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後日談(王子の元恋人)
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ボクは王子の恋人。
王子が14年来の婚約者に見切りを付けて、ボクを恋人にした。
…だったんだけど、どういう訳か、その元婚約者が大人しい地味男から妖艶奔放男に変わっていて、王子は彼に惚れてしまったらしく、振られた。
「なにこれ馬鹿みたい。」
王子に突き飛ばされて打った頭が痛い。
「……大丈夫ですか?」
「ほっといて!!」
彼は上位貴族であるウチに奉公に来ている、下位貴族の青年だ。
……彼と結ばれる事は無い。
ボクはこんなに彼が好きなのに、駄目なのだ。
だから、どうせならとことん上位貴族と結婚してやろうと思った。
淫売呼ばわりされても、色目を使い、とうとう最高権力の王子を射止めたはずだったのに。
「馬鹿馬鹿!お前なんか嫌いだ!」
ボクは彼に八つ当たりする。
「……もう、男漁りはお止め下さい。今回の事で、良い縁談は望めないでしょう。」
そうなのだ。幸か不幸か、訳ありになったボクは、実は彼に求婚出来るのだ!
でも、こんな調子で、彼がどう思ってるのか分からない。
普段からもう少し、良い子にしとくんだった…。
彼に告白しても、引かれないかな?
「馬鹿!わからずや!」
怖くて素直になれなくて。ああ、こんなんじゃ、嫌われるばっかりだ!!どうしよう…。
涙がにじむ。彼はため息を付いた。
「私にしてはどうですか?」
「え?」
「良くない縁談の中では、私はマシなつもりですが。」
ぶわっと涙が溢れた。
「馬鹿馬鹿!やっぱりわからず屋だ!」
「…すいません、聞かなかった事に……」
「良くない縁談て何?!お前との縁談なら、この世で世界一!王子との婚約なんかより、もっともっと良い縁談なのに!馬鹿!馬鹿!!」
「え…?本当に?」
ボクは彼に抱きついた。
そしてめでたく結婚したのだ!
ボクは持っていた露出の多い服を全て捨てた。
クローゼットは地味で清楚な服だけになった。
いいんだ、好きで着てた訳じゃない。1番の人が手に入ったんだから!
一方で、王子の元婚約者は、あんなに奥ゆかしい人だったのに、今や露出の多い派手な格好で、6人の夫を連れてやって来る。いつもながらあの団体は圧巻だ。
まるで、ボクと彼が入れ替ったみたい。
そして、もう1つ変わった事がある。あれだ。
「ミケル様、皆様、飲み物をお持ちしました。」
「略するな!全員の名前を呼べ!」
「申し訳ありません!」
王子はミケルのストーカーと化し、人望も無かった事から排斥され、ミケル達の下僕になった。
そう、下僕である。
どうやら6人がきっちり調教し、ミケルが仕上げたらしい。今はあの俺様が嘘のような「犬」っぷりだ。
怖いなぁ。ミケル様って、怖い人だったんだなぁ。ボク無事で良かったよ…。
「どうした?何を見てるんだ?」
「ん?何でもないよ。」
とにかく、ボクは平穏に、彼と生きて行きたい!
もう、関わらないからね!
王子が14年来の婚約者に見切りを付けて、ボクを恋人にした。
…だったんだけど、どういう訳か、その元婚約者が大人しい地味男から妖艶奔放男に変わっていて、王子は彼に惚れてしまったらしく、振られた。
「なにこれ馬鹿みたい。」
王子に突き飛ばされて打った頭が痛い。
「……大丈夫ですか?」
「ほっといて!!」
彼は上位貴族であるウチに奉公に来ている、下位貴族の青年だ。
……彼と結ばれる事は無い。
ボクはこんなに彼が好きなのに、駄目なのだ。
だから、どうせならとことん上位貴族と結婚してやろうと思った。
淫売呼ばわりされても、色目を使い、とうとう最高権力の王子を射止めたはずだったのに。
「馬鹿馬鹿!お前なんか嫌いだ!」
ボクは彼に八つ当たりする。
「……もう、男漁りはお止め下さい。今回の事で、良い縁談は望めないでしょう。」
そうなのだ。幸か不幸か、訳ありになったボクは、実は彼に求婚出来るのだ!
でも、こんな調子で、彼がどう思ってるのか分からない。
普段からもう少し、良い子にしとくんだった…。
彼に告白しても、引かれないかな?
「馬鹿!わからずや!」
怖くて素直になれなくて。ああ、こんなんじゃ、嫌われるばっかりだ!!どうしよう…。
涙がにじむ。彼はため息を付いた。
「私にしてはどうですか?」
「え?」
「良くない縁談の中では、私はマシなつもりですが。」
ぶわっと涙が溢れた。
「馬鹿馬鹿!やっぱりわからず屋だ!」
「…すいません、聞かなかった事に……」
「良くない縁談て何?!お前との縁談なら、この世で世界一!王子との婚約なんかより、もっともっと良い縁談なのに!馬鹿!馬鹿!!」
「え…?本当に?」
ボクは彼に抱きついた。
そしてめでたく結婚したのだ!
ボクは持っていた露出の多い服を全て捨てた。
クローゼットは地味で清楚な服だけになった。
いいんだ、好きで着てた訳じゃない。1番の人が手に入ったんだから!
一方で、王子の元婚約者は、あんなに奥ゆかしい人だったのに、今や露出の多い派手な格好で、6人の夫を連れてやって来る。いつもながらあの団体は圧巻だ。
まるで、ボクと彼が入れ替ったみたい。
そして、もう1つ変わった事がある。あれだ。
「ミケル様、皆様、飲み物をお持ちしました。」
「略するな!全員の名前を呼べ!」
「申し訳ありません!」
王子はミケルのストーカーと化し、人望も無かった事から排斥され、ミケル達の下僕になった。
そう、下僕である。
どうやら6人がきっちり調教し、ミケルが仕上げたらしい。今はあの俺様が嘘のような「犬」っぷりだ。
怖いなぁ。ミケル様って、怖い人だったんだなぁ。ボク無事で良かったよ…。
「どうした?何を見てるんだ?」
「ん?何でもないよ。」
とにかく、ボクは平穏に、彼と生きて行きたい!
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