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計略陰謀篇
第38話 虚ろなる少年
しおりを挟む暗黒大陸進軍の際 特殊部隊デミナスはそれぞれ個性が強いためそれぞれに適した班へ所属することとなった
前方軍 第1班 シリウスを中心した騎馬隊にリザが加わる
斥候や偵察または戦闘時に1番槍として
前方軍 第2班 ガルベド率いる兵器部隊にステラ
ゴーレムや兵士たちによる突撃と迎撃
中央軍 第1班 リエナとヴァイスハルトと聖騎士団
皇帝がいるため1番 乱戦が予想される班にゼオン
中央軍 第2班 全体の指揮 シルヴィアとイングリットなど指揮系統や伝達を送る兵士たち シルヴィアは指揮官の護衛がメインだが、第1班への合流も許可されている
後方軍 第1班 ミウと魔法部隊とレティシアのゴーレムの守りで遠距離攻撃及び支援魔法による援護を担当
後方軍 第2班 補給と治療 後方指揮の混合班 指揮はフィーネ ヴィヴィアンたち医療班と護衛兵
現状はこの陣形で進軍する予定となっているので 連携やフォーメーションが大切なため
各々が会議や訓練を行い 準備をする
「でも 俺が中央でいいんでしょうか?」
ゼオンは自分の所属する班に疑問を持つ
だって リエナとヴァイスハルトさんがいるんだよ
無敵じゃん!
「ここだけの話 推薦したのは陛下だよ」
ヴァイスハルトさんが小声で言う
「やっぱりかぁー」頭を抱える
「それにデミナスで1番勢いと根性があるのが君だからという意見もある デミナス代表だと思えば 凄いことさ」
ヴァイスハルトさんは励ましてくれる
そうだ!この班が1番狙われる理由はやっぱり総大将がいるからだ リエナが討ち取られたらおしまい・・・
だからこそ 戦力が他より強い
五聖筆頭であり 聖騎士団団長を務めるいわば 現在の勇者最有力候補。そんな凄い人と連携を組むこととなりテンションが上がるゼオン
「まずは何の訓練をしましょう?」元気よく聞いてみる
「実は我々 聖騎士団も戦力拡大のために聖騎士団用のゴーレムや魔法が使える者を配属させているんだが・・・
ゴーレムの操縦者がまだ子供でね 操縦できるから採用してしまったんだけど、聖騎士団の中で最年少なんだ」
「ミウみたいな子なんですか?」質問してみる
「簡単に言ってしまえば、そうだが・・・訳ありな子でね
心を閉ざしてしまっている病なんだ」
「え? 一体なにが?」
「原因は分からないが、上層部から使える者は使え という指示も考えられる・・・かわいそうな子だよ
戦争の道具されるなんて」
「そこで君に彼と触れ合ってほしい! ルピス殿の孤児院で子供たちと過ごす 君ならば少しは心を開いてくれると思ってね」
ヴァイスハルトはゼオンに頼み事をする
「分かりました! その子の相手は任せてください!」
元気よく返事をする
「ありがとう では・・・」
ヴァイスハルトさんは手をあげて ゴーレムに合図する
ドン!ドン!ドン!と近づき ウィーン! ガシャーン!と音を立てて操縦席が開き
トットットッと少年が降りてくる
ゼオンとミウの間くらいの年齢で少し痩せている感じだった
目を見たが、言われた通り 瞳に輝きはなく 生気を感じられない なにかの病ではないかと思う少年だった
「よろしく 俺はゼオン」手を伸ばすが
「・・・・・・・・・」何も言わず ただ手を見つめる
「握手だよ 握手」言ってみるが 反応がない
その後も色々 話しかけたり コミュニケーションを取ろうとするが、まるで人形みたいに黙って反応がない状態が続く・・・
初日は上手くいかず、ゼオンが一方的に話しかけて終わる
次の日 ゴーレムに乗った状態で訓練をしているのを見たが、動きが単調で分かりやすい動作で敵にやられてしまうのではないかと不安になる
「大丈夫かな あの子」心配になるゼオン
その夜 ゼオンはその少年を連れて 下町の教会がある場所へ行く
「おかえりー!」 「うわー!お兄ちゃんだ!」
子供たちは喜び 近づいてくる
「その子 だーれ?」 1人が気づき指さす
みんなも気づき 「だれ?」と声をあげる
「実はみんなとお友達になってほしい子なんだけど」
と説明すると
「いいよ!」とみんな言ってくれる
みんないい子で良かったーと思い
子供たちが少年を囲み 話しかけていた・・・
ルピスさんに事情を話し 魔法でなんとか出来ないかと話すが
「魔法で心を癒すことは出来ないです。
あの子を見ているとまるで感情が始めから無い状態に感じますね」
「始めから無い・・・じゃあこれから感情が出てくるってことですか?」
「恐らくは・・・でも最初に何か感情を動かすものがないと 何か自分に興味あるものを見つけないといけないわね」
子供たちの所に戻ると少年は子供たちに渡された絵本を読んでいた・・・
「おお!」初めて興味を示したのは絵本だった
「読んで! 読んでー!」1人の子供が駄々を言い出す
さすがに止めるべきかと思った・・・次の瞬間
「むかし・・・むかし・・・あるところに・・・」
喋り出した! 口調はゆっくりだが、確かに喋った!
よし! いいぞ!とガッツポーズをしてしまう
「・・・・・・という・・・お話でした・・・めでたし・・・めでたし」
最後まで読み切り 「めでたし!めでたし!」と読んで!と言った子が嬉しそうに笑顔で言う
「絵本読むの上手!」「すごーい!」などみんなに褒められる
「絵本・・・絵本か・・・」ゼオンは興味あるものが絵本だと分かり 考える
ピコーン!! 何かをひらめくゼオン
自分の部屋に戻り 教会に置いていたある一冊の本を手にする
「次はこんな本どうだい?」
ゼオンは少年に本を渡す
題名は『勇者冒険譚』と書かれた ゼオンの心を突き動かした本だった・・・
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