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アルフと仲良く
しおりを挟む「ああ…ヒドイ目にあった…。」
オレは自室に帰っていた。
裸で館の部屋まで戻ることになったよ…。
恥ずい!恥ずすぎる!
「デニス様、湯殿の用意が出来ました。」
樹から落ちた時に汚れたからな。
「そうか、ありがとう!」
オレはアルフの部屋へ向かった。
「うわっ?!何ですか義兄上?!」
「アルフ!一緒に風呂に入ろう!」
「え?」
「裸の付き合いをしよう!仲良くなるのに良いだろ?
ホラホラ!あひるちゃんも付けてやるぞ!」
「ちょっ…ちょっと待…!」
ぐいぐいアルフを引っ張ってお風呂へ入った。
「ははは!ホラ!しゃぼん玉だ!!」
ぷわっと虹色の玉が、
ふわふわとアルフのそばを漂う。
「はぁ…元気ですね…怪我は大丈夫だったんですか?」
「ああ、かすり傷だったよ。」
「あんなに派手に落ちたのに、よくそれで済みましたね。良かったです。」
「心配してくれたのか?!いい子だな!ありがとう!」
「…いいえ。まぁ、馬鹿とナントカは高い所が好きって言いますもんね。」
「バカだな~アルフ!ナントカに言い変える単語を間違ってるぞ!」
「………。」
ゴシゴシゴシゴシゴシ。
体を洗う。そう言えば、清潔な人って好感度が高いんだっけ。
「ホラホラ!アルフ!義兄様はシッカリ綺麗に体を洗うんだ。
清潔感があってイケてるだろ?!」
「エエ…?…ソウデスネ、エライエライ。」(棒)
よしよし、少しは失態を挽回できてるかな?
「アルフも洗ってやろう。おいで!」
「子供じゃないんで、大丈夫です。」
アルフの手の中であひるの口から、ぷぎーっと水が出る。かわいい。
「またまたー遠慮するなよ!」
「…わかりました。ではボクが義兄上の背中を流します。それでいいでしょう?」
アルフがスポンジを手に待ち構える。
「まぁいいか、よろしく頼む!」
アルフの方へ進んだところ、足元に石鹸が転がっていることに気付かなかった。
「わっ?!」 ツルッ!!
オレはアルフの方へ滑った!
「アルフっ!!」
「義兄上?!」
反射的に両手を出して倒れ込む。
丁度腕の間にアルフを抱え込み、そのまま床へ倒れた。
ガタン!カラン!ドシッ!
風呂の床でアルフとオレは、
足を絡めて抱合い、
オレの唇はアルフの頬へ、くっ付いていた。
「何の音ですか!!」
使用人が驚いてドアを開けた。
待って待って待って!!
床で抱合ってる状態で使用人と目が合った!!
「キャーッ!!デニス様がアルフ様を犯ってる?!おやめ下さいませーー?!」
「「ち…!違うっ!!」」慌てるハモるオレ達。
「えっ?!まさかの同意?!駄目でございます!あなた方は義理とはいえ兄弟でいらっしゃいますよ?!ああそれよりも男同士?!?!」
「「だから違うってば!!」」
急いで起き上がる!
アルフは涙目でぷるぷるした。
「この、ばかドジまぬけ義兄貴っ!!!」
そのままアルフは裸で風呂を飛び出した。
今度はアルフが裸で館を走る羽目になった。
ホントごめん…。
ヒソヒソヒソヒソ。
使用人様方、ただの事故だから変な目で見ないで……。
ホントごめんよ、アルフ…。
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