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第二章 街予定地の問題を解決しよう編
13 ひとまず帰宅したけれど―― その③
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「……お茶にしませんか?」
弱音を吐いた俺に、菊野さんは優しく声を掛けてくれる。
その声に誘われるように視線を向ければ、彼女は優しく笑みを浮かべ提案してくれた。
「ミリィさんに、良い花茶を教えて貰ったんです。何度か試してみましたし、美味しいと思うんですけど……」
「ホントに? うわっ、嬉しいっ。うん、それじゃ一緒にお茶にしようっ」
菊野さんの気遣いが嬉しいので、俺は笑顔で返す。弱音は弱音で、吐き出せる時は吐き出した方が良いけれど、今は飲み込むべきだ。
だって、せっかく菊野さんにお茶を出して貰えるんだから。喜ばないと損ってものだ。
「そうだ。折角だから、お茶菓子も探そう。お茶だけじゃ、勿体ないし」
「でしたら……その、クッキーを焼いておいたので、食べませんか? これも何度か試してるので、味は悪くないと思うんですけど……」
「うんっ、食べる食べるっ」
もちろん俺は、即答で返した。
「どこで、お茶にしようか? 食堂に行く? あそこなら、ゆったりしてるし」
「そうですね……お茶とクッキーは、私の部屋に置いてあるので、取りに行ってきます」
「あ、じゃ、一緒に付いて行くよ。菊野さんの部屋からこっちに戻ってきて、食堂に行くんじゃ、遠回りになっちゃうし」
「え、それは……」
「ここで、待っておいた方が良い?」
「いえ、別にそんなことは……そうですね、ええ。遠回りの2度手間になっちゃいますし、付いて来てくれますか?」
「うんっ。今から楽しみだよ、菊野さんのクッキー」
俺は弾む心のままに、ドアを開ける。
「じゃ、行こうか。菊野さん」
「……はい」
少しだけ、はにかむように頷いて、菊野さんは部屋を出る。
その後について、横に並んで一緒に歩く。
無言のままよりも、お喋りをしながらの方が楽しいので、声を掛ける。
「最近、お茶に凝ってるの?」
「……いえ、その……ミリィさんの淹れられたお茶を皆さんが……陽色さんもですけど、美味しそうに飲まれていたので、私も、そうしてあげたいなというか……」
「ありがとう。きっとみんなも喜ぶよ」
「……ええ、そうだと嬉しいですね」
気のせいか、少しだけ寂しそうな笑みを浮かべて返す菊野さん。
(ん、なんか、言い方が、まずかったかな? 俺)
菊野さんの様子に、気になった俺が何か言うよりも早く、
「愚痴は、言える時に言った方が良いですよ」
菊野さんが、どこか心配するような声で、続けて言った。
「巧くいかない時には、口に出して言った方が、心は軽くなりますから。飲み込んだままだと、自分が苦しいことも、分からなくなっちゃいますから」
「……そうかな? やっぱり」
「はい。私の経験ですけど、そう思います」
重くなく、むしろ平然とした口調で。けれどそれだけに、実感を感じられる声で菊野さんは言った。
「その……さっき、私がお茶をしようと言った時、そうされたような気がしましたから。気を遣って貰えたのは嬉しいですけど、自分のことも、大事にして下さいね。それに、独りじゃないんですから。みんなも、それに私も……居ますから」
「ありがとう……嬉しいよ」
じんわりとした気持ちに浸りながら、俺は菊野さんに返す。
「うんっ、菊野さんの言う通りだよ。貯め込んでると、良くないもんね。だから、菊野さん。お茶をしながらでも良いから、俺の話に付き合ってくれる?」
「ええ、良いですよ」
受け入れてくれるような笑みを浮かべながら、菊野さんは返してくれた。
「愚痴の1つや2つ、幾らでも吐き出して下さい。それぐらい、受け止められますから」
「ありがとう。なら、お願いするね。自分だけで考えるより、誰かと話しながらの方が、良い考えが浮かびそうだし」
「良い考え、ですか?」
「うん。冒険者の人達との関わり方とか、そういったことをね」
「関わり方、ですか?」
「うん。さっき、壮真と話して思ったけど、向こうには向こうの都合があるよねって、改めて思ったんだ。街を魔物から取り戻すことばかりに頭が一杯で、その事が抜けてたなって思って。だから、ある意味、今回のことは運が良かったって思ってるよ」
「運が良い、ですか?」
「うん。冒険者の人達だって、都合が悪い時があるって実感できたから。これが最初からこっちの都合よく始まってたら、自覚なしに冒険者の人達の都合を無視するようになってたかもしれないからね。それじゃ、先が続かなかっただろうから」
「……そうですね。ええ、私もそう思います」
「だから、そういった部分も、これからどうしようかなって考えたいんだ。色々と、愚痴っぽいことも口に出すかもしれないけど、聞いてくれる?」
「はい。元より私は、そのつもりですから」
やさしい笑みで、菊野さんは返してくれた。
嬉しいなって、素直に思う。菊野さんは好い人だなって、心から想う。
「ありがとう。嬉しいよ。俺も聞いて貰うんだから、菊野さんも、なにかあったら言ってね」
菊野さんに何か返したいな、と思って訊くと、
「……それは……」
菊野さんは、何か言いたげに口ごもった後、何かを言おうとし――
「菊野! こんな所に居たのかい!」
2人のお客さんを連れたアルゴスに、口を挟まれる形で声を掛けられた。
弱音を吐いた俺に、菊野さんは優しく声を掛けてくれる。
その声に誘われるように視線を向ければ、彼女は優しく笑みを浮かべ提案してくれた。
「ミリィさんに、良い花茶を教えて貰ったんです。何度か試してみましたし、美味しいと思うんですけど……」
「ホントに? うわっ、嬉しいっ。うん、それじゃ一緒にお茶にしようっ」
菊野さんの気遣いが嬉しいので、俺は笑顔で返す。弱音は弱音で、吐き出せる時は吐き出した方が良いけれど、今は飲み込むべきだ。
だって、せっかく菊野さんにお茶を出して貰えるんだから。喜ばないと損ってものだ。
「そうだ。折角だから、お茶菓子も探そう。お茶だけじゃ、勿体ないし」
「でしたら……その、クッキーを焼いておいたので、食べませんか? これも何度か試してるので、味は悪くないと思うんですけど……」
「うんっ、食べる食べるっ」
もちろん俺は、即答で返した。
「どこで、お茶にしようか? 食堂に行く? あそこなら、ゆったりしてるし」
「そうですね……お茶とクッキーは、私の部屋に置いてあるので、取りに行ってきます」
「あ、じゃ、一緒に付いて行くよ。菊野さんの部屋からこっちに戻ってきて、食堂に行くんじゃ、遠回りになっちゃうし」
「え、それは……」
「ここで、待っておいた方が良い?」
「いえ、別にそんなことは……そうですね、ええ。遠回りの2度手間になっちゃいますし、付いて来てくれますか?」
「うんっ。今から楽しみだよ、菊野さんのクッキー」
俺は弾む心のままに、ドアを開ける。
「じゃ、行こうか。菊野さん」
「……はい」
少しだけ、はにかむように頷いて、菊野さんは部屋を出る。
その後について、横に並んで一緒に歩く。
無言のままよりも、お喋りをしながらの方が楽しいので、声を掛ける。
「最近、お茶に凝ってるの?」
「……いえ、その……ミリィさんの淹れられたお茶を皆さんが……陽色さんもですけど、美味しそうに飲まれていたので、私も、そうしてあげたいなというか……」
「ありがとう。きっとみんなも喜ぶよ」
「……ええ、そうだと嬉しいですね」
気のせいか、少しだけ寂しそうな笑みを浮かべて返す菊野さん。
(ん、なんか、言い方が、まずかったかな? 俺)
菊野さんの様子に、気になった俺が何か言うよりも早く、
「愚痴は、言える時に言った方が良いですよ」
菊野さんが、どこか心配するような声で、続けて言った。
「巧くいかない時には、口に出して言った方が、心は軽くなりますから。飲み込んだままだと、自分が苦しいことも、分からなくなっちゃいますから」
「……そうかな? やっぱり」
「はい。私の経験ですけど、そう思います」
重くなく、むしろ平然とした口調で。けれどそれだけに、実感を感じられる声で菊野さんは言った。
「その……さっき、私がお茶をしようと言った時、そうされたような気がしましたから。気を遣って貰えたのは嬉しいですけど、自分のことも、大事にして下さいね。それに、独りじゃないんですから。みんなも、それに私も……居ますから」
「ありがとう……嬉しいよ」
じんわりとした気持ちに浸りながら、俺は菊野さんに返す。
「うんっ、菊野さんの言う通りだよ。貯め込んでると、良くないもんね。だから、菊野さん。お茶をしながらでも良いから、俺の話に付き合ってくれる?」
「ええ、良いですよ」
受け入れてくれるような笑みを浮かべながら、菊野さんは返してくれた。
「愚痴の1つや2つ、幾らでも吐き出して下さい。それぐらい、受け止められますから」
「ありがとう。なら、お願いするね。自分だけで考えるより、誰かと話しながらの方が、良い考えが浮かびそうだし」
「良い考え、ですか?」
「うん。冒険者の人達との関わり方とか、そういったことをね」
「関わり方、ですか?」
「うん。さっき、壮真と話して思ったけど、向こうには向こうの都合があるよねって、改めて思ったんだ。街を魔物から取り戻すことばかりに頭が一杯で、その事が抜けてたなって思って。だから、ある意味、今回のことは運が良かったって思ってるよ」
「運が良い、ですか?」
「うん。冒険者の人達だって、都合が悪い時があるって実感できたから。これが最初からこっちの都合よく始まってたら、自覚なしに冒険者の人達の都合を無視するようになってたかもしれないからね。それじゃ、先が続かなかっただろうから」
「……そうですね。ええ、私もそう思います」
「だから、そういった部分も、これからどうしようかなって考えたいんだ。色々と、愚痴っぽいことも口に出すかもしれないけど、聞いてくれる?」
「はい。元より私は、そのつもりですから」
やさしい笑みで、菊野さんは返してくれた。
嬉しいなって、素直に思う。菊野さんは好い人だなって、心から想う。
「ありがとう。嬉しいよ。俺も聞いて貰うんだから、菊野さんも、なにかあったら言ってね」
菊野さんに何か返したいな、と思って訊くと、
「……それは……」
菊野さんは、何か言いたげに口ごもった後、何かを言おうとし――
「菊野! こんな所に居たのかい!」
2人のお客さんを連れたアルゴスに、口を挟まれる形で声を掛けられた。
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>hrhrさん
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それでは重ねて、コメントありがとうございました。