は、冬の直前に大量に採れる赤い実なんだけど、これを冬の外に何日も干すと保存食になる。
普通に干しただけだと色が暗いんだけど、これは鮮やかなので、最初に砂糖で煮てから干した物なのだろう。
ひょいっと口の中に入れ、味を楽しむ。
甘酸っぱい味と香りが、噛むほどに広がっていく。
酸味と甘みのバランスがちょうど良くて、ヨーグルトに入れて食べたくなる。
「うん、美味しい」
「はははっ、ニィさん美味そうに食うねぇ。気に入ったんなら買ってくれよ。ちょいと、おまけするからさ」
「ほんとに? ありがとう。だったら大きいヤツで一包み、貰えるかな」
「まいどあり! 一番デカい葉で包むからな!」
嬉しそうにおいちゃんは言うと、商品を包むバロムの葉を1枚手に取る。
バロムの葉は、元居た世界だと笹の葉に形が似た葉っぱなのだけど、大きさはかなり大きい。
長さは腕一本、太さは拳2つ分。それぐらいの大きさは普通だ。
それを器用にくるりと巻いて、品物を入れる袋代わりにこちらの世界では使われたりする。
おいちゃんは、ざらざら豪快にべリムの実を入れると、残った葉でふたをして、シュローという蔦の紐で括って渡してくれる。
「はいよ。王都銀貨2枚ね」
「わっ、ありがとう」
手に重みを感じるほどいっぱいの、べリムの実を渡してくれる。
味と量で考えれば、かなりお得だ。
(リト達、喜んでくれるかな?)
これから会いに行く勇者と一緒に暮らしている子達のことを思い、楽しみになる。
お蔭で足取りが軽くなる。
露店のおいちゃんに礼を一つ言って、足早に歩きだす。
しばらく歩けば、道は幾つかに分かれ、建物が更に増えていく。
この辺りは、店舗で商いをやっている商人の区域だ。
その中で、雑貨類を商っている区画に辿り着き、お目当ての5階建ての建物を目指す。
歩く途中で、知り合いになったこちらの世界の人達に挨拶をしながら、やがてそこに辿り着いた。
【よろず雑貨屋セント堂】
空間神エアの勇者、仙兎有希のお店だ。
俺は、雑貨店になっている一階のドアを開け、中に入る。
するとドアベルの軽やかな音と共に、
「いらっしゃいませ! あっ! ヒイロさま!」
元気で明るい声に迎え入れられた。
王都外周とは違い、石畳が敷かれた道で整備されている。
だからそれまでの、舗装されてはいても剥き出しの地面とは違い、歩くたびに硬い感触が返ってきた。
(しかし毎回思うけど、よく人力だけで、これだけの石畳を敷けたよな)
いま歩いている王都中央は、建物以外の地面は、全て石畳で覆われている。
これは交通の便もあるけれど、清掃対策の目的でもそうなっている。
元々ゆるやかな丘の頂きに王城を作り、そこから放射状に城下町を広げる形で発展してきた中央は、僅かではあるが傾斜がある。
その傾斜と石畳のお蔭で、定期的に降る大雨が来ると、王都に溜まったゴミは雨水で洗い流されるのだ。
お蔭で、街は比較的いつも清潔に保たれ、疫病の発生などが抑えられている。
とはいえ、ゴミが流れてくる王都外周は堪ったものではない。
などと言えないのが、面白い所だ。
王都外周には、隣接する形で幾つか森があるのだが、可能な限りそちらにゴミの混ざった雨水は流れるようになっている。
その流れ込む雨水が、肥料の役割も果たしているのだ。
実際、雨水が流れ込む森と流れて行かない森では、流れ込む森の方が勢いが良い。
(それも今の所、自然に還るゴミしかないからだけど……その辺も考えて、新技術の普及とか考えていかないとなぁ)
つらつら考えながら、石畳を歩いていく。石畳と言っても、実際の所はコンクリではあるが。
もっとも、コンクリと言っても、元居た世界の古代コンクリートぐらいの耐久性のある高品質ではあるけども。
転生前は土建屋だった勇者の一人が、調べてみて驚いていたぐらいだ。
(魔術があるせいで歪になってるだけで、劣ってる訳じゃないんだよな、こっちの世界の技術。単純に、発展せずに遅れてるだけで)
変わらず歩きながら考えていると、前から重いモノが動く音が。
視線を向ければ、巨大な猫。2匹が連れ立って、大きな荷台をひいている。
ミークンという魔獣の一種だ。
魔獣は、魔力に適応した動物の総称なのだけど、それぞれ生態として魔術めいたものを使うことが出来る。
ミークンは、身体強化系の魔術に似たモノが常時使えるため、見た目よりも更に力が強い。
その上、非常に人懐っこく穏やかな性質をしているので、昔から運搬などに使うために飼われている。
(……もふりたい)
横切ったミークンを見て、思わずそんな気に。
いまの2匹は虎縞で似てたので、親子か兄弟かもしれない。
(……いかんいかん。表情、緩んじゃってるな)
割と猫好きなので、知らず知らずそうなっちゃうので、気を付けないと。
軽く、パシパシと頬を叩いて気持ちを入れ替え、先に進む。
王城に近付けば近付くほどに建物は多くなり、賑わいは増していった。
荷物を忙しそうに運ぶ運搬業の人達に、道の端に露店を広げる商人の人たち。
活気のある騒がしさに、傍を通るだけで心が弾んでいく。すると、
「おうっ、ニィさん! 買ってかねぇか! 良いのが安いよ!」
干した果物売りのおいちゃんに呼び止められる。ちょうど良いので、
「なにか良いのある? 子供が喜びそうなの」
お土産代わりに何か買うことにする。おいちゃんは、にっと笑い、
「あるあるっ! べリムの実なんてどうだい! 甘くて美味いよ! うちのガキ共も好きだからな!」
山盛りになったべリムの実を、一つまみ取って俺に渡してくる。
「好いね。俺も好きなんだ、これ」
苺に似たべリムの実は、冬の直前に大量に採れる赤い実なんだけど、これを冬の外に何日も干すと保存食になる。
普通に干しただけだと色が暗いんだけど、これは鮮やかなので、最初に砂糖で煮てから干した物なのだろう。
ひょいっと口の中に入れ、味を楽しむ。
甘酸っぱい味と香りが、噛むほどに広がっていく。
酸味と甘みのバランスがちょうど良くて、ヨーグルトに入れて食べたくなる。
「うん、美味しい」
「はははっ、ニィさん美味そうに食うねぇ。気に入ったんなら買ってくれよ。ちょいと、おまけするからさ」
「ほんとに? ありがとう。だったら大きいヤツで一包み、貰えるかな」
「まいどあり! 一番デカい葉で包むからな!」
嬉しそうにおいちゃんは言うと、商品を包むバロムの葉を1枚手に取る。
バロムの葉は、元居た世界だと笹の葉に形が似た葉っぱなのだけど、大きさはかなり大きい。
長さは腕一本、太さは拳2つ分。それぐらいの大きさは普通だ。
それを器用にくるりと巻いて、品物を入れる袋代わりにこちらの世界では使われたりする。
おいちゃんは、ざらざら豪快にべリムの実を入れると、残った葉でふたをして、シュローという蔦の紐で括って渡してくれる。
「はいよ。王都銀貨2枚ね」
「わっ、ありがとう」
手に重みを感じるほどいっぱいの、べリムの実を渡してくれる。
味と量で考えれば、かなりお得だ。
(リト達、喜んでくれるかな?)
これから会いに行く勇者と一緒に暮らしている子達のことを思い、楽しみになる。
お蔭で足取りが軽くなる。
露店のおいちゃんに礼を一つ言って、足早に歩きだす。
しばらく歩けば、道は幾つかに分かれ、建物が更に増えていく。
この辺りは、店舗で商いをやっている商人の区域だ。
その中で、雑貨類を商っている区画に辿り着き、お目当ての5階建ての建物を目指す。
歩く途中で、知り合いになったこちらの世界の人達に挨拶をしながら、やがてそこに辿り着いた。
【よろず雑貨屋セント堂】
空間神エアの勇者、仙兎有希のお店だ。
俺は、雑貨店になっている一階のドアを開け、中に入る。
するとドアベルの軽やかな音と共に、
「いらっしゃいませ! あっ! ヒイロさま!」
元気で明るい声に迎え入れられた。
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